【感想・ネタバレ】あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスンのレビュー

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・1回通読。道徳、法、正義、自由、平等、国家、権利。普段は当たり前なもの、常識として捉えている物事について、様々な視点から問いかけを行う。どのテーマもとても興味を惹かれ、一気読みしてしまった
・法哲学に関わる用語や人物についても、わかりやすく丁寧、かつユーモラスに解説してくれるため、入門書としても良いと感じた
・基本的には読者に問いかけを行うスタイルだが、たびたび著者の主張が一方的かつ断定的に述べられる時に少し拒否反応がでてしまう。一方で、漫画やアニメを始めとするフィクションへの造詣の深さに対して親近感を覚える

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2024年03月17日

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もともと法学部で法哲学も少しだけかじったことがあるが、興味が一旦離れていました。ですが、作者の方の切り口が面白く、また改めて法哲学を学んでみたいと思えました。ありがとうございます。

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2022年03月21日

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大学で法哲学などについて考えるサークルに入ったので買いました。入門書としてはこれに尽きる、これで充分だと思います!文章自体もツッコミが入っていたり、難しい言葉が多いと言うわけでもなくわかりやすい上に、見出しで内容を掴みやすく、パラパラと読むのにも適しています。入門書としてはやや細かい知識、議論もあるにはありますがついていくことは容易です。これを読んで、常識を改めて解く、社会に対する眼差しを少し変えるきっかけを作りましょう!

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2021年07月25日

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法哲学は、「行き過ぎた実定法上の運用がされている場合、その現状からどうやって課題を解決すればいいのかをさまざまな角度から検討する」学問だと思いました。
そのため、卒論を書く際や憲法や刑法のリーディングケースを考える際などに多様な視点から応用できる気がしました。

この本は、法律を学ばない人にも面白い視点から社会科学(法学)を俯瞰できる本だと思います。
また、「法律はなぜ守るのか? 」「自分の体はなぜ売れないのか?」「ワクチン接種は誰が優先?」など、言われてみれば疑問に思ったり、答えに困るような疑問を、法哲学の視点から解決に導いてくれる一冊だと思います。おすすめしたくなります。

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2021年05月01日

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法哲学と言うと、とっつきにくそうで、単位取得も躊躇していたが、最近の事例も交えて、面白おかしく書かれており、興味をそそられた。これを機に関連や書籍を読んでみたい。

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2021年04月03日

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タイトル、そして叙述のスタイルもなかなか刺激的な感じですが、内容的には非常に真っ当で、読者に法哲学に興味があるとないとを問わず、取り上げられてる各論点について、深い思索にいざなう好著です。

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2021年02月15日

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常識という池の水、全部抜いてみよう!

普段当たり前に思っている常識、公理を取り去って人間社会を考察する。知的好奇心は大満足、「法哲学」の魅力を十二分に伝える良著。

ただでさえ難しそうな法学と哲学を合わせたような法哲学。
正義や自由、道徳についての考察から、具体例を駆使して法哲学の魅力に迫る。副題にあるとおり楽しい思考レッスン。

例えば功利主義の”最大多数の最大幸福”は諸刃の剣。”社会全体の不利益をを最小限”にする発想から選民思想につながる。

安楽死やLGBTからゴミ屋敷などホットなトピックも豊富。テーマが具体的であり分かりやすい。
法哲学の第一歩として魅力ある一冊。

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2021年01月17日

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法哲学の導入部を扱った広く浅い書のようである。アナーキーでくだけた表現が法哲学という何やらむつかしい分野でも楽しく読ませる。

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2020年12月31日

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「法哲学は、法律に対してその思考を向ける。つまり、人間社会のさまざまなルールの中で、なぜ法律だけが国家権力による強制力を持つことができるのか、そのような法律を成立させ存在させるものは何なのかを問う。また、はたして議会で制定される法律だけが法なのか、制定法を凌ぐより高次の
法があるのではないか、あるいは制定法よりも人間社会の多様な営みの中で自生する法こそ重要なのではないか、などと考えたりもする。古代ギリシアに起源を持ちヨーロッパで発展した、歴史のある学問なのだ」(本書「はじめに」より)

