【感想・ネタバレ】イスラム2.0 SNSが変えた1400年の宗教観のレビュー

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アジアに住んで、イスラミストのテロの恐怖を実感している。だが、自分はグローバリストだからイスラム教徒の友人は当たり前に身近に存在するし、彼らとも分かり合えると思ってきた。飯山陽の説明を読んでいると妙に納得する。お花畑理論ではない現実が突きつけられる。解決策がないと感じる。

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2021年02月22日

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衝撃の内容。私たちは人種や宗教で人を差別してはいけない、と言われすぎて思考停止で何もかも受け入れてしまっている現状があると思う。共生できるか否か判断し、またどのように共生するか模索するにはまずは知ることが第一歩。その第一歩として良書だった。

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2020年11月28日

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どんなに叩きのめされても信仰を第一とし続けるイスラム教徒と、戦前は天皇を神と奉じて特攻だなんだとやっていたのに、負けた瞬間にさっさと手のひらを返す日本人。見方によってはよほどイスラム教徒の方が誠実で芯があって徳のある人々にみえる。肯定はできないけれど、外部からみるとエイリアンだけど内部からみると至極まっとうに見えるのはよくあることではないのかな。一つ思ったのは、神の前では富めるものも貧者も平等っていうのは本当なのだろうか

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2020年09月03日

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イスラム教の今がよく分かる本。インターネットの普及によってイスラム教のあり方も大きく変わってきています。事実の積み重ねにより明らかになるイスラム教の今がよく理解でき、日本人とは全く違う宗教観を持つイスラム教徒を少しでも理解する事で、最悪の事態は避けることが出来ると思いました。日本人の平和なお気持ちだけでは間違った対応をしてしまいがちです。知らないでは済まされない。必要なのはシンパシーではなくエンパシーだと強く思いました。とくに第7章「イスラム教徒と共生するために」は何度も読んで頭に叩きこんでおきたいなと思いました。今年一番面白かった本です。(2020年1月13日現在)

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2020年01月13日

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風呂読書。軽薄そうに見えるタイトルと深刻っぽい内容。素人目には筋の通った説明で、ネットやSNSの問題ってのはこういうものだと思われる。

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2020年06月15日

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ネタバレ

カロリン・エムケの本を読んでもやもやもやもやしていたので積読から真っ先に消化。アンサー本かと思うような内容で読んですっきりした。読みやすくて面白いのでサクサク読める。
実際に起こった事件や実際に行われた調査に基づいてイスラム教の教義・価値観・世界観について丁寧に分かりやすく解説してある。そして、インターネットによってもたらされた新たなムスリムの宗教観の変化について書かれる。最後の方のムスリムとの付き合い方編はかなり実践的でいいなと思う。私も何も知らずムスリムの方との付き合いで一回失敗したことがある。

「イスラム教徒にとってはイスラム教こそが普遍真理ですから、近代的価値観がイスラム教よりも優れた素晴らしいものだと考える発想がそもそもありません」
「西洋の価値はイスラム教より優れているので西洋に定住すれば必ず啓蒙されるという考えは、イスラム教に対する無知に立脚しており、それこそイスラム教徒に対する差別です」
本当~に、その通りだ!
ムハンマド風刺画事件にしろ、融和政策への反発にしろ、世界観が根底から違うということは、もういい加減明らかになってきているよなと思う。
あくまで「多様性など、本当はないほうがずっとラク」だけど、それを踏まえて「実際問題として多様性が不可避であるなら、できるだけトラブルを避け、互いの不快を軽減する努力をするより他に道はありません」という飯山さんの姿勢は非常に共感できる。共生に都合の悪い所こそを、きりきりするまで見つめて道を探っていかないといけない。

