【感想・ネタバレ】韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩のレビュー

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Posted by ブクログ

小手先の対策ではなくて、根本的な部分に対処しないとイタチごっこになることがよく分かる。
日本も似たような道を突っ走っている気がしてならない。

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2023年10月07日

Posted by ブクログ

韓国が異常だと強く思ったのは日本との問題もそうだが、個人的にはオリンピックで自国選手に不利な採点をされたとかで、相手の選手のSNSなどに韓国人大量の攻撃→相手選手は心身症、この相手国の選手団が抗議をするという事件が複数あったこと。この激情性は何か爆発寸前の鬱々たる不満がみなぎっていないとならないのでは? と感じたがその回答とも言えるのが本書。子供、若者、中年と一部の「勝ち組」になるための競争社会が、次の老人の章では社会保障もなく老人を敬う社会から「嫌老社会」となった現在が描かれる。ここで前の3世代はレールの上でなんとか外れまいと苦労する姿だが老人の世代ではレールからすでに外れた人だ。著者は実例とデータを駆使した説得力あるエビデンスを示しながら、読み物として興味深くまとめている。よく韓国はローンに苦しんでいるという報道があるが贅沢病というより競争で暴騰する教育費という側面が強いのだろう。
この本では負の側面を描いているが、韓国はアジア金融危機でのデフォルト以後、この過酷な競争社会で有史上最高の経済的反映を遂げたことも事実だろう。
周りをみても過酷な教育戦争もあってか「勝ち組」の外国語に堪能でテキパキこなす人材が多いような印象がある。この本の著者も日本留学のあと東京新聞のソウル記者のちフリーになった人だが、これだけの本を非ネイティブの日本語で書く力量は、東京新聞のあの酷い内容を書き連ねる日本人記者よりもはるかに優秀だし、欧米の日本在住記者(多くは特派員と称してまともに日本語ができない)には爪の垢を煎じて飲んでほしい。

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2021年04月28日

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ネタバレ

この一冊で韓国国内の社会問題が大まかに分かります。韓国特有の問題もあったり、日本と似たようなものもあったり。K-POPや韓国映画・ドラマなどのメディアカルチャーから韓国に関心を持ち始めた人にもおすすめです。

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2021年04月24日

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韓国凄いことになってるな。2012年頃、仕事で関わりがあって現地に滞在したことがあったが、その時から急速に変化している印象。この閉塞感が激しい感情表現を生むのかと納得。

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2020年09月02日

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韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩。金敬哲先生の著書。韓国社会が超格差社会で無限競争社会の住みにくい社会になっているという金敬哲先生のご指摘。私にとっては日本社会だって超格差社会で無限競争社会の住みにくい社会になっているように思います。金敬哲先生のように社会を憂いて韓国政府に苦言を呈するような正義感の強い人がいるかぎり、韓国社会はきっと大丈夫なはず。

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2020年02月15日

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韓国の社会システムの現在を報告した書。子どもから若者、中高年から高齢者とそれぞれのステージで分けて描かれている。
端的に言うと子どもと家族がお受験競争、若者は就職競争、中高年は非正規労働で停滞するか子どものお受験競争に自身も当事者になる、高齢者は社会の急速なIT化と未熟な年金制度で現役から抜け出せない。資本主義競争で立ち止まったら終わり。なのでその仕組みで走りつづけるしかない。韓国社会で人々が青息吐息で生きているのを想像すると幸せとは一体なんなのだろうと考えてしまった。彼らをみて資本主義にとって幸せとは食欲、承認欲、など人間が感じる一瞬の出来事なのかもしれない。
日本の中高年以下の人たちはこれを他人事と思わない方がいい。特にこの本の第四章の高齢者のところは我々の未来になっている可能性が高い。年金システムの破綻、高齢者が疎まれる現象、現役のまま。自身が高校生の頃学校の先生が予言しておられた。僕らの世代(団塊ジュニア)が将来高齢者になった時、電車で僕らは若者に席を譲らなければならないかもしれない。体の運動のためにも。

