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大きなフィクションが仕込まれている事を読後の解説で知りましたが、解説の通り、最後まで健やかな気持ちで一気に読みました。自分を作り上げるということに対する作者の想いが作中に貫かれています。快作と思います。
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数ヶ月かけて読み終えた。リーチ先生や周囲の人々の優しさや熱さに感動。陶芸の道をひたすらまっすぐと進み、自分だけの作品を作りたいと願う人々のなんと眩しいことか。フィクションでありながら、同時代に日本で活躍し、今に至るまでその名を残す柳宗悦や高村光太郎の姿にも強く惹きつけられた。
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とってもよかった!感動的。。
民藝の歴史などを調べると必ず出てくるイギリス人の陶芸家「バーナード・リーチ」の史実を基にした小説。
器や陶芸に興味がある人におすすめ。
解説にもあった通り、どこまでが史実でどこまでか創作なのか、読んでいると分からなくなった。その位、史実を徹底して研究し書いたことがよく分かり、そこに織り込むフィクションも違和感がなく良く馴染んで巧みだった。
沖親子の存在はフィクションでも、そのきらりと光る存在感と受け継がれる精神は、この小説にはなくてはならないものだった。私も「名もなき花」として日本の陶芸を受け継いで来てくれた先人達に感謝したい。
リーチの「欲望が創造を生む」という言葉が印象的だった。
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原田マハさんはサスペンスものが多いイメージでしたが、本作は芸術に情熱をつぎ込む人々を描いた物語でした。登場人物の陶芸に対する熱意が本当に素敵で、民藝にも興味を持ちました。
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良かった。久しく触れていない芸術に触れられた気がする。
⚪︎いつも、原田先生の本は、私の苦手な分野を(芸術)書いてくださってそれを読むことで、多少なりとも知ることができて嬉しい。今回は陶芸。
⚪︎過去と現在をつなげる書き方
また原田先生の本を読みたい
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創作に対する意欲は
様々な人との出会いにより、増幅してゆき、
焼き窯を見つめる職人の視線が熱く
土や火をコントロールすることが
今より難しかった時代に
織りなされる作品の素晴らしさに
作者自身が感動し
作り手の思いが
伝播していく
手づくりがさらに好きになる本でした。
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前に前に進んでいく清々しさ。
普段のマハさんのミステリテイストが少なく、現代においては巨匠とも呼ばれる、当時の名もなき若者たちの熱い想いにじんとくる。
民藝のなんたるかが少しわかった気がする。
数年前に訪ねた世田谷美術館で見た北大路魯山人の茶器(湯呑み)、ガラスケースの中に展示されていたものの一つが気に入り、「これでお茶が飲みたい」と思ったことを思い出す。
ガラスケースに入ったら最後、二度とお湯を注がれ、人の手に包まれ、唇に触れることなんてないであろう。
その器は、果たして幸せなんだろうか?
芸術、生活に根ざした器、どちらが上ということはないんだけれどね。
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イギリス人陶芸家バーナード・リーチの他者視点による伝記フィクション
以下公式のあらすじ
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1954年、イギリス人陶芸家バーナード・リーチが大分の焼き物の里・小鹿田を訪れる。その世話係を命ぜられた高市は、亡父・亀乃介がかつてリーチに師事していたことを知らされる。
時は遡り1909年。横浜の洋食屋で働きながら芸術の世界に憧れを抱いていた亀乃介は、日本の美を学び、西洋と東洋の架け橋になろうと単身渡航した青年リーチと出会う。その人柄に魅せられた亀乃介は助手となり、彼の志をひたむきに支えていく。
柳宗悦や武者小路実篤ら白樺派の面々や、のちに陶芸家として偉大な足跡を残す富本憲吉、濱田庄司、河井寛次郎らと熱い友情を交わし、陶芸の才能を開花させていくリーチ。
やがて彼はさらなる成長を求めて、亀乃介や濱田を伴い帰国。イギリスの西端、セント・アイヴスに工房を開く。敬愛する「リーチ先生」の傍らで陶芸を究め続けたい。その想いを胸に遠い異国の地で懸命に働く亀乃介だったが、別れの時が訪れて――。著者渾身のアート小説、誕生!
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バーナード・リーチにまつわる、近代日本の陶芸のあれこれ
ヨーロッパでの、アーツ・アンド・クラフツ運動
日本における民藝運動
陶芸は美しい上に、実用的なものだという「用の美」
柳宗悦の「好いものは好い」という信念
イギリスに留学していた高村光太郎との出会いから日本への再訪
そして高村光雲の元に身を寄せて亀之介との知己を得る
柳宗悦との出会い
武者小路実篤、志賀直哉など白樺派との交流
富本憲吉による陶芸との邂逅
六代目 尾形乾山への弟子入りと七代目乾山の襲名
濱田庄司の来訪と陶芸技術の助成
イギリスへの帰国
そしてセント・アイヴスで「リーチ・ポタリー」の開設
バーナード・リーチという存在がなければ、日本の陶芸はどうなっていたのでしょうね?
