感情タグBEST3
Posted by ブクログ
初めから読み返して伏線を回収していきたいと思う作品。
登場人物同志の細かい心理描写が過去の出来事、体験に対する直感的な共感であることが多かった。
飛躍してしまうようだが、
「他人の過去の出来事に触れる時、似た体験をしていて心情がわかる事と、その人自身に寄り添うことのどちらが大切なのか」
と読書中に考えてしまった。実際に、夏都は最後まで智弥の気持ちを菅沼先生の体験に投影することで理解していたようだが納得はしていない様子で、人との間の愛情をただ信じることでしか寄り添うことができていなかった。
だが、分からなくたって愛していたいと思うのではないか。分からないからこそそばにいて、いつか過去に触れてしまう時を待ってしまうのではないか。
Posted by ブクログ
最初から最後まで、全く展開が読めない(^ ^; 乱暴な言い方をお許しいただければ、「プロットをちゃんと考えずに取りあえず書き始めて、キャラが勝手に動いてくのを追っかけて一作にしました」みたいな、余談の許されなさ(^ ^; もちろん、そんなことはなく、きちんと計算され尽くしている訳で(^ ^ 最後の最後になって「壮大な釈迦の掌」に驚かされる。
登場人物は、みな「漫画っぽい」感じで、それがドタバタと大きなうねりに巻き込まれ、取り込まれ、ハラハラドキドキなかなかなサスペンス感(^ ^ この辺はRPG感と言うか(^ ^
とにかく菅沼先生がいい味出してる(^ ^ 世間からずれまくった数学バカ...かと思うと、一途な淡い恋心(?)や時おり見せる鋭い推理とか... 本作は、彼が存在するからこそ成り立っている、と言っても過言ではない。
読後の第一印象としては、それぞれの登場人物の「その後」が見たくてしょうがない(^ ^ 本作で描かれた、ほんの短い「ある一時期」のその後も、この魅力的なキャラたちなら、きっとドラマチックな日々を送るに違いない(^ ^ 大きな事件はなくとも、「後日談」をぜひ出して欲しいものである(^ ^
人違いで拉致されたアラサーのヒロインが、自分でもよくわからないまま、なぜか事件に首を突っ込んでしまう。軽快なテンポ、展開も早く、楽しく読み始めることができる。第四章までは、概ね、このような疾走感にあふれた内容が続く。
Posted by ブクログ
衝撃。前半はストーリーはそこそこに、特に主人公が行動してから自分の心理に気付くあたりの描写が見事。そして後半はストーリー展開で魅せてくる。面白かった!「移動デリ」と見るとデリヘルっぽいが実際はキッチンカーのこと。
Posted by ブクログ
すごい傑作だと思う。緩やかに衝撃的。胸が締め付けられてホントにたまらない気持ちにさせられます。今の子って、大人の状況を把握するのが上手な子が多いのは感じる。その中にはたしかにとても物分かりが良くて大人の判断をする子もいるけど、やっぱり我慢してるんだよね。大人はそういう子にこそ目を向けなければいけないってことをあらためて突きつけられた気がする。
Posted by ブクログ
少年と叔母さんの家族の話。
なんかやっぱり親って大事なんかも。
私のこれからの親としてのいろいろを考えるなと思った。
道尾さんやっぱりおもしろい話多いな
Posted by ブクログ
智弥の気持ちを思うと少し苦しくなった。
主人公と甥っ子の話ではあるけど
親子の話でもあるな〜という感じ。
当人たちとしては些細なことが
大きな出来事になって周りを巻き込んでいく感じがリアルだと感じた。
Posted by ブクログ
他人の人生を変えてしまえる関わりを作り上げることができてしまう。その、浅はかな考えに、意図せず協力してしまうところが悲しかったです。他人の苦しみはわからないものだけれど、おざなりにしてしまうことで、悲しい結末を進めてしまうことになる怖さがありました。
Posted by ブクログ
4.1点
複数の作品を組み合わせたような不思議な小説
序盤で日常を描きつつ、その中で起こるちょっとしたイベントを飽きさせず読ませてくれる。
そうかと思えば急に誘拐されるという一捻りから、なぜか誘拐犯たちを手助けするところで主軸が進んでいく。
よく考えれば分かるレベルの無理のない伏線を回収していきつつストーリーは進行し(智弥の有能っぷりは都合良すぎる気もするが)想像したものと全く違うラストに着地する。
ラストを伝える為にそこまでのストーリーを紡いだとすると、酷く回りくどい書き方をしている。しかしだからこそ最大級のインパクトを読者に残す。どうなったかを描かないからこそ良いのだろうが、どうなるのか気になる不思議な感覚。
初の道尾秀介作品で強烈な印象が残った。
Posted by ブクログ
2019年、27冊目は、今年、初の道尾秀介。
掛川夏都は、バツイチ。彼女は、実の姉の息子である、智弥と二人暮らし。移動デリを営むも、その生活は楽なものではなかった。ある日、夏都は営業前に車ごと拉致されてしまう。彼女を、拉致したのは、アイドル、カグヤとそのファン達であった。そこから、夏都、智弥、智弥の塾の先生、菅沼はカグヤとそのファン達の企てに巻き込まれてゆく。
正直、フィクサー的存在は道尾ファンなら(自分程度でも)、想像出来る範囲内。ソレでも今回は第五章と終章で、道尾流のフックを、かなり拾い直してくれる親切設計。元々が女性週刊誌連載と、道尾作品に馴染みがない方々のためかもしれない。そのため、道尾初心者にもオススメの一作。
その上で、最高のドライブ感、展開、オチ、大オチを用意するところは、サスガ。他人に踊らされるコトを嫌う方々、勧善懲悪を好む方々、性善説を信じる方々向けではないが、道尾作品入門編としても機能しそう。自分のような、世の中斜めに見てる人間には、ラストの少しウェットな感覚の方が……だが……。
Posted by ブクログ
夫の浮気による離婚。
夫と2人で始めようとしていた移動デリの仕事。
姉の弟との同居。
主人公のナツは、リアルな現代の女性像を
ありのままに描かれている。
女の強がり、見栄、本音の寂しさ、
意地。負けん気。
そんな事を言ってられない現実。
そんな中、有名女優の姉のスキャンダルを
もみ消したいアイドルのカグヤ一味による
ナツの拉致事件。
姉のスキャンダルを暴露させまいと
作戦を練り協力していく様が、
面白おかしく描かれている。
衝撃の黒幕。からの黒幕。
みんな人間で、心があって、
本音を隠しながら強がって、
それでも生きてるんだ。
それが家族なんだと。
著者が男性なのもまた、一興。
Posted by ブクログ
スタッフじゃなくてスタフ。??どんな意味?
