感情タグBEST3
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三十代の師匠の体当たりルポ。最初はイワシの頭的なご利益を求めていたようだったのに、中盤以降はイワシの頭に群がる有象無象を眺めている師匠。そして最後にはストリップ劇場潜入という何が何やらという感じ。確かに観音様には違いないが……語り口調は江戸っ子の、それも男の伝法な言い回し。男性っぽい性格というのが「原宿占い村篇」で言い当てられていたな~。ポワール女史も良い感じだった。「ベッピン篇」の写真はホントにお笑いコンビの宣材写真だよ(笑)
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杉浦日向子さんの突撃レポーターといったイラスト入りの取材記です。イワシ頭という表現はイワシの頭も信心からという言葉からですが、東京中のあらゆるゲテモノ的なもの、迷信、怪しげな場所、オカルト、まじない、占い、ある意味パワースポット・・人間の内に潜む欲望、願望などを吸い取るところは必ずあると20箇所を超える取材の顛末記を読んでつくづく思いました。
大抵の怪しげな商売には金銭的にもかなり高額な代金が付いて回るのに成り立つところが不可思議であり、興味深々な訳なのですが、普通おいそれとは覗けません。今回と同行した妙齢の女性「ポアール」さんはそれらの場所へ果敢に出動、身体を張った体験記となっています。
彼女は江戸の粋な文化をこよなく愛した人なので、どんなところでも潔く出向き、そこでのきっぱりとした感想を述べています。飲み食いにはお酒がつきものなのも、日向子さんらしいところだと思いました。彼女のこんなところが一生分のパワーを全開で使い切ったので早く逝ってしまったのだと思えたのでした。
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杉浦日向子の東京イワシ頭を読みました。
杉浦日向子が講談社の新人編集者ポワールといっしょに流行迷信(イワシの頭も信心から)を取材するというエッセイでした。
新興宗教のようなもの、占い師のようなもの、エステ、ギャンブル、人面魚、ストリップ、げてもの料理、と言ったいろいろな人物や団体を取材して絵付きのエッセイとしてまとめられています。
結構どぎつい取材もあったようですが、杉浦日向子らしい風俗を描く視点でまとめられているので、安心して読むことが出来ます。
書かれたのは1996年のようで、ネタが15年前なので、今読んでみると結構懐かしく感じました。
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おもしろかった。
杉浦日向子が、東京の1996年ころの怪しい文化を実体験しながら文章にしたもの。
あのころの日本の、怪しさを満喫できる。
今の日本も怪しいけれど。
あの頃の怪しさは、世紀末に向かう時期の怪しさとでもいえるのかな、ちょっと、怪人20面相、小林少年といった、昭和初期のころのような、セピア色を感じてしまうのは私だけだろうか?
同行していた担当編集者の≪ポ≫さんは、今頃、講談社の、お偉いさんになったかなあ?
とてもかわいいというか、きれいなというか、魅力的な女の子ってイメージだったけれど。
あの時の≪ポ≫です。って、出てきてほしい気がする。
にしても、杉浦日向子さんが、今生きていらっしゃったらと思ってしまう。
同じことを、ナンシー関さんについても思う。
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バブルでござる。
杉浦さんの軽妙な語り口調を彷彿とさせる文章で、
言っちゃ悪いがだいぶ腐ったバブル時代のヘンテコ怪しげあれやこれや。
思わず噴き出すこと数回。
二重の意味で楽しい本でありました。
ヅカの回は、当時どっぷりハマっていた側ですので
かえって面白く読みました。
あの公演を生でご覧になったとは羨ましい。
今となっては過ぎ去ったあの時代に感慨深くすらなる
何度も読みたいエッセイです。
新装他2作品も今後読もうと思います。
Posted by ブクログ
けっこう時がたっている、その当時のはやりもの?のエッセイなので、懐かしく感じるところも多かったが、やはり、江戸の粋な感じが底にあるので、楽しく読めた。