【感想・ネタバレ】父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ないのレビュー

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Posted by ブクログ

深い。深すぎる。これで橋本氏の著作は読み収めかと思うと何とも残念だ。こんなにも人々のモヤモヤを端的に表現できる人を他に知らない。
オヤジの権威低下という卑近な題材から始めて、ジェンダー論や政治論、更には組織論まで父権性の崩壊に由来する社会課題の本質を鮮やかに描き出している。1年にわたった雑誌連載だと言うのに、最初から最後まで首尾一貫した完璧な構成で、一体この人の頭の中はどうなっているのかとただただ驚くばかりである。
オヤジを成り立たせている『男が女を支配する』という『論理』が豊かさのお陰で消滅し、自由になった女が『それっておかしくない?』と声を上げているのが今の状況。それを理解できない一部(大部分?)の政治家や、ボクシングおやじ、大学理事などが世間の空気を読めずに叩かれている。もう我々と彼らの間の断絶は埋められなくなってしまったが、昨今話題になっている安倍派の裏金問題でも『秘書がやりました』とか、まだそんなこと言ってんのかよ!という時代錯誤の発言が続いている。橋本氏は創設者の私物ではなく個人の集合体になった現代組織はオープンにならざるを得ないのだから、組織内の特殊な言葉はもう理解されないよと喝破する。本来は会見に参加しているマスコミが『はぁ?何言ってんの?』とツッコミを入れないといけないのだが、彼らマスコミ自身も田舎おやじの論理からなる古い組織だから、説明になっていない説明がまかり通る。一体いつになったらこんな茶番がなくなるのかと思うが、世襲産業の政治家も守旧派大企業の代表たるマスコミも組織の(=オヤジの)論理は次の世代に継承されるのだろうな。女性ガンバレ!

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2024年01月26日

Posted by ブクログ

日々報道され「その言い訳は通るの???」と思う数々のできごと

それが起こってしまう日本の体質
しみついているものは制度が変わっても実質変わらず、一部が変わった場合様々な齟齬を引き起こす

その体質が解き明かされるようで面白い

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2020年11月12日

Posted by ブクログ

何もないくせに何故か偉そうで、やたら迷惑なオヤジ。彼らは一体何処から発生し、社会で何をしてきたのか?何処へいくのか?男のサポートという役割から飛び出した女の論理とは?
映画の話なんかも交えながら軽妙に語られる、男社会の成り立ちと崩壊と。めちゃくちゃ面白かったです。
腹立つことばかりの日本の社会や政治に対して、こういう語り方ができる人が亡くなってしまったことが悲しい。
橋本さんなら、今の日本の韓国に対する外交、吉本の一連の騒動をどう書いたのかな?と思った。

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2019年08月19日

Posted by ブクログ

父権というけれど、必ずしも父親もしくは組織の統率者的ポジションにある人だけでなく、誠心誠意言葉を尽くして理解を求めることの難しさを考えさせられた気がした。人の集団って、空気や気分、なんとなくで動いてしまいがち。だから、そこの長みたいなエライ人は説明しなくていいし、そもそもできない。でも、今の社会を見ると、その説明できないことによってさまざまな軋轢を生じている。モリカケ問題とか、日大アメフト事件とかボクシング協会会長の件とかね。俺自身、説明って苦手だからなぁ。他人事としてではなく、自分事としてあれこれ考えた。

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2019年09月27日

Posted by ブクログ

世の中のどうしてこうなるんだ?というもやもやをわかりやすい言葉で解説してくれる方でした。この本もそう。亡くなられて、この先誰が私の疑問に答えてくれるのだろうと途方に暮れています。安らかにお休みください。

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2019年07月18日

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