【感想・ネタバレ】アフターデジタル オフラインのない時代に生き残るのレビュー

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Posted by ブクログ

現在、多くの日本企業は「デジタルテクノロジー」に取り組んでいますが、そのアプローチは「オフラインを軸にしてオンラインを活用する」ではないでしょうか。 世界的なトップランナーは、そのようなアプローチを採っていません。 まず、来るべき未来を考えたとき、「すべてがオンラインになる」と捉えています。考えて見れば、モバイル決済などが主流となれば、すべての購買行動はオンライン化され、個人を特定するIDにひも付きます。IoTやカメラをはじめとする様々なセンサーが実世界に置かれると、人のあらゆる行動がオンラインデータ化します。つまり、オフラインはもう存在しなくなるとさえ言えるのです。 そう考えると、「オフラインを軸にオンラインをアドオンするというアプローチは間違っている」とさえ言えるでしょう。筆者らはオフラインがなくなる世界を「アフターデジタル」と呼んでいます。その世界を理解し、その世界で生き残る術を本書で解説しています。 デジタル担当者はもちろんのこと、未来を拓く、すべてのビジネスパーソンに読んでほしい1冊です。

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2024年02月01日

Posted by ブクログ

2冊同時投稿「DXの思考法」「アフターデジタル」

必ずしもテーマが綺麗に重なっているわけではないが、私の中で一つのトピックなのでお許し頂きたい。

で、まあデジタルトランスフォーメーションであるが、平たく言うとなんなのか。
前者「DX」はその構造的理解を、後者「アフター」はその先端的実装事例を解説してくれる。
「DX」の肝は、データは階層構造で把握すべき、というもの(本書の例えでいうなら、ミルフィーユ)。「アフター」の肝は、もうリアルの世界でデジタルをどう使うかの時代ではない、両者に境はなくユーザーはそれを意識していない、企業に求められるのは最適なジャーニーの提供だというもの。

前者は概念中心で使用実例はコマツやダイセルなどごく一部。後者はデータの構造よりは、そこにある何かしらのデータを分析することでユーザーはここまで満足感を味わってくれる、という事例がエキサイティング。一方、そもそもデータとは、という抽象論には立ち入らない。
どちらが良いということはないが、私個人の関心には「アフター」がよりフィットした。

ちなみにどちらもデータ分析そのものの指南書ではない。これを読んでも、自社の基幹システムに吐き出させた生データを前にして勝手に手が動き出すということはない。

何が起きているのかをコンセプチュアルに把握できれば、あとはデータサイエンティストなどプロフェッショナルや人工知能を有効活用すれば良い、という割り切りだろう。
うむ。
その通りだろうが、なにかものすごくわかった気はするが、畳の上の水練でシステム予算を溶かしてしまったらどうしよう、そんな不安に駆られる経営層もいるのではないだろうか。

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2022年11月06日

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IT業界に転職したということで、手に取った本。
中国の状況を例にとり、これからのデジタルに対する考え方を教えてくれている。中国は独裁国家なので、日本に全て当てはまる訳では無いが、自分ごととして考える必要があると感じた。オンライン/オフラインを別々に考えるのはもう古いのだと、考えさせられた。

恐らく一度では中々理解しきれない。
必要に応じて読み返す必要があると感じた。

【ビフォデジタル】
リアル(店や人)でいつも会えるお客様が、たまにデジタルにも来てくれる。

【アフターデジタル】
デジタルで絶えず接点があり、たまにデジタルを活用したリアル(店や人)にも来てくれる。


デジタルトランスフォーメーションを推進する上でこの考え方に転換できるかどうかが最も重要。リアルの方がツールになりつつある。

「デジタライぜーション」の本質は、デジタルやオンラインを「付加価値」として活用するのではなく、「オンラインとオフラインの主従関係が逆転した世界」という視点観点にあると考える。

これまでは「インターネットをどうビジネスに活用するか」という考え方。今では「リアルな場所や行動も常時オンラインに接続している環境」が整っているので、「オフラインが存在しない状態」を前提として、ビジネスをどう展開していくかを考える必要がある。

