【感想・ネタバレ】書きあぐねている人のための小説入門のレビュー

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Posted by ブクログ

書くためにどこに意識を向けなければならないか、どこを考えなければならないか、どこを考え抜かなければならないか、がわかり、そこを乗り越えられれば、あとは書くだけ、なんだなということがわかった。

あと、書けない時の多くの言い訳をことごとく潰されてしまった感じで、立つ瀬がないというか、退路は断たれてしまったので、書くことに向かうか、書くことを諦めるか、その二択の極めてシンプルな事になってしまった。個人的には。

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2023年01月13日

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久々に、最初から最後まで苦痛なく読めた一冊。
どちらかというとストーリーに重きを置いて小説を読み書きしてしまう身としては、ストーリーにおいて同様のことをすれば、それもきちんと小説では?と思わなくもない。
他人であるからにして当然に考え方の相違はあるもので、でもそれをおいても、納得してしまう小説感だった。

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2022年11月22日

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久しぶりに保坂和志を読んでやはり著者の小説観は素晴らしいと実感。小説を読むとは読んでいる体験のことであって、ああこういうタイプの小説ねとか、期待した感情(感動とか、怒りとか、)を得るために読むものではないということ。

小説家とは小説やフィクションというコードがあってそれに沿って書く人のことではない。だから例えば著者の小説で描かれる猫は単に猫であり、何かを象徴・表象するために書かれているわけではない。また大人の男女が2人いたらそこにセックスが描かれないと小説っぽくないというのもコードだ。さらに単に会話文を続ければ小説になるものでもない。これは著者が引用するトルストイのアンナ・カレーリナの文章を読むと単純な日常の会話が臨場感をもって浮かび上がるように描かれているところなど、ああ小説によってもたらされる体験とはこういうものだよな、と思わずにはいられない。

本書内で著者が何度か書くようにいわゆる上手い文章は小説らしいのだけれど、それはあくまでも小説のコードに従って書いているだけで、小説を読むという行為の結果として読者の価値観に変更はもたらせられないだろう。そのような小説からいかに脱却するか、それが現代において小説家になるということなのではないか。

まあ、そうではない小説観を持つ人がいることは否定はしないけれど、私は著者の小説観を支持したいと思う。

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2022年05月15日

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軽い気持ちで読みはじめたら、「自分の小説とはなにか」考え続ける、とめちゃめちゃ難しいことが書いてあった。むずかしく書かれているわけではないけど、読むのにすごく時間がかかった…
何かを書きたいと思っている人はすごく勇気づけられる本だと思う。

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2022年05月14日

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フォロワーさんが読まれていたので気になって読んでみました。よくある小説の書き方のハウツー本とはほぼ真逆のことが書かれており、目から鱗が落ちまくりました。本書を読むと私が書いてるのは単なる「小説もどき」「小説が書けてるつもり」でしかないのだと痛感。小説を書くことはどういうことなのかを考えさせられました。「感傷的な小説は罪悪」でありそれらがベストセラーになる理由は「読者が成熟していないからだ」との指摘には深く同意。

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2022年04月08日

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めちゃくちゃためになる、ここに書かれている具体的な手法なんかは保坂和志のやり方だからこちらがそれを真似る必要もないというかこんなもの真似ようもないのだが、もっと根本の部分の思想というのがとにかくおおいに頭脳を刺激してくる。自分がよく考えていた小説の生なましさみたいなものがどんどん言語化されてゆくような感じがあった。

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2021年09月25日

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小説家を目指していなくてもおすすめできる本。

長年自分が考えていたこと、感じていたことをうまく言語化してくれた本。
自分が少なくともまちがってはいなかったんだとすこしだけ肯定できた本。

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2016年10月31日

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ありきたりのテクニックやストーリ展開しか書かれていないハウツー本にはない、本当に自分が書きたい小説を書くために必要なことをたくさん教えてくれる本だと思った。「小説をめぐって」三部作の助走としてもよし。

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2015年10月18日

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書きあぐねているわけでもなく、そもそも小説を書く予定もないが、面白く読めた。小説入門、というより、小説論。

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2014年03月13日

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いままで読んだ小説の書き方の本で、
これが最も、ためになる本です。

実際のところ、小説をもう何十と書いている人
でないと、体感できない部分が多い。

タイトルから受ける印象よりは、
上級者向けです。

でも、食いついて読み切った人は、
書けるようになる確率は高いと思いました。

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2010年09月14日

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けっこうズバッとやりがちなことを否定してくれてて面白かった。
まだ著作を読んだことないんで、読んだ上で創作ノートも読みたい。

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2023年05月07日

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読んですぐはよくわからなかったけど岩波新書の文学入門を読むとかなり繋がった。

これまでなにも考えずに小説を読んでいた自分からすると、人物だとか場面だとかの諸要素の役割だとかに意識を向けること自体が新鮮だった。

読んでよかった

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2021年11月30日

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芥川スタイルの「筋のない小説」を志向する人にとっては考え方を後押しされる内容だと思います。例文として小説作品の一部抜粋が連続する部分を読んで、抜粋部の前に何が書かれていたかを知らずに抜粋部分を読むことのしんどさに気づきました。SNS等で自説の補強のために誰かの説を援用する場合に気をつけたほうがよいな、と勉強になりました。

