【感想・ネタバレ】フシノカミ 2 ~辺境から始める文明再生記~のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 サキュラ辺境伯領の領都に留学し、いよいよ文明復興の道筋を走り始めた2巻である。
 大都会と一文目から述べつつも、一方で次のページでは各種要素の不足を見て取ってスリーアウトのゲームセットを宣言。
 しかしそれによってむしろ開発への意欲を高め、ますます意気軒高となるアッシュは、さすがとしか言えない火の玉小僧っぷりである。

 この二巻の主題はそうした序盤で説明されているように、共に進む仲間を増やしていくところにある。
 特別ページが割かれているのは、秘すべき事情があるのだろうアーサー少年。
 小さく縮こまっていた彼の人が、アッシュの手によって心を溶かされ、我慢して笑う姿を心底嫌うマイカによって強引に掬い上げられる様は見どころだろう。
 特にマイカとの加筆エピソードは、三人称視点が加えられた書籍版(編纂版)であればこその特筆すべき魅力であり、この書籍版の持つエモさ倍増状態を象徴するシーンだと思う。

 本筋は食糧事情の改良でありつつも、終盤での戦闘などは実にファンタジーファンタジーした相手が出現。物語の展開に大きく角度を生じさせている。
 加えて、上述したような仲間を増やす側面でも、この書籍版ではより踏み込んで多くの人物が描かれていくだろうことが示唆されている。
 原典版(ネット版)を読んでいる側にとっても、惹かれる部分の多い書籍化だろう。

 総じて質の高い書籍化である。シンプルに楽しませていただいた。
 今回も星五つで評価したい。

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2020年05月08日

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