【感想・ネタバレ】彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?のレビュー

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中学この頃にふと読んで、見事にハマった。

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2023年08月03日

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読み終わった瞬間に後悔した。
もっと、ゆっくりと時間をかけて読むべきだった。
続きが読みたくて仕方ない。森博嗣の描く人間の未来を。

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2023年02月28日

Posted by ブクログ

舞台はアンドロイド「ウォーカロン」が発展した近代未来の日本、培養で替えがきき寿命が問題にならない
日々のアップデートで簡単に人かどうか見分けがつけにくい生命体。ある日研究者のハギリは何者かの襲撃を受け彼を保護したウグイに出会う。人とは何か生命体とは何か?が大きなテーマです。
アニメ「攻殻機動隊」や「仮面ライダーゼロワン」
近代未来系SF系がお好きな方にはオススメです。
アニメみたいにスラスラ読めます。

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2023年02月16日

Posted by ブクログ

何が起こっているのか、何が登場していて、どういう常識の世界なのか……というのが分からないまま物語が始まり、物語が進むとともに世界が見えてくる。そして同時に恐ろしいことにも誘導によって気付かされていく。中々素敵な構成のストーリーで、なるほど……と思わされた。

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2022年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『人はウォーカロン(Walk-alone)と共存できるのか?』

ロボットから進化し、人間に限りなく近づいた【ウォーカロン】 色々な意味を含んでいて、かつ、近未来を予想させるこのネーミング、天才か! 森さんは初読みでしたが、他の作品(シリーズ)も読んでみたくなりました!

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2021年11月24日

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ネタバレ

科学技術の進歩で人間と機械の差はどんどん縮まっていくと思います。

現代ではアートやブランド品がこの話に関係があると思います。
偽物を作成する技術は日進月歩で進歩しており、新たな判別方法を見つけると、それを真似る技術が発達するといった、いたちごっこの状態です。

仮に、現在数億円の値が付く数百年前の絵画に対し、全く同じ染料、紙、ペインティングで偽物を再現できるようになった際、本物の絵画の価格は無に等しくなると思います。
鑑定士ですら真贋を区別できなくなった時、その作品は価格ではなく、価値だけで語られる芸術品になるのではないでしょうか。

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2021年08月15日

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S&Mシリーズから順に、ここまで読み進めてきました。もう名古屋でも大学でもミステリーでもないけど、ここまで着いてきた森博嗣ファンなら「むしろ待ってました」という感じのSF小説です。
作中内で引用されている「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」とテーマは同じ。1968年に書かれた小説と同じテーマで、森博嗣さんの視点で、描かれる2世紀先の未来。
1冊目のこちらはまだまだ序章。読み終えた後、どきどきして眠れませんでした。続きが楽しみです。

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2020年09月24日

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黒幕はやっぱりあの人か。世界が変わりつつある現代にぴったりな近未来SFミステリ作品です。

森博嗣さんのミステリを久しぶりに読みました。
「すべてがFになる」などのこれまでの作品では強烈なキャラクタにストーリが引っ張られていく印象でしたが、本作では、それらがとても淡白。
静かに世界の終焉に向かっていく近未来のディストピアが、淡々と語られています。
こんな森博嗣があったのか、と驚かされます。

まるで人と見分けがつかない人造人間(ウォーカロン)が世界に溢れている中で、じゃあ、人間の定義とは何か、という
本質を探るライト科学ミステリといった様相です。
SFではよく語られるテーマでありながら、主人公ハギリ先生の淡白な目線を通じて、独特な世界観が示されます。

それにしてもハギリ先生のポンコツっぷりが凄い。
世界の最先端の研究を黙々とこなす一流の研究者であるのは間違いなのだけど、博物館にいくと駄々をこねて暗殺者に狙われたり、勝手に街に繰り出して酔っ払ったり。そのたびに荒事を引き受けるウグイさんの苦労が偲ばれます。

エンタテイメントとしてもバッチリ楽しめる良作。
お家読書にぴったりです。

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2020年05月10日

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ネタバレ

生命反応ならば人工的に再現できる
物理的に測定できるものは発信ができる

しかし考えているかどうかメカニカルなものでは無い
脳波は物理的なものだがその変化は数量化ができない
論文の結果として出るのは数式とパラメタだけ

すべての生き物は不完全ゆえに反映したことになる
ベーシックな意識を戻せても上層が同じ意識かどうかは

資本主義は崩壊し持続維持を合理的にデザインする社会になった
この社会は誰のものか時間をかけて考えないと...
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子孫が生まれない閉塞感がただよう理想的な緩やかに死んでいく世界
自然発生の人間と人工の人間の差はほとんどない
差を測定すること≒その差を埋めること