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2019年10月24日

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10年くらい前に読んだ時に、この本で紹介されている、田中小実昌「ポロポロ」、アフリカ文学のエイモス・チュツオーラ「やし酒飲み」に衝撃を受けた、この2作品を紹介しているだけで、この本が確かな本であることを感じた。

前回読んだ時にはあまりグッとこなかったフレーズが、今は心に響くものが多々あった。(人は歳を取り、感じ方が変わるから。経験を得ることで、若々しい張りのある気分がうすれ、また同時に人の醜さ弱さを受け入れられるようになるから)
逆に、前回はあまり感じなかった、ロジカルなくどさのようなものも感じた。(哲学に対する叙述など。)

小説は1970年代ですでに飽和している、これから小説を書くにあたり、いかに新たな表現をするか、を考えながら小説を書かないといけない。と。
保坂さんの、小説に対する真摯な態度がビシビシ伝わってくる。

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2017年01月17日

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プレーンソングが好きだけれども、なんで好きなのかはわかれていない気がして、読みました。この本では、どのように小説を考えるか、と付録の創作ノートでどのように作品を考えていたがが書かれています。ただ、私にはわかったと思えなくて、そもそもわかったと思ってとしたら、それは単純化しすぎて自分の中の思考パターンに当てはめてしまっただけではないのかとも考えて、もやもやしました。

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2016年08月31日

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「いつかは小説家」、そう思ってる人も多いだろう。私もそのうちのひとりだ。とはいえ本書は「書きあぐねている人」へのハウツー本ではない。一定の着想やプロットの齧りは説明しながらも、「本書を忠実に守る人は成功しない」と語っている。本書は小説に対する著者の愛溢れる本であり、これから小説家を志す人へのエールである。私自身、本書を読むことで小説とは何なのか、多少腑に落ちた理解を得られた気がする。

同時期に春樹氏の『職業としての小説家』を読んだが、「とにかくたくさん本を読め」「伝えたいことが要約できたら小説なんか要らない」「小説を読んでるプロセスが小説の楽しみ」などなど、全く作風も考え方も違いそうな保坂氏と村上氏が同じことを語っているのはなかなか面白い。

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2016年06月23日

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小説を書いていて行き詰まった事がある人が読むと「分かる」と思う。そして無駄に考えなくて良いのだと、安心させられる。空回りしてる人には良い本だと思う。小説を書かない人や書いても行き詰まらない人から見れば大したものではないのかもしれない。
個人的にはとても参考になった本。

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2015年09月18日

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小説家志望者だけじゃなくて、漫画家志望者も、あるいは編集者もみんな読むといいと思った。

P21 …「まったくわからない」芸術に出くわすと、人はその制作者に向かって、よく「その意図を説明せよ」と言うけれど、それはとても無意味なことだ。日常の言葉で説明できてしまえるような芸術(小説)は、もはや芸術(小説)ではない。日常の言葉で説明できないからこそ、芸術(小説)はその形をとっているのだ。日常と芸術の関係を端的に言えば、日常が芸術(小説)を説明するのではなく、芸術(小説)が日常を照らす。

P23 …「面白い小説」のほめ言葉として、よく「一気に読んだ」というのがあるけれど、だからそれはほめ言葉ではない。そういう小説は、すでにある面白さ、すでに読者が知っている面白さに則って書かれているわけで、これは私の考える小説の面白さではない。
 それに、そもそもの話、「一気に読める」ということは、早くその小説の世界から出てしまうということで、本当に面白い小説なら、そんなに早くその世界から出たいとは思わないはずではないか。

P25 …そもそもの話、べつに私が書かなくても、すでに小説はあるわけで、その上で、いったい私は何を書けばいいのかという疑問もわいてくる(こういう疑問というか〝ためらい〟はとても大事で、そこをその人なりにクリアしないと、小説を書き続けていくことはできないと思う)。

P36 よく「次の作品のためにネタを残しておく」という変なことを言う人がいるけれど、いま書いているものが〝第一作〟にならなかったら、二作目はない。残しておけるようなネタは、たいしたネタではない。つまり、書くに値しない。それが正しく書くに値するネタだったら、いま書いている作品にそれも入れてほしい。

P154 …人がストーリーの展開を面白いと感じられる理由は、展開が予想の範囲だからだ。その枠をこえた本当の予測不可能な展開だと、感想以前の「???」しか出てこず、面白いどころか「意外だ」と感心することすらできなくなる。

P184 自分の書いたものをせっかく書いたんだからという気持ちでかわいがっていてはダメなのです。小説家となって小説を書き続けるのだとしたら、100枚や200枚の原稿ぐらいいくらでも書けると思えなければダメなのです。

P226 本は売れるに越したことはないけれど、売れるために書くわけではない。

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2014年08月26日

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「風景を書く」の章が面白かった。自分は細かく描写して説明するのが苦手で、会話しているときでも端折りすぎて「何言ってるかわからない」と言われたりするので、根気づよく説明しないとなぁと思いました。

