【感想・ネタバレ】CHANGE 僕たちは変われる ~日本フェンシング協会が実行した変革のための25のアイデア~のレビュー

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Posted by ブクログ

本で読むといいことしか出てこないが、相当苦労はしているはずだ。
成功例だけでなく、悪い面、失敗例などは是非聞きたいところだ。
講演を何回か聞いたことがあるが、並々ならぬ信念の持ち主だし、そのための桁外れの努力をしているだろう。
とにかく言葉に説得力がある。
そんじょそこらのサラリーマン経営者とはレベルが天と地ほども違う。
そもそもこの太田さんはフェンシングで日本人初の五輪銀メダリストだ。
世界2位まで上り詰めた人の見ている世界の景色は確実に違う。
協会の古い体制のおじさん連中も、太田に一言も文句を言えないだけの突出した本物の実力があるのだ。
ここ10年くらいのスポーツアスリートは、私が知っている世代の競技者とは確実に異なるキャラクターだ。
陸上の為末太氏も、優れたビジネス感覚を持っているし、即ベンチャー企業の社長をやっても彼らは通用するだろう。
彼らに共通するのは「戦略」だ。
競技の時でも、外国人のフィジカルに日本人が勝つにはどうすればよいか?を常に考えていた。
とにかく若い時から世界と戦い、相手を分析し、自分の勝てそうな所を分析し、そこを磨いて勝負する。
思考回路がそうなっているから競技を離れ、会社経営や協会運営などとなっても同じマインドで対応しているのだと思う。
結局「やればできる。やってなかっただけ」と言うが、本当だろうか?
太田氏が協会会長に就任したから進んだ物事ばかりじゃないか。
協会がどれだけ変わったのかは、本書では分からない。
ただし、リーダーたった一人が入れ替わっただけで、これだけの実績を残しているのだ。
とにかく数字が物語っている。
テクノロジーをどう活用するかを真剣に考え、選手の未来を第一主義とする考えに深く共感する。
選手第一ではない。「選手の未来」第一なのだ。
今の若者は未来を見せてあげないと、すぐに次の組織に移っていく。
何か社会的意義、そして自分の将来の成長を夢見れるような未来。
これをスポーツでも会社経営でも若者に見せてあげられることが、本当に本当に大事なことと思う。
人を自分の利のために利用して酷使するのであれば、若者は将来に夢を持つ訳がない。
我々自身が今までの行動を反省し、改めていかなければいけないことなのだと、身が引き締まる思いだった。
(2020/3/25)

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2020年03月25日

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