【感想・ネタバレ】ルポ 教育困難校のレビュー

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Posted by ブクログ

しっかりと現場を観察してあると思う。
本書に書かれている様な、教育現場は実際にある。自分もいろいろな現場で経験したからよくわかる。
ただ気になるのは、教育困難校の教員も生徒たちの将来を見据えて、汗をかき努力をしている人が大半であり、何とかやり過ごそうとしている人は少ないというのがあまり見えない点だ(私の県だけかもしれないとは、思いたくない)。
本書は、教員ではなく、教育に携わっていない方に現状をしってもらうという点ではよくできた著書だと思う。

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2019年10月25日

Posted by ブクログ

■内閣府が行った「平成30年度青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果(速歩)」によれば,2018年度の高校生のスマホ所有率は97.5%で前年同調査より0.4%増加している。
・利用内容はコミュニケーション89.9%,動画視聴85.2%,音楽試聴78.8%,ゲーム71.5%
■日本自動車教育振興財団の調査では高校生の関心事のトップ5は音楽,ゲーム,マンガ・雑誌,ファッション,SNS・インターネットで特に上位3つは60%近い回答。
・これらに興味を持つのは学力層に関係なくすべての高校生に認められる
■「進学校」や「中堅校」に通う生徒は多彩な体験を通じてスマホやゲーム以外の楽しみがあることを知っている。ゲームは好きだが,それは自分の興味・関心の一部分で自分が将来学ぶことや仕事に選ぶことは別にあるというスタンスになる。だが「教育困難校」では教員が意識的に指導しないと,生徒は限られた興味・関心のままにゲームクリエーター,ユーチューバー,アニメ作家,声優メイクアップアーティストやスタイリストなどを自分の適性を顧みずに選ぶことになる。
■「教育困難校」にとって最大の存在意義は生徒に「高卒」の資格を授与すること。

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2019年09月29日

Posted by ブクログ

現在、私自身筆者の定義する「教育困難校」で勤務しています。
読んでて、ほんとに共感しまくり。
この書物で書かれている事例、ほとんど似たような経験しました。
これは中にいた人しか書けない文章です。だから、多くの人に読んでもらい、現状を知ってもらいたいと思います。

これ読んだら教員なるのやめよって思う人がいるかもしれません。でも、何も知らないで教員になって、無気力に仕事されたり辞められたりしたら、生徒にとって不利益になるだけです。だから「教育困難校」に赴任が決まったら、是非読んで考えてもらいたいです。

……といっても、私自身教員になる前に、「教育困難校」で働くことを深くイメージしていたわけではありません。
なってからいっぱい勉強しました。その勉強してきたこと、経験してきたことの多くがこの本の中にありました。
概説書として申し分ないように思います。

最後にですが、少なくとも私が勤めている「教育困難校」
の教員はいろいろありながらも、生徒のために動いています。おそらく多くの他の学校もそうだと思います。その結果、少しでも生徒の未来が明るくなれば、社会が良くなればと思っています。そんな想いを再確認させてくれる本でもありました。

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2019年08月13日

Posted by ブクログ

私は中堅校、娘と妻が教育困難校、もう一人の娘は進学校です。教育困難校を扱った前著が良かったため、本書も買い求め、一気に読みました。

貧困の問題はよく扱われるようになりましたが、それを高校という舞台で、地を這うように共感を持って迫っています。

前著と比べての情報の精緻化、統計的裏付け、豊富なエピソードの紹介など読み応えがあります。

幼児教育の無償化、高等教育の無償化、私立高校の実質無償化を手放しで喜べない側面を感じられたのは大きな収穫です。

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2019年08月03日

Posted by ブクログ

良書。星4つにしようか悩んだが、こういう具体的で、わりと現実的な本が、新書という形で刊行されていることの意義を強調する意味で星5。ぜひ、教育関係の方々には読んでほしい。ぼくら、こういう現場で働いているのです。

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2019年07月20日

Posted by ブクログ

朝日新書の新刊欄から発見。

日本のメリトクラシーが凝縮された高校入試の結果、その環境に適応できなかった生徒が進学する「教育困難校」。本書はその現状をまとめた本である。

・教育困難校の内実がどのようなものなのか詳細な記述が現実感を加速させる
・生徒の類型化も面白い①荒れたヤンキータイプ、②コミュニケーションや学習能力に困難さがあるタイプ、③不登校を経験したタイプ、④外国にルーツを持つタイプ、⑤不本意入学をしてきたタイプ
・これからわかるように困難校の生徒はただ勉強ができなかったから、努力が足りないから入学したのではなく、本来の特性で発達障害やコミュニケーション障害を持っている子が多い
・これらの生徒を社会が見てみぬふりをするのではなく、社会を支える若者として救う制度を作り、社会の一員に育てていかなければいけない。