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2013年04月25日

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小説家が書いた数少ない小説の書き方本です。
著者も言っている通り、他には高橋源一郎の「一億三千万人のための小説教室」
くらいでしょう。

高橋源一郎の本もかなり良かったですが、この本もかなり良かった。

小説家を本業としない人の文章読本のなかにも、小説執筆について
踏み込んだことが書かれている良書もあるのですが、
この本では小説家の、創作のプロセス、心構えが良くわかります。
潔さと生半可でない覚悟、これがなきゃ小説家にはなれなそうです。

もの書きを目指す人にはとてもいい本であると思います。

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2012年11月25日

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小説を書くとはどういうことかがよくわかる。実に合理的な指南書でありながら、ある程度読み手を突き放したスタンスであるために、大学の講義を聞いているような気持ちで読み進んでいく気がする。実際に、現在進行形で小説を書いている人にとっては、目から鱗、と感じることが多いのではないかと思う。

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2012年02月04日

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保坂さんの小説を読んでいないのでどのような話がないのでなんともいえないのですが、ストーリーありきの小説を書こうとしている私にはちょっとずれたとこもあったかな。しかし姿勢とかその辺はとても参考になりました。

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2011年11月14日

Posted by ブクログ

「小説は人間に対する圧倒的な肯定」というフレーズに深く賛同の意を示したい。哲学的な考察も、気取るためのものではなく、難しさがあるとすればそれは必要なもの。小説を書きたい人のみならず、小説が好きだけど何故好きなのか、と一小説愛好者として楽しめる本だと思っています。

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2011年11月21日

Posted by ブクログ

小説を書くときに、小説のフレームや形式を知っていることは絶対必要だと思うけれど、この本を読んで、それらを超えた「ずれ」を描くのが小説だということが分かった。

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【以前のレビュー】
小説を書きたいという欲求がある人にとって助けになると思う。

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2010年02月25日

Posted by ブクログ

いろいろごちゃごちゃ考えているからいけないのだと思った。
書くことに対して前向きにさせてくれる。
…って別に小説を書きたいと思ってるわけじゃないのだけど…。
なぜかこういう系統の本を買ってしまう私。なぜ?

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

実践的というよりは理念的なハウツー。創作ノートは小説を書く具体的なプロセスに触れられて有意義だった。

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2019年11月02日

Posted by ブクログ

既成の物語を拒否し新しい物語を作ろうとしている作者の心意気がびんびんと伝わってくる。交響曲のような作り込まれた音楽がミステリーなどの小説だとすると、保坂さんのそれはジャズ。だからルールは決めるけどどのように展開していくかは考えない。不幸なことを寸分も感じさせないとか、読みやすさを拒絶するとか、そういった方法論は面白いが、書きあぐねてる人の参考になるかというと疑問。彼のやり方を参考にして書けば、それはそれで保坂さんの真似と捉えられるような気がする。「入門」というタイトルとはかけ離れた独自の非常に高度な論だと思う。タイトルが相応しくないので、ちょっと星を少なくした。

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2017年03月23日

Posted by ブクログ

「小説家による小説論。本編とあとがきの二つに分かれた構成。【本編】小説を書くこととは、と心構えからはじまる。技術指南本ではなく小説に向き合う姿勢についてのエッセーに近い。①何を書く②誰を書く③風景を書く④ストーリーを書く⑤テクニックについて【あとがき+創作ノート】保坂和志氏が実際に執筆した際の創作ノート。」という趣旨。以下印象的な箇所の引用。一字一句正確にしるすというよりわたしの曖昧な印象を個人用メモ。感想については後述。

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p98.登場人物の心理が変化することが小説内での正確な意味での「時間」であり、それはストーリーに勝る。

p143.風景を書くことで文体が生まれる。取捨選択が行われている。だから翻訳小説でも文体が伝わる。

随時増える(かもしれない)。
ーーー

「まさに、息詰まったとき手にとるべき本であると感じた。小手先だけのテクニックでは小説はかけない。特に②、③についてはなるほどと深く納得することも多く、物を書き続けるならば、繰り返し読みその精神を血肉として吸収できたら、と思った」との感想。

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2016年03月02日

Posted by ブクログ

文庫版になって追加した創作ノート以外は全部読んだ。
これを読んだからといってスラスラ小説が書けたり、基本的な書き方が分かったりするわけではない。
小説を書くための学校で教えているような事は(ってどんなものか知らないけど)ほとんど書いてないように思える。
抽象的で観念的な言葉が多い。

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2012年08月13日

Posted by ブクログ

小説よりも、こちらの方がぐっと来る所が多かった。

書きあぐねたことなど無い、
と言い張れたらよいのだけれど、
それはあまり声を大には言えない所。

しかし、
小説を書こうと思っていない今の私にとっては、
仕事を辞めること、
恋愛について、
ちょっとだけ触れている部分に、
なぜかとても頷いていた。

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2009年10月04日

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