【感想・ネタバレ】論語物語のレビュー

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口達者はダメ

論語だいたい挫折してきたんだけど、これは読めた。面白かった。下村湖人さんが物語として上手く面白く仕上げてる。

下村湖人
1884年佐賀県生まれ。作家、社会教育家。本名虎六郎。東京帝国大学文学部卒。大学時代には「帝国文学」の編集委員として文学評論に活躍。のち台北高等学校校長となったが、1931年教職を辞して上京、大日本青年団講習所長として青少年教育に従事。1937年ごろからは文筆と講演の生活に専念した。1955年没。主著に『次郎物語』『教育的反省』ほか多数。

儒教・・・中国の代表的思想。春秋時代末期の孔子(こうし)(孔丘)に始まり、戦国時代には諸子百家(しょしひゃっか)の一つであったが、漢(かん)の武帝(ぶてい)の紀元前136年(建元5)に国教となり、それ以後清(しん)朝の崩壊に至るまで歴代朝廷の支持を得、政治権力と一体となって中国の社会・文化の全般を支配してきた。また漢字文化圏とよばれる日本、朝鮮半島、東南アジア諸地域にも伝わり、大きな影響を与えている。同類の語として儒学・儒家があるが、中国では儒教の語はあまり用いられず、学派を意味する儒家、その学問をいう儒学の語によってこれを示すことが一般的である。儒教の語は、外来の仏教に対して300年ごろに生じたものであるらしく、後世に至るまで主として儒仏道三教を並称するような場合に使用されていた。儒家・儒学に対していえば、儒教は教化の面を重視する語であり、いくぶんか宗教的な意味を含む語であったといえよう。思うに儒教は本来が士大夫(したいふ)(治者階級・知識人)の学とされており、その意味で儒家・儒学と称することがふさわしかったのである。そしてこの点は日本でも同様であった。ところが明治以後の日本では、学派、学問、教化のすべてを含んで広義に儒教と称するようになった。おそらくは世界史的視野にたってキリスト教、仏教、イスラム教などと並称する場合、やはり儒教とよぶことがもっとも便宜であったのであろう。儒教は宗教ではないが、その中国に果たしてきた役割からすると、欧米のキリスト教に匹敵するからである

孔子一門(孔子と弟子、家族)
孔子は長寿で72歳まで生きたので、40歳以降にできた弟子が多くいました。孔子との年齢差をみると、子路は割と近いのですが、その他の弟子は30歳から40歳は年下でした。孔子一門の通称、姓名、字(あざな)などは、以下の通りです。通称は、論語の文で登場する名称です。

