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京都を題材とする紹介本は、多種多様、さまざまな階層や切り口があるが、この大野氏の本は、今まであまり出会わなかったユニークな視点で、価値が高い。京都の現代文化のエッセンスを形成する層と著者との、ダイレクトなコネクションを通じて、地元民の目からみてもとんでもなく深い領域に達しているように思える。観光目線や歴史憧れや町並み佇まい陶酔型でもない、クラシカルだがバイタルな京都の息のようなものを、わかりやすくチラ見させてくれる面白い本。
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人によってはものすごくノスタルジーをくすぐる本。ただ、おねだんを探るというコンセプトが途中から崩れているのと、紹介されているのはあまり一般的に縁のある「京都」ではない気がしないでもない……もっとも、そういう細かいことはあまり気にせず読む方が面白いと思います。
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摩訶不思議な京都のねだんについて,精力的な調査に基づく事実を披露している好著だ.第3章の「絶滅危惧種のおねだん」が面白かった.確かに旦那,公家,仕出しなどの価値は何物にも代えがたい重要なものだと感じた.第4章の舞妓や芸妓のおねだんはなかなか公開されないようだが,ここでは事例紹介がある.面白い.
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<目次>
プロローグ
第1章 食のおねだん
第2章 季節のおねだん
第3章 絶滅危惧種のおねだん
第4章 舞妓・芸妓のおねだん、すなわち京都のおねだん
エピローグ
<内容>
大阪生まれ、京都の大学を出てそのまま京都に住む、脚本家・プロデューサーの方の本。芸術系の人で京都住まいが長く、著名になると、京都でも「顔パス」に近づくらしい。
それはともかく、あったようでなかった本。タイトルを真に受けてはいけない。お値段のこともあるが、京都の文化論になっている(と言っていいのだろうか?)。「レモンケーキ」と梶井基次郎の『檸檬』の関係、抹茶パフェの由来、柊屋とチャップリン、紅葉の隠れスポット=閑臥庵、舞妓と安く会う方法、京都大学の遺伝子…。なかなか面白いエッセイとなっている。
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京都という独特の土地柄を、「おねだん」という視点から、著者の言われるRPGという感覚で体験するように読むことができます。体験するようにすっと一気に楽しく読むことができました。京都に来て感じた違和感は、排他的だったり妙に優しかったりとありますが、その理由の一部を知ることができるのではないでしょうか。具体的に値段を知ることができる内容ではなく、京都でのいろいろな買物を体験できるという着眼点で、なるほどと思いながら読ませていただきました。いろんな京都本はありますが、それらとはちょっとずれた視点からの書き方であり、それゆえよりディープに京都を知ることができるのではないかと思います。
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京都のお値段というだけではなくて、最後は本当に価値が何であるかを考えさせられる一冊です。
個人的には京大のところの話がとても面白くて、著者の経験を通した貴重な話が伺えます。
さすが京大(笑)
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京都人ではない京都大学出身の映画演劇プロデューサーが様々な京都の風習、「おねだん」を明らかに。京都が大好きで何回も訪れている私にとって、非常に面白い読み物であった。なんと言っても、イケズな京都人が書いているわけでないから、面白いのかなぁ。
お地蔵さんの貸し出し、旦那さんや舞妓さんの名前話し、僕の大好きな長竹さんの話しとか、興味深い話しが多かった。