【感想・ネタバレ】自民党本流と保守本流 保守二党ふたたびのレビュー

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Posted by ブクログ

自民党史の流れを理解するのに参考になった。これまで何が保守でリベラルなのか、その軸が全くと言っていいほど理解できず混乱していたが、野党も保守を名乗るようになっている現在、本書の自民党本流と保守本流という流れで考えると現状の整理がしやすく、今後の政治の動きへの見方が深まるように感じる。著者の議員時代の直接の経験をベースに書かれており、それぞれのキーパーソンに対する印象、評価、その変遷等についても興味深く読んだ。

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2019年02月12日

Posted by ブクログ

自民党総裁選の動きが地味に始まっている。でも、「どうせ安倍さん続投でしょ」という、諦めムードなのか全然盛り上がる感じがない。(対抗馬いないというのが大きいところか?)

一昔前なら自民党総裁選となれば、個性派の候補者が出てきて「次はどうなるのか?」という期待感があったような気がするが、最近は気が付いたら終わっていたなんてこともざら。

なんでそんなことが起きるんだろう?
そもそも「自民党」ってなんだろう?とニュースを見ていて気になったので早速本屋に行ってみた。気になったことは関連する書籍を「5冊」読むのが近藤の鉄則。一冊だけだと思想などに偏りが生まれるので必ずしも正しい情報ではないことが多い。

久しぶりに「政治」関連の書籍を手にしてみる。こういうときはまずは知っている著者から入るのがいい。時間があれば日曜日朝にTBSで放送されている「サンデーモーニング」という関口宏が司会をしているニュース番組が好きで見ている。

そこに今回の著者田中さんがコメンテーターとして出てくる。地元「福山大学」の教授だったことは知っていたが、経歴を見て元衆議院議員だったなど新たな発見があって読む前から気になるポイント満載。笑

90年代ころまでは自民党も「保守本流」と「自民党本流」と二つの勢力が拮抗していた。簡単に書くと改憲消極派の「保守本流」と改憲積極派の「自民党本流」。ひと時代前までは「保守本流」が中心勢力だったのが、今は「自民党本流」が主流。(つまり、安倍総理は「自民党本流」)

細かい違いや歴史的背景については是非、本著を手にして詳細を確認して欲しい。でも、その中でその流れが大きく変わった背景には「選挙制度」が大きく起因していることが分かった。

細川政権下で「中選挙区制」から「小選挙区制」になったことが一番の原因だと締めくくっている。(この理由についても本著で!)しかし、政治って改めて知ると面白いものだ。

追伸:
私はノンポリなので別に自民党を擁護しようとかは全然考えてないけど、今のほうが意識はあるはずなのに、中高生だった90年代のほうがよほど印象に残っている政治家がたくさんいたような気がする。。。。何だか個人的には淋しい。(その原因こそが、選挙制度なのだということが分かったのが収穫!

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2018年08月22日

Posted by ブクログ

 選択肢の無い選挙は、辛い。
 ダイナミックさが薄れてしまった政治の世界。
 そういう閉塞感を見つめ直す。

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2019年09月22日

Posted by ブクログ

自民党所属の元衆議院議員である著者が、1955年に設立された自民党の歴史の本質を、「岸信介に代表される自民党本流」と「石橋湛山に代表される保守本流」という2つの政治思想を背景とするダイナミズムにある、という観点からまとめ上げた労作。

著者の問題意識は、太平洋戦争を招いた日本の植民地政策等の対外膨張を批判し、「小日本」とも呼べる国家観をベースとして現在のリベラル勢力をも一部包含していた自民党の保守本流の流れが、”ニューレフト”と評された宮澤喜一を最後に潰えてしまい、岸信介を信奉する安倍晋三の政権下において、かつての自民党が持っていた2つの政治思想のダイナミックな政治論争とそこから生まれる多様性が消失してしまった、という点にある。

本書を読むと、いわゆるハト派の保守というものが、リベラルの一部の政治思想を包含するものであり、ハト派の復権こそが日本の政治において求められているのではないか、という感覚を新たにした。

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2019年09月01日

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