【感想・ネタバレ】女官 明治宮中出仕の記のレビュー

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ある女官による、出仕の記録。

かなり赤裸々に語られており、
本来ならばつまびらかにされるものではない宮中の様子を、分かりやすく伝えている。

歴史的史料としても、有意義。

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2023年11月29日

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明治時代の宮中の様子を、まだ少女といえる年齢で女官として上がった華族の女性の目を通して詳細に記した本。内容はどこを取っても驚き。
文章は感受性豊かな自然体で色や匂い音が容易に脳内で再生される。全体的に「上品な意地悪」という塩味が効いてるのか最後まで全く飽きない。
大好きな本。

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2023年07月24日

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ネタバレ

明治天皇皇后両陛下に仕えた女官の手記。
昭和天皇の侍従のは読んだことがあるけれどこちらは初めて。
知ることのない宮中のこと。面白かったー。

明治天皇の美子皇后は聡明だけど子供がなかった。もし皇太子でも産んでたら、日本の歴史の一部も変わったかもね、という意味のことまで書いてある。また、大正天皇のことを赤裸々に書いてある、、というかディスってるし、明治天皇がもっと長生きしてたら日本はこんなにみじめな姿になってなかったんじゃないかとも。攻めてるなー。

雑誌などに嘘が書いてあるから、女官時代のことを思い出すまま書いた、とある。タブーを破って1960(昭和35)年によく出せたなーと。←平成天皇の皇太子時代のご成婚の次の年。

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2023年03月24日

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明治時代の宮廷の様子が実際の体験をもとに綴られている。
巻末の解説も詳しくて興味深い。

明治天皇を中心に宮廷が一丸となって西洋風のマナーを日常に採り入れようと、みんなで一緒にランチをしたり洋装でお庭に出てピクニックをしたりという話題が続いている部分もあり、なんだか楽しそうだなと思った。

意外と活発な若き日の大正天皇の様子をはじめ、さまざまな人々との交流も記されており、社会人になって責任ある仕事をこなしているという若者の開放感が全文に満ちている。

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2021年03月31日

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堂上公家・久世家の姫様は、明治天皇の后・美子皇后付の女官として
18歳で宮中に上がった。

「宮中で見聞きしたことは他言ならぬ」。

その禁を破って、著者が自身の体験を綴ったのは退官から約40年後
の昭和35年だから、明治天皇も美子皇后もお許し下さるだろう。

江戸時代の大奥ほどではないにしろ、奥向きの仕事を担う女性ばかり
の生活はきつかっただろうなと感じた。オブラートに包んだ書き方を
しているが、妬み・嫉みが渦巻いていたのだろう。勿論、著者を気に
かけてくれた方もいたが。

他にも直に接した明治天皇と美子皇后のお人柄がしのばれるエピソード、
両陛下の日常のご生活の様子、宮中の年中行事についてなどが、宮中
言葉を交えながら描かれている。

特に印象に残ったのは大正天皇に関する記述だ。元々病弱であったのに、
元勲たちから明治天皇と同等の資質を求められ、心のバランスを崩して
しまった不運な天皇。得意であった和歌や漢詩の才能や、明治天皇とは
違うのだと言うことを周囲が認めていれば、大正時代はもう少し長った
のではないかとの印象を持っていた。

だが、本書では歴史書では知りえない大正天皇の一面が記されている。
皇太子時代の大正天皇は宮中へ上がった際に著者に目をつけていた。
そのご執心は明治天皇崩御後、新帝として即位してからも変わらない。

新たな両陛下にお仕えする話を断り、皇太后になられた美子皇后付の
まま青山御所へ移っても、何かと理由を設け青山御所へ赴き、必ず
著者を名指ししてお召しになっている。

大正天皇のご執心に薄々気がついていた皇太后は、名指しでのお召しが
あれば病欠という手を使い、御前に出ないよう気を浸かって下さる。
実母ではないが、母として息子である大正天皇のこのお振舞いを、
苦々しくお思いだったのかもしれない。

著者は皇太后崩御後に退官し、数年後に結婚するのだが、大正天皇は
この結構ん披露宴の日時までご存じだった。不敬を承知で言う。ここ
まで来るとストーカーだ。

ただ、美子皇后を実の母であると信じて疑わなかった大正天皇が、
実母は側室であることを知った時の衝撃は大きかったのだろうな
とは感じる。

巻末には宮中の言葉の一覧、今は失われてしまった明治宮殿の見取図
が掲載されている。明治の終わりから大正の始めにかけての宮中を
知るのに貴重な資料でもある。

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2018年11月27日

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明治四十二年、子女の自由が無視され、本当に女はつまらないものだと思っていた作者が自活の道を探っていたときにもたらされた、宮中奉仕の話。と冒頭から引き込まれる。
無責任な噂話を否定するために書かれたという出仕当時の話は、貴重な資料だろう。