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2022年06月10日

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ネタバレ

アフターデジタル2 UXと自由

■新たなUX(顧客体験)を議論しないDX=顧客視点で提供価値をとらえ直さないのと同じで本末転倒
・多くのユーザーがデータを預けてくれることには社会的責任が伴う。
・社会に還元して初めて、ユーザーが信じてデータを預けてくれる。

■行動データ
・顧客の解像度が上がり、付加価値を高める事が出来るようになる。
・行動データを利活用出来ないプレイヤーは負けていく時代。

■リアルな接点
・今までよりも重要な役割を持つ
・今までよりも頻度はレアになる。

■UX品質
・便利か、楽か、使いやすいか、楽しいか

■価値観の再定義
・成功体験のある企業・歴史のある企業が考えるべき事
・「空間」価値があるスタバが、デリバリーのコーヒーに圧倒される。
→「スタバらしいデリバリーとは何か」を再定義。50円高いが早く、味を損なわれずに届けてくれるサービス。

■データは単体ではお金にならない
・データが何に使えるのかというベネフィットがないと、データを買ったり使ったりしない。
・つかい方
①マーケティング・広告:消費行動分析
②金融:信用情報
③インフラ:交通・医療の効率向上

■役に立つ、と意味がある
・モノが充足し、便利になった時代では、「意味を見出す事が出来るニュータイプ」が生き残っていく
・役に立つ、で戦うと価値が単一のため、少数の身が勝利して、ほぼ全員が負ける。
・「意味がある」市場では多様化が進む。
・「意味がある」とコピーできず、高く売れる。

■環境変化
・インターネットの登場、情報共有、人々がネット上でつながる
・価値観が多様化し、離れて入れも繋がれるようになる。
・誰もが羨むというマスなメインストリームがなくなり始め、多様なストーリー性や体験型消費に移行する。

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2022年02月22日

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めちゃくちゃ参考になる!
というか、作中にも何度も書かれていたけど、日本で考えるwithデジタル、アフターデジタルの考えとは根本的に違くて、中国はすごいわ。。
オフラインで働いた経験があり、デジタル施策をかじっている今、この視点はめちゃくちゃ重要だと思う。
染み込むまで、何回も何回も読むべき教科書だと思った。

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2022年02月15日

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デジタルがリアルを包含する世界。寄り添うCX。
進み、変わる中国。立ち遅れる日本。中央集権的な当地ができる中国だからこそできることなのか。
新しいUXを考える刺激を多くもらった。

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2022年01月19日

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顧客接点構築に関する考え方をupdateすることができた

以下はキーワード
・オフラインはオンラインに包含される
・ロータッチ、ハイタッチ、テックタッチという形で顧客との接点を整理できる
・顧客ニーズを属性ではなく状況で捉える
・収集したデータをUX改善に活用

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2022年01月03日

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少し前には「ビッグデータ活用」という思考が支持され始め、次にコロナ禍で、OMO(オンラインとオフラインの融合)が一気に進みましたが、この本を読んで、データの活用の意味を再確認できたように思いました。面白かったです!

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2021年12月11日

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本の主題のアフターデジタルとは、オンラインとオフラインを明確に区別せず、顧客に寄り添ってビジネスを思考する世界である。DXが進んでいる中国の事例、ジーマクレジット、平安保険グループ、フーマーの取り組みには顧客サービスの未来を感じた。中国の顧客サービスはこの本を読むまでは愛想の悪いイメージだったけど、今は礼儀良い接客が普通だとか。一度、上海や深圳に行ってみたいです。

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2021年12月06日

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尾原和啓をコテンラジオきっかけで知って非常にクリエイティブで快活な印象を受け、率直に魅力を感じたため著作に手を伸ばしました。(最近コテンラジオの影響多い)