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2020年05月10日

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ネタバレ

英語のタイトルのdoesをisに変えたら「彼女はウォーカロンか?」になるのが面白い。
パラサイトこそが人類を繁殖させていたというのは楽しい発想だと思った。
アダムとイヴが食べた実には寄生虫がいて、それが人間の脳に変化を与えて、二足歩行になってとかだったら…。
パラサイトを作ることができればアップデートが可能ということ?作中であったウォーカロンのアップデートもそれなのかしら。

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2024年01月23日

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Wシリーズ1作目。ウォーカロン(単独歩行者:walk alone)と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。人間との差がほとんど無く、判別が容易にできない。研究者のハギリはウォーカロンと人間を識別する研究を行っており、何者かに命を狙われるも保護しにやって来たウグイに助けられる。人間とは何か、命とは何かを読者に問いかける近未来ファンタジー。

人工細胞の反乱。人が死ななくなり、子供が産まれない世界はどこに向かうのか。長く生きることは正解なのか。あの天才博士も登場し、どのように続いていくのか楽しみです。

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2024年01月07日

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ネタバレ

【購入本】S&Mシリーズから飛んでWシリーズに着手。講談社タイガからの出版ということもあり、話の内容もかなりライトな印象。〈人間×ウォーカロン〉の世界。「人間」とは、「命」とは、何なのか。曖昧になった社会の中で、ハギリとウグイの''日常''が動き出す。ただ、森ワールド(仮)の中でここまで不明瞭な話の展開はあっただろうか。ミチルは人間か、真賀田四季は生きているのか。謎は謎のまま明かされることはない。次作が楽しみだ。

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2023年09月10日

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Wシリーズの1作目。いわゆるアンドロイドもの(本作ではWalk Alone=ウォーカロンと呼ばれる)。ウォーカロンは身体的にも人工細胞で作られ、人間側にも治療などのために人工細胞が大幅に取り込まれているので、両者の敷居が限りなく低くなっているのが本シリーズのミソなんだろうね。
主人公は、ウォーカロンを見分けるための技術を研究している研究者。巻き込まれ型で、謎の組織に命を狙われるというのが本作のストーリー。
1作目ということで、いろんな伏線を埋め込んでいっている感じ。森作品でおなじみのあの方もでてきたし、次作以降が楽しみ。

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2023年08月26日

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ネタバレ

ヴィルヌーブの『Blade Runner 2049』とキュアロンの『Children of Men (トゥモロー・ワールド)』が複合的に組み合わさり、著者のエッセンスがふんだんに散りばめられたような作品。ブログでブレードランナーの続編を観た氏が森博嗣が作りそうと形容していたように、驚くほどすんなりと物語が頭に入ってくる。
当然、このシリーズも四季のいる世界の延長線上にある。最初はSF小説を書きたいのかなと思ったけど、根底にあるテーマは最初から一貫しているように思えます。私たちはどこに行くのか。どこにも行かない。そのはずだけれど、どうにも違う気がする。エキソダスを書こうとしているのかなと想像。だからSFのようでいて、非なるものを、あるいは本当にあるかもしれないいつかを描いているような、どこか不思議なシリーズ。

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2023年04月14日

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スカイクロラシリーズ(10年前ぐらい?)を読んで以来の久しぶりの森博嗣さん。舞台は近未来の日本。身体のほとんどは培養で替えが効き、寿命が問題にならなくなった。他方、人はウォーカロンというアンドロイドを作り出す。度重なるアップデートで兼ね備えた精巧さと頭脳の明晰さから、もはや人かウォーカロンかも区別が難しい、そんな世界で科学者の主人公がウォーカロンに絡む争いに巻き込まれていく。

人とアンドロイドの定義が相対化された中で、何をもって人というべきか。大き過ぎるテーマだけど、物語の展開に合わせて主人公が思考してくれるので、同じ状況と視点で一緒に考えられて、楽しい。