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2021年12月13日

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エンタメというフィルターを通して韓国に触れる機会は格段に増えている日本。
しかし、隣国の実情まで理解している人は多くないのではないだろうか。

パラサイトの描写にも共感を覚える人が多いのだろうし、ドラマの主人公がやたら金持ちばかりなのも、社会の理想が、反映されているのだろうと思った。

資本主義の原理を究極に突き詰めると新自由主義に辿り着き、格差は拡大する。
この事実のモデルケースのような事態に陥ってしまっているなと感じる。
アメリカも同様の事態だが、救いは大きな政府を標榜する民主党の存在があること。小さな政府主義の共和党とバランスを取り、新自由主義に傾きすぎないように、構造としてなっている。
韓国には政党としてそういった存在があるのだろうか。

文在寅は、上記の点を改善する庶民よりの出自を持っていた為、就任当初は熱狂的に歓迎された。
しかし、大きな政府を目指し実施された改革はほとんど空回り。格差の拡大は止まることを知らない。

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2021年01月30日

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異常なスピードで経済成長を果たし先進国の仲間入りを果たした韓国の苛烈すぎる競争社会の姿を描いている。韓国の大学受験で、遅刻しそうな生徒をパトカーで送迎するニュースは有名だが、リスニングテスト時に韓国全土の飛行機の離発着が禁止されると書いてあり驚いた。

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2020年12月27日

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佐々木俊尚さんがTwitterで紹介されてた内容に興味持ち、購入。
断片的に聞いたことのある話題はあったが、こうしてまとめられて読むと、韓国に対する考えをアップデートしないといけないと思った。 子供も、中年も、高齢者も、自分だったらこの社会で生きられるのかと、ふと考えた。
他の国も、もちろん日本にとっても、一歩間違えるとこうなるのかと考えると、恐ろしくなってきた。

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2020年04月07日

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韓国の現代の問題が世代別に書かれていて、各世代の背景と現状を垣間見ることができた気がします。
いずれにせよ多くの人が厳しい生活を送り、自殺者の増加、格差社会、就職難、板ばさみの中年、老後問題、、、日本や他の国にも十分起こり得る問題と最後に結んでいますがその通りと感じました。
特徴的と思ったのは、そういう社会現象に少し皮肉やユーモアをふくんだ造語、流行語があるところ。
金ターン、エデュプア、N放世代、雁パパ、サラデント、ゲジョシ、起承転チキン、、、それだけ多くの人が同じ境遇にいるからこそ、次々と生まれる言葉。
言葉も時代も流れが早すぎてついていけないよ、なんて言っている場合じゃないかも。
流されて行きつくところは地下なのか。
最近見た映画パラサイトや韓国現代ドラマの描写からも同様の現象を見受けることができると思います。

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2020年03月29日

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各世代へのインタビューや取材を通じて、韓国社会における格差の拡大や失業率の上昇などの問題に迫る一冊。
良い学歴のため幼い頃から塾や習い事に奔走され燃え尽きてしまう学生世代。就職活動が長期化しいつまで経っても学費や生活費で困窮する若者世代。年老いた親を養いながら子どもを留学させるため生活を切り詰める中年世代。年金だけでは生活が立ち行かずタクシー運転手や重労働の廃品回収を続けてざるを得ない老人世代。
いずれにも共通しているのは、息が詰まるような社会の実情に耐えきれず精神を病む人が多いということだろう。あまりにも過酷なため「話を盛っているんじゃないか」と思うほどだったが、要所要所に示される統計データはその内容を裏付けている。
このような社会になった背景には90年代のIMF危機が密接に関係しているとのことだが、後書きの通り韓国と日本が共に歩むためには、互いの歴史と社会のあり方、考え方を深く知る必要があると感じた。 

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2020年03月14日

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韓国の現状がよくわかります。
2011年視察に行きましたが、子供への教育熱の高さに比例して子供の自殺も多いと聞き、この本の通り、この国大丈夫か?と非常に心配したのを覚えています。競争社会の限界を感じます。