孔子(こうし),姓=孔,名=丘,字=仲尼(ちゅうじ),孔子(本人)
子路(しろ),姓=仲,名=由,字=子路(しろ)or季路or仲由,孔子の弟子,9歳下
子夏(しか),姓=卜,名=商,字=子夏(しか),孔子の弟子,44歳下
子游(しゆう),姓=言,名=偃,字=子游(しゆう),孔子の弟子,45歳下
子貢(しこう),姓=端木,名=賜,字=子貢(しこう),孔子の弟子,31歳下
冉有(ぜんゆう),姓=冉,名=求,字=子有or冉求,孔子の弟子,29歳下
宰我(さいが),姓=宰,名=予,字=子我,孔子の弟子
顔回(がんかい),姓=顔,名=回,字=子淵(しえん)or顏淵,孔子の弟子,30歳下
閔子騫(びんしけん),姓=閔,名=損,字=子騫(しけん),孔子の弟子,15歳下
伯牛(はくぎゅう),姓=冉,名=耕,字=伯牛(はくぎゅう),孔子の弟子
仲弓(ちゅうきゅう),姓=冉,名=雍,字=仲弓(ちゅうきゅう),孔子の弟子
子張(しちょう),姓=顓孫,名=師,字=子張(しちょう),孔子の弟子,48歳下
曾子(そうし),姓=曾,名=参,字=子與(しよ),孔子の弟子,46歳下
原憲(げんけん),姓=原,名=憲,字=子思(しし),孔子の弟子
南宮适(なんきゅうかつ),姓=南宮,名=适,字=子容(しよう)、南容,孔子の弟子
澹臺滅明(たんだいめつめい),姓=澹臺,名=滅明,字=子羽(しう),孔子の弟子,39歳下
子羔(しよう),姓=高,名=柴,字=子羔(しよう),孔子の弟子,30歳下
樊遲(はんち),姓=樊,名=須,字=子遅,孔子の弟子,36歳下
公西華(こうせいか),姓=公西,名=華,字=子華(しか),孔子の弟子,42歳下
有若(ゆうじゃく),姓=有,名=若,字=有子,孔子の弟子,43歳下
巫馬期(ふばき),姓=巫馬,名=期,字=子旗,孔子の弟子,30歳下
伯魚(はくぎょ),姓=孔,名=鯉,字=伯魚(はくぎょ),孔子の息子,19歳下
子思(しし),姓=孔,名=伋,字=子思(しし),孔子の孫
孔子の弟子が論語に登場している回数
顔回(顔淵)は孔子からベタ誉めされている印象が強く、子路はちょくちょく論語に登場している印象ですが、論語の登場回数はどうなっているでしょうか。孔子の弟子が論語に登場している回数(トップ10)をまとめてみました。

第 1位 子路, 41回
第 2位 子貢, 37回
第 3位 子夏, 20回
第 3位 顔回, 20回
第 3位 子張, 20回
第 6位 冉有, 16回
第 7位 曾子, 15回
第 8位 子游,  8回
第 9位 樊遲,  6回
第10位 閔子騫, 5回
第10位 公西華, 5回
孔子が弟子をどのように思っていたか
論語の文では、孔子が弟子を評した言葉が多くあります。先進第十一編では、特に個々の弟子について言及している文が多いです。孔子が弟子をどのように思っていたかをまとめてみました。

子路
政務に優れている(先進第十一_03)
孔子の側で武骨な態度(先進第十一_13)
粗暴(先進第十一_18)
積極的(先進第十一_22)

子貢
弁舌に優れている(先進第十一_03)
孔子の側で和やかな態度(先進第十一_13)
金儲けをしている、彼の予想はよく当たる(先進第十一_19)

子夏
文学に優れている(先進第十一_03)

顔回
徳の実践に優れている(先進第十一_03)
理想のため貧しい生活をしている(先進第十一_19)

子張
見栄っ張り(先進第十一_18)

冉有
政務に優れている(先進第十一_03)
孔子の側で和やかな態度(先進第十一_13)
引っ込み思案(先進第十一_22)

曾子
のろま(先進第十一_18)

子游
文学に優れている(先進第十一_03)

閔子騫
徳の実践に優れている(先進第十一_03)
孔子の側で恭しい態度(先進第十一_13)

伯牛
徳の実践に優れている(先進第十一_03)

仲弓
徳の実践に優れている(先進第十一_03)

宰我
弁舌に優れている(先進第十一_03)

「【*6】年少者だからといって、すべてに自分より後輩だと思ってはならぬ。年少者という者は馬鹿に出来ないものじゃ。ぐずぐずしているとすぐ追いついて来るのでな。だが……」

「【*5】万一にも、お前がその病気を恥じて、顔をかくしているとすると、それは正しいとは云えない。お前の病気は天命じゃ。天命は天命のままに受取って、しずかに忍従するところに道がある。しかも、それこそ大きな道じゃ。そして、その道を歩む者のみが、真に、知仁勇の徳を完成して、惑いも、憂いも、懼れもない心境を開拓することが出来るのじゃ。」 伯牛は嗚咽した。その声は、窓のそとに立っている孔子の耳にも、はっきり聞えた。