主人公と周囲との掛け合いはどこか抜けてて面白く、それでいてこの世界観にとてもマッチしている。

読後、「若干尻切れとんぼかなぁ」と思ったら、まさかの10巻シリーズの第1巻(笑)壮大な物語に手を出してしまった感があるけど、森博嗣さんの文調は相変わらず好きでこの本も苦にならなかったので、折りを見て、少しずつ消化していきたいと思う。

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2022年10月15日

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資質が限りなく歩み寄って境界線が曖昧になった人工生命体と人間の差異が、天然モノと養殖モノほどだとの説明が、端的で明確で分かりやすくて納得する。両者の違いとは生命とは人間性とはと考え詰めたら、哲学的か宗教的な答えしか成立しないのではないかと思える。
「電気羊」の影が見え隠れする中でハギリ先生の飄々とした語り口で展開考察される物語、科学的で文学的なバランスが絶妙でワクワクした。シリーズ小説の掴みはOK!続きが気になる。

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2022年08月20日

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SFをほとんど読んだことがなかったが、最近興味が出てきたので、おすすめSFと検索したら紹介されていたこの本を読んでみた。
専門用語は少なく、難しい表現もないため淡々と読み進められたが、その一方で内容は重く、人間と見た目も中身も変わらない人造人間ウォーカロンという存在が人間とどこが異なるのかは作中の人物と一緒に考える問題であった。ウォーカロンと人間の共存がどういった形で行われるのかは、すごく興味のある話であったが、本作で結論が出ることはなかった。
読んでいる時は知らなかったが本作はWシリーズというシリーズの一作目にあたり、僕が気になっている話は10作品にわたって続くらしい。というか10作でも終わっていないらしい
うーん。10作は長いて…。

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2022年07月26日

Posted by ブクログ

人工細胞で作られた生命体・ウォーカロン。人間との差がほとんどなく、違いを容易に認識できない状況であった。ウォーカロンと人間を識別できる研究成果を持つ研究者・ハギリは何者かに襲撃される。ハギリは情報局員・ウグイに保護される。人間とは何か、生命とは何かを考える、Wシリーズ1作目。

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2022年04月02日

Posted by ブクログ

audibleにて。
設定も途中の展開もすごく面白いのに、終わり方が微妙だったなーとおもってたら、なんと全10巻のシリーズの一巻だったとは。。。

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2021年08月24日

Posted by ブクログ

Wシリーズ全巻読んでから読み直すと、疑問の出発点が本書でしっかり描かれているなと感じます。
ウグイとハギリの関係性の変化もWシリーズの魅力だと思います。最終巻読んでから本書を読み返すと、そういえばはじめこんなんだったな、という感じで読み直しても楽しめるそんな作品だと思います。

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2021年07月17日

Posted by ブクログ

百年シリーズよりさらに未来のお話でした。
ウォーカロンは人間に近づき区別が難しいほど。
主人公のハギリはどことなく犀川先生に似ており、物語の展開は早く、さらに真賀田四季と思われる人物も登場。
ハマる事間違いなしな作品でした。

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2021年06月15日

Posted by ブクログ

養殖された人間と天然の人間の差とは?人間の定義とは?そもそも、養殖された細胞で肉体はアップデートされつづけ、脳みそくらいしか素の要素がなくて天然と言い張れるのか。ウォーカロン(養殖人間)と一緒にされたくない、なんて、ほんと人間って傲慢。
いつか必ず訪れる、そう遠くない未来の議論。題材が面白い。どう着地するのか楽しみ

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2021年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3.5
Wシリーズ1弾。人工細胞で作られた生命体ウォーカロンと人間との識別法を開発した研究者ハギリを主人公に、業界・政府を巻き込み、謎を残しながら話が進む。人工知能、人工細胞技術が発展した200年後の世界。引用されているアンドロイドは電気羊の夢を見るかの世界観の森流な感じ。赤い魔法の謎。ウォーカロンとして現れた少女ミチルの謎。

クリーンな細胞が作られるようになって百年以上になる。ほぼピュアな細胞が実現したのは70年前。先天性疾患も癌もなくなり再生すれば人は何百年も生きられるようになった。機械系のロボットの発展形であるウォーカロンから人工細胞を利用した生物系のウォーカロンへと進化。これにより、限りなく人間に近づいた。子供が生まれなくなり、人口が1/4程度に減っているらしい。生きたウォーカロンからは子供が生まれない。細胞変革という技術があり、大柄な男性が華奢な女性に変貌できるらしい。その場合の頭脳回路はどうなるのか。
ハギリは今年で80歳。生物学者のハリチ博士は160歳。この時代から見て、20世紀後半が200年前。

