感情タグBEST3
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10年以上前に、NHKのラジオ深夜便で正にこの話をされていて、黒川伊保子さんのことはとても記憶に残っていた。(「いほこ」という呼び名は叱られにくい、とのことで名前が印象に残ったのだろう)
その時は言語学が専門の学者さん(文系)かと思っていたが、最近のご活躍でAIや脳科学など理系の人と知って驚いた。
昔から名は体を表す、などと言うのだから、日本人は感覚的には語感の重要性を認識していたのだろう。
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黒川さんを初めて知ったのは早朝のNHKの落語番組で。なんて心地よい話し方をする人なんだろうと感動しました。AIの研究をされているけれど、専門は物理だったという謎もこれを読めば分かります。語感について納得することばからり。面白いです!
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ぼんやりと過ごした妊娠期間中、子供達は地響きの様な私の言葉の語感に晒されながら育っていたんだな。と思うと、ぼんやり過ごした事がとんでもなくもったいない気がしてきた。発音の違いや語感なんて意識した事なかったけど、言われてみれば納得する。大和言葉のある国に生まれて育った事を、私も嬉しく感じます。
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めちゃくちゃ面白いかったー!
ひとつひとつのことばの音の持つ意味、ほんとだー!となるし、今までの世界がまた違って見えるようになるのがまた面白い!!
情を伝えたかったら大和言葉、理を伝えたかったら漢語、意識したいと思います!
黒川さんの本はほんとにどの分野でも好奇心が刺激されてとにかく面白い!
Posted by ブクログ
人生とは決断の連続であり、自分の下してきた決断は後悔したくはないという思いはありますが、黒川女史のこの本に3年前に出会っていたら、娘との関係が、20年前であれば妻との関係がもう少し良くなっていたような気がします。
同じ気持ちを伝えるにしても、言い方や相手にとって気持ちよく聞こえる語感の大切さがこの本には丁寧に解説されています。今から実行するにしてもけして遅くないと思っています。ここに書かれていることを理解して、自分の言葉で、そして語感に気をつけて話をしたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・返事の第一声は、柔らかく響く「ん」を使う。「ん、元気?」「ん、どうしたの?」(p27)ヒトが人生最初に発音する子音は、M音である。舌の上の空洞に柔らかい息を満たしていく音である(p42)赤ちゃんがM音とほぼ同時に発音しだすのが、PとBである。パパやママ、バーバは早い時期に言えるが、歯擦の濁音はテクニックがいるのでなかなか言えない。(p44)
・K音は喉を硬く閉じて強い息をぶつけて出す、喉の破裂音である。硬く、強く、スピード感がありドライである。イは、喉の奥から舌の中央にかけて強い力を走らせ、内から外へ向かう「強い前向きの力」を感じさせる(p45)空冷効果を最も活用しているのが「サ行音S」である(p49)
・日本語のラ行音は、前後の音韻によって、LになったりRになったりする。奈良なNaraだが、奈良女子大は、Nalaと発音する(p50)
・ハ音はスピード感がある、「はい」は電光石火であなたの元にという語感がある、「ええ」は思慮深さがある「はい」には客観評価のようなものはないが、「ええ」には知恵とエレガンスを感じさせる大人の女性の肯定語である。しかしスピード感はない。「いいね」というと前のめり、「ええなぁ」と言うとちょっと下がって眺めた感じがする。関西人はこの使い分けがうまい(p57)
・タは、口腔がもっとも高く上がる音、カは、二番目に高く上がる音であり、タカは、高い。カは、喉がもっとも硬くなる音、タは、舌がもっとも硬くなる音であり、硬い(p62)
・Dの接続詞(でも、だって、どうせ、だからぁ、たださぁ)は使うべきではない。チームの意欲とスピードにブレーキをかける。他人のために使う場合には、落ち着かせるのに良いが、自分のために使うのはカッコ悪い(p77)「で、何が言いたいの?」とは言ってはいけない、正解は「で、君は?」(p80)「で、結論は?」は対話をぶち壊すことになる(p81)