「費には、治むべき人民がおります。祭るべき神々の社があります。そして、民を治め、神々を祭ることこそ、何よりの生きた学問であります。真の学問は体験に即したものでなければならない、とは常に先生にお聞きした事でありますが、特に、子羔のように、古書について学問をする力の乏しい者は、一日も早く実務につかせる方がよろしいかと存じます。誰だって、実務を目の前に控えて、ぐずぐずしてはおれませんから。」

「お前は、自分で自分の欠点を並べたてて、自分の気休めにするつもりなのか。そんな事をする隙があったら、なぜもっと苦しんで見ないのじゃ。お前は、本来自分にその力がないということを、弁解がましく云っているが、ほんとうに力があるか無いかは努力して見た上でなければわかるものではない。力のない者は中途で斃れる。斃れてはじめて力の足りなかったことが証明されるのじゃ。斃れもしないうちから、自分の力の足りないことを予定するのは、天に対する冒瀆じゃ。何が悪だといっても、まだ試しても見ない自分の力を否定するほどの悪はない。それは生命そのものの否定を意味するからじゃ。しかし……」「お前は、まだ心からお前自身の力を否定しているのではない。お前はそんなことを云って、わしに弁解をすると共に、お前自身に弁解をしているのじゃ。それがいけない。それがお前の一番の欠点じゃ。」

「金銭が欲しいばかりが慾ではない。慾はさまざまの形であらわれる。申棖が負嫌いで我執が強いのもその一つじゃ。慾というのは、理非の弁えもなく、人に克とうとする私心を指していうのじゃ。天理に従って金を貯めるのは慾ではない。これに反して、かりに金には冷淡でも、私情にかられて人と争えば、それはまさしく慾というものじゃ。申棖は慾がきつい。あんなに慾がきつくては、剛いとは云えまい。」

「【*1】学問に大切なことは、学ぶことと考えることだ。学んだだけで考えないと、道理の中心が摑めない。だからいつも行き当りばったりだ。丁度真暗な室で、柱をなでたり、戸をなでたりするようなもので、個々の事柄を全体の中に統一して見ることが出来ないのだ。むろん考えただけで学ばないのもいけない。自分の主観だけに捉われて、先人の教えを無視するのは、丁度一本橋を渡るように危いことだ。向うまで行きつかないうちに、いつ水の中に落ちこむか知れたものではない。事柄によっては、いくら考えても何の役にも立たない事さえあるのだ。【*2】いつだったか、私は、食うことも寝ることも忘れて一昼夜も考えこんだことがあるが、何一つ得るところがなかった。そんな時、古聖人の残された言葉に接すると、一遍に道理がわかるのだ。とにかくどちらも軽んじてはいけない。学びつつ考え、考えつつ学ぶ、これが学問の要諦だ。ところでお前は、そのどちらもまだ十分でない。それも、結局、お前に敬しむ心がないからではないかね。」

「礼は簡に失してもならないが、また過ぎてもならない。【*9】過ぎたるはなお及ばざるがごとしじゃ。人間にはそれぞれに分というものがあるが、その分を上下しないところに、礼の正しい相がある。分を越えて親を祭るのは、親の霊をして非礼を享けしめることになるのじゃ。のみならず、大丈夫の非礼はやがて天下を紊るもとになる。親の霊をして天下を紊るような非礼を享けしめて、何が孝行じゃ。」

「口の達者なものは、とかくつまらんことを云い出すものじゃ。出まかせにいろんなことを云っているうちには、結構世の中の憎まれ者にはなるだろう。仲弓が仁者であるかどうかは私は知らない。しかし彼は口だけは慎んでいるように見受ける。いや、口が達者でなくて彼も仕合せじゃ。誠実な人間には、口などどうでもいいことじゃでのう。」

(小人がつけ上るのも、怨むのも、また嫉妬心を起すのも、結局は自分だけがよく思われ、自分だけが愛されたいからだ。悪の根元は何といっても自分を愛し過ぎることにある。この根本悪に眼を覚まさせない限り、彼等はどうにもなるものではない。)