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2020年12月06日

Posted by ブクログ

何でもっと早く読まなかったかね。と、頭を抱えてしまった。独立したシリーズでもあるし、四季シリーズの系譜を感じられもするし、うっすらとスカイ・クロラ味もある。元々の森博嗣好きと攻殻機動隊、アップルシード、ターミネーターその辺の近未来のAIやアンドロイドや人工知能もろもろが好みの自分はどんぴしゃりだった。ハギリ博士のすっとぼけた性格とちょっとずれた思考に当てられっぱなしで、こりゃ、一気読みしそうな勢いで怖いシリーズに手を出してしまったかもと。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

たぶん2世紀以上先の世界の物語。
子どもが生まれなくなった世界。
人間と人工生命体(ウォーカロン)が混在し、生まれること、死ぬことという概念が軽薄化している世界だ。

色々謎のままのことも多くて消化不良だけど、私たちが生きている現代とは生死感が違うから、身近な人が死んでも悲しいという気持ちも希薄で。
でもショックな出来事を経験したことでハギリは眠れなくなったり、やはり何らかの悲しみを引きずっている様子だった。
「生きる」「生かす」ということを突き詰めていくと、悲しみの感情は体に不調を与えるから、削ぎ落とされるべきものなんだろうな…と思った。
ハギリとウグイのエピローグのような話は、この物語の世界では珍しくないことなのかもしれない。
特別な判定がなければ,人間とウォーカロンの区別がつかないのであれば、それはもう同じものなのだろう。
でも人間が思う人間の優位性というものも、この世界でまだ残っているようで、本来、ウォーカロンは人間をサポートしたり人間を豊かにするために作られたという歴史的背景のあたりは、現代と通じるものもある。
人間より優れたウォーカロン達が人間を襲撃している(仮面ライダーゼロワンの疾風迅雷を思い出した。)のかと思いきや、襲撃を手引きしている人物は判然としない。
人間とウォーカロンの区別がされることに、利害関係を有しているのは人間もウォーカロンも同じだ。

ミチルという謎の少女と、マガタ博士。
謎はまだ残ったままだが、普段こういう未来SFを読み慣れていない私にとっては、この一冊だけでも読み切るのが結構大変だった。たったの260ページくらいなのに。
もっと説明してよぉーー!と、何度思ったことか。

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

★生きているかどうかは、問題ではないのでは?(p.250)
/「ほとんど人間」のウォーカロンゆう存在とほぼ不死になった人類と新生児が誕生しなくなった状況を設定してまうことによって「人間とは?」「思考とは?」を追究しているようにも見えるし、おそらく結論は出ぇへんこのテーマで思考の遊びをしているようにも見えます。
/森博嗣さんの文章はぼくにとっては読んでるだけで心地ええんですが、特に上手ゆうわけでもあらへんし、豊かな描写があるわけでもあらへんので、なんちゅうか、文章の「呼吸」のようなものが合うんやろうなあと思ってます。
/人工細胞によりほぼ限りない寿命を持つに至ったが新生児が生まれなくなったヒトと、生体で「ほとんど人間」である「ウォーカロン」が大半を占めるようになった社会でヒトとウォーカロンの違いを(結果的に)判定できる手法を開発しているハギリ・ソーイは命を狙われるが情報局のウグイ・マーガリィによって秘密な研究所に保護され研究を進めつつ、誰になぜ狙われたのか考え始める。
/四季博士のような人物が登場したなと思うてたらどうやら近似値ではあるらしい。森博嗣さんはなかなか四季さんを手放さへん。もしかしたら森ワールドの「神」なんかもしれまへんね。