アフターデジタルという概念は、漠然と持ってたデジタル化社会、IoT、DXを根底からひっくり返す考え方でした。すなわち、OMO(オンライン・オフラインの垣根を超え融合された情報化社会、UX重視のアプローチ)です。どうしても、オンラインはオフラインやプロダクトの付属的な位置で捉えてしまっていた。けど、顧客との一期一会の接点だけでは市場優位はもはやとれず、断続的な接点の獲得、顧客の期待値を超えるエクスペリエンスの提案、さらなるユーザ情報の取得・AIやデータサイエンスによる利用といった循環が昨今のトレンドなのだと。

共同著者の藤井保文が中国最前線で活躍されているため、アリババやテンセントや平安保険Gといった巨大企業の経営方針を教材に、アフターデジタルな世界のあり方を啓示してくれております。ここまで中国は進んでいるのか、と。

具体的な例でまさに発想の転換というか、無人コンビニはそれ自体が目的でなく、レジ無人化をし決済をキャッシュレスで実施してもらうことで顧客個人ごとの嗜好や履歴を蓄積していくことが目的なのだ。なんで無人コンビニやってのかなと思ってたけど、我々ユーザにさらに快適なサービス提供してくれるための先行投資だったのか、と腑に落ちたり。

非常に示唆に富んだ内容だらけで、ものの見方や最近の日本におけるDX風潮が少し風向き違うんじゃないって疑問に持てるきっかけにもなりました。これで2019年の書籍ってことは、今はさらに時代は変化しているのだろうなー。

何かPodcastもリベラルアーツよりのコンテンツが人気だし、実益追求的な社会から、より多様的で体験・人生の深みを身につけたいって願望が世間に染み渡ってきているのだろうか、これは少し本書のテーマとずれてきているかな。

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2021年11月07日

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中国におけるDXの成功は、データをux(顧客体験)へ生かすサイクルが仕組化されており、それが高速に回されていること。

アフターデジタルの世界では、リアルがツールとなる。オフラインをメインにオンラインを活用ではなく、オンラインをメインにオフライン(リアル)を活用する時代となる。

「評価軸を本当にお客様の求めてるものにする。会社の自己満足のものではだめ。タクシーでいえば早く安心して目的地へつくこと。なぜなら、人間は実利主義だから」
昭和から平成にかけての日本家電メーカーの多機能化に一石を投げているように思えた

顧客はその瞬間において便利なものを利用する。全てがオンラインにはならない。

デリバリーの発展により、店舗は座席と回転率から解放される。

今後大切なのは属性データだけでなく、行動データ。顧客の年齢や性別が分かるというレベルではなにも意味がない。

属性ターゲティングではなく、状況ターゲティングをすべき。(30歳の母親ではなく、子を育てる人。このように区別できれば、父親もおじいちゃんも含まれてくる)

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2023年08月21日

Posted by ブクログ

・ビフォー
中国のフーマーや信用スコアなど詳しくは解らなかったがなんとなしにそういうのがあるんだな。程度で知っていた。

・気づき
中国の進みは圧倒的。
日本のやろうとしているOMOの世界が3年前には構想としてあって動き始めていること
・あらゆるデータを簡単に14億のデータで集めて、解析と実行に移せること。

端的に中国は強いし、すごく技術、考え方ビジネスモデルを学びたいと思った。

・Todo
アフターデジタル2買う。
中国ビジネス調べる。

その他メモ:
中国は信用スコア(ジーマスコア)がデフォルト
→日本はお天道様が見ているの信念があるから元々だか、中国は他人を信用せず、損したら負けの考え方から。

中国はアリババが膨大な購買データを持っている。
日本はここまでのデータを持つことがむずかしく、信憑性が低い。

オンラインとオフラインはシームレスになって溶け合い、顧客はその瞬間において最も便利な方法で買いたいだけなのでそれを提供する。

お客様がお店に入った瞬間に、カメラの顔認識機能で店員のスマホにお客様情報を提供する。
→日本は属性データをユーザに回答させながら、アップセルやクロスセルに使えてやっと。
中国はプラットフォームに長く滞在してもらうことに全力。→プロダクトとUXに還元する