イスラム2.0時代の「自分を取り巻く全てが神の命令に反する罪深いものであるかのように思えてくる」アイデンティティ危機と言う話は、私も子供の頃キリスト教原理主義系の教育を受けて育ったのでとても理解できるところがあった。
宗教と乖離した学校教育や現代社会の生活で、いつも神を、みんなを裏切っているという罪悪感、ストレス。何を選ぶのか、常に試されているという感覚。どちらを選んでも常に何かを裏切る。
その結果として若者の間で「ヒジュラ」が流行しているというのは知らなかったしすごく面白い話だった。インスタやらyoutubeでヒジュラ・セレブなるものが誕生しているの、すごい!でも流行るの、分かる。皆「正しい」価値観と自分の生活のバランスを取る方法を模索しているんだな。
その中で「無神論ブーム」もあるというのがまた面白い。これはヒジュラと逆へ行って、生活寄りでバランスを取ろうとしているわけですね。アズハルも振り回されるくらい、すごい速さでイスラームも変わっていっている、とてつもない時代に生きているんだなあ。

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2019年12月02日

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イスラム2.0
SNSが変えた1400年の宗教観
著:飯山 陽
紙版
河出新書

キリスト教の宗教改革が、グーテンベルクの活版印刷の聖書の普及がきっかけだったように、イスラム教の宗教改革は、インターネットの普及による情報革命に端を発する
原理主義とは、イスラム教の原点、コーランとハディースに記載されていることを、忠実に実行にうつすことを意味する
そして、イスラムの教えは、最後の預言者ムハマンドを通じて神の言葉として決して変更をすることを許さない教義である。そう610年にイスラム教が成立してより今日まで
そのために、ムスリムは、周りと同化することはない。

気になったのは、以下です。

イスラム教徒はイスラム法によって統治される秩序の確立を目指し、彼らが正義だと信じるジハードを実行しますが、同じ価値を共有しない私たちにとっては、それはテロ以外の何物でもありません。
彼らの正義の基準は神であり、神の下した啓示です

インタネットの普及によって、イスラム教徒は啓示に直接アクセスできるようになり、徐々にこの共生の知恵が神の目から見ると過ちかもしれないという可能性に気づき始めました。
コーラン、第4章144節には、「あなたがた信仰するものたちは、不信仰者を友としてはならない」と明示されています

ジハード主義者からすれば、日本人はジハードの対象である「殺すべき敵」であり、日本は居心地のいい安全地帯であり、日本のパスポートは間違いなく使い勝手がいいのです。

コーランは、第114章で1冊の本に収まる分量ですが、ハディースは、数十万あるとも言われるほどの膨大な数が存在するからです
イスラム教の啓示テキストがあまりにも多いため、近代以前の一般信徒にとってイスラム法の基本を押さえることは能力的にも、また、物理的にも、まったく不可能なことでした

インターネットは、イスラム教発祥以来、1400年間ほぼ変わらなかった、知的状況を激変させ、イスラム世界に革命的ともいえる変化を引き起こしました。
イスラム2.0時代の到来です。

ジハードの根拠は、コーラン第2章116節にある「あなたがたには戦争が義務付けられた」です。神はイスラム教徒に戦争を命じているのです
異教徒には、イスラム教に改宗するか、ジズヤと呼ばれる人頭税を収めるか、それとも殺害されるかの3つしか選択肢がないのです
イスラム支配下の異教徒にはズィンミー制というのがあり、イスラム教徒の絶対的優位に対する異教徒の劣位です

コーランは神の言葉であり、コーランに示された啓示の正しさは、普遍的であり、その価値はどんなに時代がかわっても変わることはないと信じられています
イスラム教徒にとっては、啓示は時代遅れという価値は全く受け入れられないのです

ヨーロッパではイスラム教徒も数世代たてば、同化するという言葉がウソであったことに気が付きはじめています

異教徒の女性は、議論の余地なく、売春婦とみなしています
イスラム法では、ジハードで敵から奪った女は戦利品として戦士たちで山分けされ、自分の所有となった女は性奴隷としてよいとされています。
同じイスラムでも、99%以上のエジブト人女性がセクハラ被害にあったことがあると回答しています。

