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46番目の密室に続き、推理に必要な情報はすべて探偵役が知ると同時に知ることができるのでいっしょに推理をたのしめる作品だった。
終盤で情報が開示されてからの解決までのスピード感がよかった。
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雪の降り積もる館で起きた、足跡の無い殺人。国名シリーズ第二作。本格ミステリの王道的展開で、謎は全く解けなかった。特に犯行動機の動機の伏線回収に驚いた。
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暑い時に雪のログハウスの話はどうだろう、と再読。
あらかた忘れているので、初読と変りない。印象的な犯人だから、憶えておいてよさそうなものだ。ああ、『Yの悲劇』や『アクロイド殺し』もゼロから再読できたら楽しかろう。この2作品に限らず、トリックを知らされた上で読んだ名作が多い。歴史的名作は一口で意外な犯人が説明できてしまうこともある。
表4惹句に「美人画家姉妹に訪れたおぞましい惨劇」とあるが、本書での美人描写はもっぱらスウェーデン出身の女主人に集中している。
クリスティーの著名な長編について、微妙なネタバレがある。
水汲みパズルの答えは初読の時も解ったように思う。
雪の中の足跡の真相はロジカル極まりない。
犯人に同情の余地があるので、早めに刑期を終えてほしいもの。
宮部みゆきによる解説は火村英生へ宛てた恋文のようだ。
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やっぱり短編よりも長編の方が読み応えがあって好き。
今回はアリスが取材旅行先で遭遇した殺人事件。
もしや安楽椅子探偵みたく、火村先生は出てこないか?と思ったけれど、しっかり登場してくれて嬉しい。
トリックは奇抜すぎたり凝りすぎて複雑なものでは無いので何だか安心する。
だからと言って火村先生より先に解けることは無いけれど。
今回も一つ一つの謎を解き明かしてくれてすっきり。
あと火村先生の発言には色々過去がありそうな雰囲気を漂わせているけれども、それは明らかになる日が来るのかな?
次も楽しみ!
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良い意味で"地味"な、落ち着いた雰囲気のミステリ。まぁもちろんスウェーデン館の住人たちは落ち着いてる暇はないのだが。
折れた煙突に消えた枕カバー、そして雪密室。
トリック、ロジックの双方が楽しめる。
親指の傷とチョコレートの箱の薔薇の飾りについた血痕、この二つから導かれるロジックも見事だし、そしてトリックでは「酔った輝美を背負って離れから戻ってくる」というのは非常に面白い。
強いて言うならば、結局リュウの足跡が偽装に用いられたというのは少しがっかりしないでもないが、
分かりそうで分からないトリックは見事だし、枕カバーや煙突の謎も綺麗に紐解いている。
火村と有栖の掛け合いも相変わらず面白い。
とても質の良い端正な本格ミステリ。
磐梯山の美しい情景が浮かぶ
磐梯山に訪れたことはない。
五色沼も見たことがない。
全く知らない場所なのに今や見てきた様な気になっている。
それくらい情景の描写が美しかった。
登場人物の描写も、もはや「登場人物」ではなく、有栖川有栖の知り合いではないかと思うくらい豊かに生きている。
だから、火村が謎を解き始めた時はすごく辛かった。
解決はしたいけど悲しい結末が待っているのはわかっている、だから知りたくない、と思ってしまった。
トリックは極めてシンプルなのに全く気が付かなかった。
ヒントは全部出ていたというのに。
等々力の出題したパズルと一緒で、シンプルな事こそ見え難い、と言ったところか。
読了後、磐梯山を眺める火村やアリスの心が流れ込んでくるようだった。
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丁寧な描写と徹底した本格ミステリー。
先生の特徴である軽妙洒脱な物語でサクサク読めます。内容は少し悲しい終わりが余韻を残していて大好きな作品です。
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有栖川有栖が小説の題材として泊まったペンションの隣には通称「スウェーデン館」と呼ばれる建物があり、その持ち主である絵本作家と美人な妻、彼らの友人と知り合うが、そこで殺人事件が起きてしまう、という内容。
前半はその場にいるのが有栖川有栖だけなのでかなりもどかしい部分が多かったけど、有栖川有栖というキャラクターを考えるとあれくらいうだうだと考え込んでしまうのも納得、という感じ。後半で火村英生が来た途端の勢いが気持ちよく、一気に読んでしまった。
友人の言葉にすぐ駆けつけてくれる火村先生がいいですね……。殺人事件に巻き込まれた友人の「嫌な予感がする」をここまで信じてくれる人いないんじゃないかな。あと沼を見たいと言った時にアリスに正論で返されて、アリスに雪を落としてごちる火村先生と呆然とするアリスの図が可愛かったです。男友達っていいなぁ。
解説が宮部みゆきさんなのも最高でした!火村先生は動機がはっきりした探偵なのは確かにな、と。だからこそ感情移入して読みやすいのかもですね。リュウの狡さに触れていたのも良かった。私もあの言い方本当に狡いと思います。
前半のもどかしさと読後のスッキリ感で結果的に面白かったと思います。
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雪の積もる場所で起きた殺人事件。
