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身近でない重力波というものを興味がわくように書いてある.論文の書き方である,歴史的な背景,そのなかでの位置付け,従来のお話,今ある問題点という流れを踏襲しているがそれだけではない.宇宙という縁遠いながらワクワクするものを通して一般の人にも面白いんだ,というエモーションに訴えかける話の運びであった.
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研究史のおさらいからラストで重力波天文学の話
●8章
重力波が変える宇宙論
「宇宙の地平線」から戻ってくる原始重力波
257
インフレーションからの原始重力波を直接とらえられれば、宇宙誕生直後の姿を直接観測することができる。
266
「精密宇宙論」の時代
275
●
(2016.2の)重力波の初観測は、きわめて大きな意義をもっています。それは人類が宇宙を観測するための、まったく新しい手段を手に入れた、という意義です。従来の天文学には、主に光・電波・X線などの電磁波が用いられてきました。重力波は、電磁波にはない非常に強い透過力を持っています。その性質を生かすことで、ブラックホールの近傍や、宇宙誕生の瞬間までを観測することが期待できます。重力波は、人類に新しい宇宙観をもたらすか可能性を秘めている。
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Posted by ブクログ
booklog.jp という読書感想文サイトのキャンペーンで当選した。重力波観測や重力波天文学について、日本を代表する研究者が書いた。最先端の研究者自身が、わかりやすくするための誤魔化しは無く、データや数式を適切に使用しながら、一般人が読んでもわかりやすく、書かれている。重力波観測だけでなく、それが目的としている重力波天文学についても解説されており、他書物に無い点である。
Posted by ブクログ
第1章〜第9章から構成された素人向けの宇宙についての解説本。重力波とはなにか?観測に成功するまでの道程を天文物理学の歴史と共に解説している。2016年2月に重力波観測成功。世界中の重力波観測プロジェクトチームとのネットワークなど観測にあたり用意周到な流れを作るまでの道程をぎっしり解説。専門用語や数式など数多く出てくるものの著者が度々、理解できなくても大丈夫。雰囲気を解ってくれたらと励ましてくれた言葉のおかげ完読できた。そして各章の最後にポイントとして内容をまとめてある事、図解が解りやすかったのも大きい。日本の観測機器のカグラの活躍にも期待しています。重力波望遠鏡の検証、超弦理論のマルダセナ予想からの発展とこれからも宇宙の解明に期待。