感情タグBEST3
Posted by ブクログ
デザイナーの文彦はある日雨宿りをした大学でとある講義に潜り込み東欧の作家への情熱を静かに語る講師の久富に好意を持つ。
学生では無いと知りながら講義を受けさせてくれ会話も増え親しくなっていく。やがて…。
「雨」が印象的で、穏やかでしっとりとした作品でした。
若い時とは違う、大人の恋。
お互いに「恋愛」に辛い過去がある2人が出会い、愛を育む。
文彦の元彼が現れ文彦の心を不安にさせて、とイライラしたけど久富の何もかもわかっている言葉に守られた文彦にホッとしました。
2人で東欧を旅する光景がラストの文彦と共に浮かびました。
大人の生き方を味わう
かなり思っていたよりよかった。
地味な作品かなと途中まで読み進めていたけれど、周一郎先生と文彦さんのストーリーが凄くシットリとした大人の愛情表現が随所に合ってよかった。
大人の淋しさやせつなさ、辛さも乗り越えて幸せを噛み締める。かなり好きな作品。
優しいお話
東欧文学の大学講師×グラフィックデザイナー
雨宿りの暇潰しとしてフラリと入った講義室で行われたのは東欧文学の授業。もっさりとして自己完結した授業をする講師とその内容に興味を持った文彦は、ふたたび講義を受けにいく。そこでつい質問をしてしまったことがきっかけで、二人は少しずつ距離を縮めていく。
すごく地味な話だと思うのですが、仕事をからめつつ二人の気持ちが少しずつ動いていくさまに目が離せなくなります。燃え上がるような恋愛もいいけど、こんな風に静かにホワッと温まっていく恋愛もいいですね!
元カレが出てきた時はいつ嫌がらせされるのかな…と不安になりましたが現実的で知的な解決方法でした。
水原先生のこういう静かで情緒たっぷりのお話、大好きです。表紙の美しさそのままの作品でした。
ゆっくり〜
2人の時間が、ゆっくり、ゆったり流れている印象を受けながら、読ませて頂きました。途中、文彦の元カレの登場で、どうなってしまうのかドキドキしましたが、まぁ、落ち着くとこに落ち着いた感じかな?
読んでる自分も、時間がゆっくり流れる感覚になりました。
Posted by ブクログ
デザイナーの文彦と大学講師の久富。全く違う仕事だけど、2人とも心から好きなことを仕事にしているのがよく分かる。そんな2人だから、お互いの仕事のことも興味深く聞けるんだ。と思うと楽しくなるし。タイプの違う2人がいい方向に影響し合うのも、お互いのことを理解して認め合うのも心地良くて、2人のやり取りをもっと見ていたくなった。
仕事も恋も。
タイトル通りに、優しい雨のような落ち着いた話でした。
主人公は仕事にも恋愛にもきちんと情熱と欲を持って誠実に努力しています。もちろん上手くいかなかったこともあります。それは、先生も同じことです。彼の場合は狭い学問の世界にあって、師匠から裏切られるという憂き目に遭い、私生活でも恋人にも去られてしまって、精神的には世捨て人になっていたのです。淡々と自身の研究だけは続けてきたのは本当に立派なことです。
お互いの仕事への矜持を尊重した付き合い方が、大変好ましかったですね。
また過去の恋愛沙汰についても無理矢理聞き出すなんてことをしないのも。
でーもー。ベッドではなかなかお熱いので、メリハリきいて良かったですね。