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魚住と徳井の関係性にほっこりし、椅子職人という珍しい職業に魅了されているうちに、気づいたら読み終わっていました。椅子ってそんなに買い替えることがなく、当たり前のように毎日使っているため、空間の一部として捉えがちですが、一つの椅子として見ると、座面や背面のデザイン、脚の数など椅子の見た目の面に加えて、誰が座るのか、どこに置くのかなど、相手によって場所によって、適している椅子が異なるんだなということを感じ、今後椅子をみた時、新たな視点で見られるのではないかと思います。あと、魚住がモテると言うのは、何となくわかる気がしました。私も甘えられる徳井が少し羨ましかったです。それぞれの強みを活かして椅子作りを続けていく二人が、いつか虹に座れるように応援したい、そう思わせてくれる温かな物語でした。
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徳井と魚住の信頼関係だったり、菜摘とのいい感じの距離感だったり、胡桃も含めた4人の絶妙な雰囲気。ちょっとした事件は起こるけれども、それでも一貫して後ろに流れている穏やかな空気が好き。
区切りの椅子のマークが一つだけ謎の形になって、これも椅子なのか?と思ったら、胡桃の「ヤツメウナギ」だったみたい。後ろ表紙を見て気付いた。でもここだけヤツメウナギにする理由が不明。
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虹にすわる
素敵なタイトルの本
椅子作りに向かう青年の物語
相反する二人が、それぞれを補って
椅子を作っていく
自分で生き方を選択する
素敵な終わり方
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椅子職人になろうとする2人の話。
この話を読んでいると、色々な椅子に座りたくなる。
若干設定や展開の軽さはあるものの、世界観は暖かくて好きだなあと思った。
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こじれたアラサー男子二人が椅子職人になろうといきあたりばったりで進んでいく話。
行きあたりばったりでも、お互いが互いの苦手な部分を上手くフォローしている。
調子に乗るタイプと慎重派タイプ。
サクサク読めた。
☆3.5かな。
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魚住くんの椅子への愛があふれ過ぎていて、たまらなく愛おしい。
あらためて、「椅子っていいな」と思った。
人は常に居場所を求めるものだけれど、その一番小さなスペース、単位?…が椅子なのではないかと思った。
それが、心と体に添う物ならなおさら。
徳井律と、一つ下の魚住光は、10年前、大学の選択科目の木工の授業で知り合った。
卒業後、建築学部だった徳井は住宅メーカーに就職して営業職となり、造形学部だった魚住は老舗の家具工房に弟子入りした。
10年を経て、徳井の故郷で二人は再会。
徳井は年老いた祖父が心配(という名目)で故郷に帰り、そこへ、親方の方針と対立して家具工房を飛び出した魚住が転がり込んできた形だ。
徳井は、魚住の情熱に引きずられる形でオーダー家具の製作に携わっていくが…
芸術家になり損ねた人たちも出てくるが、過去を引きずることはしない。
進藤先生の「建築家はアーティストではない」というのも分かる。
芸術家の作品は、あくまで己のみの嗜好で作られ、その人に属するが、建築と内装はあくまでそこに住う人のためにある。
“民藝運動”の“用の美”に通じるものかもしれない。
この頃気になって読んでいる「手仕事」に関わる作品。
ドロドロは無く、対立や喧嘩も素直な気持ちの吐露で、下心や駆け引きもなく。
あたたかい、木肌の温もりのような作品。
デザインの魚住、技の徳井、二人なら完璧!
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大学時代の同級生の徳井と魚住。
2人が久々に再会し、徳井の地元の片田舎で椅子工房をはじめる話。
暖かくてほっこり。
そして読みやすくてさらさらと読める一冊。
特に大きな変化も感激もないけれど、どこまでも暖かくて優しい気持ちになれる一冊。
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すらすら読めました。
徳井の慎重さとか先を見越して考えてしまうのが共感できました。魚住みたいな考え方ができたらすごくいいなと感じました。やりたい事があるけど前に進める勇気がないって方に読んで欲しい!
