【感想・ネタバレ】ベルサイユのゆり―マリー・アントワネットの花籠―(新潮文庫nex)のレビュー

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Posted by ブクログ

「マリー・アントワネットの日記」の続編。

革命のさなか、九月虐殺の犠牲になったランバル公妃が幽霊となり、マリーアントワネットゆかりの女性の元を訪れ、話を聞く。

アントワネットって、時代を超えても不思議な魅力を持ち続け、人々を魅了し続けていると思う。
その非業の死はもちろん、真偽が疑わしい言動も、全てアントワネットを引き立てているみたい。

世界史やフランスに詳しくなくても、面白くて一気に読める本。
この一冊で興味がわく人もいるかもしれない。

登場人物や事件を調べながら読んだので、この時代のことをもっと知りたくなった。

歴史好きも、プリンセス好きも、フランス好きも。
読む人みんなが、アントワネットや周りの女性たちが残酷な歴史の渦に飲み込まれる様子にドキドキするはず。

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2022年10月19日

Posted by ブクログ

『マリー・アントワネットの日記』が非常に面白かったので、続編的スピンオフ短編集である本書も手に取ってみました。

やはり、面白いですね~。
本書は、マリー・アントワネットの友達というか取り巻きの一人であったランバル公妃がフランス革命で命を落とした後、幽霊になってマリー・アントワネットの周囲にいた人物一人ひとりにインタビューしていくという形式をとった短編集です。

本編で活躍した(?)デュ・バリー婦人やポリニャック婦人等のお馴染みの人物はもとより、マリー・アントワネット専属の髪結い師や肖像画師、そして主席侍従などあまり本編には登場しなかった人物から見たマリー・アントワネット像なども垣間見れて非常に興味深かったですね。

本編では、マリー・アントワネットのまさかのギャル口調には驚かされましたが、本作ではマリー・アントワネット本人は登場しないのであの独特の口調を楽しむことはできません。
ですが、筆者得意の斜に構えた文体は本作品でも健在です。特にマリー・アントワネットの娘で唯一、生涯を全うしたマリー・テレーズへのインタビューではあの語り口を彷彿とさせる語りぶりで、小気味いいものがありました。

本編と同じように、本書を執筆する際にも著者はかなり参考文献を調べているようなので、本作もファクトチェックはしっかりとなされているのでしょう。
フランス革命後の歴史を勉強する際にも役立ちそうです。

本作は、続編といっても良いようなできなので本編『マリー・アントワネットの日記』を楽しまれた読者であれば、ぜひおすすめします。

この本の裏表紙の紹介には「百合文学」なんて書いてありますが、僕が本書を読んだ分にはそのような雰囲気はほとんど感じられなかったので、ちょっとこの紹介文を読んで敬遠していたような人がいたら「そんなことはない!百合文学などではなく正当な続編だ!」と声を大にして言いたいので、安心して読んでもらいたいと思います。

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2020年01月19日

Posted by ブクログ

娘 マリーテレーズの生涯については
知らないことばかりで
そして 辛い人生を送った彼女と
その母アントワネットの間柄を
さもありなんと思える書き方に
感服いたしました
前作に萌えた方はぜひ
アントワネットを共に偲びましょうぞ

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2019年11月26日

Posted by ブクログ

いや~今回も面白かった。
20代の頃はまってマリー・アントワネット関連の本を読んでいたから、また本棚を漁って読み直したくなった。

今の時代の若者も読みやすい文章で、それでいてちゃんと沿っていて素晴らしい。

ノートルダム大聖堂も変わっちゃったのよ~と、最後に突っ込みたくなる。

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2019年10月08日

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マリーアントワネットの日記のスピンオフ‥マリーアントワネットの日記よりは、読みやすかったのが第一の感想。でもやっぱり順番としては、マリーアントワネットの日記を読んでからの方が断然いいと思います!やっぱり、マリーアントワネットって天真爛漫でありながら王妃としての自尊心もあって、誰からも愛される‥やっぱりその人柄に惹きつけられます。私も百合にハマっちゃったかな(笑)

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2022年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あの人のことを語らせて。