ちなみに、「その思考」とは、同じく「はじめに」に記されているが、「既成の知を疑い、<存在すること>の根拠はなんであるのかを探求し続ける思考」のこと。

そして著者は、法哲学には具体的な法学がよりよく正義を実現できるようにするための指針を示す「天使の顔」と、人間社会の習俗とか常識それ自体を徹底的に疑い、容赦なく批判してゆく「悪魔の顔」の二つの顔があると主張する。

本書では、その二つの主張に基づき各章で「カジノは合法なのに賭け麻雀が違法なのはなぜ?」、「自発的な売春、是か非か」、「自分で飲む酒を自分で造って何が悪い?」等々、言われてみれば何でだろう?と思う様々な問いを多数立て、法哲学の観点から考証している。

なお、それぞれの問いには当然のことながらこれが正解という答えはなく、著者の提示した様々な考え方をもとに読者自身が自分で考えて答えを出す形になっており、良い思考のトレーニングにもなる。

非常に乱暴にまとめてしまえば、本書の言いたいことは、常識を徹底的に疑い、闇の部分は白日の下にさらし、まっさらの頭でそれらにつき考えてみよう!ということだと思う。

ところで「まえがき」によれば、著者はセックス・ピストルズの大ファンとのことなので、ピストルズ好きの私と趣味が合うことも本書に好感を持ったところであります。

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2020年08月13日

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日常の惰性の中で磨耗した脳にヨイ刺激になりました(^^)疑い、思考する訓練と素材をくれたように思います。

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2020年07月10日

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社会の常識や現行法体系の基礎原理などを徹底的に疑い批判する法哲学について軽妙に語る。所々で挟んでくるドライなユーモアも結構好き。アニメやマンガが好きなのが伝わってくる。ロールズやノージック、ドゥオーキン、ロック、ミルなどの、大学時代に取った西洋政治哲学のクラスで出てきた思想が懐かしかった。
法の起源は暴力で正しさは期待できない、法化の問題、法実証主義と自然法論、思考停止した遵法は罪、市民的不服従、功利主義、動物の法的権力、アナーキズムが可能になる要件、厚生の平等でいいのか、愚行権と自由についてなどといったテーマについて論じてて、めちゃくちゃ面白い。

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2020年07月09日

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議論が分かれる出来事や政策、主義主張、日々いろいろとありますが、「法哲学」としてずっと議論されてきたんですね。米国の2大政党も考え方が根本から違うのもそれぞれの法哲学の違い?どの理論も当時の社会的背景の産物。これからも悩み続けるしかない。「安寧と引き換えに、責任を負う苦しみを伴う自由を犠牲にすることがあってはならない」。筆者の最後の言葉、かっこよい。

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2024年03月12日

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青山学院大学法学部の法哲学の授業をベースにした新書本。法哲学なのでもちろん答えは無く、あくまで考える材料や、考える道筋が示されているだけである。
非常に平易な文章で、自虐や具体例を交えながら進んでいくので、法哲学の入門としては分かりやすい。他方で、あっさりと読めてしまうので、あとになにも残らない危険もある。
巻末の読書リストと合わせ、しっかり勉強するならば繰り返し読むべき本であり、繰り返し読みやすい本である。
ドゥオーキンのアファーマティブアクションへの考え方などはちょっと予想外で、そういう意味でも頭の体操にはもってこいであった。

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2024年02月13日

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2回目。また読みたい。定義付けと例と自虐が秀逸。

「安寧と引き換えに、責任を負う苦しみを伴う自由を犠牲にすることは絶対にあってはならない。人間には違和感を抱き、疑い、反抗する能力がある。それを思い起こさせてくれるのが法哲学なのである。」

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2023年09月08日

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⚫︎中身はちょっと難しいが、語り口が軽妙。
⚫︎旬な話題を入れているのでクスリと出来たが、後になっては無理だろうな笑
⚫︎ロールズは久しぶりに聞いた。懐かしい。
⚫︎大学生時代にこんな講義を受けてみたかったなと思わせる、自身の常識を疑うような一冊。