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2024年03月29日

Posted by ブクログ

論語に記される言葉を、物語にしてわかりやすく説明されていて、自分の理解がいかに表面的であったか身に積まされると同時に、深い感嘆を覚える作品でした。

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2023年02月02日

Posted by ブクログ

これは名著だ。

『論語』に出てくる教えを、孔子と門人たちの物語に
仕立てている。だから、『論語物語』。

論語とか孔子とか聞くと、ものすごく敷居の高い感じ
に聞こえるけれど、この本の中に出てくる孔子はとても
身近な存在。
かと言って、その教えの中身の濃さは少しもうすれて
いない。
下村湖人の成せる業。



この本はいつもカバンの中に入れておいて、仕事で
心が乱れたときなどに帰りの電車で読んだ。
そんな乱れがちっぽけなことに感じてきて、ラクな
気持ちになれたこともしばしば。
ずっと手元に置いておきたい一冊。

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2018年11月18日

Posted by ブクログ

最初は、かわいそうな子貢にばかり目がいってしまった。
何度も読み返したくなる心の本。つらい時に何かしらのヒントになる。

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2018年11月11日

Posted by ブクログ

・なによりも自分を忘れる工夫をすること。自分のことばかりにこだわっていては君子にはなれない
・自分たちの周囲には、いつも老者と、朋友と、年少者がいる。人間は、この現実に対して、ただなすべきこをなしていけばいいのだ
・斃れもしないうちから、自分の力の足りないことを予定するのは、天に対する冒?である
足一歩門外に出たら、高貴の客が目の前にいるような気持でいるがよい。人民に仕事を命ずる場合には、宗廟の祭典にでも奉仕するようなつもりでいるがよい。そして自分の欲しないことを人に施さないように気をつけよ
・上に立つ者の方で何が正しいかをはっきり理解していないと、とんでもない結果になることもある
・自分の父親を訴えるような者は正しい人間ではない。父は子のために悪いことを隠してやり、子は父のために悪いことを隠してやる。それが人間の本当の正しさだ
・君子の理想は、用いられればその位置において堂々と道を行い、用いられなければ、退いて静かにひとり道を楽しむ、というところになくてはならない

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2018年11月04日

Posted by ブクログ

論語の名句を引用しながら、孔子と弟子達のいきいきとした物語が展開される。ひとつひとつの物語に感銘。著者の論語に対する造詣の深さにも感嘆する。

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2018年03月30日

Posted by ブクログ

【阿南】老若男女問わず、お勧めしたい、楽しんで論語に触れることが出来る1冊です。
訳本によっては分かりにくい論語の1つ1つが、ストーリーとしてとても理解しやすく描かれています。
きっと、お弟子さんたちの中に、「自分とそっくり!」と共感する人が出てくると思います。

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2016年03月28日

Posted by ブクログ

論語入門にはいろいろな本がありますが、どれも難しくて理解できないものが多い。ただ、この論語物語は孔子とその弟子たちのやりとりを解説ではなく、小説風にしていることでわかりやすいし、物語に入りやすいし、非常におもしろい。論語の入り口・入門書としては最高にオススメ!

この本では孔子や愛弟子の子路、顔回たちの人間性がにじみ出ていて、論語を学ぶ前に読めば、論語の理解・解釈がさらに深まるはず。特に、子路はある意味、人間味あふれていて爆笑!

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2016年01月30日

Posted by ブクログ

内省の書。
悩んだとき、人間関係に疲れたとき、成功したのに不安なとき、心細いとき。

孔子とその門人たちと。
問答に聞き耳をたてていたら思いもかけず孔子の目に射抜かれてどきりとする。

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2015年09月22日

Posted by ブクログ

「論語」とは、立派な人になるには何をどう考え、実行するべきかということが書かれた中国の古典です。
ここでいう「立派な人」とは、仕事ができるとか、出世したとか、有名人だとかいう意味ではありません。
人徳があって、人に心から尊敬されるような人物という意味です。
そんな人になるにはどうすればいいか?
要するに論語というのは、昔風の道徳の教科書というわけですね。

