【感想・ネタバレ】刑事の約束のレビュー

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Posted by ブクログ

夏目シリーズ第3弾。短編5作品。
夏目さん、ええわ。少し頼りない感じに見えるけど、実は凄いって感じが(凄い洞察力で事件の真相を暴く)
更に単独行動多い一匹狼。
こんな人が、組織におったら、困るんかもしれんけど、やっぱり組織の論理で動くのではなく、あくまでも、真実を追求する姿勢が好き。
こういう人は、多分、出世はしない。本人も望んでないやろうけど。
事件も真相を暴いても、人を傷つけるだけなら、報告しないとか、組織人としては、どうかと思うけど、人としてはええと思う。
なので、捜査一課の人も、洞察力とかだけでなく、人としても一目置いてるんとちゃうかな?

でも、人を信じる事を信条にしている夏目さんに、人を疑う仕事は、キツそう!
でも、頑張れ!

娘さんが、良い方向に向かっているのが、嬉しい!(^_^)v

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2021年11月04日

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再読。

夏目刑事の人柄に惹かれる。
一見、仕事できそうに見えないが、多くのことに気がつくところと、人に対してあきらめない心が魅力的。

どの話も、夏目刑事がいなければ真実に辿り着けず、終わったと思う。

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2021年01月13日

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「絶望から人を救えるのは人」
動画あとがきで著者がおっしゃってたように、この本の紹介としてはこの一文!
短編どれも良かった。夏目がかって捜査した事件の被害者がこんな形で再登場するなんて。
絵美が目を覚まして、これからどうなるのか。続き買わなきゃ。

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2020年12月08日

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犯罪被害者家族でありながら、被害者にも加害者にも寄り添い、真実を見極めようとする夏目刑事のシリーズ。
ワイドショーなんかでは虐待のニュースとか、身内同士の殺人とか、ただセンセーショナルに報じて騒いだり、背景に何があったのか勝手な、そして薄っぺらな憶測をしたりするけど、被害者にも、不幸にも加害者になってしまった人にもそれぞれの人生がある、ということを気づかせてくれる。家族の愛情に包まれ、犯罪被害にも合わず、また自分が加害者や被害者になる可能性を考えもせずに生きてきた人には、とうてい理解できない犯罪動機が潜んでいたりする。
親からひどい虐待を受けて育った少年が、猛省した母から「あなたの幸せを見届けたい」と言われて考えた母への復習の話「刑事の約束」が重たかった。
親から認めてもらえないという後遺症は重い。

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2019年09月01日

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『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』に続く夏目信人の活躍を描く連作短編集。

 収録短編は5編。いずれもミステリとしての完成度だけでなく、それぞれの謎をめぐるドラマが切なく、そして哀しく人情ものとしても傑作ぞろいです!

「不惑」はかつて強盗事件の被害を受けその後、交際相手が自殺したビデオディレクターの謎をめぐる短編。自分が担当するカップルの新郎が事件の犯人だと知ったディレクターは、ナイフを式場に仕込み……

 少年犯罪と贖罪という薬丸さんお得意のテーマに加えて、夏目が解き明かすディレクターの真意。人の善意だけでなく、ずるい面、自分につく嘘、そうしたものも夏目は解き明かしますが、その真骨頂ともいえる作品だと思います。その上でどこか優しさと希望の光も残してくれます。

「終の住処」はホームヘルパーを突き飛ばした認知症気味の老女をめぐる短編。

 老女のため、老人ホームへの入居を進めていたホームヘルパー。そして質素な部屋に置かれた不釣り合いな桐ダンスの謎。この謎が解き明かされた時の、老女の思いと切ない感情は、犯罪と贖罪というテーマに真摯に取り組み続ける薬丸さんだからこそ書けるものだと思います。

 そして表題作の「刑事の約束」はシリーズの大きな転換点となりそうな作品。

『刑事のまなざし』の「オムライス」で実の母親から殺されそうになった前田裕馬が再登場。何らかの形で殺人事件とかかわっている様子で…
さらに、かつて通り魔に襲われ植物状態になってしまった夏目の娘が、夏目たちの声にかすかに反応し…

