感情タグBEST3
Posted by ブクログ
神戸に住むドイツ領事の息子のアドルフは、パン屋の息子でユダヤ人のアドルフを通じて、アドルフ・ヒットラーのある秘密を知る。第二次世界大戦を背景に、その秘密をめぐり交錯する三人のアドルフの運命は? 初の一般週刊誌連載作品にして、第10回講談社漫画賞を受賞した著者後期の代表作、ついに登場!
他を圧倒するストーリー構成力
『アドルフに告ぐ』は手塚治虫の後期を代表する傑作です。
手塚には様々な評価があり、色々な人が賛否を述べていますが、少なくともストーリーの構成力では彼に比肩するマンガ家は居ないと思います。
その証明の一つがこの作品である事は間違い無いです。
またこの作品には、手塚がデビュー当時から一貫して何度も描いているテーマが説得力のある形で描かれています。
そのテーマとは「善悪は絶対的なものではなく、常に相対的であり、見る人や立場によっては入れ替わる」と言うものです。
以上のような深淵なテーマを持つ作品ですが、そういった事を抜きにして、単にストーリーを追うだけでも圧倒的なエンターテイメント性があるので、誰にでもお勧め出来ます。
Posted by ブクログ
ナチスのホロコーストについて面白い視点で描かれていた。戦争が終わったあとも憎みあいが残っていることも考えさせられます。物語の構成が天才だなと思います。手塚治虫の中でもめっちゃ良い作品
Posted by ブクログ
第二次世界大戦前後、ナチスの台頭から終焉までを背景として、日本とドイツで繰り広げられる人生劇場。アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル、アドルフ・ヒットラーの3人を主軸に添えた、ドイツ人、ユダヤ人、そして日本人の悲しい物語。手塚治虫作品の中でも最も頻繁に読み返す作品のひとつです。文庫本に収録されている、関川夏央による解説が秀逸。
今年2008年は手塚治虫生誕70周年。『アドルフに告ぐ』に限らず、改めて各作品が再評価されることでしょう。