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2021年01月08日

Posted by ブクログ

読後感の重い話ではあるが、多少なりとも教育困難校の生徒と接することのある身として深く納得できる話だった。

読んでみての感想は思ったより酷くない。生徒も教員も了解可能な苦しみであり、解決が不可能な課題には思えない。しかし、現実それをするための人と資金が不足している。その背景には社会の侮蔑と無関心がある。本当にその通りだと思った。

教育困難校に通うとされる彼らは純粋で、人間としての魅力に溢れている。それが中高段階での挫折を経て人生を諦めてしまう。こんなに悲しいことはないと感じてきた。
多くの人が本書を読んで、偏見も無関心も取り去ってくれることを祈るばかりだ。

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2020年03月18日

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教育困難校はなぜそうなったのか、働いている教員はどんなところに力を注ぐ(注がざるを得ない)のかが理解できた。

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2020年02月12日

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この人が書いた「見捨てられた高校生たち」という本を以前読んだことがあります。この本も主張としては、「見捨てられた高校生たち」と大きな差はありません。
以前よりもデータの参照が増えた点と、教育困難校への処方箋として、実際の取り組みについて書かれている点が違いです。なので、この本を読んだ後にら「見捨てられた高校生たち」を、読む必要はないと思います。

この本にあるような学校での勤務経験があります。非常に実態に近い話が多く、よく取材されているなという印象です。決して万能な解決策が書かれているわけではないですが、こういった問題提起が社会にされること自体に意味があると思います。これからも教育困難校に通わざる得ない子どもたちのために、著者には頑張っていただきたいです。また、多くの人に読んでいただき、実態を知っていただきたいと思います。

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2019年12月31日

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教育困難校のことをよくわかっている筆者が書いた本です。読んでいて共感できること多数。ただ進学校の内容に関してはちょっとやっかみかなと思える部分も。発達障害についてもう少し深く掘り下げてあるとよかったかもしれません。

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2019年11月28日

Posted by ブクログ

書名の教育困難校とは、いわゆる底辺校のことである。底辺校と呼ばない理由は、在校生たちの心情や実際の学力で括ると上手く表現できていないところがあるからである。

私は、教育困難校とは縁がなくその実態について全く知らなかった。イメージとしてドラマや漫画に出てくるようなヤンキーがいるのだろうくらいであった。しかし、実際には、学習障害や不登校児、不本意ながらの入学など様々な生徒が存在する。その中には、学びたい意欲のある生徒たちもいるらしく、本書を読み始めて気づいたので、それを知れてよかったと思う。

目次を読んで一番気になった章がある。それは第6章『それでも「教育困難校は」必要である』だ。先に書いた通り教育困難校とは関わらずに生きて来たため、その必要性について考えたことがなかった。
ここで挙げられる存在意義のなかで、特に印象に残った2点を記す。それは、「高卒」の「資格」を与える場としての意義と、社会の治安を助ける場としの意義の2点である。両者ともに学校内だけの話ではなく社会とも関わりがあること共通点があると思う。

筆者は教育困難校について、その存在に注目してほしいと述べているが、本書を通して教育困難校は孤立した存在ではなく、社会に確かに存在しているということを知った。

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2022年03月17日

Posted by ブクログ

教育現場は疲弊してる。

大人しくなったとはいえ、心ない言葉を吐くもの、全く学習に興味ないもの、話が通じないもの。

それがほとんど全て、「教育困難校」に集約されている。といっても過言ではない。

この著者の言いたいことはわかる。
現場を経験している人間ならイメージがつくが、経験していない人は本当か?と疑いたくなることばかりなので、もう少し実例を入れ、展開してくれたらよかったのにと感じた。

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2021年01月11日

Posted by ブクログ

教育困難校の現状を、ある程度は、知ることができた。
ただ、著者の印象や、「教育困難校あるある」をのべただけで、実例に乏しく、それが合ってるいるのかどうかよく分からない。実例がわかりやすいところは最後の教育困難校の改革くらいだった。
著者はたびたび、勉学に問題かある生徒には家庭環境や発達障害などに問題があることが多い、とも言っているが、その家庭環境の具体的な事例はかかれておらず、なにか結局一般論を垂れ流ししているだけで、教育困難校の現状について実態をとらえ、伝えることはできていない。「ルポ」と銘打っている以上は、安易な印象論に走るのではなく、少ない事例でも、一つ一つの事例について読者が十分なイメージを持てるような記述が欲しい。

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2020年08月12日

Posted by ブクログ

家庭環境は大事。
塾講師をやっていた時期、底辺校に進学する生徒を送り出したことがあるが、その子の親も子どもが通う高校がどんなところか知らず、興味がないようで私がショックを受けたことを思い出した。
成績が悪くても「私も勉強ができないので」と言われ、仕方ないと諦めていたのを思い出した。

これを読むことで教育現場に携わることを考え直す人が一定数いそう。

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2020年05月16日

Posted by ブクログ

教育困難校に通う生徒、教員の現状、抱える課題について書かれている。
本人の学力ややる気の問題だけでなく、家庭環境や経済状態などが関係していることが、よくわかった。

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2019年11月18日

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