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2020年03月08日

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「はじめに」は映画「パラサイト」の紹介から始まるルポルタージュ。教育熱の高まりがもたらす歪み、中年男性の苦境、IT化取り残された老人、ムンジェイン政権の「積弊清算」政策による社会分断、による章立てだが、もっとも詳細に書かれているのは第1章の過剰な受験競争によって引き起こされる歪み。あちこちで書かれていることだが、ソウル大学を筆頭とする大手大学を目指す受験競争は驚きの内容。映画「パラサイト」の中にも、息子の美術教育の家庭教師を選ぶ母親、受験に失敗している若者、失業中の中年おっさんといった面々がでてくるが、この本を読むと、程度の差は有るもののパラサイトの登場人物の彼らは韓国社会の現実をある程度反映しているのだと思った。

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2020年02月09日

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韓国社会の現状をルポしたもの。子どもたち:重い鞄をかかえて、夜遅くまで塾で勉強する。青年たち:ようやく大学に入っても、就職時には厳しい競争がある。文系の就職率が56%である現実。恋愛、結婚、出産、マイホームなどを諦めた世代。中年たち:子供の教育費であくせくし、リストラの足音に怯える毎日。平均退職年齢が男で53歳、女で48歳の現実。高齢者たち:社会保障がぜい弱で、年をとっても働き続けなければ生活できない。かつても敬老社会が嫌老社会となってきている。この韓国の現状が日本の未来かもしれない。

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2020年02月02日

Posted by ブクログ

多くの日本人にとって、最近は不愉快に感じるニュースも多い韓国だが、隣国として、また、戦争の惨禍から立ち直って先進国の仲間入りをしたという類似点などもあり、中々無関心ではいられない。関心がある故に嫌韓などという感情も出てくるのだろう。
そんな韓国も、厳しい学歴社会、若者の失業、老後の苦労など、かなり暮らしにくい側面もあるようだ。著者は、これを金大中以降の新自由主義的な政策に原因を求めている。それが正しいかどうかは分からないが、現在の韓国がかなりの競争社会であるということは本書を通じて伝わってきた。競争が厳しいからこそ、大学生はしっかり勉強するし、中学や高校から海外で教育を受けることを親が選択するなど、いまの日本ではあまり考えられないようなことも起きていて、それはそれで生きづらい感じもするが、逆に、個々人の能力がめいっぱい発揮される気もする。韓国のように厳しいのもつらいだろうが、日本のように生ぬるくてゆでガエルになりそうなのもどうかと思う。
いずれにせよ、リアル・コリアの一側面が生々しく描かれていて、隣国を知る上では参考になる。日本と韓国が手を携えて進むことを期待する著者の願望にも同意したい。

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2020年01月04日

Posted by ブクログ

韓国の現状の成功の厳しさを説明する本
資本主義の効率を進めていくとこうなるという例
成功しなくてもいいという余裕が必要なんだろうけど、資本主義が許してくれないのが厳しい

中間層の崩壊、労働者の4割が非正規雇用
スプーン階級論:銅5億ウォン、N放世代:恋愛結婚出産

学習塾の流行、教育制度ハック
活、大学名、大学成績、海外語学、TOEIC、公募展、資格、インターン、ボランティア
退職年齢男53女47

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2021年06月30日

Posted by ブクログ

隣国の、「哀れ」な現実。

資本主義だろうが、共産だろうが、何だろうが、結局同じなのだ、この国は。
自分が人より上に立って、方から束縛から何から解き放たれる権力を持ち、他人を足蹴にしたい。

自業にして自得としか思えない。

韓国社会で起こっていることを理解してもらいたいと言われたって、冗談ではない

是非、自分で解決してください。

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2020年12月26日

Posted by ブクログ

韓国の過剰な教育競争の背景がよく分かる本。韓国の急速な成長が生み出した財閥への経済一極集中。その恩恵にあやかるために、一握りの採用枠を争うことになり、自動的に学生時代から始まる競争…

よく調べていて素晴らしいが、『だからなに?』となってしまった…

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2020年03月29日

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