【感想・ネタバレ】科学技術の現代史 システム、リスク、イノベーションのレビュー

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Posted by ブクログ

戦後から今日までの科学技術の進化の歴史と未来を垣間見させてくれる好著
特に2000年以降くらいの歴史は過激に進化発展しており間口も広いがこの辺りを簡便にわかりやすく歴史的な観点を据えて解説している。

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2019年07月09日

Posted by ブクログ

近代の科学技術の発展の歴史を振り返る一冊。
国家が膨大な人員と資金を集めることで科学技術の分野で大きな飛躍があった歴史がわかる。先進国が戦争を盛んに行なっていたころ、国家は膨大な資金と当時の叡智をかき集め、科学技術を軍事目的に活用している。その産物が現在の科学技術発展にも貢献している。そして、その鍵を握るのがアメリカ合衆国。この国の政府の方針がどの分野に集中して資金を投下するのかで、進歩の方向性も変わるということになる。
例えば宇宙開発では、当時の大統領ケネディが月に人類を送ると決断し、実行したことで大きく発展を遂げた。その後宇宙開発が右肩上がりに進展したわけではない。不幸なスペースシャトルの事故や、政府が予算を削減することで宇宙ステーションの運用もトーンダウンする。
2024年現在は、先の見えにくい時代で、基礎研究の分野も多様なため、集中した資金投入がしにくくなってきているのかもしれない。大きなブレークスルーが起きにくい中、国単位での発想ではなく、地球単位で知識と資金を集中して投下するような仕組みがだんだんと必要になってくるような気がした。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

新卒以来ずっと科学技術関係の仕事に携わっているのでとても面白かった。第3章で触れられている利益相反,第6章はまさに今直面していたりする内容ばかり(大学の研究現場の抱える悩み(資金獲得の激化),イノベーション信奉…)。研究機関勤務の人(特に事務系)の教科書となるべき本かもしれない。

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2020年02月27日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦からの現代科学技術史について。それはすなわち米国の科学技術史であり、冷戦終結後の米国一極体制とその後の米国、特に軍需の相対的力学低下による技術主導のグローバル&民間シフトが語られる。一方でレイチェルカーソン『沈黙の春』など、科学技術が招いた負の側面も取り上げている点がユニーク。

1991年以前は冷戦構造を基盤とした原子力・宇宙・コンピュータ領域における垂直統合型の複雑怪奇な体制だったものが、前提が崩れたのちモジュール的水平分散型に変遷し生命科学分野などに展開していったことは大変興味深い。いまや原子力は忌避され、宇宙はSpaceXなど民間企業が主導し、コンピュータはAI含め中印が台頭している。

時代がどう進むか歴史から学ぶための教養として読むことをおすすめしたい。

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2019年11月11日

Posted by ブクログ

現代史とは科学技術の歴史であるってことがよくわかった。とりわけ現代に近づくにつれて、紹介される技術が具体的にどんなものなのかわからなくなるのがやばい...。勉強しないと。

203-4頁
「個別の技術の成立・展開の過程をみると、技術は社会的に構成されているようにみえる。しかし大きな時間的・空間的スケールでみると、技術は自律的に進化し社会を駆動しているように見える。(...)
しかし複雑な社会的環境のなかで人間が自らの意思で作り上げる個々の科学技術が、なぜマクロな視点では自律性を獲得するようにみえるのか。この点に関する定説はまだない。だが、一つの有力な説明は恒常的な軍事・経済面の競争が科学技術を科学技術を一定の方向に向かわせているというものである。」

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2019年08月16日

Posted by ブクログ

 複雑な科学技術の現代史をマクロで捉えたものである。科学技術は研究者の興味関心から始まったが、それが国益になると考えられてからは、出資者が国家になる。軍用に活用されついには原爆の開発に至るが、冷戦終結後は民用化が進み、大企業が科学技術の主導者となり、変わった形の管理社会が構築されていく。そんな流れが述べられている。
 各論に入ると恐らく歴史を語るのはかなり困難になるだろう。この手の問題はそれを俯瞰する視点がいる。言葉でいうのはたやすいがそれは極めて難しい。本書はその高みに連れていってくれるのがよい。

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2019年07月13日

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