【感想・ネタバレ】駿河城御前試合のレビュー

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Posted by ブクログ

漫画『シグルイ』の原作というので読んでみた。
この本では全部で十一番の真剣試合が描かれているが、漫画の方は最初の一試合を描くのに七年十五巻を要して居る。
この調子で行けば完結に後五十年以上かかるためか、一試合目までで漫画は終わっている。

折角なので全試合描いてもらいたいものだと思いながら原作を読んだ。
非常に面白い。
漫画『シグルイ』では原作の各所に散らばるモチーフや小話を上手く物語に織り込んでいて、見方によっては全十一試合を一試合で表現したと言える。
原作、漫画併せて読み応えがある。
原作が面白く、大幅に脚色された漫画版も面白いなどというものはなかなかない。

それにしても、それぞれの剣士が真剣試合に臨む理由は似た様な物が多く、後半の方は、またこんな理由で、と思わされる。
逆に、それだけに切実で、そういう価値観もあるのかと徐々に感情移入させられてしまう。

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2016年01月04日

Posted by ブクログ

 ぬふぅ!!

 知る人ぞ知る、残酷時代劇画「シグルイ」の原作本。原作にあたる「無明逆流れ」では十数ページしかなかったのに漫画では十五巻という長編ぶり。
 原作者も推挙しているのでシグルイの方も見ていただけると幸いである。

 しかし、この作品でも残酷描写は簡潔ながらもえぐい部分が多々あり、焼肉を食べながら読むのも一興である。
 ちなみに朗読verも存在し、若本則夫氏が務めているところにも一聴の価値はあると思える。

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2011年03月07日

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「シグルイ」ではまだ描かれていない死戦の数々と、生き残った者たちのその後。すっきりとはしないが、狂ったものたちの性(さが)を感じる。

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2010年06月09日

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言わずと知れた「シグルイ」原作です。
表紙も伊良子と藤木だね!ドオンドオン!

より変態なほうが負けて死ぬんだな…
と、気付いてしまってもおもしろい!
残酷物ということですが、描写は割とさっぱり目。
最後は無常の風に吹かれることでしょう。

なまくらと申したか

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2009年10月04日

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シグルイの原作。シグルイのエグイほどの濃さはないが、普通に面白い。11試合あるが、全部面白かった。ただラストが全部同じ様な結末だったのが残念。最後も無理矢理まとめてる感じだった。でも漫画の方が大好きなんで、星5つ。

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2009年10月07日

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祝!復刊!!
三代将軍徳川家光の実弟忠長が執り行った真剣勝負による「御前試合」の顛末だが、これが実に面白い。対戦者間にわだかまる情念、執念、怨嗟、等等を過不足なく綴り、刹那の勝負に全ての因果を収斂させる構成なのだが、これが十一篇続いても、まったく飽きさせることが無い。

相対する剣士をそれぞれに、ある意味追い詰めている武家の論理は前近代的なものであるが、その根底に流れるさまざまな感情は普遍の原初的なものであり、今日読んでもあまり古びた感じはしない。。。。。のは、やはり俺が時代劇が好きだからかも知れない。

むしろ今日的と言えるのは、その残酷描写であろう。腕が飛び、脚が飛び、体が両断される剣の破壊力は対峙する双方を無傷では終わらせない。『キル・ビル』や『シスの復讐』などが剣豪小説の映画化作品へのリスペクトとして残酷描写を描いており、そういうものと呼応している「愉しみ」であることは否定しない。が、今日的とはそうした表層的な意味合いのみを指すものではない。

駿河城南庭の白砂の上に繰り広げられる凄惨な殺し合いは、生き残った者の魂を更に深く傷つける。酸鼻を極める試合の描写は、達人ゆえの凄みと業を漂わせながら、「無情」の二文字を読む者の心にも刻み込むのだ。だがこれは、血で血を購う事の空しさを説教臭く語り、半端な悟りを錯覚させるものでは断じて無い。むしろ生の業苦とも言える、足掻いて足掻いて生き続ける様を、十一の試合は描いている。だが、十二編目では、いともあっさりと終焉を迎える生の空しさを突きつけるのだ。

「命は等しく無価値」というテーゼが今日的なのか?そうかもしれない。だが、その結論に至る醜いまでのバイタリティがあるから、ニヒリズムは「破滅の美学」に昇華するのである。

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2009年10月04日

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『シグルイ』の原作本として有名だが
としてしか今は知られていない
剣法十一番勝負の個々因縁を語る描写はおしなべて質高く
同じような剣豪もの背景を並べながら飽きさせず
御前試合での決着も素晴らしい
ただ連作物語の結局帰結するところが読者好みでないのだろう
同様材料の『甲賀忍法帳』と比べ
どちらが好かれるかが作品の寿命を決めたのか
あるいはサムライとニンジャのファンタジー要件違いなのかもしれないけれども