犯人と動機は分かりやすかったけどトリックでこの人には無理だなと決めつけていたから驚いた。
アリスだけでも面白かったけど火村助教授が登場するとぐーんと面白さがアップする。
また二人にはスウェーデン館に行って皆に会ってほしい。
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割と簡単な御涙頂戴に引っかかりがちな私にとっては、本作は苦味のあるミステリとしてお手本になるようなバランス感覚を持った作品だと思う。
寒々とした情景、美しい登場人物、同情を禁じ得ない動機などがトリックと上手く絡められている。僕に任せてと言う男が、女に死体を担がせて雪の中を歩かせるという情景の皮肉さはたまらないものがある。
また火村の内面に迫るような告白や、殺人者のその後に思いを馳せるような描写は、人物が描けていないという誹りを受けがちな新本格の中で果敢に抵抗してやるという作者の意志を感じる。
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国名シリーズ2作め。やっぱミステリは長編のほうが好き。殺人事件、雪の密室の足跡、登場人物の過去に何があったのか…。など起こっていることはそんなに複雑じゃなくて、色んな可能性を推理して、排除して、を繰り返して真実にたどり着いていくさまがまさに推理小説、という感じがした。有栖川有栖の作品は、すごく登場人物に血が通っていて、ガッツリ入り込めるので、読んでいて妙に心に残る。トリックに関してはそんな方法もあるのね、と面白かった。
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第2弾
取材のためにある県のロッジを訪れたアリス。隣家はスウェーデン館と呼ばれる洋館。住んでいるのは児童文学作家。奥さんはスウェーデン人。一人息子を事故で亡くしている。 館には息子の事故の際にも居合わせた客人たち。 もう、事件が起こるしかない状況。 しかし、真相が悲しすぎる。そもそもの発端がもう、理由がバカすぎるけど、そこで絶望したり恐怖を抱えた子供がいたりしたのに。犯人よりも、もっと悪い奴がいることが何よりも悲しい。もっと人を絶望させる。救いは、ちびっ子が呪縛から逃れたこと。火村がすぐに来てくれたこと。
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国名シリーズ2作目であるが、どうも私は逆行しているようだ。しかし、これまで読んできた短編はそれら自体が執筆時期が前後しており、どこから読んでも楽しめる本格ミステリーだと思う。
福島裏磐梯のペンションに有栖川有栖が宿泊、童話作家の乙川リュウの館は別名スウェーデン館と言われている。そこで客人の一人が殺される事件が発生する。
時期はバレンタインデー、冬、そして場所が館なので、足跡トリックか。ペンション、バレンタインとくれば、これまた恋愛絡みか。有栖の心の中が透けて見えるのも珍しい作品である。
因みに火村は前半は登場しない。火村ファンはもどかしさを感じて後半に入り、前半のもどかしさを取り戻せる。
有栖川有栖の作品の楽しみは文章を丁寧に読むことで散りばめられた言葉のひとつひとつに布石が見え隠れするのがわかることだ。これも人気の理由ではないだろうか?作家としての考え方も面白い。
後書きは火村ファンである宮部みゆきが書いている。本人が後書きを書いている作品も比較的多いことや内容も面白いので、これも楽しみのひとつである。書かれていない作品もあると残念だが、宮部みゆきの後書きは、より一層火村に対する見方を深めてくれる。
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国名シリーズは初めて。
非常に分かりやすいストーリーで、また火村登場後は展開も早く、楽しく読むことができた。インパクトのある煙突の使い方はなるほどなあ、という感じ。
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数多いる名探偵の中でも火村先生は私の中ではかなり上位にいる。それくらい人間としての魅力があるように思える。本作のトリックもわかってしまえば単純だが、秀逸なものであると感じた。
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奇を衒っていない感じの安定感。アリスが事件に巻き込まれて序盤も人の良さがわかるし、推理しようとするけどハズレちゃう感じが親近感。火村さん登場のタイミングも飽きさせないし、安心して読めるミステリー。スカッとはしないちょっと切ない結末でした。
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火村英生シリーズは出版社の枠を超えて世界を楽しむことができるのがいいよね。
角川読み終わったけど、また講談社で会える!って。
長編なので読み応えがあるのと、世界観に入り込める。
雪国での事件。
真相は…思いもしなかったけど、想像もできないようなトリックではなくて、本当に王道の推理小説だ!と唸るものだった。(正直ヒモとか使った密室トリックは想像難しい。)ちゃんと理論が通り、読みながら納得でき、なおかつ欺くことが可能なものだった。そして読者にも見破ることができるチャンスが与えられている。
あと、こういう物語の中の食事ってどれも魅力的。
トースト、食べたくなった!あとコーヒー。
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初の国名シリーズ!
