【感想・ネタバレ】異国のおじさんを伴うのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月01日

最後に驚かされたり、納得したり、とても楽しめた短編集。一冊のなかにたくさんの思いがあふれていた。どの短編も面白かった。他の人にも気づいてほしいようなことがたくさん描かれていた。

「藤巻さんの道」「クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の···」「思い出ぴろり」「ラストシーン」「桂川里香子、危機一髪」「...続きを読む母の北上」が特によかった。

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購入済み

どの話も凄く良かった!

2024年01月18日

やっぱり森絵都先生は良いです!どの話も最高でした。
妙に納得してしまったのは「藤巻さんの道」でした。フィクションのキャラクターのダメなところや闇とかは何かとロマンチックですが、現実の人間のそれは全然ロマンじゃなくて正直関わりたくないものばかり。それでも腹をくくって関わっていこうと思えた時、本当の関係...続きを読むが始まるのかなと思いました。
この短編集は順番もとても良くて、最後を「異国のおじさんを伴う」が締めくくったのも凄く良かったです。

#笑える #ハッピー #癒やされる

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Posted by ブクログ 2022年02月12日

良作ばかりがズラリと並んだ短編10編。各編、もう書き出しだけで引き込まれます。クスっと、しんみりと、爽快! 色んなところに連れて行ってもらいました。様々な状況下で至る気づき...。いやぁ相変わらずの筆力に脱帽です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年11月11日

83

不思議なタイトル通り、全部の話に引き込まれた!
最初の話もまさかのオチ~~!
クジラ見の旦那さんの最後の言葉は笑ってしまった。
あと母、北上の長々と話した息子にそこだけは良かったってバッサリ言い切る母が好き。
あと新幹線のやつ笑った~!危機一髪ですね本当に。

引き込まれて、引き込まれて、あ...続きを読むっという間に読み終わった。森絵都さん大好き。

20191111

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Posted by ブクログ 2017年09月08日

森絵都の異国のおじさんを伴うを読みました。
向き合い方によって世界の印象はがらっと変わるというテーマの短編集でした。

「藤巻さんの道」という短編は物語の語り手の僕が有能な同僚の藤巻さんとつきあうという物語でした。
藤巻さんに道の写真だけで編まれた写真集を見せてどの写真が好きか聞いたところ、荒涼とし...続きを読むた道の写真を選んだのでした。
なぜ、藤巻さんは花畑の道の写真ではなく、枯れ草と土が続いている道の写真を選んだのか...
真相があらわになった時に、僕が選んだ行動が印象的です。

一番気に入ったのは「桂川里香子、危機一髪」という短編でした。
お金持ちのじゃじゃ馬娘がそのまま大人になった里香子の、新幹線にまつわる危機一髪の物語が語られます。
世界の認識が変わった時に里香子がとった行動に笑い転げてしまいます。

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Posted by ブクログ 2023年04月18日

森絵都の短編集はを読むのは本作が3冊目だが、個人的には一番のヒット。全ての登場人物が可愛らしく愛おしく感じ、元気が出た。
「藤巻さんの道」「母の北上」が特に気に入った。

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Posted by ブクログ 2023年03月02日

全編視点やストーリーは異なるけれど、どれもクスッとさせられたり、やられた!と思わせられたり、押し付けがましくなく人情味に溢れていたりしていて、どれも楽しめた。
まさかのタイトルの「おじさん」の正体?に驚き。

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Posted by ブクログ 2022年11月09日

短編集は作家の作風や文体を育てる(練習する)場所と以前聞いたことがあるが、とにかく短編がうまい作家も多い。森絵都さんと言えば個人的には『宇宙のみなしご』ご最高傑作だが、こうして短編を綴ってこれからも最高の物語を生み出してほしい。映像化も多いけど、映像化できない程の深淵なる物語をまた望んでいる。

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Posted by ブクログ 2020年12月23日

あなたは、長編と短編のどちらが好きでしょうか?