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2023年08月20日

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大学の課題図書として読みました。以下は私のレポートの要約の抜粋です。

法律に対して哲学していくといった本である。その意味としては既成の法律に対して徹底的に疑い、法律が「存在すること」の根拠は何であるかを探究し続ける思考方である。現行法大系の基礎原理やそれを支えている人間社会の習俗とか常識それ自体を徹底的に疑い、容赦なく批判していく。常識の上に展開される法哲学は人間社会の表の面のみであるが、筆者はそれを懐疑的な目で分析し、アンタッチャブルな陰の世界を直視して囚われのない頭脳で考えることが法哲学の真骨頂だと信じている。

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2023年06月09日

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この本の中では、自分が今まで当たり前だと思っていたことに対して疑う視点を持たされた。なぜ?と聞かれても、ウッ…となってしまって答えられなかった。自分はもっと物事に対して疑う視点を持たないといけないと思った。そして、楽だから、なんとなくうまくいってるからといって思考停止してしまわないようにする。

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2021年05月09日

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ネタバレ

私たちが生活している中で、何気ない場面において法律とか、道徳とかを組み込んで深く考えてみると、とても複雑な問題が数多く存在することがわかった。
自由をテーマにした具体例が多く、そのキーワードは、法律の中でも解釈がいくつもの通りでなされてしまう。
ただ単に法律を脳死で守るのではなく、中には道徳的に望ましくないものも存在するので、思考し続けることが大切。

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2021年05月07日

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ネタバレ

法律そのものに、法に従わなければならないとする道徳的義務はなく、罰がその役割を果たしている。福祉国家は、有限のソースを社会的弱者に活用するため、福祉の範囲を選別せざるを得ないが、自由国家は福祉を与えないので、選別が不要。平等を実現するための配分で、不平等を認知させる承認が必要という議論に近いものがある。

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2021年02月07日

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なんだこの屁理屈…と懐疑的に読み進めていくうちに、法哲学にはまってしまった。当たり前、社会の常識、と考えていたことに説明がつかなくなる。特に平等論にはやけに納得してしまった。なんで年上というだけで金持ちの後輩にランチをおごっているんだろう…と日頃思っていたから。世の中にはこんなに人の心理や状態を分解して色々と考えている人がいたんだなぁと知った。でもそれで法律が改正されたりするのだから、とても重要な分野だと思う。

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2021年01月09日

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読みやすい。具体的な話から原理的な思考に入っていくパターンは、哲学の入門書によくあるが、大抵は突っ込み不足になるか、消化不良になるかのどちらかだ。その点、この本は下世話にグイグイと掘り下げていくので、ついていける。著者の講義を受けてみたいなと思う。

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2020年12月08日

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こういう新書を手に取る大学生が数多くいればいいな、と思う。既に教養主義は廃れ、すぐに役に立つと感じられない教養涵養にお金を投ずる学生など珍奇な存在であろう。これくらい噛み砕いて楽しい本でも、ある程度の水準以上の法学部生以外では、進んで読むような学生はほとんどいないと感じている。法学部以外の学生さんに、流し読みしてもらって、面白いな、と感じてもらうことが大事だと思うのだがなあ。そうでなきゃ、政治に興味あります、なんて面接で言ったりしても、付け焼き刃以前で問題にならないよ。ベンサムって誰?って、そこらの大学生にサンプリングして訊いてみれば? たぶん愕然とする結果だろうな。

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2020年07月26日

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著者が「はじめに」で書いている様に、講義のシラバスが元になっているな、と感じた。

法学部の一年生向けの講義の様な内容なので、自分の様な法律のシロウトでも気楽に読み進める事が出来た。

所々に出てくるマンガやアニメのネタが分かる人には、より楽しめる(星プラス0.5位か?)だろうが(講義でも話しているのかも知れないが)、自分には殆ど分からなかった。

「法哲学」という言葉が気になった人にオススメ。

MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店にて購入。

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2020年07月14日

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法哲学って、なんだろう?あまり興味ないのだが、、、、と思っていたのだが、フーコーやデリダが法哲学のセミナーによばれて講演したりしているのがあって、???と思っていた。法が成立するそもそもの根源を批判的に考えるようなのが、法哲学なのかな?