イスラム教徒は多産です。それは、コーランが推奨しているからです。

学校イスラム化はトロイの木馬計画と呼ばれています。学校のイスラム化です
イギリスを各国では、イスラム教徒が集住することで治安が悪化し、警察や当局者ですら立ち入ることができない、ノー・ゴー・ゾーンが出現している

LGBT,同性愛者はイスラムでは違法です、姦通と同様、石打ち刑を設けているところがあります。

イスラム教の棄教は、死刑。アフガニスタン、ブルネイ、モーリタニア、カタール、サウジアラビア、スーダン、UAE,イエメンの8カ国です

棄教者のなかで特に深刻なのは、無神論者です。

目次
はじめに
第1章 イスラム2.0時代の到来
第2章 ヨーロッパのイスラム化とリベラル・ジハード
第3章 インドネシアにみるイスラム教への「覚醒」
第4章 イスラム・ポピュリズム
第5章 イスラム教の「宗教改革」
第6章 もしも世界がイスラム教に征服されたら…
第7章 イスラム教徒と共生するために
あとがき
イスラム事件一覧
参考文献

ISBN:9784309631141
出版社:河出書房新社
判型:新書
ページ数:272ページ
定価:880円(本体)
発売日:2019年11月30日初版発行
発売日:2019年12月20日第2刷発行

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2023年12月16日

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イスラムにの教義等の説明側の著書の方がわかりやすかろう。
ネットの発展により、これまでイスラム学者を通してしか触れることのできなかった、生の「神の言葉」に誰でも触れることができるようになって、本来の非寛容を実践しようとする世界。

イスラムの目的は、イスラム教の元世界を征服すること。

さらに征服された世界を描き、多様化という綺麗事のもと、イスラムと触れずにいられない世界で、余計なトラブルを起こさない方法も書いている。
判るのだが、結局、イスラムの拡大を防ぐことが、現実の世界では不可能ということかと嘆息する。

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2022年03月10日

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イスラム教関連のニュースをみても、どこか遠い国で行われており関係のないことだと無意識に軽視していたが、この本を読んでみて事の大きさ、深刻さを認識することができた。
イスラム教徒、ジハード主義者はその方たちの考えを否定しても、それが簡単に受け入れられたり話が通じる相手ではないことが書かれている。
インターネットの普及により法学者による情報独占から解き放たれ、コーランを自ら学び実践する、それらをSNSなどを通して拡散していく近代をイスラム2.0時代と呼び解説されている。
このまま増え続けていくであろう猛威とどのように共生していくか考えさせられる。意見は偏ったところもありそうなので、色々な意見を通して考えてみたい内容である。

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2021年07月23日

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啓示に立ち返れば、イスラム教をめぐる問題の根幹にあるのは、「イスラム教の価値」と私たちが普遍的だと信じている「近代の価値」の差異であることは明らかです。p8

本書で論じるのは、インターネットの普及によって一般のイスラム教徒が啓示に容易にアクセスできるようになった「イスラム2.0」時代のイスラム教です。
 啓示の解釈をイスラム法学者という知識人が独占していた「イスラム1.0」時代から、「イスラム2.0」時代への急速な移行は世界に大きな影響を及ぼしています。イスラム教徒は次第に、啓示に立脚した、より原理主義的なイスラム教を希求するようになってきています。p9-10


上記を基本主張とし、世界各地でのさまざまな事例を紹介しています。やはりイスラム教の考え方というものはある程度承知していた方が、今後の肥やしになると思われます。

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2020年09月19日

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異文化とはわかり合えないから、ただ、理解はしようというメッセージは受け取れた。インターネットによってより先鋭的になるイスラム教徒。文化の違いで殺されたくはないが、文化の違いにより人の命や権利がここまで変わるのかと思うと、わかり合うことはおそらくできない。

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2020年07月19日

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イスラム教の現状理解と対応を知るのに大変有用。原典へのアクセスが容易になれば自然と原理主義的になる。

