【感想・ネタバレ】八丁堀の忍(四) 隻腕の抜け忍のレビュー

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抜け忍、鬼市に仲間が増える

伊賀の隠れ砦は、子どもを拐かして連れて来ては、厳しい訓練で鍛え、忍󠄄を仕込み育てるという恐ろしいところだ。
江戸の街を守る南町奉行所奉行の鳥居耀蔵がこの砦を考え、秘密裏に造られた。
その砦から命からがら脱出して江戸に来た鬼市は、南町奉行所同心の城田新兵衛に拾われた。
抜け忍は砦からの追っ手に襲われ殺されるのが宿命だが、鬼市はことごとくそれらを斃した。
追っ手の中にくノ一の花がいたが、砦の頭の呪縛から解放してやり、鬼市と一緒に新兵衛の家で家族同様の扱いを受けて暮らしていた。
城田新兵衛は鳥居耀蔵の奉行所の方針に嫌気が差し、病を理由に同心を辞めて「若隠居」に。まもなく柳生心陰流の免許皆伝の新兵衛は日比谷町に新志館という名の道場を開く。
抜け忍がまた一人が八丁堀近辺で見つかり、追っ手を斃したものの腕に深手を負っていた。医者の処置もあり、左腕は失ったが命は助かった。「風」という名の抜け忍で、新兵衛の家で療養するうち鬼市の良き仲間となるのである。
裏伊賀の頭、高尾の南は秘密を守るため、鬼市と花の抜け忍二人を殺害するために、今度は呪術でおのれと同身となるよう額に鍼を仕組んだ追っ手二人を江戸に送り込んだ。鬼市、新兵衛と花はもちろん、道場の門弟達と力を合わせて、彼らと死闘が繰り広げられたが、なんとか追っ手を斃した。
鬼市は、子どもを人体兵器に変えるこうした砦をどうしても潰したいと心に思うのである。囚われの子ども達をいつかは親の元に帰すことを誓うのである。
敵は伊賀の隠れ砦と彼らから氏神様と呼ばれる鳥居耀蔵である。倒すのは簡単に出来ることではない。
風が鬼市に新しく仲間に加わり、さらに道場主の城田新兵衛と師範代の良知大三郎、門弟の朝比奈源太郎などみな剣豪揃い。鬼市の仲間は増えたが、果たして鬼市の夢は叶うのか・・・
刀を抜いて戦う時はどちらも強豪で迫力を感じる。思わず手に汗を握ってしまう。息の抜けない面白い物語だった。

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2020年10月23日

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