さて、そこで教科書というものは、これが厄介な代物で、今も昔も変わらず、あまり面白くはないものなのですね。そう思いませんか?
実は論語という教科書も、例外ではないのです。
つまり論語は、それ自体を読むことは、だいたいの人にとってはあまり面白くはないのです。
もちろん、論語それ自体を読むということは、大切なことではあります。
なぜなら、教科書は基本中の基本ですからね。
だから決して論語を読まなくていいということではありません。

話が逸れましたが、教科書はつまらない、とっつきにくいという背景がある。
それならば、教科書を物語風にしたら、もっと面白く勉強できるんじゃないか?
というのがこの本の特色です。
本来論語という教科書にはストーリーなんかないんだけど、ストーリーがあったほうが楽しく勉強できるでしょ!
それがこの本の魅力です。

そういうわけで、本書は論語を読んだことがない人、あるいは読もうとしたけど無理だった人におすすめです。
その道を楽しむことは何よりも勝ること。
孔子もたしかそんなことを言っていたと思います。
何事も、楽しむことが入口であり、また本分でもあるのです。

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2015年05月28日

Posted by ブクログ

具体的なエピソードを通して孔子の考えが描かれているので実感がわいて面白い。孔子の弟子の言動に共感しながら読み進めると最後に孔子にガツンと言われて、弟子に共感していた自分の未熟さを思い知る。

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2013年05月04日

Posted by ブクログ

朝に道を聞けば、夕べに死んでも悔いなし。永遠は現在の一瞬にある。刻下の道を生きる心こそ、生死を乗り越えて永遠に生きる心なのである。

本当の力があるか否かは努力して見た上でなければ分からない。力の無いものは途中で倒れる。倒れもしないうちから、自分の力が足りないことを予定するのは点に対する冒涜だ。相手に言い訳するとともに、自分自身に言い訳している。

それは、お前の求道心がまだ本当には燃え上がっていないからだ。本当に求道心が燃えていれば自他におもねる心を焼き尽くして、素朴な心に帰ることができる。素朴な心こそ、仁に近付く最善の道だ。

世の中の進歩を望むものは、その進歩のためにまず己自身を進歩させることが一番の近道だ。

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2013年04月20日

Posted by ブクログ

下村胡人による論語の物語。

物語に出てくる弟子たちは、様々な悩みを抱えている。
 「こんな勉強をしてなんになるというのだ」
 「富貴や権力を得ることこそ男子の望みではないのか」
と考える弟子もいれば、
 「師たる孔子のお眼鏡にかないたい」
と打算に走る弟子もいる。
そのひとりひとりに孔子は情熱をもって教え導こうとし、成果を得られぬときは嘆息して悲しげに呟く。

下村胡人自身が青年教育に情熱を傾けた人だった。彼はひょっとしたら自身と孔子を重ねていたのかもしれない。論語を題材にした一幅の小説。それは本書の価値を高めこそすれ損なうことはない。

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2012年08月14日

Posted by ブクログ

読み終えたとき、高校生のときに出会いたかったと思った。話は面白く、『論語』理解の助けになる。

個人的には、『論語』を音読して吟味する方が好きである。

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2011年12月02日

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論語で使われている言葉の意味が、実際孔子とその弟子の間でどういう場面でどう使われたのかがよくわかる。論語を学而第一から読んでも、途中から読んでも解説を読めば意味は分かるかもしれないが、いくつかの関連した言葉を並べて、弟子の考えと孔子の考えを比べてみるとこのような物語になるのだろう。読み物としてとても面白い。弟子それぞれの性格、孔子の弟子に対する評価、そのエピソード等とても興味深い。

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2011年05月02日

Posted by ブクログ

『論語』のなかの言葉を、読過の感激にまかせて、それぞれに小さな物語にしたてている。わけのわからない、ベストセラー本をすべて読破するより、本書を何度も、何度も、何度も、何度も読み返したい。