浮世絵と同じく廃れていった可能性がある
柳宗悦による民藝運動
芸術は一部の芸術作品のみで成立するものではない
一番好きな場面は、関東大震災の後に亀乃介が日本に帰るべきか迷っている時のリーチ先生の一言のところ
「守破離」という概念は教えを請う弟子の立場の言葉ではあるけど
師匠の立場としても弟子離れが必要だという事なのでしょうね
親離れ子離れと同じように、どちらか一方で成立するものではないのだと初めて認識した
それにしても、ここまで詳細にバーナード・リーチという人物を描きながら
語り手の沖亀乃介が架空の存在というのに一番驚いた
開設によるとモデルはいないとの事だけど、ちょっと検索したらそれっぽい人はいるようで
松林靏之助、森亀之助、森田亀之助 あたりが混在して物語に組み込まれているようだ
原田マハさんは他の芸術系小説も含めて、史実とフィクションの境目がわからねぇ……
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原田マハ先生の作品には毎回フィクションかノンフィクションかの区別がつかなくなるほど没頭させられるけれでも、今回もそんな作品です。
作品に登場するリーチ先生も高村光太郎も柳宗悦らも実在した人物だけれでも、彼らの功績といったものを、実在しない亀乃介、高市という親子を通じて知るという巧妙なストーリーで、読後はまた少し美術史に明るくなったような気にさせられるのでした。
それは「陶芸」という名の「冒険」だった、とリーチは言った。・・・・あの日々を、冒険と呼ばずしてなんと呼ぼうか。(作品から一部抜粋)
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分厚い長編だが、読みだすと止まらず面白かった。バーナード・リーチ以外も実在の人物である事を知らずに読んだが、それぞれの人物像が目に浮かび、物語に入り込んだ。亀之助がリーチ先生の元を離れてからどんな人生を歩んだのかにも想像が膨らんだ。リーチ・ポタリーに訪れてみたいと思った。
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陶芸を通して交わり合った人々の物語。バーナードリーチ、柳宗悦、濱田庄司、高村光雲・光太郎はじめ、明治・大正・昭和時代の芸術界の巨匠たちが登場する。
本書は、架空の登場人物「沖亀之助とその息子である高市」の目線で描かれた、事実に基づく物語である。亀之助はリーチの弟子となり、師の助手をしながら陶芸の道を学んでいく。
登場する人物のほとんどさ、陶芸に陶酔しており、同時に真っ直ぐに向き合っている。生成した作品たちが、窯焼きを経て出てくる瞬間とは、それほど感動的で、やみつきになるのだろうか。
地元の近くに有名な「益子」というまちがある。小学校の遠足に行ったり、友人とろくろ体験をしたりなどしてみたが、「陶器」の良さや特徴、伝統についてはさほど考えられておらず、「楽しい!」という感覚で終わってしまっていた。
今度、改めてそこへ出かけて、陶芸との出会い直しをしてみたい。
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原田マハの作品はソフトタッチ。この本もその例外にあらず、でした。
最初読み始めた時はタイトルから予測した西洋芸術では無いと思い、やや戸惑いを覚えましたが、その後は原田マハよろしくの展開となりました。
実在する芸術家とのやり取りが多々ありますが、この時代にこんな交流がホントにあったんだろうなぁ、と想像してしまいます。書くのも楽しかっただろうな。
長編でも読み終えて疲れない。そんな原田マハ感に溢れた本でした。
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西欧から学ぶ柳宗悦達と、バーナード・リーチの邂逅から、現代から見たらそうそうたるメンバーが揃い、日常使うアートが形成され、民藝という文化が生まれていったのだと思うと、とても興味深かった。
民藝のことは知らなかったためか、マハさんの他作品に比べると、ゆっくり読み進めた。
民藝館等、ゆっくり訪ねてみたいと思う。
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原田マハさんは数多く、史実を元にしたフィクションのアート小説を書かれています。
陶芸や人物に関してすごく徹底的に調べられている印象があって、読みながらその場にリーチ先生が陶芸をしているような熱量を感じました!
文庫本とは思えない分厚さでしたが(笑)、登場人物に感情移入してしまってどんどん読み進められます!
原田マハさんのすごいところは、小説を通して芸術の素晴らしさを読者に伝えてくれるところだと思います。
今まで陶芸については基本的なことしか知りませんでしたが、「用の美」を見出したリーチ先生や柳先生に感銘を受けたので、ちょっとずつ集めようかと思います!!
