感情タグBEST3
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迂回したら満月
沢山の自由律俳句の中で一番好きだったこの一句。いつもと違う道に訪れる素敵な出会い。二人が見ている風景、歩んで来た人生の一部分を切り取って、少しだけ見せて貰った様な感覚。コミカルに、でも情緒的に。読んでいる間に流れる時間がとても温かかった。
個人的に綾部さんがNYへ行く決意を、又吉さんに表明するエピソードがとても好きでした。二人の遣り取りが自動的に脳内再生されて、その様子が凄く微笑ましくて。「ええんちゃう」なんとなくなんの関心も無さそうに聞こえるこの一言が、又吉さんのあの声音が乗っかると、それだけで重みが出るような気がした。口数はまるで少ないけど、相方への愛が真っ直ぐに伝わる様な。そんな感覚。ピース、やっぱり好きだな。
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せきしろさんと又吉さんの共著。
自由律俳句の合間に2ページの短い随筆が、そしてどこかで見たことありそうな普遍的な写真が挟まる。
随筆は日常にある些細ながらも人生のうち3回くらいしか起こらなそうな出来事を拾い上げているのがとてもいい。
わたしは小さいが「あるな」という事象をきちんと言語化できる人への憧れがある。
せきしろさんの「町の変わったおじさんを認知しているつもりが自分もおじさんから認知されていた」という話、何気ないんだけど何気なく考え方を変えられそうだ…。
第三者視点の観察者だと思ってたのにいきなり一対一の関係に持ち込まれる恥ずかしさ、あるよね。
最後にあとがきの類がないのが良かった。我に返らないというか。ポエティックな本においてのあとがきって「ま、こんなんもやってますけどね…」といった釈明のようなものになりがちなイメージがあるので、そこから降りずに「ハイ!では!」という終わり方、潔い。
又吉「カツ丼食える程度の憂鬱」「黒いところは海だよ」「一貫だった」
せきしろ「茶髪の夫婦が大笑いしている」「魚のここは大人が食べるところ」
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ダヴィンチか何かの雑誌で紹介されていて買ったエッセイ
又吉さんとせきしろさんのエッセイ
面白い文章がいっぱいだった
「文庫本で席を取られていた」や「ラを唄う人だった」などなど
時々写真も載っていたけど、どの写真も僕には寂しく怖く感じた。だからあまり見ることができなかった。
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シリーズの中で一番好きかも。
ちょっとした小石につまずいて、そのことをいつまでも忘れない、かといって恨んだりもしない、ちょうどよい根の持ち方だと思った。
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せきしろさんの「もう一度数を数える」と
又吉の「「カウンターにしてください」と怒られた」
が特に好きだった。
又吉のたまにくる関西弁のツッコミがおもしろい。ツッコミがおもしろい人はボケもおもしろい。
このシリーズは全て購入してるし、このシリーズのお陰でせきしろさんのことをすごく好きになった。いい出会いだなぁ。
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青春、懐かしい風景が思い出される。
くだらなくもシュールであり、感動もある自由律俳句集
「お通しがえびあげせんべいだった」が結構好き。
あなたにとってのただのお通しは、誰かにとっての修練の蓄積かもしれませんよ。それでも私を残しますか?
作った側のことも考えられる感性が素晴らしい。気にしすぎだろうとも思うが。
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文筆家のせきしろさんと
芸人で芥川賞作家の又吉直樹さんによる
エッセイ&自由律俳句の本。
自意識過剰なおふたりの爆笑エッセイには大笑いして楽しめた。
せきしろさんのお父さんとの思い出話はうるっとしたり。自意識過剰話はまるで、自分の事かと思わせるテクニックは太宰作品を思い出させるようだった。
又吉さんの自意識過剰はせきしろさんと違って、独特の又吉ワールドが広がっている。
若かりし頃の平成ノブシコブシの吉村さんとのエピソードもあり。
自由律俳句ゾーンはパラパラと何も考えずに読めて、くすっと笑える。
私のベスト・オブ・自由律俳句は、又吉さんの
【手拍子されると狂う】
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せきしろと又吉直樹の自由律俳句とエッセイ集。
切なさと哀愁が漂う自由律俳句は秀逸だった。シリーズ3部目てあるがどんどん面白くなっていく。
2人の日常を切り取る独特の感性は読者に癒しを与えるだろう。
ページ数の割には一句に1ページを割いている為すぐに読めてしまう。差し写真もなかなか風情があり良かった。
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このシリーズ、ほんと好き。
面白いだけじゃない、切なさとか儚さとか懐かしさとか、たくさんある。
俳句から広がる想像に耽るのがいい。あまり忙しくないときに読みたい本だ。
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あまりのワードセンスに「天才か?」と度々思ってしまう。素晴らしい...好き...