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2020年06月21日

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うーん。これは凄いというか怖いというか、とんでも無いことになっているな。しかし本当に凄い宗教だ。どう世界と折り合いをつけていくんだろうか。それとも益々原理化して対立が深まっていくのだろうか。インドネシアなんか世界4位くらいの人口だったから国力つけて大国になった時にどう世界と対峙するんだろう。人口は国力だからこの宗教の戦略も凄いよな。でも根本的には対立は避けられないから世界はすごい問題を内に抱えているんだなぁ。悩ましい。悩ましいことだらけだ。世界は。

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2020年03月26日

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イスラム思想・古典イスラム法の文献研究者として、中東情勢やイスラムに関係する世界情勢の分析を行っている飯山氏の本です。
東南アジア、南アジアで自爆テロが頻発、ユーチューバー系自爆テロ、ヨーロッパの治安悪化、イスラム教による女性差別、LGBT差別など、イスラム法を客観的に分析し、それに基づいたイスラム教徒の価値観や行動様式を解説しています。
単純に日本人はアラブ人から嫌われてないので、アメリカの依頼で中東に自衛隊を派遣するのは反対という人もいますが、そもそもイスラム教では無神論者、無宗教者などは迫害対象で、アフリカや中東で日本人がテロに巻き込まれた理由は納得いくものでした。
殺害されたイランの組織の人間は他国でテロなり工作を行ってるのに、殺したアメリカが悪いという意味不明なコメントの識者はちょっとおかしいだろと思っていたので、説明は腑に落ちました。
同時にイスラム教がアジアや欧州でも投資・経済や政治に与える影響が大きくなっている点は今後の動向を注視しておいたほうがいいでしょう。

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2020年03月08日

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①イスラム教の教えを受け入れるには、シンパシー(同情)ではなく、エンパシー(異なる価値観を持つ他社の感情を理解すること)が必要。

②イスラム教徒は全員が来世の存在を信じている。

③グーグルの発展により、一般信徒はよりコーランやジハードと直接的に向き合うことができ、実践するようになった。

コーランは神の言葉であり、一字一句正しい。

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2020年02月09日

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メディアで語られるイスラム教とは、ほぼ真逆のイスラム教が語られる。イスラム国を始めとする原理主義者らのジハードが何を意味するのか、事実がようやく理解できた。
現代世界を生きるのであれば、一度は読む価値はある。

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2020年01月31日

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イスラムは、Googleによりコーランとハディース(膨大)を誰もが直接参照できるようになった。「聖書に帰れ」がグーテンベルクの出版改革から始まったように、イスラムは今まさに宗教改革真っ最中。異教者の僕が神に言えることはないが、今後も増え続け、揺れが続くであろう彼らとどうしていくのかは、肝に命じておく必要があるだろう。共生というのは口で言うほど簡単ではない。

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2020年01月15日

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カリフ制とは、スンニ派イスラム法学においては、唯一のカリフがイスラム共同体を統治しなければならないという制度。
イスラム教徒はイスラム法のみに従わないといけない。主権は神に存するとされ、人間には立法も法の廃止、改正も認められない。

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2024年03月08日

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ネットの普及によりコーランの原典(テクスト)に直接あたることが容易になり、聖職者不信に陥り(原理主義)政治体制を疑う(カリフ制復活)ようになった結果、世界中至るところで聖戦が繰り広げられるイスラム2.0時代が到来した、と煽りまくって恐慌を広めようとするかの著者。例えばキリスト教にも似たような経緯があって現在の状況に到っているという歴史を踏まえるならば、今の西欧化社会を忌避するイスラム思想が遠からず世界を破滅させるという最悪な予見とはまるで異なる予想も成り立つのだが…

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2021年07月08日

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『イスラムの論理』の延長といった内容。所々目新しい内容はあったが、個人的には同書一冊で十分だと感じた。

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2020年01月31日

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