【感想・ネタバレ】山中貞雄物語 沙堂やんのレビュー

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Posted by ブクログ

単なる偶然ですが、前述の森光子も、この山中貞雄も、京都市出身で、しかも彼女は本来の(!)アラカンこと嵐寛寿郎の従妹だということを知って、驚いています。

幼少のころ見た、アラカン扮する鞍馬天狗の黒頭巾が、ダサいようでカッコいい感じが好きでした。

生まれは京都市東山区本町通り五条下ガルということですが、じゃあ時間を超えて私と同じ場所で遊んだりしていたんだ、と思ったらよけいに親近感がわいてきます。

それにしても、悲劇の夭折の天才映画監督・山中貞雄は、徹頭徹尾まるごと戦争の犠牲者だったのです。

召集されて中国へ行き、南京攻略戦にも参加して28歳で戦病死しただけでなく、早いデビューでそれまでに撮った映画が26本、文字通り少なくとも全部残っているべきはずが、戦争のどさくさか、否、戦争でフィルム不足の折から軍が戦意高揚の目的で作る国策映画のため、一度撮影した映画を消してフィルムを使ったという事実に、はらわたが煮えくりかえる思いです。

そのために、彼が撮った映画はたった3本しか現存しないという不幸。

この本は、なんと劇画で山中貞雄の短い一生を描いたものですが、何冊もある彼の関連本の中で、表紙に一番くっきりと顔が出ているものとして身近に置いています。

私は今まで、もう何回見たか数え切れませんが、名作『人情紙風船』しか見たことがありませんでした。

それが、残るあと2本の映画『丹下左膳余話 百萬両の壺』と『河内山宗俊』も、名作の誉れ高いけれど見たことがなかったのですが、もうすぐNHK・BS2で放映されると聞いて大喜びしています。

『丹下・・』は11/10(火)の午後1時~2時45分に、『河内・・』は11/10(火)の午後2時45分~4時15分に、『人情紙風船』は、11/11(水)の午後1時5分~2時32分に。

未体験の方は、映画の面白さ・醍醐味を真に味わえる、山中貞雄の3本しか残っていない作品をぜひご覧ください。

悔しくてしかたなかった高校生の私は、残されているシナリオを読んで、もう見ることのできない失われてしまった彼の映画を想像したこともありました。

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2012年01月10日

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