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2018年12月09日

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ネタバレ

・マンガのシグルイを読んだので、興味があった

・無明逆流れ以外の試合は、あまり面白くないのかなと
 勝手に思っていたけど、そうでもなかった

 無明逆流れほど、奇想天外な剣術は出てこないけど
 どの試合も見どころがあったと思う

・試合で生き残った人が最終的に全員死ぬのは
 そこまでやるかと思ったけど

・家名、女性、名誉などが原因で、結局みんな死ぬのね
 

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2017年01月28日

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寛永六年(1630年頃)に行われ、あまりに悲惨な内容のため後に開催事実が隠滅されたとしている、架空の「駿河城御前試合」十一戦+後日談一戦の全十二話の短編集。
多くは、「絶対無敵の技を身に着けた」ものの戦いで、現実とは離れているものの、その技を身に着けるに至る時代設定にあったエピソード(多くは女性がらみ)や、全体通しての古風な表現から、「歴史ものを読んでいる」感が高かった。
特に「身替り試合」が、全体と同じ悲劇話しながらも喜劇要素があったり、また、そもそも道場剣法と戦技との差異という、この本の中ではリアリティのあるベースであったことなどから、もっとも面白かった。
全体的に短くまとめられた話の中で、第十一戦はずいぶん冗長に感じた。また、その後の顛末を描く第十二話は、今までの悲惨を総括するために強引に話を進めているように感じ(急に出てきた「車大膳」って・・)、私にとってはかえって興醒めだった。
全体通しては面白かったが、著者の別作品を近日に読みたい、と思うほどではなかった。

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2015年10月16日

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歴史小説舐めてたわ。そこらのラノベよりよっぽどいかれてる。
しかし、毎回盛り上げるだけ盛り上げてラストバトルがあっさりなのが残念だった。

内容的には☆3でもいいんだけど、「美少年に散々に自分をぼこらせておいて快感が頂点に達した瞬間に相手を殺すのが最高に気持ちいい」というキャラが最高にクールだったので評価を引き上げました。

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2014年06月14日

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剣士達のバリエーションが富んでいて一戦一戦が熱い!藤沢周平の隠し剣シリーズみたいな秘剣・剣豪の話好きにはたまらなかった。
ストーリーは兎に角無残、その一言に尽きる…。一冊の本の主人公になれるくらい魅力的なキャラ達が次々と散っていく迫力はちょっと他にはない。

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2014年02月20日

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ネタバレ

シグルイの原作と聞いて読んでみた。
わずか40ページ足らずの1章「無明逆流れ」が、該当する部位のようだ。
だいぶすっきりと話がまとまっていて、虎眼先生は健康だし伊良子はただの色男みたいな感じだった。
それでもやはりあの異様な剣の構えはそのままで、文章においても奇怪な雰囲気が存分に伝わってくる。

前試合11番ということで一つ一つの話は短いけれど、その他の章に関してもドロドロした女絡みの愛憎が物語を引き立てる。
句点がくどいほど多用されていたのは少し気になりつつ、読みやすいとは思った。

思っていたよりもずっと救いのない結末だったな… 。

美人に斬りつけられるのが気持ち良すぎて、とか。
とどめの一手を峰打ちにしていたはずなのに、とか。
けっこう皮肉な展開が多く、
しかも女に惑わされ道を踏み外す男も多くて「やめろー」と言いたくなる。

「無残卜伝流」から「剣士凡て~」にかけては、
ラストスパートともいえる見事に無残な展開が押し寄せてきて、最後は「ほぅ」っと溜息をついて本を閉じることになった。

藤木さん報われなさすぎ。

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2013年08月27日

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ネットで見かけて。シグルイを読みたくなった。
●面白かった点
バンバン死ぬところ。
●気になった点
話が類型的。悪い山田風太郎っぽい。

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2013年03月30日

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ネタバレ

かつて駿河城(駿府城)徳川忠長公の御前で催されたとされる、漫画「シグルイ」の原作である「無明逆流れ」を含む真剣勝負11試合を描いた短編集。
武技を究めたる剣気盛んな剣士が対峙すれば、血沸き肉踊り、互いの奥義の交錯の果てに残るは血煙と血だまりに浮かぶ酸鼻極まる骸のみ。