そうですね。私は長らく短編は苦手でした。せっかく作品の舞台がイメージできて、主人公にも感情移入できたと思ったのに、せっかくいいところだったのに、無情にもプツッと現実世界に引き戻されてしまう、もしくは、また次の短編の新しい舞台をイメージしていかなければ...続きを読むならないなんて…。ああ、短編を読むというのはこんなにあっけないことなのか。そんな風に思ったこともありました。この数ヶ月で300冊以上小説ばかりを読んできた私ですが、そもそも今思い返してみて短編で印象に残っているものを挙げろと言われても戸惑いを隠しきれない現実もあります。『ジャンプできるというか。短編って思いきったことができる』と語る森絵都さん。『長編はストーリーの大きな流れがあって、それを流し続けることが最優先だけど、短編は自由なフォーカスで人物や風景だけを切り取ることもできる』と続ける森さんの言う通り、一冊丸ごとを一つの設定の土台の上に作品世界を構築する必要のある長編と違って、短編は例え無理筋の設定であってもサクサクとまとめてオチをつけてサッサと立ち去るような強気の物語だって構築することができます。そう考えれば考えるほどに、長編と短編は同じ土俵の上で比較するようなものではないのかもしれません。そして、その味わい方も全く異なるのかもしれません。

多くの作家さんは、長編と短編のどちらにもチャレンジされるのが一般的だと思います。作家さんによってどちらにより秀でているかも異なります。長距離種目と短距離種目の両方に秀でることは容易ではないと思います。しかし、小説の世界は異なります。陸士競技とは違ってその両方に高い才能を発揮される方もいらっしゃいます。「カラフル」、「みかづき」と長編の名作を生み出す一方で、短編にも名作が粒揃い。現代日本における短編小説の名手の一人とされる森絵都さん。この作品は、そんな森さんの安定感漂う短編集です。

ということで、10の短編から構成されたこの作品。森さんの短編というと、ふっと肩の力が抜けるようなフワフワした印象の作品が特徴ですが、この作品も身近な舞台から、外国、そしてまさかのファンタジー世界まで多種多様な短編が集まっています。そんな中で特に印象に残ったのが次の二つでした。

まずは〈桂川里香子、危機一髪〉という短編。強烈なそのタイトルからどんな危機が訪れるのかと興味が湧きますが、なんとも痛快な一作でした。『桂川里香子と初対面の挨拶を交わした』のは『京都へ向かう新幹線の中だった』という『私』。『すでに窓側の指定席で日本酒のワンカップをぐいぐいやっていた』という里香子の『ワンカップから目をそらし』、『初めまして、岸田の代理で参りました』と挨拶をする『私』。『社員一同、桂川先生には心より感謝しております』とは言ったものの『なぜ桂川先生と呼ばれているのかすらも知ら』ない『私』。『各界に幅広い人脈を持』っていることから『京都在住の経済コメンテーター』を紹介してもらうのが今回の目的。『話がついたらそこで私を放免してちょうだいね』と言う里香子。『祇園の元芸者たちと湯豆腐同好会を結成してるんだけど、今夜は彼女たちとの大宴会がある』と言われ『真っ昼間からカップ酒を食らい、夜は夜で大宴会』と聞いて呆れる『私』。『アルコールはこのへんにしておくから』と言う里香子は『ある程度、東京駅から離れれば落ちつくの。それまではどうにも素面じゃ落ちつかなくって』と続けます。『乗り物、お得意ではないんですか』と聞く『私』に『新幹線だけ』と語る里香子は『昔、ちょっとしたことがあってね』、『私の思い出話を聞きたい?』と続けます。『出会って三十分足らずの彼女の過去』に『興味を覚えていた』という『私』に過去を語り出した里香子。『今を遡ること五十一年前、桂川里香子は名古屋白壁地区の旧家に生を受けた』と名家のお嬢様として生まれた里香子。『子供のころから本能的に自由を愛してい』たという里香子。そして『三十路にさしかかった里香子を思わぬ波乱が襲った』という試練の時代。『何者にも縛られることなく生きてきた彼女は、ついにあの抗いがたい拘束に身を囚われた』という一大事。それは『大恋愛』というまさかの衝撃。そして『新幹線。そう、もしここで彼らがほかの交通手段を取っていたとしたら、里香子の行方は一変していたに違いない』という里香子に起こったまさかの『危機一髪』が描かれるこの作品。結末のほんの数行が、それまでの里香子に漂っていたモヤモヤとしたイメージを断ち切り、読者の胸をスカッとさせる痛快なオチで締めくくるこの物語は、切れ味鋭い森さんの短編ならではの魅力に満ち溢れていました。