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2023年04月18日

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とにかく行動データと接点が重要だとわかった
でもそれらを活用するための提案や業務の発案には人間が欠かせないんだなと改めて思った

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2024年05月20日

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自分の視点の狭さを思い知る一冊でした。
今の自分の仕事に置き換えて考えながら読むと、色んな可能性が出てきて面白いです。

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2023年12月19日

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デジタル起点の構造構築。
データドリブンでUX改善→顧客接点増→データ収集増のループ。
全体のUX向上と個別モーメントに合わせたアプローチの向上。

デジタル時代の競争原理について。

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2023年12月19日

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DX 関連の本を数冊読んだが、本著はそれらと異なる特徴があり、一読の価値あり。特に中国のデジタル化事例は、そのビジネスの捉え方が新しく感じたし、あまり聞き慣れない用語、それによる新たな考え方を学べた。

OMOや実店舗とネット販売の両立における考え方。客はネットとリアル店舗いずれかを選択しているのではなく、偶々便利な方を選んでいるだけ。無人レジに移行しても、人間の担当者が店舗にいる必要性について、など。

確かに、DX 化が進んでも、利用者からすると、人間と会話できた方が良い。ネットでポチるだけというのは便利だが、人との繋がりもサービスとして求められる部分だ。ゼロか百かにする必要はない。中国の事例から、商売の本質について改めて、考えさせられた。

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2022年05月25日

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中国などでの事例をもとに、オンラインとオフラインの主従が逆転する「アフターデジタル」という世界観とその世界における思考法である「OMO(Online Merges with Offline)」を紹介し、日本の現状に警鐘を鳴らすとともに、世界潮流から見たDXの方法論を提示。アフターデジタルの世界では、データ×エクスペリエンスの切り口が大事であると指摘。
DXと聞いて思っていたことの想像を超える目から鱗というか、刺激的な内容だったが、自分の思考回路が本書でいう「ビフォアデジタル」に染まっているようで、本書の内容を十分に理解できたとは言い難い。なんとなくはわかるのだが、具体的なイメージがまだまだ持てていない状態である。
オンラインとオフラインが連動した店舗展開をしているネットスーパー「フーマー」など、本書では中国のアフターデジタル型ビジネスがいろいろ紹介されていて、興味深かった。しかし、日本でこういうことをしようとするのは、良い悪いは別にして、個人情報に関する制度や意識の壁のため、かなり困難があるように感じた。
あと、本書では横文字を多用しすぎているように感じ、すっと頭に入ってこないきらいがあったところはちょっと残念だった。

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2022年05月12日

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凄くわかりやすく概念を理解する事が出来た。DX全盛の今でなくても多くの企業が間違ってる事を指摘されている。

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2022年03月01日

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■「バリューチェーンからバリュージャーニーへ」
「顧客接点データを多く持ち、それをエクスペリエンスの良さに還元する」という新たな改善ループをいかに高速で回せるか。これが新しい競争原理です。

■「平安グッドドクターアプリ」
・2018年1月時点で1億9700万人の利用者
・医師のネットワークと協力関係を結び、アプリ上で開業医に無料で問診できる機能
・アプリでの病院予約機能
・ユーザーが歩くだけでたまるポイントシステム
 ユーザーは1日が終わる前に1度アプリを開き、「歩いた分を換金する」というボタンを押さないと、歩数がリセットされてしまうという仕組み。

■行動データは最強の営業ツール
・「顧客体験による価値提供でユーザーを集める場を作る」という新たな広告投資の姿が見えています。
・企業にとって、「営業ツール」になる
→デジタルと行動データを駆使して最適なタイミングで最適なコミュニケーションを取れるようになり、全体的な営業工数や負担はむしろ減り、効率化されます。

【ビフォアデジタル】リアル(店や人)でいつも会えるお客様が、たまにデジタルにも来てくれる。
【アフターデジタル】デジタルで絶えず接点があり、たまにデジタルを活用したリアル(店や人)にも来てくれる。