書店に2作目のジープの方が無かったので先にこちらを読んだが、とにかく、心にぎゅっ!と来る、刺さる。
あるあるネタはもちろん、又吉さんせきしろさんの独特な視点が面白くて、素敵だなぁと思う。
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鬼才と奇才。どっちがどっち(笑)
自由律俳句とともに、散文(エッセイ)、写真が絶妙なバランスのお得本。
又吉氏の少し歪んだところもいいけれど、せきしろ氏の少年のようなピュアなもの言いに惹かれる・・・
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前作より又吉氏の自由律俳句をタイトルにしたエッセーの深みが増してて、対するのがせきしろ氏では荷が重くなってる印象を受けた。
双方、自意識の拗らせというのが出発点なのだろうが、それくらい、又吉氏の作品が遠くに来てて印象的。
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ますます又吉が好きになる。
道を歩いていても頭ん中でいろんなこと考えているんだ。
もしここでこんなことが起きたらとか、あんなことあったよなとか。
私なんてボーっ生きてるな、チコちゃんに叱られちゃうね。
せきしろ氏も又吉直樹に負けないくらいナイーブというか、繊細な人なんだなとわかる。
これ読むと自由律俳句、作ってみたくなる。
あとモノクロの写真もいい。
なんてことない街の、あるいは公園の、自転車置場の写真なんだけど光と陰が(陰影)が胸がきゅんとなる。
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ちょっとズレたこと書くけど又吉くんが好き。サッカーできて、頭良くて、ファッションにも明るくて、おもしろいって、最強じゃないですか。
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AIR-G(FM)の番組で紹介されてて、
聴きながらニヤついちゃうおもしろさがあった、せきしろさんとの共著です。
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タイトルからして、切なさ炸裂。
センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集。ところどころに入る、散文も読みごたえありました。
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○賞味期限切れの一味ならある
○靴を入れてた箱と暮らす
○一人足りないが出発することに決まった
○ホチキスでとめられるかの賭け
○翻訳したみたいな謝罪文だ
○本を忘れて浴槽で迷う
○そうだふりかけがある
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自由律俳句おもしろい。奥が深い。
字数には制限がないけど研ぎ澄まされた文字数で背景がどんどん広がる。
「カキフライが無いなら来なかった」「まさかジープで来るとは」も読みたい。
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せきしろさんと又吉直樹さんの自由律俳句集3作目。
* * * * *
『カキフライがないなら来なかった』が気に入ったこともあり、続けて読んでみました。
前作よりかなりの歳月が経っているためか、句の趣が少し変わったように思います。そこまで削ぎ落としてしまうのかと感心するほど、句がシンプルになっているような印象を受けました。(個人的には前作の多少ウエットな空気をまとった方が好みなのですが。)
ともあれ今作も楽しめたので、個人的に印象に残った句を書き留めておくことにします。
○せきしろさん
・ わざとだと知っているがもちろん言わない
・ 悪い人ではないと言われている人が来た
・ 絵を描こうと思っているんだとずっと言ってる
・ 誰もいない時計店で動いている針
※「鎌を持ったまま道を教えてくれる」は一茶の「大根引き大根で道を教へけり」のオマージュだろうか。
○又吉さん
・ 赤飯から払った虫が煮物にいる
・ 第一走者の親が謝っている
・ 人がいるコインランドリーを避ける
・ この話し方の店員からは買わない
・ 写真に写らない月を仰ぐ
・ 良い靴がないから家にいる
・ 近所まで蹴り育てた石を諦める
気に入った俳文についても、取り上げた句のみを書き留めておきます。
○せきしろさん
・ ますのすししかない
・ 鮮魚売り場で鋭い目つきをする
○又吉さん
・ そこからだと月は見えない
・ 実家が外ぐらい寒い
今回は、又吉さんのシャイところがわかる句が、自分としては好もしく感じました。
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あるある! と共感したり笑ったりするだけでなく、なにかひとりじゃないような、あたたかくもないけど寒くも無いような、何かが残る好きなシリーズ。
せきしろさんの句は基本的に自意識が強く、少し冷めていて、なんだか寂しい。物悲しい。観点が絶妙で、共感するのに既視感でうんざりしたりはしないラインをうまくついているし、他の人にありそうで無い行動原理、しかも揺るがないやつを持っているように感じる。
ただ、同じ言い回しが多くて、言葉選びのフィルターをもう1、2枚通して欲しいなという感じはある。文章でも過度な説明や同じ話の繰り返しが多くて、割と飛ばし読みしてしまった。
友人のビデオテープの話、教員の父に大人になってから褒められた話、先生のプライベートを知っている話、変なおじさんの話、後輩の話、これらは味わい深かった。
又吉さんの句は、物悲しくもどこか笑える気配を帯びている。というか、お笑いを愛する人として、物事を笑いに昇華する姿勢が見える。それと基本的にやさしい。
句もいいが、文章のほうが魅力がより発揮されている気がする。時々入るツッコミがとても面白い。事件とは一切関係ないやつがイキり出す妄想の話、「又吉さんの髪型はラーメンみたいだった」の中国ネットニュースの話は声を出して笑った。エッセイ集をもっと出して欲しいな。
又吉さんが綾部さんとコンビを組んでいるのはいつ見ても不思議で面白いが、お互いに無いものを見出し認め合い、深いような浅いような関係で、とても好いなと思っている。「草野球なのにドラフトを真剣に待つような意識は綾部の美点だと思う」という文には特に顕著に表れていた。
〈好きだった句をいくつか選抜〉
せきしろ
- 夏の午前の本屋にいたい
- ベランダから神輿を見下ろす寝起き
- ドッキリでしたと来ない
- 子供が追いかけるから鳩がこっちに来る
- そうだふりかけがある
- 次に泣くのはいつだ
又吉
- この海で自分だけ靴下をはいている
- 美術館を出た後の空が一番青かった
- 親の傘の重たさ
- ゴールした人を旗まで連れていく係
- 携帯に保存した詩だけが光る部屋
- もはや犬ではない