パリ旅行者に話しかけてきた幽霊は、マリー・アントワネットの女官長だったランバル公妃。彼女はマリー・アントワネットの近くにいた人々から話を聞き、慕っていた王妃に再び会う時の土産話にしようと考えたのだ。そして彷徨うこと幾星霜。2018年のパリで、ランバル公妃の口から語られる、マリー・アントワネットという人のこと。

様々に王妃と関わり、王妃を愛した人たちから語られる王妃の姿。それはその人が命を終える時にランバル公妃が聴いたからか、語るその人自身についての語りでもある。あの時代を、革命を、どのように生き抜いたのか。女性として、自分として、何を求めて生きたのか。18世紀の人の感覚というよりは現代女性的な自己認識に感じるが(18世紀のジェンダー論には明るくないので)だからこそ、王妃と一緒にあのベルサイユにいた人のことが身近に感じられる。

フェルゼンからは話を聞けなかったと言うランバル公妃。彼の心のうちは、想像に任せるのが一番美しいのかもしれない。マリー・アントワネットは、愛されて、また愛した人だった。その愛のすべてが等しく、友情も恋愛も区別なく、ただの愛だったのなら、どれほど心慰められ、また寂しくなるだろう。

オタク気質のランバル公妃、話しかけた相手もガチ勢で、よい話し相手を見つけたオタクほど幸せなものはないよね、そりゃあ語るよね、と思いました。

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2021年12月11日

Posted by ブクログ

これもおもしろかった~。
「Rose」と「Bleu」のようなギャル口調のおもしろさとは違うけど、当時アントワネットのそばにいた人たちが思ってたことを語ってくれてる。
読み終わってすぐに再読。
そして今「Rose」と「Bleu」を再読中。
とっても興味深いし、ある意味アントワネットのファン。

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2020年11月15日

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『マリー・アントワネットの日記』の姉妹編。
アントワネットの周囲の人々の、革命後の人生を辿る。

革命のさなかで惨殺されたランバル公妃。
幽霊となった彼女が、アントワネットゆかりの人々を訪ね、「その後」を語らせる。
ジャンヌ・ヴァロア、デュバリー夫人、ポリニャック夫人、髪結いのレオナール、モード商のベルタン嬢などなど。
そして「大トリ」は、娘のマリー・テレーズ。

こうした後に残った人々が、苦難の人生を送りながら、語る。
この語りが、「マリー・アントワネット現象」とでもいうべきものを生み出していく力学のようなものが透けて見えるのが面白かった。

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2020年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ベルばら」に登場しない、マリー・アントワネットを愛するランバル公妃の幽霊が、マリー・アントワネットに関わってきた人々に素直な気持ちを聞いて回る、というストーリー。
実はデュ・バリー夫人はそんなにアントワネットが嫌いではなかったとか、娘のマリー・テレーズは割と気丈な娘だったとか、史実かどうかわからないけど、面白い!肖像画家が自分で自分を「通りを歩けばすれちがう殿方すべてが振りかえるような美少女だったんです」と言っちゃうところとか(笑)
これは是非シリーズ前作も読んでみらねば!

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2019年12月31日

Posted by ブクログ

ランバル公妃はこれからもずっとパリが変わっていく様子を見ていくのかな…
マリー・アントワネットの周りにいた人々がフランス革命と革命後を、楽しく時に悲しく語ってくれます

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2019年09月17日

Posted by ブクログ

「マリーアントワネットの日記」スピンオフ。脳裏にトワネット節の余韻が残っている。今作は幽霊となったランバル公妃が、革命時に翻弄された主立った面々のもとへ世界各地を訪問。マリーアントワネットを話題にぶっちゃけトークした内容を、フランスを訪れた旅人に夜を通して語りつくす短編集。発想が面白いし、はっちゃけた文章は変わらず。マリー・テレーズの章が良かったなぁ、吉川トリコさんこれが一番描きたかったんじゃないかなぁ。今度別作品も読んでみよー。

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2021年05月10日

Posted by ブクログ

面白かった。読む順番を間違えたっぽい。
先にマリーアントワネットの日記を読んでから読むべきだった。
軽く書かれてるけど、フランス革命当時の女性は貴族も平民も大変だったんだろうなと知識のない私でも感じた。
マリーアントワネットの日記も読んでみよう

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2020年02月06日

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