■OMO
 オンラインとオフラインが融合し、一体のものとして捉えた上で、これをオンラインにおける戦い方や競争原理として捉える考え方
・4つの発生条件
①スマートフォンおよびモバイルネットワークの普及
②モバイル決済浸透率の上昇
③幅広い種類のセンサーが高品質で安価に手に入り、偏在する。
④自動化されたロボット、人工知能の普及。
「なぜ企業側がそこまでデータを収集しなくてはいけないのかというと、これからのビジネスはデータをできる限り集め、そのデータをフル活用し、プロダクトとUX(顧客体験、ユーザーエクスペリエンス)をいかに高速で改善できるかどうかが競争原理になるからです」
・重要な考え方
①「チャネルの自由な行き来」
②「データをUXとプロダクトに返すこと」
③「リアルも含めた高速改善」
・OMO型で成功しているビジネスの多くに存在する共通点として「ゲーム的にインセンティブ獲得が設計されている」という点が挙げられます。
※「デイデイ」
以下の3種類のデータを取得することで、タクシーの運転品質を評価
①早く配車リクエストに答えたか
②早く顧客をピックアップできたか
③適正なスピード、安全な運転、正しいルートで送り届けられたか

・都度スコアリングされて経験値がたまる
・グレードアップの昇格試験でレベルを上げる
・アプリ内のマップ情報には宿屋(ガソリンスタンド、EVスタンドやトイレ)が表示される
・運転中の出来事をシェアして他の人と盛り上がれる
※「Vitality」
歩数やランニングの距離など、ゲーム的にタスクが与えられ、それらを達成すると例えばスターバックスの1杯無料券がリワードとしてもらえたり、「健康になった」と評価されることで加入している保険の保険料が安くなったりします。

■UED大学のUXの5段階
第0段階(2006~2008):デザインシンキングチームがビジュアルデザインやUIなどといったデザイン分野しか担当していなかった
第1段階(2009~2010)ペネトレーション:デザインとテクノロジーとビジネスを等しくデザインシンキングが包括するような形に捉え直すようにした
第2段階(2012~2015)ディフュージョン:デザイン、ビジネス、テクノロジーにおける、ビジネスオペレーション側のエクスペリエンスデザインを磨きこんだ段階。
第3段階(2015~2017)エボリューション:ニューリテール。ECやオンラインサービスの方法論を、小売業のような既存ビジネスに応用して再構築して新たな価値を提供。オンラインを軸にすると近しいビジネスと連結可能。→エコシステム
第4段階(2015~2017)データドリブン:このようなエコシステムができると、リアル接点でのデータもたまるようになるので、膨大なデータが獲得できるようになる。これを社会貢献や新しい技術開発に活用し、さらなるデータエコシステムを作る。
第5段階(2015~2017)ホリスティック・エクスペリエンス:トレンド、オペレーション、パフォーマンス、データ、機能、競合優位性、世論において、バランスの取れた体験。各ステークホルダーのバランスが取れている。NPSをあらゆるステークホルダーの指標として活用。

「無人化」というとどんどんサービスが機械化していく印象がありますが、実際には従業員とよりコミュニケーションを取り、より人間的な温かいサービスを提供するプレイヤーが生き残っています。

■リッツカールトンのクレド
「ミスティーク」お客様自身も気づいていないようなニーズに対応するといった、感動体験の源泉
「機能性」ユーザーから見れば「とにかく便利で嫌な体験がまったくないこと」であり、ホテルから見れば「顧客データの保管と感動体験のベースになる情報(宿泊回数や誕生日、同行者の情報など)が活用できる状態にあること」

 …顧客の体験を1回のみの単一接点で終わらせず、ずっと継続し、高速で改善できる時代になったのです。「顧客に接する」部署だけでなく、1回限りの接点を超えて、連携して顧客体験を生み出していくことが重要です。「モノからコトへ」ではなく、「モノから寄り添いへ」といった意識に変えたほうがよいのではないかと思います。