みんな寂しい。少し寂しいかとっても寂しいか、人それぞれではあるけれど。面と向かってそう言えたら何かが変わっていただろうか、言ってもしょうがなかっただろうか。
小さな声でも言ってみようよ、小さな声を聞き逃さないようにしようよ
Posted by ブクログ
結構中盤まで盛り上がりにかけていた。起こる出来事はあまり深刻ではないし、これといった盛り上がりもない。
でも、徐々にジワジワと読む気力が高まっていった。最後、こんな話になるのかー!と完全に感服!
死がないミステリーでもここまで面白くなるんだな。道尾さんすごい!
Posted by ブクログ
前半部のオチは予想外の部分もあって面白かったが、智弥の性格設定がいかにもな感じで、全体のオチに向かって自分的には話が尻つぼみになっていった感じであった。
夏都の性格設定は個人的にはとてもすんなり入ってきたのだが、それ以外がちょっと自分に合わなかったかなあ。
Posted by ブクログ
展開の早い、スピード感のあるストーリが好みなので
この作品は自分には合わなかったかなあ…。
半分読んでもあまり面白いとは感じられず、少し退屈でした(^^;)
後半になってやっと面白くなってきて
登場人物の生い立ち、その時の思い
が明らかになっていき、
答え合わせのような、伏線回収。
読んでいくのが楽しくなりました。
ラストは少し切ない気持ちが残りました。
Posted by ブクログ
道尾秀介作品の2つ目。評価は高いねんけど。合う合わんってあるよな。なんなんやろこれって。自分が今まで読んできた本とか、生きてきた人生とか、出会ってきた人とか、いろんなことがミックスされて、作品の好き嫌いが出来るんかな。なんか合わん気がしながら最後まで読んだ。道尾秀介作品ってこんなもんなのか?もう一作ぐらい読むべきかな。これぞという作品があったら教えて欲しい。
Posted by ブクログ
可もなく不可もなく、って感じかな。かるぅいノリなので、色々と小説的なひっくり返しがあったところで、「へぇー」ぐらいの感じ。インパクトには欠けた。印象に残らない系の作品。
Posted by ブクログ
智弥君の描き方が非常に良かった。
いくらしっかりしていても中学生なんだから、極端に装うことで自分を守ろうとするのも仕方がない。
読 んでいて愛おしくなる少年でした。
一方で誘拐事件の真相や、それに纏わる大人たちの言動はいろいろと情けなかった。
何度も緊張感を演出する割に蓋を開けると実は意外とつまらない状況だったり、読み易いけれど盛り上がりに欠けたかな。
Posted by ブクログ
道尾秀介の作品を読んだのは本作品で7冊目です。ドタバタ感の臨場感は道尾ワールド全開といった感じで相変わらず面白く読めました。しかし本作品を読む2冊前に、同じような誘拐モノを読んでいたので、内容的には少し物足りなかった感じが残ってしまいました。こちらを先に読むか、もしくはもうちょっと間を空けて読んでれば星4つでした。
Posted by ブクログ
パプアニューギニアに海外赴任中の姉の息子を預かり、借金をしながらギリギリの生活を送る、移動デリで経営をするバツイチアラサーの主人公夏都。
ある日、突然、中学生アイドルとそのオタク親衛隊に拉致される。
しかしながら、それは人違いの拉致であり、あれよあれよと芸能界の暗部に巻き込まれてゆく。
誰しもとは言わないが、意識してか無意識か、関わる集団ごとに顔を作ってしまうことはある。キャラを作ることで、自分を守るように。自己に自信のない者には多いのかもしれない。
身に付けた強みはどうしてある日、弱点になってしまうのか。自分の人生を守る武器だったものを他人を傷つける凶器として使ってしまうのか。いつから、大事な人がどれだけ自分のために傷つき、耐えてくれるかで、愛を計ろうとするのだろうか。
子供や女性の心理描写を描く筆は、相変わらず秀逸。
Posted by ブクログ
物語と
伝えたいことが
はっきり
しないとも思えるが
逆に
そこに
深みがあるのかもしれないと
考えさせられる作品だった
作者は
女性の感覚を持っているようにも
思えた