【感想・ネタバレ】数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリーのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 0,1のビットはせいぜいコンピューターが処理するときに使う基本的な仕組みという程度の話で、一体どんな物語をかけるのかなと思いながら読み始めました。

 まずわかりやすい例としてスキャンとプリントの話が出てきて、「F」という文字をスキャンするとき、プリントするとき、ビットのデータを使って行ったり、あるいはちょうど半分で入れ替えたり、外枠だけをアウトプットしたりということをやりました。この外枠だけをアウトプット、というのが難しく、テトラちゃんは隣り合うビットが1のとき(データ出力するとき)真ん中のデータは0に変換すれば外枠だけが出力されるはず、という規則に気が付きました。おしくも縦の枠だけ出力され、横の枠は出力されませんでしたが、基本的にはこの規則を横の枠にもあてはめればよいのでほぼ正解と言えます。リサとテトラちゃんとユーリだけが登場するこの導入はなんとなく微笑ましい感じでした。

 次に補数表現ということを考え始めました。この2進法では符号も含めて0,1で表記する手法があります。例えば4ビットのデータの例で考えると先頭のビットが1の場合はマイナスであると定義します。符号なしデータとしてとらえると1000は10進数の8ですが、符号ありデータとしてとらえると、1000は10進数の-8になります、以降1001は-7、1010は-6、、、、、1111は-1となります。
 これについて僕は符号なしデータがあらわす10進数の算出が分かりにくいことに気づきます。ユーリはリサに教えてもらったとおり、「全ビットを反転して1を足す」と符号なしデータの10進数の算出ができる、と言います。例えば1000であれば
全ビットを反転:0111
1を足す:1000
8になったので-符号をつけてー8であるとわかる。
このような感じです。

次にリサからもらった謎の式について考えます。この謎の式は本書の後半でも出てくる重要な式となっています。
n & -n
これはビット単位の論理積です。
n -n n & -n
0 0 0
0 1 0
1 0 0
1 1 1

nも-nも両方とも1の場合、n & -n が1になるというのが論理積です。

例として
n= 0110の場合 -n=1010となり、n & -n = 0010
(ここでユーリは答えを言いたがりますが僕はゆっくりと例示して考えます、、、)
n=0001の場合、-n=1111となり、n & -n = 0001
これを整理すると、n & -n は4ビット中、1ビットだけが1となる法則があることに気がつきます。
そしてこのnは以下の形で表せることを示します。(ここはなかなか気がつかないと思います、、)
n=2^m*奇数

そしてこのmの値の並びにも規則があるようです・
0,1,0,2,0,1,0,3,0,1,0,2,0,1,0,,,,,(一体どんなルール?★)

次にミルカさんとリサと僕はフリップ・トリップというゲームについて考えます。
4ビットのデータでオセロのように白、黒のパターンを作る。
4つとも白から始める。
1度に1つだけ反転させることができる。
全てのパータンを尽くすとクリア。(フルトリップ)
ただし途中同じパターンを経由するとNG。

これは実際やってみるとなかなか難しかったのですが僕が消去法的に反転を繰り返していくとフルトリップに成功するのですが(ミルカさんは瞬殺、、)どのビットを反転させるかの順番が★に出てきた値の並び通りなのだそうです。

ここでルーラー関数(ρ関数)というものが紹介され、4ビットデータの1があるビットの右側にある並んだ0ビットの数が★と合致することも紹介されます。
さらにハノイの塔の操作順もこの★と合致するというのです。

最後にブール関数というものについて考えます。これはデータ間の順序関係を表すために導入された考え方でした。いくつかあるビットパターンのデータにおいて順序関係がが成り立つにはどのようなルールが成り立っていればよいか。それをやはり4ビットデータを例に考えました。

順序の公理
・反射律:x ≤ x
・反対称律:x ≤ y かつ y ≤ xならば x = y
・推移律:x ≤ m かつ m ≤ yならば x ≤ y
これが成り立てば、それぞれのビットデータ間で順序関係が成り立つと言える。

今回はミルカさんが僕に優しかった気がしましたが、最後の僕が「どこまでいけるんだろう」といったふとした問いかけにミルカさんが「君が望むなら、どこまでも」と答えたのが印象的でした。

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2022年01月05日

Posted by ブクログ

たかがビットされど0と1と言ったところでしょうか。スキャナとプリンタの話に始まって、ビット演算、フリップトリップの話になり、数学のパズルを解いている感覚に近いです。
業務ではここまでは考えないなと思いながら、数学はセンスだと改めて思い知りました。

0
2019年10月27日

Posted by ブクログ

高校数学というより、高校の情報寄りになってて、しかしそういうのに集合とか、論理学とか、数列とか、関わってるのが、手で考えながらわかってやはりこのシリーズはよき。次巻も楽しみ。

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2019年09月22日

Posted by ブクログ

指折りビットは大学のときに普通にできてて今もできる。
ので、普段は使わないもののビット演算に関する本書はとくに詰まることもなく一気に小説のように読めた。
いくつか気になる問題があり、あとから少し手を動かして確認しようと思えた。

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2019年09月17日

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