【要点のおさらい】
■アフターデジタルの到来
・デジタルが至るところに浸透し、常時接続が当たり前になると、これまでオフラインだった行動も含めて、すべての行動データがオンラインデータになり、IDにひも付けられるようになります。
・人々の感覚としても、デジタル世界に住んでいるような状態になり、オンラインとオフラインを区別しないようになります。

■ビジネス形態の変化
・大量にデータが出るようになりOMOで思考できるようになると、企業体のできることが変わってきます。
・小売りの場合、フーマーはその膨大な行動データから、主要な対象顧客が住んでいるのかどうかを把握した上で出店しています。オンラインの利便性と、 オフラインの「確かめられる安心」を連動させて顧客を魅了し、欲しいものが欲しい方法で、欲しい時に得られるようにしているのです。さらに、オンラインとオフラインの双方の購買および閲覧データを使って、予測を含めた在庫や仕入れを管理することも可能です。
・医療の場合、平安保険は、従来ほとんどユーザーとの接点がありませんでした。接点が無ければデータを得ることはできないので、スマホのアプリを開発し、そうした状況を変えました。医師による年中無休の無料問診や予約というキラーコンテンツと、ヘルスケア情報の閲覧および「歩くだけでたまるポイントプログラム」という頻度の高い機能をアプリ上で融合させ、顧客との接点を作ったのです。そして、顧客の利用履歴から把握した「属性、好み、状況」の情報を使って、営業員やマーケター、コールセンターと連動し、ベストなタイミングで顧客に新しい提案をすることが可能になりました。
・移動の場合、ディディは、運転と接客の品質をスコアで可視化し、さらにそのスコアをインセンティブにすることでより高い運転品質での移動体験を可能にしました。ユーザーとドライバーの相互評価にもなっているので、ユーザー側もキャンセルし続けたり態度を悪くしたりしにくく、かつ良いユーザー (および良い配車案件)と良いドライバーがマッチングされる構造になっています。

 これらの事例を踏まえると、アフターデジタル時代のビジネス原理 は、次の2つにまとめることができます。
(1) 高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと。
(2) ターゲットだけでなく、最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供すること。←行動データに基づいた「顧客理解」と「即時性」の重要性が高まる

 平安保険がリアルタイムに個別化対応したサービスを提供できるのは、サービスを支える仕組みに秘訣があります。顧客との接触履歴を一元的に管理する社内用データプラットフォーム「LCCH(Life Customer Contact History)」があり、顧客ごとに過去に発生した様々なやり取りの記録を収集し、顧客一人ひとりのサービスカルテを作成しているのです。カルテの中では、これまで提供したサービス、まだ提供していないサービスを管理し、またその顧客がどのようなサービスを好むのかも予測されています。データを集めて顧客のニーズを深く理解できるようになったため、専門的かつ顧客の状況に寄り添ったサービスの提供を可能にしています。

「LTV型のビジネスにして、顧客IDとそのリアルタイムの行動が分かるようにしないと、デジタル起点の時代では生き残れない」…寄り添い続け、顧客を知り続けるからこそ、その顧客に良い体験が提供できるという意味で同じ考えを共有する同志と捉えています。

■モーメント分析
 状況指向の時代、および「行動データ×エクスペリエンス」の時代において、分析や企画をする際には一人ひとりの「人」よりも、もっと細かい「モーメント」単位で見ていく必要があり、この分析を「モーメント分析」と読んでいます。
 モーメントとは、「人々に特定の状況が発生し、そこから派生した行動が終わるまでのこと」を指しています。グーグルの提唱する「マイクロモーメント」よりも少し長い概念です。例えば「家の冷蔵庫にある牛乳が切れてしまって補充しなければいけない」という状況が発生したら、「どこで買おうかと考え、近くのコンビニでいいやと思い、その購買が終わるまで」を1つのモーメントとしています。