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フォロー中の方たちのレビューに惹かれて手に取った本。
緻密な作業が得意な職人肌の徳井と、アイディア豊富な天才肌・魚住のふたりが、何やかんやで椅子の工房を立ち上げ、互いを認め合い、これからもふたりでやっていこうと決意するまでの物語。
…などとまとめてしまうと、すごくつまらなそう。レビュー下手くそでごめんなさい。
fukuさん、tamazusa-doさんのレビューを読んで下さいませ。
面白くなかったとは言わないけれど、良くも悪くも全体に薄味に感じた。
ふたりの凸の部分、凹の部分、ともにさらっとしているからか。
木工や椅子についての描写に、驚きがなかったからか。
それぞれにお似合いの女子も登場するのに、それほど恋愛要素にもならなかったし。
むしろ、魚住の恋人のぬいぐるみ作家・胡桃がイイ。
自分の感性を貫く強さがある一方で、恋もして、現実的でもあって、魅力的。
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ゆったりと進んでいく物語。
正反対の気質なコンビなので、椅子への情熱や思い入れも全く異なる2人だけど、不思議とかみ合うコンビ。
途中の家具作りの手法説明にあったような、へこみと出っ張りをぴったり合わせる「組み手」を体現したような2人だなと思いました。“つなぎめをぴったり合わせるのは難しいけれど、うまくできれば美しくて強度も高い。”
2人の作る椅子は、きっと同じように美しくて強度も高いんだろうな。
どこでどう生きていくのか、自分の意思で決めるというのも、隠し持つプライドや自分への言い訳、周りの視線、いろんなものが邪魔をして、なかなか難しい。それでも自分で選んでいかなきゃいけないんですよね。
胡桃ちゃんの作る作品も実際に見てみたいと強く思いました。笑
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真面目で人に合わせて生きることを厭わない、無口な職人肌の先輩。
ふわふわしているようで椅子の事になると曲がらない、天才肌の後輩。
ずっと夢を見ていられるほど若くもないが、夢を捨てて現実に生きる程達観出来る年でもない。祖父と暮らす為に都会を離れた先輩の家に転がり込んだ、椅子作りの夢を見続けている後輩が次第に現実的な先輩を巻き込んでいきます。
ライトな読み口でさらりと読めます。言い換えれば引っかかりも少ないので、この本を読んで何かを始めようと思わせるパワーは持ち合わせていないです。
色々な物を犠牲にしているように見えながら、とても多くの物を持っている二人としか見えませんでした。
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椅子作りの技術は持っているけれど自分に言い訳し続ける徳井。
アイディアは豊富だけど爪が甘い魚住。
田舎に戻り祖父の修理屋を手伝う徳井のもとに転がり込んできた魚住。
2人で椅子工房を作ろうと意気込む魚住に戸惑いながらも
椅子作りに協力するようになった徳井。
2人で完成する2人。
そういう存在の人がいるって素敵かもしれない。
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主体性はあるが周囲を振り回してしまう魚住と、几帳面な故に後ろ向きになってしまう徳井。
二人が始めた椅子工房は少しずつ軌道に乗り始めるのだが…。
いわゆるひらめきの天才タイプの魚住。だがそれを実際に作り上げるスキルが足りない。
逆に徳井は魚住のような個性的なデザインは浮かばないが、魚住のデザインをきっちり作り上げる職人のような技はある。
二人のコンビはとても良いバランスのように見える。
しかし二人ともそれまで勤めていた会社、あるいは工房から逃げてきた(追い出された)人間で、今どきの言葉で言えば生きづらさを感じている。
祖父と共に小さな町に住み、修理屋を細々とやっている徳井にとっては幼馴染の菜摘と祖父こそがそれぞれ態度は違っているが自分を温かく受け入れてくれる存在。
そこに魚住という波乱がやってくる。さらには魚住を追って胡桃というぬいぐるみ作家もやって来る。
読み始めた時は、三浦しをんさんの「多田便利軒」シリーズの多田と行天のようなコンビを思い浮かべたが、そこまでリアルに追求するものではなく、椅子工房を舞台にしているものの椅子作りに描写を割くお仕事ものでもなく。二人の関係の変遷を描く作品だった。
徳井が必死に胸の奥深くにしまい込もうとしている自身のコンプレックスを魚住は最終的に容赦なく暴いてしまう。残酷に見えるこのシーンも最終的には必要だった。
徳井に似て不器用なおじいちゃん、黙って見守る菜摘、割り込んでくるようで気遣っている胡桃、脇役たちもそれぞれ葛藤を持っている。
二人の工房がこのまま上手く行くのかどうかは分からない。やはり一度それぞれ修行した方が良いという方向に行くこともあるかも知れない。
だが現時点ではこれで良いのだろう。暗く後ろ向きになるよりも二人で楽しく椅子を作って欲しい。
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物語の最終版まで進んでようやくタイトルの意味がつかめます。大学時代の先輩・後輩である徳井と魚住のふたりが小さいながらも、自分たちの工房で椅子を創ることでみずからの人生を歩んでいこうというストーリーです。
登場人物が少なく、話しの展開もシンプルですし、文体もスッキリしており非常に読みやすい一冊でした。
主人公である徳井と魚住のふたりはまったく対照的な性格、自分と似ているのは徳井のほうかな、魚住の楽観的な態度はみていて不安になってしまうだろうな、などと思いながら読んでいました。一方で、楽観的ながらも飄々と進めてゆく魚住の歩みによってさまざまな転機がおとずれることになり、慎重にいくばかりがよいわけでもないよな~、とも思わずにはいられません。ふたりともアラサーなのですが、物語の印象を考えるともう少し若い設定のほうがしっくりくるような気もしますが、それぞれの葛藤も作品に欠かせない要素なのかもしれません。
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久しぶりの瀧羽麻子さん。いまの自分の気持ちにとても合ってて読みやすかった。二択で悩むとことかシンクロしたなあ。重くなく日常ぽくてフワッと読めるものがいまの自分には合ってる。
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2人を2で割った具合がいい徳井と魚住。その関係がエンディングまで続いていった。
題名の「虹」、ラスト近くに出てきたな。
30歳くらいの設定だったがもう少し若いような感じがした。ライトな感じだったからかな。
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地方都市での仕事と恋の折り合いの付け方。といってもこの本に答えがあるわけではなく、この本を読んで自分のことは自分で考えてみるってスタンスでないとね。