■簡単なメモ
【アカマ】ハギリの助手だった。
【アリチ】人工細胞の第一人者。見た目は老紳士。
【アンチ・オプティマイズ】ウォーカロンが「とぼける」機能。
【生きる】《今の時代、生きていることの定義が非常に曖昧だ。》(第一巻p.250)
【命を狙われて】「気持ちはそんなに悪くないが、また同じことをされたら困るな」(第一巻p.26)
【インスピレーション】インスピレーションは人間独自のものだと我々は思いたがってるが本当にそうなのか常々疑問に思っていました。ヒトも所詮は有機的なメカなので、技術的に未成熟なだけで感情・感覚・発想その他諸々再現できるのではと。ハギリもちょっとそう考えたりしています。
【ウォーカロン】Walk-Alone(単独歩行者)。生体だけでつくられた人造人間。自律的に思考、行動する。ヒトとの間に生物的な差はない。ウォーカロンから子どもは生まれないが、人工子宮で製造され初期の成長速度は異なるがその後はヒトと同じように成長するので子供のウォーカロン自体は存在する。どうやらハギリの同定法は子供のウォーカロンに対しては精度が低くなる。《ウォーカロンが危険であるという根拠は科学的に証明できないからだ。彼らは人間と同じものである。人間よりむしろ整っている。完璧なものに近く、欠陥が少ないという意味だ。だから、争いを好まない。捨て身にならない。穏やかな性格を伝統的に受け継いでいる。》(第一巻p.107-108)。《おおむね、彼らは無駄なことはしない。》(第一巻p.146)。《僕にとっては、人間だろうがウォーカロンであろうが、まったく無関係なのである。》(第一巻p.170)
【棺桶】ハギリの研究室にある。中で眠れるし、閉じたらテーブルとなる。
【完璧】《完璧になったところで終焉だったのです》(第一巻p.56)
【危険】ウグイ「危険には、種類はありません」(第一巻p.11)
【グイン波】《思うという行為の現象について、科学的な証しだよ》(第一巻p.34)。「根拠はない。そうなんだ、そこが、論理的思考の限界だ。そこが私の研究の一つの到達点なんだ」(第一巻p.39)
【熊の生態】チカサカがくれた本。
【子供】ヒトの子供は古い遺伝子を入手するために発展途上国発で「流通」しているらしい。
【殺傷能力】ハギリ「使い方次第では、たいていのものは殺傷能力があります」(第一巻p.11)
【死】《なにしろ、人が死ぬということが非常に曖昧になったし、死というものが昔とは違った概念になりつつあるからだ。》(第一巻p.64)
【持続・維持】《持続・維持を合理的にデザインする社会になった。》(第一巻p.152)
【シモダ】情報局長。ウグイの上司。
【首都】今はサッポロにある。
【人口減少】新生児がまったく生まれなくなり人口は減っている。統計はとっていないらしいが全盛期の三割くらいだろうと。その代わりウォーカロンが急増している。武力衝突は減っている。それどころではないので。ちなみに植物は減っていない。《もっと正直に言えば、べつに人類が滅びてしまってもどうってことはない、という気持ちもある。》(p.73)
【人工細胞】劣化したパーツを人工細胞で作られたパーツに交換することによってヒトは理論的には無限の寿命を得た。現在ではほぼすべてのヒトが体内に人工細胞を持っている。同時に新生児がまったく生まれなくなった。因果関係は不明。当然、人口は減り、高齢者ばかりの社会となる(見た目は若かったりするが)。
【信じる】「人間を信じるのは、人間の代表的な弱点の一つです」(第一巻p.33)
【ジンバ】インド人の世界委員。ウォーカロンを同定したい側。
【それぞれ】《人それぞれに、感情的なものは違っている。違っていても良い。研究だって、それぞれに目的は微妙にずれていることが多い。それでも、だいたい同じ方向ならば協力をし合う。その柔軟性が、組織というものの要だし、人間が群れを作るための基本的な能力だとも思える。》(第一巻p.210)。生物や文化はだいたい多様性により存続してきたわけやし「みんなちがってみんないい」ですな。もっとも最近では「みんな違ってもいい」という考え方に統一しなければならないという向きもありますが?
【チカサカ・ユウヤ】「日本動物園(通称「日本博物館)」園長。動物学者。熊の研究所をくれた。
【チューブ】ニュークリアから地下トンネルで各地に行ける一人乗りリニアモーターカー。
【テロ集団】《この頃、テロ集団というのはほぼ壊滅したと聞いている。争う未来がないい、というのが主な原因だろう。》(第一巻p.139)
【ニーヤ】ニュークリアの職員であるウォーカロン。人間の女性との恋に悩んでいる。
【ニュークリア】地下深くにある研究施設。核廃棄物処理施設の情報にあるようだ。「ニュー」は「NEW」ではなく「νガンダム」のニュー。
【人間】《自分たちを理解しがたいものだと持ち上げたい心理が無意識に働く。でも、誰もがだいたい同じように怒ったり笑ったりしているんじゃないかな》(第一巻p.107)
【人間でない】《また、もし人間でなくても、人間でないことの本当の意味を自分は知りません。》(第一巻p.40)
【年齢】人工細胞によって寿命は理論的には無限。見た目も年齢通りではない。ハギリは八十歳、アリチは百六十歳。
【ハギリ】主人公。おそらくは研究テーマによって命を狙われている。《人間の勘を数式化したものが、僕の研究成果の一つなのだから》(第一巻p.74)。《人間はどんなふうに考えているか、ということが、つまり人間とは何かという問題の答になると思った。》(第一巻p.105)。なぜ狙われているのかは、当初は同定されては困る勢力(ウォーカロン産業など)によるものと考えられていたが、この研究はまた、人間とウォーカロンの差を知るための研究でもあり、ウォーカロンをより人間に近づけたい勢力に反する勢力(要するに差異を保持したい側)の可能性も考えられるようになった。
【パラサイト】人工細胞由来で、人間が子孫を残せなくなった原因かもしれない?
【マナミ・ユカノ】情報局がつけてくれた助手。
【ミチル】ハギリの前に連れてこられたウォーカロンだという少女。だが、ハギリには人間だとしか判定できなかった。ルックス的にはチカサカから進呈された『熊の生態』という研究書から導かれた映像に映っていた少女だった。
【ミチルの祖母】ハギリの前に突如現れた女性で「ミチルのおばあちゃん」だと言う。ルックスは若い。真っ白い服装。四季博士を思わせる人物だと思わされたが、近似値ではあったようだ。こんな人物が登場すると、ウォーカロンのありよう、現在の人類の、いや世界のありよう自体が四季博士のプランだったように思えてきます。「子孫が消えてしまい、そして、死ねなくなった。こうなるしかなかった」(第一巻p.177)。
【リョウ・イウン】台湾の生物学者。《人類は、というよりも生物医学は、道を間違えたのです。》(第一巻p.207)。「人類のために」(第一巻p.210)。
【若い女性】アリチ《うん、若い女だと、つい従ってしまう》(第一巻p.50)
【笑う】ウグイ「面白い、楽しい、と感じることはありますが、それを態度で示そうという気持ちが希薄なのだと思います」。ハギリ《たしかに、この頃は笑うヒトは少なくなった。笑ったところで、なにか社会が変わるわけでもないし》。ウグイ《笑うことは、コストパフォーマンスが悪いといえます》(第一巻p.60)。