■UXイノベーション
 UXイノベーションの本質は、人々がずっとその新たな接点を使ってくれるのかどうかにあります。つまりは「顧客の置かれた状況の発見と、それをより幸せにするようなコア体験をいかに作るか」にあります。
 このコア体験を作り出すのは難易度の高い職人芸ですが、いくつか要点をあげると、以下のポイントがあげられます。
・体験の連続性
・行動観察
・デザインシンキング
「体験の連続性」とは、事業のドメイン選定とほぼ同義です。新しい顧客接点を作る場合、他の接点との連続性がないと顧客は使いません。突然カーメーカーがお酒を造り始めても、顧客から見たら血迷ったようにしか見えないでしょう。参考になるのは平安グッドドクター アプリです。「問診と病院予約」というコア体験を軸に、健康情報の発信、医薬品や健康食品の販売、歩くともらえるポイントによる健康習慣といった体験が隣接している領域をつなぎ合わせることで、ユーザーはこれらを使ってくれるのです。
「行動観察」は、ミルクシェイクの事例で説明したような「ユーザーの行動を観察して発見点を得ること」ですが、同時に「人の発言を信用してはならない」ということを意味しています。人は、嘘をつくつもりはなくても、自分のニーズや本当にやりたいこと、欲しいものを言葉にできるとは限りませんし、気を使ったり空気を読んだりして本心を話してくれないことも往々にしてあります。こうした属人的な問題を外して考えるには、「人の行動を観察し、そこから発見点を得る」方法が最も有効です。 これは、モーメントを見ることと実はほぼ同義なのですが、ことUXイノベーションにおいては「新しい状況」を発見する必要があるので、デジタル上ではなく、街に出たり現場に出たりして観察する手法が引き続き重視されています。
 最後に「デザインシンキング」です。デザインシンキング自体は広い概念ですが、ここでは主に「プロトタイプを使った試行錯誤」を意味しています。人は自分のニーズを正しく話すことはできませんが、 目の前に商品やアプリを差し出されて、それを使ってみた結果「こんなものがあったらどう思いますか?」と聞かれると、よりリアルかつ正しいフィードバックを得ることができます。思いついたアイデアはなるべく早く、簡単でいいので具現化して、対象のユーザーに想定している状況で利用してもらうのです。そうすれば、サービスや商品が本当に使われ続け得るものかどうかが分かります。

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2022年02月19日

Posted by ブクログ

中国のデジタルの最前線の考え方を実例をもとに解説した本。

日本との違いを感じながら読むととても勉強になると思う。

平安保険の話は面白かった。

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2022年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

後半内容が難しかったけど、中国でこんなことが起きているのか!とわくわくしながら読みました。「明日誰かに話したくてたまらなくなる」感じ。

アフターデジタル2は読もうかどうか迷い中。難しそう。

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2022年01月05日

Posted by ブクログ

2年も前の話だということに驚いた。
聞き慣れない単語は調べながらになり難しく感じたが、とても勉強になった。
もう一度読み直したい。

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2022年01月03日

Posted by ブクログ

今後はオフライン、オンラインという別の考え方でなく、常にデータを吸い上げることで、顧客が最も良いサービスを選択できる企業が生き残る。

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2022年01月02日

Posted by ブクログ

OMO、DX周辺についての突っ込んだ話を中国の具体事例を交えつつ展開する感じの本。OMOとか感覚的にしか理解できてなかったけど、認識がアップデートされたみたいなとこある。読んでよかった

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2021年11月14日

Posted by ブクログ

読み終わってから、しばらく経った。しばらく経ってようやく、何が言いたかったのか咀嚼できてきたような気がする。

これから、オフラインがオンラインに組み込まれ、リアルはデジタルの一つのツールになる。というか、すでになっている。

世界を俯瞰してみると、そういうふうに映るのかと、著者の視座が、面白かった

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2021年11月11日

Posted by ブクログ

アフターデジタル

p.146
アフターデジタルの到来
・デジタルが至るところに浸透し、常時接続があたりまえになると、これまでオフラインだった行動も含めて、すべての行動データがオンラインデータになり、IDに紐づけられるようになります。
・人々の感覚としても、デジタル世界に住んでいるような状態になり、オンラインとオフラインを区別しないようになります。

