【感想・ネタバレ】獣林寺妖変のレビュー

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Posted by ブクログ

いや、初版を手に入れたのでつい。3版だとちょいとカバーの色が違うらしい。とまれこれを読んでから血天井めぐりなぞしてしまったのであった。

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2014年01月07日

Posted by ブクログ

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関ヶ原合戦のおり千数百名の血を吸って落城した伏見桃山城。その床板を使った洛北・獣林寺の血天井を学術調査中、ルミノール鑑定にひときわ青く燃えたって発見された、新しい血の斑痕……歌舞伎の魔に挑み、燃え朽ちていった魂の彷徨を描く表題作の他、阿片的魅力の代表作三篇を収めた伝奇ロマン集。
獣林寺妖変・ニジンスキーの手・禽獣の門・殺し蜜狂い蜜

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2009年10月04日

Posted by ブクログ


 赤江瀑作品も全て素晴らしいので、「赤江瀑全集」を収納したいですし、正直どの作品が好きなの?と
 聞かれても、迷ってしまって選べません。

 赤江作品の中には美しいものがたくさん出て来ます。京都の寺、花の庭、刀、香水、錦鯉、焼き物、歌舞伎、
 バレエ、能、祭り、ETC。
 そしてそのモノや芸術に対しておびただしい量の情報、解説がなされていて、文章を読んでいるだけで、
 総天然色の映像を見ている気分にさせてくれるんです。

 この獣林寺妖変に出てくるのは「血天井」です。
 関ヶ原の戦の時、伏見城で留守居をしていた鳥居元忠の軍が石田三成の軍に攻め滅ぼされ、落城のさいに
 鳥居軍380名以上が自刃。その遺骸は関ヶ原の戦が終結するまで2ヶ月間も城内に放置されていたので、
 伏見城の床には血が染み込んで落ちなくなっていたので、供養のため、その床板を剥がして、5つのお寺
 に奉納。寺はその床板を天井にして供養。
 私は東山の養源院と、鷹峯の源光庵の血天井を見たのですが、本当に手や足の型がくっきりと浮かび上って
 います。

 物語は獣林寺の血天井の学術調査が行われ、そのルミノール反応の中に、最近の血が混じっていた、と言う
 ところから始まり、歌舞伎界で歌舞伎の家の出ではない、カレッジ俳優と呼ばれる主人公がライバルであり
 同士でもある歌舞伎役者の失踪について思いを馳せている。
 強烈なカリスマ性を持つ女形役者の「魔」に魅入られていく二人。

 歌舞伎の世界と言うことで、これまたボーイズラブ・・(笑)
 まあ、そんな軽いものではなく「衆道」と言うか怨念の世界。
 もちろん主人公たちは美形。そして文章も豪華絢爛。
 赤江作品は「美」という「魔」に魅入られて「破滅」していく話が多いですが、ホントに単行本のタイトル
 だけでも、
 『獣林寺妖変』『ニジンスキーの手』『オイディプスの刃』『罪喰い』美神たちの黄泉』『ポセイドン変幻』
 『金環食の影飾り』『鬼恋童』『熱帯雨林の客』正倉院の矢』『蝶の骨』『青帝の鉾』『上空の城』
 『野ざらし百鬼行』『マルゴォの杯』『春喪祭』『アポロン達の午餐』『殺し蜜狂い蜜』『アニマルの謝肉祭』   『絃歌恐れ野』『芙蓉の睡り』『禽獣の門』『原生花の森の司』『海贄考』『アンダルシア幻花祭』
 『妖精たちの回廊』『舞え舞え断崖』『巨門星 天の部』『鬼会』『風葬歌の調べ』
 『海峡 この水の無明真秀ろば』『春泥歌』『八雲が殺した』『十二宮の夜』『遠臣たちの翼』『花酔い』
 『荊冠の耀き』『オルフェの水鏡 赤江瀑エッセイ鈔』『舞え舞え断崖』『ガラ』『鬼会』『アルマンの奴隷』  『香草の船』『光堂』『京都小説集 其の壱 風幻』『京都小説集 其の弐 夢跡』『月迷宮』
 『ポセイドン変幻』『山陰山陽小説集 飛花』『戯場国の森の眺め』『霧ホテル』『弄月記』
 『星踊る綺羅の鳴く川』『虚空のランチ』『日ぐらし御霊門』『狐の剃刀』と、
 美しいタイトルばかりで胸が躍ります。
 
 

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

赤江さんはこの頃が頃が一番好きです。
耽美とはこういう物ですよ!というような内容と文体。
この話に触発されて、大学時代に歌舞伎もの描いていた事を思い出しました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

著者の1971年発表の処女短編集で、表題作や小節現代新人賞を受賞した「ニジンスキーの手」他計4編が収録されています。(なお角川文庫の「ニジンスキーの手」は題名は異なりますが同じ内容ですので、これから購入される方はご注意ください。)
収録作品はいずれも歌舞伎、バレエ、能といった世界を舞台に人間の狂気を官能的に描いており、独特な世界観を強く感じさせます。(同性愛ネタがやたら多いのがちょっと気になりましたが 笑)
どの作品も哀しくも美しい(ボキャブラリィが貧相ですいません。。。)結末が特に印象的ですが、個人的なベストは、一番映像的なイメージが鮮明であり、また登場人物の思いが切なく、自然と感情移入してしまうような表題作です。

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2014年11月05日

Posted by ブクログ

著者デビュー作を含む短編集。
この本自体は初めて読んだが、
実は『ニジンスキーの手』(角川文庫)と内容(収録作)は同一だそうな。
道理で既視感が。
表題作は若き歌舞伎役者たちの狂おしい血のカノン。
芸事に一途にのめり込み過ぎる人と、
その求道者ぶりを「命を削ってしまいそうだ」と
不安げに見守る人との関係を描くことに力を入れている――ように思えるのだけど、
とにもかくにも、何かが過剰に迸る初期作品。
情念がギチギチでパッツンパッツンに怒張。
適当かどうかわからないけど、譬えるなら、枕に羽毛を詰めようとして、
程よいところでやめればフワッと仕上がるにもかかわらず、
ギュウギュウに充填してパンッパンな出来上がり、みたいな感じ。
なので、大方、安眠には適さないし、顔を埋めれば簡単に窒息しそうな趣なのです。
いや、はち切れんばかりの枕に顔は埋められないですね(笑)って、
それはどうでもいいか。
医師の一人称で綴られた「殺し蜜狂い蜜」が一番読みやすく、好み。

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2012年11月24日

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