もう一編は表題作の〈異国のおじさんを伴う〉という不思議なタイトルのついた短編です。『根拠なき直感を重く受けとめるきらいがある』という『私』。『わけもなく気になる。大体においてすべてはそこから始まる。とりわけ創作に関しては』という『私』は、例えば『ある日、突然、それまでなにげなく見過ごしていた「やぶさめ」という儀式が気になりだす』という瞬間があり、『理由はわからないが猛烈に気になる』という展開を辿ると説明します。そして『気がつくと「YABUSAME!!」と題する小説を書いていた』という結果がついてきた『私』。そんな『私』の代表作が『ビアード・マン』シリーズでした。『某百貨店で催された世界民芸品展で出会ったある人形のおかげ』と、そのきっかけとなった『ひげ人形』。『顔の下半分をひげで覆われ』、『出来損ないのタワシのようでもあ』るものの『無視しがたい愛嬌を振りまいていた』というその人形。『オーストリアの人形で、森の妖精』という人形を『千円ならばと財布の紐をゆるめ』て買った『私』。『かじかんだ指先でもてあそびながら家路につ』き、『家に着いた頃には早くも頭の中で想像上のビアード・マンが躍動しはじめていた』という展開。そして『この人形との出会いが私の人生を変えたと言っても過言ではない』という結果論。『画家に恵まれ、ツキにも恵まれて多くの読者を得た』その物語。そんな時、『オーストリアの〈ひげ人形愛好会〉なる団体から一通のメールが届』きます。『今年十月二十日に地元リンツで開催するひげ人形愛好会の集いに、ぜひともあなたをご招待したく思っています』というそのメール。悩んだ末に『ひげ人形愛好会のご招待、謹んでお受けしたいと思います』と返信した『私』。そして日本を旅立ち、『目覚めると、異国の朝だった』と、リンツへと赴いた『私』を待ち受けていたのは、想定外に次ぐ想定外のトラブルの数々。そんな中で『私』は『新たな道連れとともに未知なる旅を追ってゆく』という新たな人生の飛躍へと向けた大きな一歩を踏み出していきます。そんなこの作品は、人生の奥深さを感じさせるとともに、主人公の中に湧き上がる清々しい気持ちが風にたなびく鮮やかな結末にすっかり魅せられた傑作でした。

他にも「道のむこう」という”道”がたくさん写った写真集を取り上げ、女性は『私はこの道が一番好き』と『道と自分を重ねる』傾向にあることから、彼女が選んだ『道の写真』にその性格を重ね合わせていく〈藤巻さんの道〉。『葬儀屋のマイクロバスでナンパをする男も男なら、される女も女だ』という起点から『昔から、ときどき見えてしまうんです』というまさかのファンタジー世界が展開する〈ぴろり〉。そして、『二年前に父が逝って以来』、母が一人住まいの家の中で居場所を北へ、北へと移していくという不思議に、息子が『僕が母から逃げてはならないように、母も自分自身から逃げてはならないんだ』と真摯に対峙していく様が、まさかの結末を迎える〈母の北上〉など、短いながらも鮮やかなオチで締めくくる短編ならではの味わいを存分に感じさせていただいた作品でした。

10の短編から構成されたこの作品。そこで展開する物語は、いずれも何かにこだわりを見せる人たちの日常に繰り広げられる些細な出来事に光を当てていくものでした。何のことはない普通の日常のそこかしこに転がっている些細な事ごと。そんな日常を短く切り取って、そこにドラマを描いていく森さん。