 人間の悪感情は連鎖する部分もある気がします。叱られて落ち込む、悲しむ、反発する。それがいい感情に向かえばいいですが、そうならなければ、負のスパイラルに陥ってしまう気がします。

 理不尽な犯罪に巻き込まれた場合の負の感情は、きっとそうしたものとは比べようにならないほどの感情が、噴き出してくるように思います。

 人間に対する不信、世界に対する怒り、そして失われてしまった心はどう救われるのか。裕馬が抱える絶望と虚無は、きっと夏目も抱え、そして今も戦い続けているものだと思います。だからこそ夏目が裕馬の真意を聞き、決意した感情は重く心に響きます。

 そして、裕馬や夏目が抱えた感情は、夏目の娘である絵美も抱き得るものだと思います。こうした感情に対し、夏目は今後、どう向かい合っていくのか。シリーズを通してのテーマの一つがよりはっきりした作品だったと思います。

 今後シリーズが続いていく中で、夏目や裕馬は何を思いどう生きていくのか。ミステリとしても楽しみですが、そうした重く深いテーマを薬丸さんがどう描くか、それもまた気になります。

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2017年02月13日

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夏目シリーズ第3弾。人情味溢れる心を震わす短編集。無縁は万引きで掴まった少年の孤独の秘密に親子の繋がりと幸せの意味を考えさせられる。不惑は寝たきりになった婚約者の復讐に燃える男の複雑な本当の思いに驚かされる。被疑者死亡は殺人を犯して死亡した元夫の秘められた思いに感動させられる。最後に表題となっている刑事の約束は母親に殺されそうになった少年の深い傷をもった思いに犯罪被害者の深い苦悩を感じさせる。

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2016年12月24日

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ネタバレ

夏目刑事シリーズの短編集。
娘さんが!
そこの展開は予想していなかったのでびっくりした。
夏目刑事の素晴らしい人柄に尊敬する。

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2024年02月13日

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前半は色々な事情でやむを得ないという感じ。でも中には同情を使い、自分の真の目的を果たしたいという邪な動機もあり、表面だけではわかりづらい犯罪もあるんだなと思った。最後の章は本当に切なかった。見守るって言葉、簡単に使ってはいけないんだなとも思わされた。

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2022年03月02日

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薬丸岳さんの”夏目シリーズ”の第3弾の短編集です。「無縁」、「不惑」、「被疑者死亡」、「終の住処」、「刑事の約束」の5話が収録されており、どの話も良く練られたストーリーで読者を飽きさせる事が無いです。夏目刑事の、感情を前面に出す事の無い淡々とした捜査と推理が大好きなんだよな~♪

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2021年11月03日

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夏目信人シリーズ、第三弾。
短編集、5話が含まれています。

どの作品も、表面的には大したことが無いように見えますが、その深層に、人間のある感情が横たわり、その感情を理解するとことで、真相が見えてきます。

どれも味わい深い作品ですが、特に、表題にもなっている『刑事の約束』では、長い眠りにあった娘の目覚めが描かれており、ウルウルものですね。

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2021年01月05日

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面白かった
「刑事のまなざし」「その鏡は嘘をつく」に続く夏目シリーズ第三段
5編からなる短編集です。
今までの物語同様、単純な謎解きではなく、人の心の複雑さをあぶりだす人間ドラマとなっています。この手の作品は大好き。
しかし、第一作、第二作に関連している人物が出てきているようですが、ほぼほぼ前作の内容を覚えておらず、その辺は楽しみ半減でした。残念。

■無縁
DVD販売店で万引きをした少年の物語。
少年は得体のしれない女性と暮らす戸籍のない子供。
黙秘を貫く子供の正体は?
なぜ戸籍がないのか?
家族とは?深い...