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2023年12月18日

Posted by ブクログ

やっぱり森先生の作品は面白い!と思わせてくれる本。
本当にこんな未来が実現しそうだなと思えるような世界での話。

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2023年04月14日

Posted by ブクログ

ようやく新シリーズ!
全くミステリではなくて新鮮。赤目姫の潮解以来のSF?
ウォーカロンの設定面白いな。これってきっと100年シリーズよりも後?だよね??ロイディのこと、もっとアンドロイド寄りに想像してたんだけど、どうなんだろう。やっぱり再読が必要?

なんにせよ興味深い。続きが気になる。S&;Mから2世紀か〜想像できない〜!

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2022年01月04日

Posted by ブクログ

ちょっと怖い感じがした。
未来にもしかしたら起こり得る世界…子どもが居なくなり、大人がずーっと行き続ける。
養殖の??人間とは??
難しいお話でした。

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2020年12月24日

Posted by ブクログ

海外に出ると、日本と日本人のことが見えてくる。宇宙を研究することは地球を知ること。AI
や高性能ロボットを開発することは、人間を探求すること。人間でなくではならないということはどういうことか?信じている人が、愛している人が、実は(天然の)人間ではなかったと知ったら?将来にはあるかもしれない。SF的で
面白がったが、けっこうリアリティーもあり、もやもやっと恐怖も感じました。2020.12.17

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2020年12月19日

Posted by ブクログ

ダン・ブラウンの「オリジン」と、山田宗樹の「百年法」と、すべてがFになるを足して3で割ったような話

展開が遅いため冗長で・焦らされている、と感じてしまった。

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2020年10月17日

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