この人の描くミステリは、犯人の行動にちゃんと意味があるから良い。クローズドサークル物だと、意味なく参加者を怖がらせるためだとかでいろいろ見立て殺人とか人形が消えたりだとかするけど(そういうのももちろん大好物なんだけど)、今回の煙突の件もだけどしっかり意味があるから好き。
綱木姉妹が阿佐ヶ谷姉妹で想像されちゃって、違和感あった笑
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火村英生シリーズ第五弾
今作、火村先生の登場が結構遅く、こんな残りページで解決するの?!
と若干ドキドキしながら読んだ。
いやぁ…いらぬ心配とは分かっていたけど、火村先生登場からのスピード解決が凄い。
今作にも愛憎が絡んでいるのだけど、単純な恨み辛みよりも愛しているからこその憎しみって本当に怖い…
なんと言うか根が深いと言うか、いつまでも温度を保っているみたいな感じがする。
そして、そこの所を書くのが有栖川先生は上手い。
愛憎ドロドロの描写が上手いと言う訳ではなくて、現実的に共感できてしまうと言う意味で上手い。
そして自分がその立場に立たされた時どうするのか…
と考えさせられる。
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火村シリーズはやっぱり面白い。
地道に論理を組み立てて真相にたどり着く様子は読んでいて楽しい。
消えた凶器、折れた煙突、犯人の足跡の行方。
苦味を伴う結末には、やはりなと思いつつも胸がきゅっとなった。
でも無事解決して良かった!で終わらないところが好きだな。
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作家 有栖川有栖と臨床犯罪学者 火村英生のコンビ、国名シリーズ第2弾。
取材旅行で訪れた雪深い裏磐梯、スウェーデン館と呼ばれるログハウスに招かれた有栖は殺人事件に遭遇する。
前半で美しい雪の裏磐梯の情景やスウェーデンについての文化、知識について述べられているが、事件が起きるまで少し長く感じた。又、火村英生の登場もかなり遅く感じた。
火村先生登場以降は有栖との軽快なやり取りが小気味よく楽しい。
この美しい地で、この事件の背景に一体何があるのか.......。名コンビが送るミステリー。
✩✩✩✩ 4.0
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長編だと、火村先生の冷たさが際立ってしまう気がするな、、、そこが魅力的なところなんだけれども。
火村先生が登場するまでじれったくなってしまった。
雪景色と儚げなハーフの少年と、情景描写がすてきなお話でした。長ったらしく感じるのは有栖の推理場面だけ。どうせお前の推理合ってないぞ!とか思っちゃう読者。ごめん有栖。
中学生のころの初読のイメージが、アリスが女に感情移入してフラフラしてる!!だったんだけど、大人になった今は、こんなのフラフラのうちに入らんな。
わたしの故郷福島が舞台で、
むりやり現地の警察官に福島なまりのセリフを与えてくださっていて、嬉しかった。むりやりだったけど。ありがとうございます。
トリックをまったく思い出せないまま読み直したので、とても楽しく読めました。単純なのに全然わからない、雪の密室トリック。はあ、たのしかった。
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新作の取材旅行で雪国にやってきたアリスは、泊っている宿泊施設【サニーデイ】の主から聞かされた【スウェーデン館】を訪ねた。そこは童話作家の乙川リュウの住まう館で、妻でスウェーデンの血を持つ美しい女性ヴェロニカ、リュウの本の挿絵などを描いている綱木叔美、その妹の輝美、スウェーデン館を建てた建設会社社長の等々力、ヴェロニカの父のハンス、リュウの母の育子が暮らしていた。そこでお茶会に呼ばれたアリスは、ヴェロニカに館を案内してもらった。
夜にリュウはもう一度アリスと話したいとスウェーデンの酒をもって話をしに来た。そのまま夜も更けての退室になったリュウを見送り、眠りについたアリスを起こしたのは宿泊施設のオーナーだった。彼はスウェーデン館で人が殺されたという。そこでは雪の中に残された足跡、折られて雪に埋められた煙突、少し開いていたドア、いくつもの謎をはらんで死んでいたのは昨日のお茶会にいた画家の叔美だった。
