【感想・ネタバレ】レジェンド歴史時代小説 高杉晋作(下)のレビュー

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幕末の志士、高杉晋作の活躍

西洋列強の国々が日本の海に現れた時、長州は藩是を尊皇攘夷主義に統一した。幕府が、アメリカと通商条約を締結して鎖国から開国に政策を変更したことで、そのことを不服として長州藩の若き志士だった高杉晋作は、仲間の久坂玄瑞、桂小五郎らと倒幕を目指した。京都で「禁門の変」と呼ばれる戦さを引き起こしたが、薩摩藩と佐幕派の会津藩の同盟により失敗、敗北して長州は京から一掃されてしまった。
自ら髪を切り故郷に帰った高杉は野山獄に監禁された。この後、幕府の長州征伐が始まるのが当然予想される。
長州藩政はそれまで勤王派でまとまっていたものの、徳川幕府に従う佐幕派が優勢になり、藩内は内部分裂、内戦の状態に陥る。この二分された藩内を一つにすべく、再び高杉晋作が指名されるのあった。
高杉はわずかな同士たちと奇兵隊でこの内戦に勝利して、再び藩は尊皇攘夷主義にまとまり、幕府との戦さに備えを進める。
高杉に志を同じくするたくさんの援助者がいたが、なかでも坂本龍馬の援助と仲立ちで西洋式の最新の武器を購入したり、薩摩の西郷とも連携が計られ、幕府の征長戦に対する長州の護りが強固になった。
幕府の長州との戦さは、将軍家茂の死去により幕府軍が後退して終わる。そしてその後、更に幕府は薩摩藩などの追撃を受け、徳川の世は終焉となり、新しい時代に突き進んでいくのである。
この幕末期を生きた高杉晋作は、自ら天命を受けた革命家と自認し、自らの命も顧みず大活躍を果たした。一方で、戦さのかたわら、花街や郭に足繁く通う俗人間だった。しかし、これも又、天命を受けた人間だけが、難しい世の中を生き抜くために天が与えた特別な機能であると言うのである。血なまぐさい戦さに明け暮れる人間のささやかな息抜き、心の癒やしの時であったらしい。
彼は27歳8カ月という若さで労咳を患いその人生が終えたが、その名は今日まで聞こえている。

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2020年03月13日

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