・止まった状態から動き出す時、万能なのは「よし」「よっしゃ」である。ヨは、イオを一拍で発音する言葉で、強い前向きのパワー(イ)を上下に大きく(オ)緩和する。口腔を上下に拡張するのでどの人にも効く(p84)
・ヤ行おんは、女心を解く言葉である。「やっと二人に慣れたね」「ようやく、ここまできた」「ゆっくりしよう」「やれやれ」(p86)
・訓読み言葉には、母音が多用されている、嬉しい・ありがとう・おさめ、光栄・感謝・査収の音読み言葉は漢語由来で子音が多用されている、漢語で激励(理を伝える)し、大和言葉で労う(感情を伝える)(p89)
・相槌に、アイウエオを入れると親密感が増す。「あ〜そうなんだ」「いいね、わかるよ」「うんうん、そうかい」「え、そうなの」「お、そうきたか」「おはよう」「お疲れ様」「お願いします」(p90)「あー」は憧れ、「おー」は感動を伝える(p98)
・母音と、これに息が停滞して温まる、M、N、D、鼻濁のG(鼻に抜ける)、二重母音のY、Wを加えたものが「情を伝える音韻」、これに対して、息の風を伴う音韻たち(擦るS,H,Z,G、破裂させるK,T,P,B,F)は相手との距離感を作り出し、客観性や理を感じさせる、凛々しさや爽やかさを伝える音韻である(p105)
・うなずかない夫、「わかるよ、大変だったね」を言わない夫に、妻は絶望していく(p109)
・習い始めたばかりの外国語は、なかなか聞き取れない、しかし発音できるようになると面白いように聞き取れるようになる。発音体感を想起することによって、耳に入ってくる音声情報から単語を切り出すことができるからである(p116)
・男子たちが濁音に好みを傾倒させていく一方で、女子たちは、軽やかに発音でき、口腔が冷える音たちの好感度をあげる。S,K,ラ行音、Pなど、イ段音、ウ段音が語頭か、語尾にあると女子たちの好感度が上がる(p145)
・ヒトの脳には、認識の仕組みから生じる7年周期があり、「7年で飽きる」という癖もある、流行は人々が一斉に7年目に飽きる。それを4回繰り返した28年目で感性真逆の事象を愛し、56年目に元の位置に戻ってくる(p152)バブル期から2013年頃までは人々は「夢」という言葉を使った、それ以降に使われるようなったのは「使命」「本格」「挑戦」などである(p156)
・感性トレンドによれば、2019−2027年は、凛々しさが増し、パワーへと傾倒していく時代なので、本質をつく文言、クールな言い振りが好感度を上げていく。音韻では、息や筋肉がタフに働き、口腔内の温度が下がる音の好感度が上がる。T,K,H,P,R,Sがそれに当たる。(p165)
・英語人は、子音間の間隔が一定であることにこだわる、挟まれる母音の勝手な間延びを許さない。母音主体で認知する日本語人は、間延びに強いので、母音は好きなだけ伸ばせ、尺に無頓着に発音する(p179)
・イタリア語は母音派、ドイツ語・英語は子音派である、日本語はハイブリッドである。日本語には、漢語由来の音読みと、大和言葉由来の訓読みがある。「命、海、空、心、ありがとう」が「生命、海洋、天空、精神、感謝」となる。あらゆる表現をシステマティックに二重にすることが可能な、世界でも他に類を見ない言語である(p184)
2020年12月27日作成
Posted by ブクログ
日本語教師の養成講座の科目の一つで音声学を学びましたが音感までは勉強していません。そんな中で大変勉強になる内容でした。一冊でファンになりました。A Iの研究からここまで勉強し、書けるなんて脱帽です。6ヶ月の息子を持つ嫁に桜と呼ぶ日本人とCherry blossomと呼ぶ英米人のくだりをを読ませました。
Posted by ブクログ
『情を伝えたかったら大和言葉(訓読み)を
理を伝えたかったら漢語(音読み)を。』
ちなみに、訓読み・嬉しい、ありがとう、など
音読み・光栄、感謝、など
以前、大和言葉にハマっていたことのあるわたし。 実感します。 話しているわたし自身も柔らかな気持ちになります。
『 対話をぶち壊すクラッシャー』
子どもの保護者会であった一人一分の自己紹介の内容を片っ端から話してくれたの妻への対応に頭を抱えた愛妻家。
『「で、何が言いたいの?」だなんて、絶対言っちゃいけない!
では、夫は我慢しなければいけないのか。
いや、・・・「で、きみは? きみはなんていったの?」と聞けば、話は一気に短縮される。』
なるほど。 急かされた感がなく、反対に、愛情さえ感じます。 すぐに使えそうです。
『 感情ネーミングの法則 』
車、家、食品などなどのブランドネームの話のアレコレも面白かった。