感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「かわいい」を真剣に研究した本。かわいいの効果=笑顔になる、気分がよくなる、行動したくなる、癒やされる、世話したくなるなど。「かわいい」の発声をする時に表情筋が動くこともいいそう。こんなに効果があるなんて、やっぱり「かわいいは正義」なんじゃない?
かわいいを商品開発に利用している話に膝を打ちました。特に黄色の毛でハート型のかわいいメイクブラシのパッケージをあえてかわいくない(しぶいフォントややダサいイラスト)にして男性が女性へのお土産に買いやすくしたという話は面白かったです。男性は「かわいすぎる」と買いにくいですからね(笑)
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これまでの約10年間にわたる研究成果がまとめられている。参考論文がきちんとしているので研究者にとって非常に有益。
表紙カバーや帯からは一般書のように見えるが、内容は専門書。一般の方のためにも専門用語の解説など著者は配慮しているが、大学学部レベルの心理学の知識がないと読みづらいだろう。読み進める上で様々な実験結果を読者自身で再構築する力量を必要とする。今後の続編や改訂版に期待したい。
専門性:★★★★★
一般向け:★★☆☆☆
デザイナー向け:★☆☆☆☆
Posted by ブクログ
cuteは属性、kawaiiは感じ方
もう一度読んでみたい本。言語の面白さよ!
以下本の感想とは別になってしまいますが…
〜〜
となりのトトロに出てくる、おばあちゃん(五歳のメイちゃんを本気で心配する)を「可愛い」と思う気持ちの理由を考えている。
社会的生物としての人間(おばあ)が、共同体のなかの一個体(メイ)を心から心配している場面に、私は目を潤ませてしまいつつ可愛いと感じてしまう。私はおばあに共感しているのだと思う。…と自分で解釈するが何か説明が足りない気がする。
Posted by ブクログ
かわいいとは何か、意味の定義に対象の特徴と人の認知の面から探る。
本書では、
「かわいいものを見ると笑顔になるとか気分なるとか、云々」
私は
(かわいいものじゃなくてもそうなるかもしれないんじゃないの?)
本書は
「それらが平行して生じるのがかわいいなんだ」
まるで会話をしているように読めた。
また、かわいいは近づいて関わりを持ちたいと思うことでもある。きれいな景色を見たとき、我々がかわいいと言わないのは、景色は近づけるものではないからではないかと考えた。
Posted by ブクログ
実験心理学者であるために、様々な実験を紹介しているので、学生が卒論で実験をするいい見本となると思われる。日本で学生が実験をするためにそれほど支障もないであるからこの本を学生が使う利用価値は大いにある。
Posted by ブクログ
「かわいい」の正体を、実験心理学や、複数の先行研究から解き明かしていき、後半ではその作用を羅列した上で現代社会に「かわいい」がどのような役目を果たせるかを提言している。
こんなに多義的で、ゆるふわな言葉を、丁寧に解き明かしてる研究室、研究者が存在してたとは…!「かわいい」は、企業社会ではただただマーケティングで消費されるだけのキーワードになりかねいので、そこを立ち止まって、言葉の背景を知ることができたのは良かった。科学的にかわいい、を知ることができれば再現性が高まるわけで、光があたらなくても潜在的に、優れてる製品を、人が自発的に感じる感情に乗せて世に送り出す機会も増えるかもしれない。
一貫してかかれてたフレーズとして、「かわいい」は対象を表す属性の説明ではなく、見る側である自分の中に発生する変化であるというのは、なるほど思った。
また、「かわいい」は若いひとのものだけではなくなってくる。高齢化が進む日本で高齢者にとっての「かわいい」を再定義する必要性もあるなと、この本でその課題を認知するきっかけになった。なるほどなぁ。
また、章と章の合間にあるコラムも、さりげなく差し込まれてるけど、心理学の本質的なことを書いてて面白い。社会学領域のわたしは、なかなか心理学のアプローチに不慣れなところがあるので、こういうのは結構好き。