軽い心の病から救ってくれた(病と闘う強い力を与えてくれた)著書。

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2011年04月29日

Posted by ブクログ

論語は小難しい?
違います。物凄く難しいのです。
けれども論語は孔子と弟子たちとの会話語録です。その意味を本当に体得するのは難しくとも、読むこと事態は本当は大して難しくありません。
ただ、漢文だし昔の言葉だから現代人が読むのは大変です。

この本は論語初心者におすすめ。
論語は孔子とその弟子の日常の会話語録ですが、その状況が膨大な歴史的知識と豊かな想像力によって再現されています。
漢文だと思って読まずにまず論語に触れてみるのにいい本だと思います。

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2011年01月12日

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 孔子と彼の弟子たちをまるで人間らしく生き生きと描く、その眼差しのやさしさに涙が出そうになる。渡し場の話がすごくすごく好き。

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2010年05月15日

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読みやすい論語、孔子の口調が説教臭く少し抵抗あるも概ねの部分は共感出来る。
印象的なワード
朝に道を聞けば夕べに死んでも悔いはない。
永遠は現在の一瞬にある。刻下に生きる心こそ永遠に生きる心。
なぜ君はそんなにクヨクヨするのじゃ、それは君が君自身を愛しすぎるためではないかな。

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2023年06月28日

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ネタバレ

考える材料をもらった、という印象。
自分の現実にあてはめるのが困難で上滑りしそう。
これから10年計画で咀嚼。

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2022年08月29日

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孔子と弟子とのやり取りを描いた「論語」を、生涯を通して論語を研究した著者が、ストーリー仕立てで再構成したもの。
人物の心理描写がとても生き生きと生々しく描かれていて、すんなりと読むことができた。

本当に紀元前5世紀の書なのか?と思えるほど、人間の抱く悩みは古今東西ここまで共通するのかと思わされる。
あらゆるタイプの人物が弟子として描かれていて、一人は共感できる弟子がいるのではないでしょうか?

こんなことやってしまうな、思ってしまうな、とつい弟子に感情移入してしまい、緊張感を持って孔子の発言に聞き入ってしまう。

個人的に刺さったのは、「自らを限る者」の章。弟子の冉求(ぜんきゅう)は、孔子の教えにのめり込めず、素質や才能がないから向いてないと弱気になっていた。それを孔子に打ち明けたところ、『大して努力もしない内から、自分を見限ろうとするのは、自分への甘さであり言い訳でしかない。探究心が燃えてない証拠だ』と一蹴される。

単なるhow-toではなく、生き方の端緒を学べる。
学生から企業人まで、あらゆる世代に薦めたいし、常に傍らに置いて何度も読み返したい一冊。

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2021年01月10日

購入済み

論語物語

通勤の合間に数話ずつ、気軽に読めます。同僚との会話の中でも、話を入れられて、みんなでうなづけるところが楽しいですね。

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2020年10月16日

Posted by ブクログ

日本人の潜在意識に無意識のうちに浸透している儒教の精神性、そのエッセンスがつまった論語を使い、論語で養われた筆者の思想を物語にした本書。孔子と門人達のやり取りがリアルに浮かび上がり、その思想・教えがナチュラルに入ってくる。論語を身近に感じる一冊。

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2019年11月30日

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論語の一部を一般に読みやすい物語形式にしている。心が打たれる話が多く、生き方を省みる良い機会となった。今後もたまに読み返したい。

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2016年11月30日

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面白い。ここに描かれている孔先生はちょっとめんどくさい。論語から入らず、こういう方から入った方が馴染みやすそうだと思えた。
それにしても、彼らはどうやってお金を稼いでいたのだろう?孔子はともかく、その弟子やさらに下の弟子たちは?