みたいな印象を持っていたところで、「あぶない法哲学」というタイトルになんとなく読んでみる。

著者によると、法哲学には、天使の顔と悪魔の顔があって、天使のほうは、制定法に協力して、それらがよりよく正義を実現するための指針を考えるもので、悪魔のほうは、原稿法体系の起訴自体を疑い、批判していくこととのこと。

なるほど、フーコーやデリダは、こっちの悪魔のほうの法哲学と仲がよかったわけね。

大学の講義をベースとした本で、身近な話題というには著者のややサブカルな好みが強くでた事例というかジョークを交えながら、世の中でおきた奇妙な事件を紹介しながら、法哲学はどう考えるかをわかりやすく説明していく感じ。

語り口は軽い感じではあるが、根源的な問うていて、スリリング。

取り上げられている哲学者は、ロールズ、ノージック、ドゥオーキン、センとか、正義や公正といった概念に取り組んだ比較的、新しい人たち、そして、そうした議論のベースになあるベンサム、ミル、ハイエク、スミスみたいな人々が紹介される。どっちかという英米系の哲学者が多いのかな?ときどき、アーレントやフーコーもでてくるかな?という感じ。

つまり、結構、まっとうな哲学の入門書なんだと思う。

法哲学(悪魔の顔)って、政治哲学とか、道徳哲学とか、とかなり隣接した分野なんだね。だったら、結構、好きな領域かな?

わたしは、哲学は好きだけど、あんまり純粋なやつ(?)形而上学というか、認識論みたいな議論より、現実社会というか、実際の生活にリンクしているようなものが好きだからな〜。

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2020年06月15日

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法哲学の基本的な問題をとりあげ、わかりやすいことばで解説している本です。

著者は「はじめに」で、みずからのスタンスを「悪ガキ風」と述べて、権威や社会常識に盲目的にしたがうのではなく、それらに向けて大胆な疑問を提出することを読者にもすすめています。また「おわりに」でも、「常識という池の水、ぜんぶ抜いてみようぜ!」という呼びかけがなされています。

ただ、「あぶない法哲学」というタイトルから期待したほどには、型破りな内容ではなく、どちらかといえば法哲学の基本的な問題を紹介したオーソドックスな入門書という印象です。やはり「はじめに」のなかで、著者は「法律は所詮、世界を回す諸システムの中の一つでしかないと考えている」と述べていますが、そうした著者自身の立場からの法の位置づけについても、もうすこし踏み込んだ議論を展開してほしかったように思いました。

とはいえ、親しみやすい文章で書かれており、この分野になじみのない読者にも理解しやすいという意味では、すぐれた入門書といってよいのではないかと思います。

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2023年01月06日

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本のカバーにある「社会に飼い慣らされないための“悪魔の法哲学”」とあるので面白そうだと思って買ったのだが、結果的にあまり面白さは感じ取れなかった。
これって、想像以上に「きれいごと」を信用し過ぎていて、「きたないこと」が見えなくなっている、そうと指摘されてもそうと感じられなくなっている⁈
だとしたらエライヤバいことなのではないだろうか。
とりあえず巻末にある『ブリッジブック法哲学』、『問いかける法哲学』という本を読んでみるか。

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2021年05月08日

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社会には一定のルールが必要で、それがなければ社会的な動物である人間は生きていけない。そのための法治国家だけど、そも法律を遵守するのは何故か? ここからスタートする。
当然だけど、実際の社会は法律だけではカバーしきれない。道徳律もあって初めて機能するのだと思う。道徳は共通のリテラシーがある者の中でしか通用しない。でも普遍的な道徳ってのはあるのかね。そこで法律の出番になるわけだけど...。

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2021年02月28日

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法律に規制される世間の常識を疑問に思う姿勢を奨励する本。名前を聞き齧っていただけのロールズやフーコーその他の哲学者たちが論ずるところを簡単に紹介してくれている。(巻末に索引があればなお良し。)お堅い内容だから敷居を低くしようとしているのか、安っぽい自虐ネタで各論を締めくくっているのがザンネン。

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2021年01月14日

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