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原田マハの描く人物はみな、あたたかい。
文化や人種の違いを越えて、人と人があたたかにつながりあう。
きれいな物語だ。
そして、日本文化とイギリス文化の融合、発展。
いつでも、時代を動かすには、情熱が必要なのかもしれない。
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久しぶりにこんな分厚い本を読んだけど
最後まで楽しく読めたし
当時の芸術のこととかわかって面白かった!
さすが原田マハさん。
リーチ先生の優しさ。。。余韻
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史実ベースのフィクションらしく、「リーチ先生」他たくさんの名だたる芸術家が登場してきました。
芸術関係は相変わらずからっきし、陶芸となるとなおさらですが、師を仰ぐ弟子の聡明な心、生き方をカメちゃんが教えてくれました。またもや、原田氏の作品に知らないことを教わり、少し興味まで持たせてもらいました。
「民陶」「用の美」に看過され、日常で接している陶器にも目を向けてみました。
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民藝と時代の流れを知るのに非常に良い。
歴史上の人物としか捉えてこなかった芸術家たちのエネルギーや熱い想いがふつふつと伝わってくる。フィクションとはいえ、こんな会話があったのかなぁと思いを巡らせてほのぼのした。
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受賞作品だけあって、すごい。何がすごいって、何にも捻りもドラマもない平穏なストーリー展開なのに、想像を遥か凌駕する読後の爽快感。先生の笑顔が想像できる。
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史実からこんなにも物語を膨らませられるのは、さすが原田マハさん…!
良い人しか出てこないから気持ちよく安心して読めるのが良い。ただ逆にドキドキ感とかは少ない。あまりにも上手く進みすぎている感じがするのは否めない。だけど、この時代に日本人とイギリス人が芸術を通して隔たりを越えて交流してたんだと思うと、今ももっと出来ることがあるはず!と思った。
原田マハさんの小説を読むと、それまで興味を持っていなかった芸術分野に興味が湧いて新しい世界を知ることが出来る。
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実在の人間国宝の方々が登場するので、てっきり主人公も実在の人物だと思ってた。(^_^;) 個人的に陶磁器は絵画と違って出来立ての輝きも美しいけれど、作中で「用の美」と表現されていたように、使い込んで現れる景色の移り変わりが陶磁器の本当の美だと思っている。陶磁器の美の世界は、侘び寂びの世界観を持つ日本人特有の感情と思っていたけれど、そういう感覚を持った欧米人がいて陶芸を極めていたことには驚いたな〜。リーチさんの展覧会があれば行ってみたい。(o^^o)
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リーチ先生とカメちゃんの師弟関係が良かった。英国の陶器と言われたらウェッジウッド?ぐらいの知識しかなかったが、日本でも見かける「スリップウェア」はイギリスの伝統的な陶芸の手法だっんですね。
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日本の陶芸に魅了されたイギリス人・バーナードリーチ(実在)と、その弟子を務め続け、自身も陶芸に身を投じてきた日本人・亀之介(フィクション)による感動の物語
ものすごく単純だけど、
陶芸をやってみたいと思った
こんな風に熱中するものに出会いたい!
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陶芸家バーナードリーチの生涯を、弟子の視点から描く物語。弟子自体はフィクションであるが、後世に名を遺す人物の影には、それを支える人たちが無数にいるという意味では、ノンフィクションともいえる。
英国と日本の懸け橋となり、新しい陶芸の道を志す、好奇心がもたらすパワーに衝撃を受けた反面、当時は裕福な人しかそんなことはできなかったんだろうなという印象も持つ。
「用の美」いい言葉ですね。
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人真似ではなく独自性が重要であり、また誰にも似てないことを見つけ出してこそ、本当の芸術家なんですね。
これはヨーロッパの印象派の強い思いにも繋がるものであり、全ての芸術に通じると改めて感じました。
1909年4月に亀乃助がリーチ先生にあった時から1979年4月に息子高市がイギリス・セント・アイヴスに行く迄の縁の繋がりに感激し涙が出てくる思いでした。志を同じくする仲間は、素晴らしい!
また、縁がシンシアまで繋がったのが嬉しかったです!
私は酒飲みなので、この地に地場のウィスキーを飲みに訪ねたいと思いますが、できれば飲む器は「陶器」でやりたいですね!
原田マハ先生も文学を探求する新しいジャンルのクリエイターであり、今後も新しい小説の発表に期待をしたいと思います。
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日本とイギリスの民藝をつなげたイギリス人リーチの人生を書生 かめのすけ の目線から描く。
マハさんのアートシリーズには、ドキドキするような展開のものも多いけど、これは淡々と進んでいくため、物語として楽しみたい人には少し退屈かもしれない。