■不惑
ホテルで結婚式のビデオ制作する男の物語。
同じ場所で開かれた高校の同窓会に出席した夏目はその男の企みを感じます。
自殺未遂で13年間眠り続けた婚約者の原因を作ったのがその結婚式の新郎。
新郎を殺害するのか?
その真相は奥深いものでした。

■被疑者死亡
殺人容疑で逮捕状をとって、踏み込んだアパートから逃げた男はトラックではねられて死亡。
被疑者死亡で書類を検察に送れば終わると思われた事件を掘り下げます。
そこにあったのは、ろくでもない男なりに守りたかったもの。哀しい物語でした

■終の住処
老婆がケアマネージャを階段から突き落とす事件。
老婆が持っていた桐のタンス。そのタンスを巡る秘密。

■刑事の約束
植物人間だった夏目の娘に反応が..どうなる?
って思いがらも、本編では重い話が..
空き地に停まっていた車から発見された刺殺された女性の死体。その自宅を訪ねると、拒食症の娘が。
女性は覚せい剤で最近まで刑務所で暮らしていた。
そして、数日後、娘が自首。
なぜ、娘が母親を殺したのか?
そこには、「刑事のまなざし」で登場した人物との接点が..
これは、深い。
「刑事のまなざし」のオムライスを読み直さなければ..

ということで、いずれも良い作品でした。

とてもお勧め。
順番通り読み進めましょう。
そして、どうせなら一気に3作を読みましょう(笑)

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2020年08月02日

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「刑事のまなざし」で良くも悪くも印象的だった「オムライス」がまさか絡んでくるとは。
表題作以外は、暗い気持ちだけじゃない、ほのかなあたたかさや希望や愛が見えて、一作目とは雰囲気が違うな~しみじみと良いな~と思ったけど(不惑はそういう話じゃないけど、なんとも言えない面白さがあった)。表題作が苦しくて苦しくてしょうがない、大人の身勝手な欲望と期待がこどもの心と人生を壊すんだなあと痛感。このレベルではなくてもこういう子はたくさんいるとも思う。
この子が復讐を叶えたこと、悲しいけど私は肯定したい。もしかしたら数十年後には許せるかもしれないけど、大人にされたことを子どもの間に許せ、というのはエゴでしかないなと思った。

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2019年05月13日

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夏目信人シリーズ3作目。
前作の事件関係者が出て来るので、1から読むことをオススメします。やっぱり短編が良いですね。

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2018年03月09日

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前回読んだシリーズ第1作と比べて、今回は格段に良かった。どの話も深層には悲しい事実が隠されており、特に表題作は救いようのない絶望感が最後まで解消されなかった。一旦犯した罪は犯人が死んでも償われることはないと思うが、そうだとしてもせめて悔い改めてもらいたい。そうでない悪人がでかい顔をしてのさばっているのがこの国の現実だとしても。

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2018年01月27日

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ネタバレ

シリーズ3作目。
表題作がやはり印象的。ついに、といった感じ。ということはシリーズ終わりなのかな。夏目は今後どうするのだろう。

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2017年12月06日

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人間の心奥を鮮やかに描き出す、夏目刑事シリーズ第3弾、短編の5編それぞれに重いテーマが。
結果は同じでも、「ミルフィーユ」のような重なりがある加
害者の心理を、丁寧に解きほぐす夏目刑事の捜査手法は、本作でもいかんなく発揮されている。
夏目の同類とも目される志藤検事がまた登場するが、彼の背景はいろいろありそう。次回作あたりに、期待したい。
表題作では、夏目一家に大転機が訪れ、こちらの行方も注目される。

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2016年09月01日

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201607/薬丸岳はほんといい。そして今回の夏目シリーズ、短編なのにどれも濃厚で、また他者から見た夏目が書かれることで、より人物像が多面的に捉えやすく、初見でも楽しめると思う。さらっと書かれてるけど、境遇や闇さが半端なくて胸がつまるんだけど、かすかな光明と人の優しさという希望が救い。

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2016年08月07日

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夏目刑事シリーズは初読。出世コースからは外れているが、鋭い洞察で警視庁の刑事たちに一目置かれている所轄刑事という設定。
物語の語り部がほとんど夏目でないのがいい。実際の言動から夏目の鋭さや人としての温かみが表現されている。奥行きのある終わり方も気に入った。
前2作も読みたくなる。

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2016年08月06日

Posted by ブクログ

夏目シリーズ第三弾。やはりこのシリーズは深い。人生は単純ではないのだと語りかけてくる。何とも言えない灰色の結末、普通ならモヤモヤ感が残りそうなものなのだが、なぜかそうはならないのが不思議。物語の奥底に光が垣間見えるからだろうか。とても興味深い作品なのは間違いない。
あらすじ(背表紙より)
万引き事件を起こした少年は、得体の知れない女とひっそり暮らす無戸籍児童だった。憐れむべき存在かと思えた少年はしかし、刑事・夏目の捜査で予想外の相貌をみせる(「無縁」)。割り切れない事情が、時にやりきれない犯罪を生む現代。絶望がしのび寄る乾いた世の中に、わずかな希望のありかを探る傑作短編集。

