【感想・ネタバレ】意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策のレビュー

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Posted by ブクログ

非常に分かりやすく丁寧な本です。多くの先行研究を紹介しており、難しくなりがちですが、口語調で平易に書かれております。
本書を読んで、本能や欲望に向き合うことがどれだけ難しいかわかりました。理性だけでは欲望を抑えることができないとわかりました。

また哲学で有名なトロッコ理論を脳科学的にアプローチした話は、非常に納得できる内容でした。

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2017年06月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分も生きている経験則で、直感と熟考では使っている頭が違うなと思っていたが、論文からシステム1と2に分類して本書では論じていて、信憑性が高い情報であると感じた。

導入は定義付けの面もあり多少論文チックであったが2章からはマシュマロ実験から子供でも取っ付きやすくなるわかりやすい実験をもとに話していて自分の感情を俯瞰するいい機会になる本ではないかと思った。

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2024年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

意思決定に関わる、情動的反応や直感的思考、
欲求などの自動的な「速いこころ」と
合理的判断や論理的思考、自制心といった
主に意志の力による「遅いこころ」の
「二重過程理論」が取り上げられている。

例えば、マシュマロテスト(マシュマロをいま1個
もらうか20分待って2個もらうか)をクリアした幼児は
将来のSATの成績も良いという結果があるけれど、
欲求に対して気をそらすことができれば待てるように
なるので、待てない子でも訓練で自制心を学ぶことが
できる。

第六章『意思決定と人間の本性ー性善か性悪かを
科学的に読む』では他者に協力するのは、
速いこころか遅いこころかを取り上げ、協力は
素早い決断によっていること、寄付は脳の
報酬処理によって支えられている。
正直さには「自然な正直さ」と「意図的な正直さ」
の2種類があり、人は性善か性悪かという
議論は引き分けである、としている。

最終章『「遅いこころ」は「速いこころ」を
コントロールできるのか?』では工夫により、
この2つのこころのバランスを保ち、
「俯瞰的に二つの心のはたらきをとらえ、
遅いこころをサポートすることで、
多くの場面ではコントロールが可能」(P185)
とまとめられている。

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2020年11月10日

Posted by ブクログ

二重過程理論に基づいた「速いこころ」と「遅いこころ」について、様々な研究成果をまとめてわかりやすく説明している。普段自らの意思決定において、どちらのこころを用いて行っているのか、改めて考察するきっかけをもらった良書。

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2017年07月12日

Posted by ブクログ

【意思決定の心理学】

●A.意思決定の多くの場面では、こころの中で2 つのシステムが機能している。1 つは「素早く湧きあがる情動や欲求」、もう1 つは「時間をかけた思考に基づく理性や自制心」だ。この2種類のこころの働きを想定した理論を「二重過程理論」と呼ぶ。

●B.2 種類のこころの働きは、学術的には次のように分類される。
・システム1:直感的・情動的な反応、本能的な欲求の発現を支える。論理性よりも直感に依存する「速いこころ」。
・システム2:合理的判断や自制心など、意志の力によるこころの働きを支える。システム1 の働きにブレーキをかけようとする「遅いこころ」。これを働かせるには集中力が要り、別のことに気をとられるとうまく機能しない。

●C.二重過程理論の考え方をサポートする研究成果の1 つに、「マシュマロテスト」がある。これは、保育園児が目の前のマシュマロを食べずに我慢できるか、意志の力を試すものだ。
・食べるのを待てた子供は、青少年期には、他の子供より強い自制心を持ち、理性的な判断を下す能力にも優れていた。
・マシュマロを食べずに我慢できた子供たちが中年期になった頃、脳活動を調べると、脳の前頭前野(衝動の制御や論理的思考を担う領域)の活動が高かった。

●D.速いこころ(情動や欲求)をコントロールするには、遅いこころ(理性や自制心)を、次のような方法で働かせるとよい。
・欲求の対象を抽象化したり、欲求の対象から意図的に気をそらせたりする。
・俯瞰的に2 つのこころの働きをとらえ、遅いこころをサポートする。

●E.キャパシティの限界
システム2 を働かせるには、ある程度の集中力が要る。何か別のことに気をとられていると、うまく機能しない。言い換えると、システム2 のキャパシティには限界がある。一度に処理できる量には限界があるため、同時に複数の仕事を掛け持ちできないのだ。
また、睡眠不足や飲酒も、システム2 の働きを損ねる。ある研究では、一晩睡眠をとらなかった場合、注意力を必要とする課題でのエラーが顕著になることが報告されている。
別の研究によれば、人間の意志の力や自制心は有限である。すなわち、システム2 を使うと疲弊してしまい、連続してシステム2 をうまく機能させるのは難しい。これを「自我消耗」という。

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2017年03月16日

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fMRIなどの研究が普及して、ここ10年ほどで、研究が最も進んだ意思決定に関する研究を、早い心と遅い心という視点から、まとめた本です。個人的に興味がある分野なので、知っていることが多いですが、頭が整理でき、興味深く読みました。「疲れているとズルしやすくなる」「他人の不幸は蜜の味」など、皆の興味を引くテーマが多いと思います。

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2017年01月24日

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ネタバレ

p184「ひょっとすると読者の中には、人間の脳とこころのメカニズムを知ることで、デメリットがあることを危惧する人がいるかもしれません。(中略)しかし、このような心配は杞憂にすぎません。実際、こういったこころのはたらきのメリットを知っておくことは、こころのバランスを保つ上ではきわめて有益と考えられています。(中略)あらかじめ把握しておくことで、不要なトラブルを避けることが可能です。自分の意思決定をうまくコントロールできるようになれば、それは良い意味での自信にもつながっていくものです」

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2022年02月11日

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行動経済学かな?人間の本質に迫る内容をさまざまな文献や実験から説明してくれる。筆者の主張はダニエルカーネマンとは少し違い、システム2の理性的なことはそこまで悲観的なほど弱くないということ。

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2018年07月06日

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