長編には長編の良さがあり、短編には短編の良さがある。今回、上下刊にまたがった長編の〈クラスメイツ〉と、この短編集を連続で読んでみて、どちらにもそれぞれの味わいを感じることができました。フルコースを食べて、アラカルトの良さを知る。アラカルトを食べれば、フルコースで食べてみたくもなる。長編と短編とは、そんな風にそれぞれを違う楽しみ方で味わっていくものなのかもしれません。そんなことを感じながら、サクッと楽しませていただいた短編でした。

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Posted by ブクログ 2020年04月14日

日常を描きつつ、ウイットと スコーンと向こう側に突き抜ける結末。
美味しいちっちゃなチョコレートの詰め合わせみたいな1冊。

表題作は、大きなひげ男の人形を抱え、茫然とする主人公の様子が目に浮かぶよう(笑)

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Posted by ブクログ 2016年08月28日

森絵都さんの短編集のあたたかい雰囲気が大好きで、また手に取ってしまいました。母親のお茶目な頑固さ、藤巻さんの艶めかしさ、小池さんの包容力、停電の闇の隙間から見えた人生の機微、ヒヤリと差し込まれるミュンヘンでの喪失感。どれもがリアリティがあり、そして美しく、優しく、時おり哀しい。読んでいる刹那、ぽんと...続きを読むどこかに灯りがともりそうな、そんな1冊です。

好きな作品を1つ挙げるなら、やっぱり伊勢丹かなあ。どこか馬鹿馬鹿しい狂想曲を最後にくるりと転調させる、その鮮やかさに脱帽です。

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Posted by ブクログ 2015年04月30日

森絵都は短編もいいなぁ。一つひとつは短い話なのに、登場人物の心情が凝縮されてる。「ぴろり」が特に好きだった。

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Posted by ブクログ 2015年01月02日

『風に舞いあがるビニールシート』『架空の球を追う』に引き続いての短編集。どの作品もひねりがあって面白いけど、森さんの作品としてはまあ普通かなあ。(もちろん高い水準の中での話です)

個人的にはクリスマスイヴの話が一番好き。割と軽めの話が並ぶ中で「竜宮」はちょっと異色。『情婦』はいつか見てみたい。

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Posted by ブクログ 2016年05月29日

10の短編。藤巻さんの道/夜の空隙を埋める/クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の…/クジラ見/竜宮/思い出ぴろり/ラストシーン/桂川里香子、危機一髪/母の北上/異国のおじさんを伴う。
解説に「人々の心が動いた刹那を丁寧に掬った」短編集とありまが、まさしくです。様々な年代の男女を主人公に、様様な気付...続きを読むきの刹那が描かれます。例えば「藤巻さんの道」。とても魅力的で有能で家庭的に見えた女性が片付けできない人であることを知った男性がとった行動。気付いた直後の動きがハッとさせられるほど鮮やかで、その後の明るさを感じさせる作品が多く、楽しませてもらえました。

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Posted by ブクログ 2014年10月28日

森絵都のショートをいつも完璧なストーリーだと感じます。もうどこも削る個所がないのではないかと感じます。無駄だと思っていた個所も最後の一行で生きてくる。どの話も暖かい思いに浸れます。

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Posted by ブクログ 2014年10月16日

 10編の作品を収録した短編集。

 状況も、登場人物もバラバラの短編ですがそのいずれにも共通しているのは、どこか身近に感じられる登場人物たちの心情や語り口、少しの毒とユーモア、
そして読み終えた後鮮やかに登場人物たちへの思いや、作品からみえる風景が反転することだと思います。

 収録作品は、どれも...続きを読む劇的な場面を描いているというわけではありません。たとえば、

工事による停電に悩まされる二人の女性が文句を言いに夜の街に繰り出す「夜の空隙を埋める」
伊勢丹に訪れた女性を描く「クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の……」
フリーライターの女性の仕事上の一つの後悔を描く「竜宮」
国際線のフライトの着陸間際、最後まで見られなかった映画をめぐって話が展開する「ラストシーン」 
正月に実家に帰ってきた息子と母を描く「母の北上」
女性作家が”ひげ人形愛好会”に出席する表題作「異国のおじさんを伴う」などなど。

