感情タグBEST3
Posted by ブクログ
短編集で、数時間で丸1冊読める。
読書家にも、そうでない方にもおすすめできる本、久しぶりに出会った。
人って変わる。
昔反りが合わなかったのに、数年後に会ってみると、あれ?ってくらい意気投合したり、
逆に、年齢を重ねるにつれて「この人、こんなだったっけ。なんか合わないな」と感じることも。
自分も変わるし、相手も変わる。
再会することで苦い記憶が、甘酸っぱいものに塗り替わることも、その逆も然り。
人との繋がりや出会いって、フシギで、
奥深そうで、浅そうで。
出会いだけでなく、別れにも、再会にも、
意味があるんだなって。
優しく心を温めてくれる作品!
出会いなおしたくなります。
表題作は題名から転生ものかなと思ったら、ひとつの人生の中で再び出会う話でした。
「出会いなおし」という題名は表題作だけのもので、他の話はそれぞれ別の題名がついていますが、どれも何かしら再会にまつわる話で統一感がありました(「カブとセロリの塩昆布サラダ」は再会の話ではないかな?でも似た感情を呼び起こすから不思議です)。
全部すごく良かったです。この本を読むと、長生きしたくなっちゃいます。取り返しのつかないことなんてほとんどないんじゃないかと前向きな気持ちになり、年を取るのが楽しみになります。森絵都先生のそういうところが本当に大好きです!
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とても良かった!共感するお話もあり全編面白かったです。
特に「むすびめ」が好きでした。
このお話の主人公ほど記憶に残っている特殊な体験や失敗談はあまりないのですが、学生時代を通して1番記憶に残っている部活の顧問の先生(当時)の方が今の私より年下になってしまい、そう言えばと思いだしてノスタルジックな気持ちになっていたところにこのお話を読みました。
その事もあったので先生を含め「あのころはみんなまだ本当にこどもだったんだ⸺。」という1文で感傷に浸ってしまいました。
良くも悪くも「若かった」あの頃は、遠い昔のようで確実に現在に繋がっているんだな。あと奥山くん格好いい。
最近核について敏感になっていることもあり「テールライト」の最後の話も印象に残りました。
前向きになれる話も多く、また読み返したい1冊です。
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小説は他人の人生を疑似体験できるから好き、短編集はもっと気軽に他人の人生を覗き見できる気がして好き。 そもそもほんの一部しか知らないし、常に変化していく自分や相手に、幾度か出会いなおして愛すること。(私も他人も、その人がその人だと言えるのは何に基づいてるんだろう?)
旧友の変わらない部分も変っていく部分も愛しく思ったのを思い出したなぁ。
最も印象深かった話は「テールランプ」のチェルノブイリの話かな。ウクライナでの戦争で今この瞬間も、相手の来世での幸せを心から祈りながら別れを強いられる人がいるんだろう。
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様々な出会いと別れと再会の短編集
タイトルに惹かれて購入するも、暫く手をつけられませんでした。
全6偏のうち幾つとは言いませんが、心が締め付けられました。
望んだ出会い、望まない別れ、意外な再会はどれも意図せず訪れる。
人は一人で生まれ、一人で死ぬのに、なぜこうも出会うのだろう。
出会わなければ別れの苦しみもないのに…
ただし、出会わなければ愛する喜びを味わえない…
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出会いと別れ、再会を描く短編6編。
人は歳を重ね出会いなおすことで自分も相手も新しい一面が見えてくる。
歳を重ねる楽しみ方がひとつ発見できてうれしい。
他とテイストが違うカブの話、尋常でない主人公の心の動き、そして怒涛のレシピ、また読み返そうと思う。
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春、出会いと別れの季節。何度経験しても別れは辛い。心が締め付けられる。他の解決策もない。別れる。それ自体を受け入れ、ぐちゃぐちゃした気持ちを整理する以外、選択肢がないことに、悔しくて苛立ちも覚える。けど、別れるということは再会する可能性もあるわけで。次再会した時が楽しみだなっていう考えを教えてくれる作品
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意外にも表題作以外が好き。
ママ
ムーミンのママに会いたくなるときは、私にもある。
森さんの描写によって、あったような気持ちになれた。
むすびめ
子供だったからこその切ない記憶も雪解けするときがくることも、
そうだよなぁと、心にずっと溶け込む。そんな森さんの小説が好き。
テールライト
想像力をくすぐられる。楽しかった笑
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ええっと、とりあえずまず「テールライト」のオチはどこにあるのでしょうか。意欲作かと思いましたが、ちょっとスッキリしなくてもやもやしています。