これ以上の悪いこと起こらないよう願うように、アリスは友人の火村に電話を掛けていた。
久しぶりの作家アリスシリーズ。国名シリーズの一作。
やわらかで美しい情景描写と、人物たちの(アリスからみた)的確で親愛のある描かれ方。本当に私はこの人の書く文章が好き。
推理の場面、ミステリのこういう場面は胸躍るものなのに、こんなに胸を苦しくさせるなんて。アリスという人を知っていくと、とても苦しいような気持ちになる。
人をこんな風に思いやりながら、火村さんの隣に立ち続けようとする姿が、痛々しかったり、苦しいばかりではなく、人を想うあたたかさが残るから、この人の作品は読みたくなるんだろうな。
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初めての有栖川有栖作品。
内容は王道の本格ミステリといった感じ。
トリックや動機などはシンプルではあるものの、軽妙洒脱な語り口が楽しく、他の作品も読んでみたくなった。
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ぶっちゃけ地味なんだけど、その分正々堂々としたミステリが楽しめました! 作者の作品全般に言えることだが、リーダビリティの高さ故にサクサク読むことが出来た。 犯人は正直なんとなく分かってしまったのだけど、トリックは全然分からなくて、解明シーンでそうだったのかと唸らされた。
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火村・有栖川コンビの国名シリーズ2作目。
取材で訪れたスウェーデン館で殺人事件に巻き込まれた有栖川。応援にやってきた火村と謎に挑む。
再読でしたので、トリックになんとなく覚えが…。
火村・有栖川シリーズは二人の掛け合いが楽しいです。
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最初はダラと話が続くなぁって思ってしまったけど、事件が起きてからの展開が気になりすぎてどんどんページをめくりました!
アリスが頑張ってるのになかなか推理できないのに、そこをズバッと推理してしまう火村先生さすがだなぁ。
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雪の中の別荘で起きる殺人事件。
前半は火村が全く出てこないから、正直冗長に感じる部分もあった。でも火村が出てきてからは一気読み。
有栖川有栖の作品って、極悪人とかサイコパスとかじゃなく、本当に「普通の人」が殺人を犯す。
だからこそ、そのあとの心情とか対応とかが胸に来る。
火村は恐ろしく冷静に真実を追求するから少し恐ろしいとは感じるけど、その分人間味があるアリスがいるから中和されている気がする。
今回とあるあの人の一言がすごく胸に来た。なんて残酷なんだ。
雪の上の足跡のトリックも、なるほどと思った。
ただそのやり方がさぁ……ひええ。
宮部みゆきの解説には笑ってしまった。面白いなあ。
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(長編)国名シリーズ2火村&有栖シリーズ5
フラッシュ・バック
第一章 「童話作家の館なんですよ」
第二章 「それが不可解でして・・・・・・」
第三章 「このパズルは簡単そうで解けない」
第四章 「さぁ、おじさんに話してごらん」
第五章 「早く、救急車を!」
第六章 「あなたが犯人です」
エピローグ
あとがき
解説 宮部みゆき
宮部さんの解説。探偵と作家と小説家の共通点も面白かったけど、火村先生が好きで、ミーハーなところも可愛いすぎる。宮部さんも好きなファンとしては完全に読者目線の解説は嬉しいな。
期待しすぎたかな
評判が良かったので期待しすぎたかも。
他の作品にも言えますが事件が起きるまで長い。
火村先生が来てからはテンポ良かったですが。
そこまで切ない感じもなかったかなぁ。
あと宮部みゆき先生の解説入れて欲しかったです。