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2016年07月31日

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夏目刑事、活躍するのだけど元気がなさげ。
前作で、娘を植物人間に追いやった犯人を逮捕したのだけど、燃え尽き感が出まくり。
過去に関わった人物も色々登場し、夏目の鋭い洞察力が事件解決や未然に防ぐ力にらなるのだけど、結末はどれも物悲しい。
元気な夏目さんも次は見てみたい。娘さんも気になる。

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2016年07月22日

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【希望が、希望と出合えますように。】

植物状態の娘を持つ刑事・夏目信人(なつめのぶひと)。夏目は5つの事件に対し、誰も気づけない手がかりから鮮やかに謎を解いていく。抜き差しならない状況に追い込まれた事件関係者たちの心を見つめる夏目が、最後にした“約束”とは……
   

刑事 夏目シリーズの3作目。
今回も短編集で安定の面白さがあった。
題名にもなっている最終話の『刑事の約束』は、夏目シリーズ1作目の『刑事の眼差し』と関係の深い話になっているので、合わせて読む事をおすすめしたい。

様々な理由で犯罪を犯す人達の心理を、夏目の鋭さで暴き、遺族や関係者にささやかな救いを与えることができるのは、自らも犯罪被害者である夏目ならではないだろうか。


こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ
・社会派ミステリーが好きなひと
・スキマ時間に読みたいひと
・少年犯罪が題材の話が好きなひと

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2022年06月23日

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夏目信人シリーズの第三弾。5つの短編連作。様々な社会問題を織り交ぜながら、事件の解決だけでなく、人の裏側・内面を鋭く浮彫にする夏目の深い洞察...。本作も圧巻の展開。他編にさりげなく置かれたプロット。ああそういうことね、と最終編で納得。
「終の住処」は調査不足の感が否めない。残念。この編だけ細かな点が気になり、感情移入できなかった。

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2019年12月11日

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夏目刑事シリーズ。
久しぶりにこのシリーズを読んだので 
なんで娘は昏睡状態になったんだっけ?など
忘れているところが多々あった。
短編なのでもうちょっと長めに
読みたいなぁというのが正直なところ。

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2019年11月22日

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ネタバレ

夏目刑事シリーズ(?)第3弾。過去作に登場した何人かが再登場していますが、検事の志藤と「オムライス」に登場した裕馬以外はパッと思い出せず…… 良くも悪くも現実的な設定・言動のキャラクターが多く、強烈な個性を持った人物が少ないから?(実際は、単に私の記憶力の問題なのでしょうけど……)

連作短編で各話興味深いものではあるのですが、最終話「刑事の約束」のインパクト(昏睡状態にあった絵美の目覚めと「オムライス」での被害者・裕馬がとってしまった行動の2点)が強すぎて、それ以外の作品の印象が霞んでしまいました。

最終話は拡充して別冊にしてくれた方が、他作品の良さが薄まることなく、また「刑事のまなざし」を読んでいない人にもわかりやすいものになったんじゃないかと思ってしまいました(余計なお世話かと思いますが……)。

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2017年10月20日

Posted by ブクログ

夏目シリーズ第三弾。5つの短編から成っています。
いずれも、夏目刑事が事件を解いていくのですが、
夏目本人の目線でなく、同行した刑事や友人の視点から夏目刑事と事件が語られます。

5つの作品の中では最初の「無縁」がミステリっぽくて一番楽しめました。
シリーズ物らしく前作の登場人物が出てくるのも面白かったです。

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2017年06月22日

Posted by ブクログ

刑事のまなざしと同じ主人公のシリーズもの。
数々の事件をトリックというより、犯人の心理を深く洞察することで自供をさせる。
刑事のまなざしと同様に悲しい感じの事件ばかりでどの話の犯人も根からの悪者ではない。
だからやり切れなさが読後にのこるのかも。

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2017年06月15日

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