が、そのほかの話は本当に素敵でした。「出会いなおし」という表題作のタイトルは本自体のタイトルとしても実に適切で、短編集でありながらテーマが一貫して没入しやすかったです。
作品ごとにまさに人生(牛生?)模様様々で面白いですが、「カブとセロリ~」の語り口が大好きです。ちょっと狂気じみてますけど、それでもほっこりさせられてしまうのは、森先生の作品ならではでしょうね。
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○出会いなおし
「年を重ねるということは、同じ相手に何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる」
良いフレーズだと思った。歳を取っても変わらない、とよく言うが変わらないことはないし、このフレーズが頭にあれば旧友とも新しく出逢う人とも会うのが楽しみになる気がする。
これが1番良いお話だった
○カブとセロリの塩昆布サラダ
主人公のクレーム具合が少しわかる気がした。自分がクレーム客になりたい訳でも返金を受けたいわけでない、ただこのもやもやを解決してほしい…わかる。
〇ママ
「問題の多くは、自分だけの問題にとらわれすぎることから生まれるのよ。本を読めば読んだだけあなたはあなたから解放される」
「ママ」が現れるファンタジーなお話だった
〇むすびめ
良いお話だった。誰にだって思い出したくない過去…周りの人にとっては覚えているかもわからないけど、とにかく自分のせいで周りに迷惑をかけて忘れたくても忘れられない過去があると思うけど、そんな過去を昇華してくれるようなお話だった。
〇テールライト
これは4編のショートからなるお話だけどよくわからなかった。ファンタジー要素もありつつ、どうか …と願わずにはいられない主人公たちの願い。ユリヤのお話はチェルノブイリ原発事故から発想ん得ているのだろうけど悲しいお話だった
〇青空
「朝、目覚めてすぐに思うことはそれほど間違ってない」これにはなんとなく共感するものがあった。
お話自体は死にそうななった人の走馬灯のお話。
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本編も様々な角度から心を揺さぶられたし、解説がまた良かった。「人は自分のことはわからない。そして相手のこともわからない。それでも誰かを愛するし、自分のことも愛することができる。都合がいいようだが、それはこの生を肯定するということでもあろう。」人を愛することを恐れず、人との出会いを大切に生きていこうと思った。
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久しぶりに森絵都さんの作品にやっぱりホッと
します。そうそうその気持ちわかる。
自分の中で整理できなかった、相手の気持ちとか
自分の気持ち。
皆んな知らないうちに道を教えてもらっている事に気づきました。
Posted by ブクログ
不思議な世界観の短編小説。
『テールライト』はちょっぴり怖かったけど、『むすびめ』は好き。
非現実的なストーリーだとしても、その情景を言葉巧みに表現してくれるから目の前で実際に見ているみたいな感覚になった。
中江有里さんの解説もすごいなぁ。どうしたらあんな風に読後感を言葉にできるんだろう。
自分はこうして感想を書こうとしても、全然言葉が見つからない。読んでいる間はいろんな感情になったはずなのに泣。
私も読むだけじゃなくて、色々な感情や景色をきちんと言葉に、文章にできるようになりたい。そんな風に思った作品。(物語の感想じゃないんかい)
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人との出会いが自分にとって、もっと面白く、いろんな意味を持たせてくれるような気がした
楽しみだけでなく、悲しみなどを運んでくることがあったとしても
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▶出会いなおし
人は時の流れと環境によって変わっていくものだと思う。几帳面で「私」の心をほぐしてくれたナリキヨさんが、次に出会ったときは破天荒な感じの服装で忙しすぎる人になっていた。そしてまた時を経て出会ったときには、ご飯を一緒に食べに行きたいなと思うナリキヨさんになっていた。同じ人に何度でも出会いなおせるのは、年を重ねていく楽しみのひとつになるように思った。
▶カブとセロリの塩昆布サラダ
サラダの中のカブにこだわる理由がとてもよくわかる。清美のように私もきっと電話をかけるだろう。でも、丁寧すぎる言葉に負けるかも。マニュアルどおりで相手に隙を与えないようにする丁寧な言葉に。そんな言葉が飛び交う日常だからこそ、カブはカブでなければならないということに納得。
ほかに「ママ」「むすびめ」「テールライト」「青空」の4つの短編。
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6つの短編の中で、印象的だったのが『カブとセロリの塩昆布サラダ』。そういう結末か~。責任者くんの態度はスッとしたけど、「デパ地下とは今日限りで手を切る」と言う清美がなんかね。
あと、『テールランプ』。ロシア、というかチェルノブイリ(今はチョルノービリ)だからウクライナの話よね。なんと!