 そうした短編たちから感じるのは、文章の上手さや日常を小説に昇華させてしまう、森絵都さんの視点の確かさ、そして、
人の愚かさや愛しさ、心情の変化やドラマが優しい視線で日常から抽出されていることだと思います。

 小説の主流はやはり長編なのですが、こういう短編集ももっと読まれてほしいなあ、と読み終えて思いました。

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Posted by ブクログ 2022年05月15日

10編の短編集、と言うよりショートショート、と言った感じ。初めに解説を読んでしまったせいか、
「ご本人にとっては練習なんだ」と言う読み方をしてしまう。
自分的には、「母の北上」がお気に入り。

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Posted by ブクログ 2020年07月12日

短編集。自分にとって面白いと思った話は半分くらいかな。ラストシーンと表題作がなかなか好みの作品でした。特にラストシーンは、倫理観と実際のルールのどちらを優先すべきかという議論が展開されており、非常に興味深い作品でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年10月13日

2019/10/11
また短編だ。
長編が好きなんだよね。
桂川里香子がいいな、スッキリして。

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Posted by ブクログ 2018年12月13日

今まで読んだ森絵都さんとは雰囲気がガラッと変わったので、最初馴染めないかなぁと思った。けど、読み進めるにつれて、ちょっと変わってるんだけど、所謂何気ない日常を描いていて、ほっこりする作品集だったな。

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Posted by ブクログ 2018年01月14日

文庫にて再読。装丁はハードカバーの方が好き。
旅に出ながら読みたくなる一冊。誰しも時間を、土地を、たゆたいながら生きている。靴を買う話がとくにすきだ。

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Posted by ブクログ 2017年04月09日

へんてこりんな話が多いけど。
でもまあいっか。
それぞれの人のちっぽけな毎日にもストーリーがありドラマがある。
そういうことが伝えたいのかな。
生きてるのって悪くないよね、みたいな。

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Posted by ブクログ 2015年06月21日

読み初めはなんだか、このストーリー展開になれないせいか、たいしたことないなあ、としか思えませんでしたが、3編を過ぎたころから、面白く読めました。一冊読み終わった後、あまり面白いと思えなかったものを読み返したら、うん、面白い。
つまりは、この雰囲気になれるかどうかなんだろうな、と思いました。
帯にネコ...続きを読むのマスコットが本を読んでいるカットがあり、「ひげ人形愛好会から招待状が!?」と大きく書いてあったので、ひげ人形って猫のマスコット人形かと思いました。
ひょっとしたら、短編小説の典型、と言えるのかもしれません。

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Posted by ブクログ 2014年11月22日

森絵都さん本人が短篇がうまくなりたいと思い、10年は続ける試みで現在も継続している作品集。
ブラックユーモアと人の持つ温かさが同居する、作者らしい一面がうかがえる物語10篇である。
お気に入りは「ラストシーン」。男の人生がラストの台詞に集約されて深い余韻を残す。私の最近好きな言葉が、イマジカbsの広...続きを読む告コピー「映画は人生でできている。人生も、時々映画でできている。」だが、そうだよなあ…。

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Posted by ブクログ 2014年10月20日

この本、「架空の球を追う」からの続き物だったのね。
前作は全般的に薄味と評して★★しかつけなかったのだけれど、買ってからそれに気がついた。
私、この作家を別に嫌いでないし、「カラフル」や「DIVE!!」なんかは良かったと思っているのだけど、これらの短編集にはいまいちピンと来ないですね。
今回も強いて...続きを読むあげれば、暗闇の中でそこだけ白々と照らされたサーチライトの下で黙々とスコップを振るう若者の姿が目に浮かぶ「夜の空隙を埋める」くらいかなぁ。
解説の中で、「クジラ見」の主人公の男について『文句たれの鼻持ならない男という印象を持つが…愛らしい存在に思えてくる』とあったけど、男の私からすれば、彼は女の気まぐれに付き合わされる、端から可哀想な男にしか思えず、そういう捉え方ではこの作品は面白くないんだな、きっと。
この辺が、この作品に対して、クスリとなったりハッとなったりすることが出来る分かれ目なのかなと思った。

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