鍛錬に心血を注ぐ屈強な剣士たちがたった数ページで凄惨に破壊される様はとても暴力的であり、最後まで徹底した容赦のなさは
登場人物たち武芸者が封建社会の駒であり君主の娯楽の一部でしかない悲惨さを強調します。
登場人物たちは破滅的な結末を演出するがために個性豊かで多種多様な剣術とドラマを持つ魅力的なキャラクターとして描かれているのです。

あまり人に薦められる作品ではありませんがとても刺激的で面白い作品でした。
登場人物の中では「被虐の受太刀」に登場する美形の対手(男女問わず)に斬り付けられるのが性癖のド変態剣士が印象に残っています。

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2013年02月27日

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漫画「シグルイ」の原作ということで読んでみました。

流石原作というだけあって非常に面白い作品でした。
それぞれの登場人物や話に細かい設定が存在し、読んでいてあまりダレること無く読み終わらせることが出来ました。

この小説の様な剣劇小説は初読みでしたが、非常に楽しんで読むことが出来ました。

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2012年07月11日

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江戸時代の講談寛永御前試合の原型になったといわれる、「徳川忠長公秘書」を基に駿河御前試合を描いた作品。

駿河御前試合に出場する11組22人の剣士たちの凄惨な闘いを12の短編で綴る。

江戸時代の初期、駿河の国に冷酷な君主徳川忠長あり。
将軍家の次男でありながら、密かに天下を狙っていた。

天下に号令せん日を望んで名だたる豪傑たちを集めていたが、あるとき余興に真剣での御前試合を思いつく。

様々な遺恨をもった十一組の剣士たちが繰り広げる血の饗宴。
読みどころは、人間離れした剣士たちの卓越した技!
一瞬にして抜く、斬る、鞘に戻すといった目にも止まらぬ技の応酬に慄然となった!

また、十一組の試合が全てに闘うに至った経緯から試合に勝たなければならない理由がはっきりしており、叙情感たっぷりの展開。

特に面白かったのが、どMな剣士が主人公の「被虐の太刀」。
美しい青年・女性に斬られることで快楽が極度に高まるという天才剣士が巻き起こす泥沼劇。
どんな剣の使い手にも勝る腕を持ちながら、美しい男女に斬られことを楽しむあまり、血みどろになりながら斬られ続ける下りは爆笑でした。

全編を通して飽きのこない小説でしたし、笑いと凄惨な描写のコントラストが非常に上手いと思いました。
予想以上に楽しめたのと、南條範夫という作家ともっと早く出会っておけばよかったと、いい意味での後悔をさせてくれた作品でした。

男女の粘着質なドラマとサムライが好きな方にはオススメしたい一冊です。

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2012年04月05日

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理性的な人々と野蛮な人々は互いに軽蔑を向けあう一方、秘かに劣等感も抱えていて、なおかつそこに男と女の感情的なものが絡むのでたいへん話がこじれておもしろい
しかも、結局は斬りあいで話が決着するという安心感がある

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2010年06月12日

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駿府城御前試合での対戦をその因縁を含めて書く、それぞれの試合の短編のような作り。
登場人物が男女のもつれなど因縁を抱き、御前試合に選ばれ、実際対決する流れ。
ドM剣士、蝦蟇男など濃いキャラクターが最後の戦いに見せる姿などは面白く読める。時代小説が好きではない人が読んでも面白いと思う。

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2018年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

無惨。暴君忠長の御前試合において悲惨な末路をたどるしかない剣士達。試合で生き残った剣士達ですら死に至る運命をたどるしかない。彼らは御前試合に出た時点で忠長の呪いに囚われてしまったのか。あるいは剣の道を歩み出した時点でのさだめであったのか。
 

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2014年06月02日

Posted by ブクログ

マンガ『シグルイ』はかなりの名作。
あの「どうしようもなさ」が大好きなんで、原作はどんな感じかのう、と思って読んでみた本。

いや原作はさらっとした記述である分、マンガほどの悲壮感がないのだけど、それでもあの最後は・・・・・。

てことで、マンガも小説も「どうしようもない」ということで(褒め言葉)。よくできた作品です。

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2013年02月17日

Posted by ブクログ

漫画シグルイの原作であるが、十一試合ある真剣勝負のうち漫画は第一試合だけであるが、戦った剣士と関係者が全て死んでしまうのと、ほとんどが痴情にまつわる物語であるところが面白い。全てを漫画で描いていたらあと10年以上かかるだろう。

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2012年01月03日

Posted by ブクログ

漫画「シグルイ」の原作ということで読んだ。15巻くらいあったシグルイと違い、原作の「無明逆流れ」は短編。これを含めて11の御前試合の顛末が描かれるのだが、様々な人物が様々な事情で戦う過程が面白い。ネットで「車大膳」を調べたのは私だけではないはず。

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2011年01月19日

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