解説が中江有里さん、っていうのも魅力のひとつ。
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久しぶりに森絵都さんの作品を読みました。
『出会いなおし』『むすびめ』が良かった。
人との出会い…と言葉はよく聞くけれど、
意味のない出会いはないというかすべて偶然が重なって出会えたものであること、もっと大切に自分の人生を生きようと考えさせられました。
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森絵都は長編の方が好き。短編ならショートトリップの方が面白かった。でも出会いをテーマにしたこの短編集にもお気に入りのものがいくつか。
青空とママが特に好きだった。
Posted by ブクログ
この作品においてキーワードである『出会いなおし』は偶発的なものが多かったですが、自分にはまだこのような経験はなく、もっと人生経験豊かな方向けなのかと感じました。
よくも悪くも出会い直したい相手がいるというのは、それだけ充実した過去があるということなのかなと。
ただ当然、出会い直すということは一度必ず別れを経験しないといけないのも悲しい…
出会い直すことで、相手の新たな一面を知る。なるほど。
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人と人との出会いや繋がりを描いた6つの短篇。
『 歳を重ねるということは、同じ相手に何回も出会い直すということ』『会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる』
「再会=出会い直し」「人は何度でも出会い直す」というのは、新たな視点でした。
時を経てまた出会ったときに、変わった自分を魅せることができたら、それもまた、自分との新たな出会いなのだろうと思います。変わらないものを大切にしつつ、日々変わり続ける自分でありたいとも思えました。
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再会を「出会いなおし」と呼ぶと
やり直しができるようなそんな気がする
『むすびめ』よかった
ずっと気になってたりモヤモヤしたりしてることが
考え過ぎだったり勘違いだったり…
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当たり外れが激しい短編集だった。
テールライト。人は死んでいくために日々を重ねている。誰かとその日常が近づいたり重なったりするけど、死ぬ時は1人であるのと同じくらい、生きていくのも1人なのかもしれない。
だからこそ、微かに触れ合う他人との距離が愛おしかったりヒリヒリと痛かったりするのかもしれない。
そんなことを考えた物語だった。
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「むすびめ」
小学6年生のとき、30人31脚を経験した少女がその時の苦い思いを抱えたまま15年後に同窓会でクラスメートと再会する。
鈍足で足手纏いと自覚していた少女を嫌な顔せず優しく助けてくれた少年が本番で転んだ少女を助けてくれなかった。少女のせいでタイムロスしたにも関わらずクラスメートは誰一人少女を責めなかった。
あの時の苦い気持ちと疑念を、大人になってからも挫折を味わうたびに思い出していた少女が15年後の同窓会で伏線回収する話。
子供の頃の経験や思いは意外と大人になってからも残っているもの。
私も小学生の時、塾で自分だけ答えが分からず泣いたことや図画工作で周りを見渡しても作品の完成度が低かったことを大人になってからも時々思い出す。それは劣等感を感じて自己肯定感が下がっている時。
一方で、人より少しだけ優れていたこともあって、書道で賞を受賞したり、体育の授業で側転のお手本をしたり、他人より秀でていると感じることもあった。
少なからず今の自分は過去の自分が作り上げたものであって、今の自分を否定することはこれまでの過程を否定することになる。
劣等感を感じて自分を卑下することもあるけれど、周りは私のことをさほど気にはしていないし、自分の人生は自分が決めることだから、自信を持って生きていきたい、と思った。。
Posted by ブクログ
6篇からなる短編集でした。
最初は何を言いたいのかわからないなと思って読んでいましたが、
・カブとセロリの塩昆布サラダ
・むすびめ
は凄く共感の高いお話で好きになりました。
ただ一瞬の出会いも、小学生時代の出会いも、全てが出会いであり、自身を作る1つなんだなと感じられる作品でした。
他4篇も難しいとこはありましたが、出会いで成り立っている私たちの人生(または魂?)を感じる事はできると思います。
"カラフル"以来の森絵都先生でしたが、相変わらず読み進めやすい文章であっと言う間に読みました。
ちょっとした読書にオススメの1冊です。
Posted by ブクログ
「出会いなおし」って素敵な言葉。 お別れがきたらそれでおしまいではなく、また出会いなおせることもある。 その時にはその人の新たな一面を知れたり、新しい自分にも出会えるのかもしれないと考えると面白い。 そう思うと歳を重ねることも悪くないと思える。