ビジネス形態の変化
・大量にデータが出るようになり、OMOで思考できるようになると、企業体のできることが変わってきます。
・小売りの場合、
・医療の場合、
・移動の場合、

まとめて以下の2点、
1.高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと。
ハイタッチ:一人ひとりの顧客に個別対応できるときは、特定の人に対応できるからこその感動や、信頼を得られるような徹底した対応を提供する。
ロータッチ:ワーク書ポプやイベントなどの「場」では、リアルだからこその心地よさや得難い密度の情報を提供する。
テックタッチ:オンラインサービスやオンラインサロンでは、プロセスが短くて便利で、さらに高頻度で使うと得をするというインセンティブを提供する。

2.ターゲットだけでなく、最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供すること。

p.160
4-2 企業に求められる変革
>顧客や体験を守護にした全社戦略
>状況志向化するビジネス
>ジョブ理論と状況志向

p.174
4-3 日本企業が変わるには
1.経営レベルがアフターデジタルの世界観を理解s,OMO型でデジタルトランスフォーメーションを行う必要があると認識する。
2.社長ー役員ー部長ー現場で、同じイメージを共有して実行するラインを作る(デジタル部門などが対象になることが多い)。
3.行動データxエクスペリエンスのクイックイン(小さい成功)を作り、上が引き立ててムーブメントしていく。
4.成功事例を大義名分に、組織構造やデータインフラを整える大きな動きにしていく。

p.188
「顧客の置かれた状況の発見と、それをより幸せにするようなコア体験をいかに作れるか」
<ポイント>
・体験の連続性
事業のドメイン選定と同義
・行動観察
ユーザーの行動を観察して発見点を得ること
・デザインシンキング
プロトタイプを使った試行錯誤

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

●一分野マスター読書「DX」2冊目。中国企業の先進事例を紹介し、オンラインとオフラインが融合したOMO型のビジネスの展開について多くの示唆を与えてくれた。アフターデジタル時代で生き残る企業の戦略について、真新しい気づきを得られた。

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2023年04月09日

Posted by ブクログ

アフターデジタルとは、完全オフラインの世界はほぼ存在せず、社会全体がデジタル世界に内包されるような状況のことを指している。
第1章で紹介されているとおり、中国やエストニアはかなり進んでいるのだよね。
第2章で今後の競争原理が2つ提示されている。
1: 高頻度の接点で行動データとユーザー経験品質のループをまわすこと
2: 最適なタイミングで最適なコンテンツを最適なコミュニケーション形態で提供すること
文字だけ読むと当たり前のようだがフムフムと感じる。
行動をすべてデジタル把握された信用スコア社会というのはちょっと気持ち悪く思うけれど、もう避けられない方向性なのかなと思った。

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2023年02月21日

Posted by ブクログ

データ×エクスペリエンス
データを顧客へのサービス改善として使う、顧客視点へと変えることをがメインメッセージ

なるほどと思ったのは、

新しいブランディングについて P143
・いままでは情報の付加価値、背景のストーリーや共感を生むように印象付けること

・くまもんを地元ブランディングに自由に使っていい例、コミュニケーションをつくる仕組みで、参加者が自発的に広めていく環境を作った

◉思い浮かべるストーリーではなく、ユーザーに世界観にのってもらい、そこで自発的にコミュニケーションや体験を創り出してもらうこと
環境を創り出すことで生み出される体験価値を作り出すことが大事

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

中国の事例紹介が興味深かったです。中国のデジタル化(DX)は日本よりも遥かに進んでいます。
アフターデジタルとは、オンラインの世界を中心とし、そのサブの位置付けでオフラインがある、という点が面白かったです。
途中から難しくなり、かつ自分の興味とも合わなくなっていったので読むのを中断しました。

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2022年06月30日

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