【感想・ネタバレ】すごい物理学講義のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ニュートン力学から相対性理論、量子力学へ。そして、それらを統合するループ量子重力理論へ。そこには物理のことを何も知らない門外漢でも驚嘆するような世界を覗くことができる。一般相対性理論では、空間は単なる空っぽのスペースではなく実態として存在し、歪んだりよじれたりする。量子力学では、微視的な世界を説明してくれるそうだが、そこで起こっていることは確率論的かつ離散的であり、起こった結果は言わば偶然の産物に過ぎないらしい。
そして20世紀を代表するこの2つの物理学の理論の関係性について考えると、明白な矛盾が認められるそうだ。この矛盾を解決する理論の一つとして、ループ量子重力理論の紹介がなされる。
そこには、我々が日常感得している世界とは似てもにつかぬ驚異の世界がある。物理学の素養がなくても十分に楽しめる。世界の見方を変えてくれる一冊。

0
2023年11月18日

Posted by ブクログ

読んでいて内容が完全に理解はできないものの、物理学の世界から大御所の実績を交えながらSF映画の世界に突入していく感覚が味わえる読み物でした。

0
2023年03月21日

Posted by ブクログ

物理学を題材にしながら文学的な風情も十分に堪能できる、かつウィットにとんだ筆致で内容は力不足で理解ができなくても読ませる。特に著者の専門分野であるループ量子重力理論を後半は解説しており、深遠なる科学の世界に引き込まれていく。

空間も時間も存在せず、量子のループによる相関的なものにでしかない。プランク長という最小の単位が存在しており、空間や時間は離散的なものである。こう書いていても、何だか雲をつかむような内容で現実の感覚からはかけ離れておりどうもしっくりこない。それだけ難解で未だ発展途上の学問であるのでしょう、文系の私はエッセンスのみ感じることができて現状満足気味です。

科学とは真理を明らかにしているものではなく、常に不確定で巨人の肩に乗りながら真理を追い求める、自分たちの無知を徹底的に突きつけられながらも諦めきれない人類の性を表している、といったこと。ロマンを感じずにはいられないです。

ここで、学問の険しさとそれでも学ぶ意義を音楽に関連ずけた名文をリマインド。
リーマンの数学を理解し、アインシュタインの方程式を完璧に読み解く技術を会得するには、長く険しい道のりをのり越えていかなければならない。それは、熱意と努力を要する旅路である。とはいえ、ベートーヴェンの後期四重奏からどれが好きな曲を選び出し、そのたぐいまれな美しさを十全に把握しようと願うなら、それ以上の労苦を覚悟する必要があるだろう。いずれの場合も、一旦努力をなされたあとは、十分な見返りが待っている。科学と芸術はわたしたちに、世界にまつわるなにか新しいことを教え、世界を見るための新しい目を与えてくれる。わたしたちはそうやって、世界の厚みを、深さを、美しさを理解する。偉大な物理とは、偉大な音楽のようなものである。それは心に直接に語りかけ、事物の本質に備わる美しさや、深さや、単純さに目を向けるよう、わたしたちを誘ってくる。(P140)

訳者あとがきにもあるが、日本では超ひも理論が「量子重力理論」として頻繁に取り上げられており、ちょくちょく目にする。しかし、内容ちんぷんかんぷんなのでどこか一般書で概要掴んどきたいな、そしてまた、カルロ・ロヴェリの書籍に戻ってこよう、この人の文章は胸を高鳴らせる、好きだ。

0
2022年10月30日

Posted by ブクログ

 この本は最高だった。やはり本物の物理学者の本を読むことが重要だとしみじみ思った。

2022/02/17再読した。
まだ完全に理解できないが、やっと一般相対性理論や量子力学が少し理解できた。
器としての空っぽの空間は存在しないこと、
時間と空間は切り離すことはできず、時空間は量子的であること

さなものの限界があるし、無限も限界があること
これらのことを理解せずに私たちは日常生活を送り、何かを信じて思考停止するのだ。
だからいつも感覚で扇動されるのだ。

0
2022年02月17日

Posted by ブクログ

物理の歴史を知るのは面白い。

現代に至るまでに過去の人々がどのような思考で、自然を論理的に説明しようとしてきたのか。

0
2021年05月31日

Posted by ブクログ

科学解説書は好きでたまに買ってよみますが、この本で初めて量子論の触りが、ほんのほんの少しだけ感じる(分かったとは口が裂けても言えない(^^))ことができました。品位があって、正面きって物事を説明している凄く良い本です。

0
2020年03月24日

Posted by ブクログ

「自らの無知に対する確固たる自覚こそ、科学的思考の核心である」
なんという謙虚な。真摯な言葉でしょう。
科学には「Why」は原動力になるのですね。

0
2020年03月08日

Posted by ブクログ

物理学を築き上げてきた人々の物語。ニュートン力学からループ量子重力理論まで。
今なお人類が到達していない、現在進行形の知の先端を覗く。直観と異なる世界を理解する難しさ。
無知を受け入れること。

◯特殊相対性理論
「今」は「ここ」にしか存在していない。過去と未来のあいだの中間的な領域である「拡張された現在」が、あらゆる観察者にとって存在。地球上では知覚できない時間だが宇宙では有意な幅を持つ。
→時間と空間が時空間というひとつの概念に統合
→電場と磁場が電磁場というひとつの概念に統合
→質量とエネルギーはひとつの保存則E=mc^2