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2018年11月18日

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Audibleにて。
明治時代の女官の仕事や人間関係、皇室の生活など、庶民では知ることのできない内容でとても興味深かった。
ちなみに表紙の人は著者ではない女官とのこと。
ずっと表紙の人だと想像しながら聴いていたので、少しがっかりした。

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2024年02月16日

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明治天皇の晩年に宮中で仕えた女性の手記。著者はなかなかのお転婆で毒舌だ。
若さと愛嬌で可愛がられていたのが所々からうかがえる。

皇太子時代から大正天皇にアプローチされたり、退官が決まった後いろいろな人から縁談を持ちかけられたりとなかなかのモテぶりだが、初恋を成就させて好きな人と結婚するなど結構しっかりとしている。
そもそも可愛がられて育ったが「女は嫁に行くのが全てであり従順であれ」という常識に反発して出仕の話に乗ったことからも好奇心と行動力のある女性なのだろう。

「明治宮中の闇をあぶりだす一級資料」とあるが、驚くほどのようなことでもないと思う。
むしろ天皇皇后の人間味あふれた様子や、立場ゆえのふるまいなどがある。
女官同士のいざこざは多少あるが、それはどこの時代、どこの世界にもあることだろう。

退官後に家庭に入り子供を持つ友人と話が合わなかったことや、女性が仕事を持つ・持たない悩みも今の時代にも通じるものがある。

また、皇室が京都から移ってきたばかりの時代であり、側仕えの人たちも京都出身の人が多いためか、風習や食べるものが関東とは違うのも興味深かった。

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2020年05月16日

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明治天皇の治世末期に女官として仕えた著者の回想録。宮中の様々な出来事、習慣などは中々世の中に出て来ないので、貴重な記録といえる。著者も、本書を著したのが戦後という事情もあろうが、かなり思い切った出版だったのではなかろうか。ほんの数年の経験ではあるが、宮中のしきたりや出来事がリアルに描かれている。
の文庫本のために書かれた原武史の解説が面白い。本書で引っかかったところ、気になったところが見事に解説されている。

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2018年12月19日

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明治の末に京都の華族の家から女官として採用された著者。平民から見れば読み物の世界でしかない天皇の日常が垣間見られるようなそんな本。長年月をかけて作られた高貴なものの美しさや気持ち悪さが出てて興味深い。

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2024年03月03日

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ベールに包まれた当時の明治天皇と皇后の
生活が、とても詳しく時にはユーモアも
交えて書かれている。
著者の山川三千子は華族の出身で18から23歳まで
多感な時期に宮勤めをしていたからか
本人のその時々に感じた素直な感想を書いていて
その当時にしたら暴露本の様に受け取られた
のかも知れないが、21世紀の今となっては
貴重な当時の皇室の人間関係や人柄など
が良く書かれていてとても興味深く面白い。

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2021年05月24日

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とにかく大正天皇と皇后が好きじゃなかったんだろうなという印象
お妾とかズバズバ書いていて面白かった。

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2020年11月29日

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 明治天皇と皇太后に5年間仕えた、華族出身山川三千子が、その晩年、昭和35年に宮中での体験を綴った手記。
一般人は垣間見ることもできない、その雅な生活を惜しみなく暴露している。
 入浴は上半身(清)を洗う人と下半身(次ぎ)を洗う人は区別され、足を拭いたもので手や肩をふくことはない、とか、11月3日の新嘗祭には、両陛下が日常使うお召、夜具、化粧道具から火鉢に至るまで全て神事用に取り換え、取り換えることのできない大きな家具などは何度も拭き清めて切火をするなど、宮中内の行事や習わしを紹介。その神秘的な世界にため息が出る。
 明治と言えば、日清日露戦争で日本全体が疲弊し、決して裕福ではなかったのに、宮中は平和そのもの、おさがりの着物や献上のお菓子などふんだんにあったようです。

 いまさらのように知って驚いたのが、天皇には権典侍(ごんてんじ)というお妾職がおり、子供に恵まれなかった皇太后に代わって男の子を生み、それが後の大正天皇になっているということ。徳川家の大奥に通じるものがある。

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2017年11月28日

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明治時代に宮中に仕えた華族の令嬢・三千子の手記。
この著者は、令嬢なのに「何とかして自活の道はないものかと考えておりました」という進歩的な考えの持ち主。
宮中の様子が詳しく描かれている。
平安時代の宮中の様子みたい……と思いながら読んでいた。

大正天皇が著者にご執心だったというお話は、例えそうであったとしても、こういうところに書くのはどうかと思った。けれども、明治天皇や皇后のご臨終の様子など、身近な人しかわからないことも書かれていて、大変興味深く読んだ。

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2016年11月02日

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