【感想・ネタバレ】感染症パニックのレビュー

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Posted by ブクログ

感染症学を専門とする医学博士が、昨年国内外の注目を集めた、エボラ出血熱、デング熱などの各種の感染症について解説している。
書名から想像されるような、エボラ出血熱の感染の現場のルポルタージュのような記述はなく、各種の感染症について、原因(細菌、ウイルスなど)、症状と致死率、感染源と感染ルート(動物や昆虫、人間、病院、食べ物など)、予防(ワクチンなど)と治療薬(抗生物質、抗ウイルス剤など)について細かく説明されており、「感染症小辞典」というような内容となっている。
取り上げられている感染症は、エボラ出血熱、デング熱、西ナイル熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTF)をはじめ、マールブルグ熱などの新しく発生したエマージング感染症、過去に何度も世界的な大流行を起こしている鳥由来の新型インフルエンザ、2002年に中国で発生したSARS、現在世界に数千万人の感染者がいるエイズ、BSE(狂牛病)とクロイツフェルト・ヤコブ病から、肝炎、結核、O-157感染症まで、極めて多数。
そして、人類がこれまでに撲滅することができた感染症は天然痘のみであるとし、人類がある感染症に有効なワクチンや治療薬を開発すれば、細菌やウイルスは自らの生き残りのために変異・進化していくいたちごっこが続くだけであり、人類は感染症の病原体と「共生」していくこと考えていかざるを得ず、そのためには人間が本来持っている体力や免疫力を維持することが大切であると言う。
感染症全般に関する最新の情報を整理するのに適している。
(2015年1月了)

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2016年01月11日

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