◯量子力学が発見した世界の三つの側面
1粒性:ある物理学的な系のなかに存在する情報の総量は有限であり、それはプランク定数hによって限定される
2不確定性:未来は過去から一意的に導き出されるのではない。きわめて厳密な規則に従っているように見える事柄も、現実には統計的な結果にすぎない
3相関性:自然界のあらゆる事象は相互作用である。ある系における全事象は、別の系との関係のもとに発生する。

◯事物は、ある事物と別の事物の関係においてのみ変化する。根本的な次元では、時間は存在しない。「流れゆく時間」とは、わたしたちにとってなじみ深い巨視的な視点に立った場合のみ意味をもつ、おおまかな概念である。

⭐︎量子重力理論では、時空間と量子場は、共変的量子場として統一的に扱える。
・世界を構成するもの
ニュートン:空間、時間、粒子
ファラデー、マクスウェル:空間、時間、場、粒子
アインシュタイン(1905年):時空間、場、粒子
アインシュタイン(1915年):共変的な場、粒子
量子力学:時空間、量子場
量子重力理論:共変的量子場

◯科学研究の目的は、未来を予測することではなく、世界の仕組みを理解することである

・兆候と証拠を分けて考える

・無限の概念の退場
・情報、熱

◯科学が信用に値するのは、科学が「確実な答え」を教えてくれるからではなく、「現時点における最良の答え」を教えてくれるからである。

0
2024年01月06日

Posted by ブクログ

物理学史の総まとめ
ウィットに富む



二十世紀初頭、合理的知性を充分に備えたあらゆる人びとにとって(要するに、アルベルト・アインシュタインただ一人にとって)、これはきわめて自然な推論だった。

0
2022年10月31日

Posted by ブクログ

古代から21世紀にいたる、宇宙の真理に迫る営みを、見通し良く、格調高く、崇高さすら読者に覚えさせるような文学的イメージも駆使して書かれている。ただ、量子力学の一応の成立よりあとの話は、やっぱりとっつきにくく、難しい。選ばれた物理学者(と、それを志す者)だけしか、その雰囲気を味わうことすら許されない高みにあるような気がする。

0
2022年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本では超ひも理論(超弦理論)が有名だが、本書は「ループ量子重力理論」の信奉者だ。古代ギリシャからアインシュタインの一般相対性理論までの物語はなかなか面白かったが、量子力学になった途端難解の極み、とは言っても超弦理論も似かよったものだが、とても納得いくものではない、挙句の果て時間は存在しないなんて言い出すんだもの。どっちの理論も決め手に欠くもので量子力学はまだまだ発展途上の学問のようだ。

0
2022年05月05日

Posted by ブクログ

原題「現実は眼に映る姿とは異なる」のループ量子重力理論の解説書であり、3つのテーマが織り込まれながら、展開されていく。
①一般性相対理論と量子力学を統合する可能性がある理論「ループ量子重力理論」について
②「ループ量子重力理論」に至るまでの物理学の歩みをギリシア時代から遡る
③哲学と物理の関係、特に世界を認識してきた概念について

訳者の力量も素晴らしく、読みやすく、非常に知的満足度の高い良書だった。幾分、③が冗長であったが、ヨーロッパの読者を想定した内容なので、そこは理解できる。

0
2020年10月26日

Posted by ブクログ

この前読んだブルーバックスの本よりは分かり易かったな。こう言う本て日本人が書くより外国人が書いた方が全体の掴み方とか構成とか分かりやすく面白い気がするのだが気のせいか。日本はひも理論が優勢だが、この人はループ量子重力理論。正直違いは良く分かってないが、世界を理解しようと言う物理学の美学は伝わってきた。しかしこう言う事を四六時中考えている人は凄い。最後は哲学だなと思った。空想が追いつかない。数学って凄い。

0
2020年04月15日

Posted by ブクログ

良かったことは、相対性理論に初めて面と向かったこと。残念だったことは、本書の主題はループ量子重力理論であって、相対性理論ではなかったこと。つまり、これはワタシが本書の序盤戦(に出てくる相対性理論)で苦戦し、本丸(ループ量子重力理論)までたどり着けなかったということ。
それでも、投げ出さずに最後まで読めたのは、物理学と哲学には共通するものがあるという著者の指摘に共感できたから。時間と空間に関する議論は物理学のものだけではなく、古くから哲学者が取り上げてきた。その事実をデモクリトス、ダンテからプルーストまで引用して語っている。
第9章には「科学とは、「技術」を提示するより前に、まずもって「見方」を提示する営みなのである。」という一節がある。「見方」を提示する営み…これはまさに哲学そのもの。物理学と哲学は、実は同じ目的を共有していたのだ。

0
2020年03月01日

Posted by ブクログ

学校で習ったニュートン力学が全てだと思っていたから、これはけっこう衝撃だった。この本は難しそうに見えるけど、意外と読みやすい方だったと思う。何となくは想像ができる。

0
2023年04月04日

Posted by ブクログ

超弦理論とは異なる一般相対性理論と量子力学の統合を目指すループ量子重力理論。
違いを説明出来るほど理解できず。

0
2020年05月30日

「学術・語学」ランキング