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2014年04月13日

Posted by ブクログ

論語とは、孔子の教えをまとめた書であるとの知識はあったが、高尚かつ難解な文章で、とうてい理解不能と思っていました。
本書は、その論語を下村湖人が膨らませ、ストーリー仕立てにしたものです。
孔子とその弟子達、またその時代に生きた人々の息が、著者によって、ありありと吹き返し、そのぶれない教えの本筋を、現代に生きる人々に教えてくれます。
この本によって、論語を学んだことになるのかどうか、分からない所ではありますが、入り口としては優れた良書だと思います。

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2013年03月31日

Posted by ブクログ

論語512章のなかから130章を解説している。解説の仕方はタイトルのごとく物語となっていて、その言葉がでた背景や歴史、門人の性格なども良くわかるようになっている。

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2012年05月23日

Posted by ブクログ

読んだのは会社のトップが読みやすく、面白いと社内報で言ってたからだ。近々会う機会もあったし、会ったときに話のネタ程度にはなるかなと考えていたからだ。 (こういう、早速買って読みました!というフィードバックは、紹介した人にとってはけっこううれしいんだよね、と心の底で打算的に考えながら)論語はいずれ読んでみたいと思っており、物語形式で書いてあるならわかりやすいであろうし、いずれ論語を手に取る日が来るかもしれない、ということを考えると、とっつきやすい本ならば良いか、という印象をもち、購入した。

著者の下村湖人という人は、論語を読むことによって生きた人で、この本は昭和10年代と大変古い時代に書かれている本だ。他には『次郎物語』(映画、TVドラマ化もされた)が有名。論語を読みやすくするために論語に書かれている内容に孔子やその門人たちを出演させ、物語風に仕上げている。孔子とその門人の心を描く、というよりも、著者とその周りの人達の心の動きを描いているように感じた。だから我々にもわかりやすくなっているのだろう。

孔子の門人の中には、私のような現代の一般人のような考え方をする人も多くいる。例えば、孔子の評判にあやかって、門下生というキャリアを積むことによって、どこかの国の役人に登用してもらえるかもしれない、キャリアアップだと考えて孔子の門を叩く者も多くいる。もちろん、心から孔子を師と仰ぎ、孔子の言うとおり、学に励むものもいるが少数派だ。孔子は、こういう状況を嘆く。自らが成長すれば向こうから勝手にオファーが来るのだから、勉強し、成長だけを考えるべきだというのだ。

『孔子組』と言えば、ほぼすべての人は基本的に俗世間から離れ、本質を真摯に学んでいるのかと私は思っていた。実はそうではない。むしろ現代人と同じく、私利私欲にまみれて生きていた。組織にはヤル気のある人:普通の人:ヤル気のない人が2:6:2の割合で存在するということをよく言われるが、この時代にもそれが当てはまるのではないかと感じた。孔子が生きていた時代に比べて確かに科学技術などは発達したのかもしれないが、人間の心は大して変わっていないのだなというのを知るには良い本だと思う。

私は、門人と同じく打算的に考えてこの本を購入したのだが、孔子が現代に生きていれば、大いに嘆かれる存在なのだろう。

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2011年11月26日

Posted by ブクログ

『論語』をアレンジして小説化したもの。
内容も分かりやすく、論語初心者でも楽しんで読めます。
孔子とその弟子の生々しい会話が描かれています。

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2011年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

論語を物語形式ででわかりやすくしてくれてありがたい。
でも、そうなるとどうしても原文を読み飛ばしてしまうから次はもっと原文よりのを読みたい。



学んで思わずばすなわちくらし
深く考える方法がわからない

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

古典を少しづつ読んでいる。少しうんうん私も心がけなくてはと思う所があるが、まだ実力不足でピンとこないモノが多く、進まない。要再読。

【学】
何が悪かと言っても、まだ試してもみない自分の力を否定するほどの悪はない

強いと言うのは、人に勝つことでは無くてくれ己に勝つことだ。すなおに天理に従って、どんな難儀な目にあっても、安らかな心を持ち続けることだ

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2016年11月24日

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