【感想・ネタバレ】探偵の探偵のレビュー

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ネタバレ

探偵の探偵シリーズの記念すべき第一弾。
最愛の妹を亡くし、ストーカーに妹の情報を流した「探偵」の正体を暴くために探偵社に入社した紗﨑玲奈と殺伐とした探偵業の世界に飛び込んだ峰森琴葉が運命に翻弄されながら戦っていく物語。
松岡作品の『万能鑑定士Q』シリーズや『特等添乗員α』シリーズのような殺人や血が出にくい作風だったのに対し、このシリーズはとにかくバイオレンスな作風で苦手な人には避けられがちな物になっている上に、主人公の過去がとても陰惨のため先のシリーズのノリで読み始めるととても面食らうのかなと思いました。
ストーリーとしては、彼女がスマ・リサーチ社に入社してから峰森との出会いなど導入からグッと捕まれるような最初でこれでもかと暗い過去や殺伐とした世界観が描かれている。自分の名声のために自分で事件を起こし、邪魔な人間を排除するという価値観を持った人間がいるというのが、探偵好きの私にはとてもショックな瞬間でもあった。人と人とが裏切り合っていく物語もこのストーリーならではと思いました。これから峰森との関係性がどうなるのか、玲奈の妹を死に追いやった探偵の正体は誰なのかなどの謎が残っているのでこれからの物語がとても楽しみです。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
紗﨑玲奈:小松未可子
峰森琴葉:Lynn
桐嶋颯太:花江夏樹
窪塚悠馬:内山昂輝
須磨康臣:神谷明
岐部譲司:吉田ウーロン太
霜田辰哉:落合福嗣
藪沼信吾:近藤孝行
矢吹洋子:日高のり子
阿比留佳則:山口勝平
紗﨑咲良:安野希世乃

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2022年09月18日

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またまた新たなニューヒロインの誕生。

野獣のようにヒタヒタと傷つきながらも前に進む主人公を応援したくなる!

ぜひ〜

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2023年08月16日

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高校事変からの流れで読みました。
どなたかがおっしゃってましたが、北川景子さんのイメージがちらついてしまいました。
高校事変の結衣ちゃんが凄過ぎて、玲奈さんがもどかしく思えましたが、それが却って応援したくなるなるような気持ちです。

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2023年01月23日

購入済み

よくもまあ

よくもまあ。こんなにその筋の詳しい知識と面白い筋立てと。このシリーズはまだ続いているようで、追いかけていきたいと思います。
ある種のバイオレンスとカタルシスをたまにはもとめてるタイプの人々、ちょうど良いですヨ。

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2022年02月11日

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松岡圭祐氏の本は「高校事変」シリーズしか読んでいないという、かなり偏った読書趣向をもっていると自覚している僕であるが、本書は初めての「高校事変」シリーズ以外の松岡本である。

なぜ手に取ったかというと「高校事変」シリーズでキーパーソンとして描かれる市村凛が登場しているからである。

本書を読んだところ、非常に読みやすく面白かった。
本書の主人公は、美少女・紗崎玲奈。
頭がよく、とっさの機転が利くという、このキャラクターは高校事変の主人公・優莉結衣とかなりだぶるが、やはり戦闘力という面では玲奈は結衣には敵わない。
というかどちらかというと力技は弱いww。
まあ、それが普通だけどね。

1巻には市村凛はでてこなかったが、次からでてくるのだろうか。楽しみである。

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2021年06月17日

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万能鑑定士シリーズが好きで、今更ながら買いました。
リアルな探偵の内容、思い描いているものとは随分と違うんだなと衝撃を受けました…そもそもフィクションなのでしょうが…
内容は暗い内容が多いものの、相変わらず実際に使えそうな内容も出てきて、勉強になりました。
思わず一気読み。

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2021年01月08日

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探偵の探偵というタイトルに惹かれて読みました。
自分が思っていた以上に中身が重く、辛い気持ちにもなりましたが、内容はとても面白かったです。
探偵業の闇がリアルに書かれていて、信用できるものじゃないんだなあとショックを受けながら思いました。

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2021年01月05日

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松岡さんの作品は他にもたくさん読んでいて、好きな作家さんでだと思っていたが、文章もシーンもなんとも頭に入ってこず、読みにくかった。

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2018年10月12日

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ネタバレ

悪徳探偵のせいで妹は死んだ。探偵のすべては知りたいけど、私は探偵にはなりたくない、という玲奈は、対探偵課の探偵として、悪徳探偵を撲滅するために毎日奮闘する。クール系美少女のバイオレンスな推理ものというギャップにうっとり。続きも楽しみ。

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2018年06月07日

購入済み

めっちゃ面白い

スッゴイ面白かったです。
それにカッコイイ〜。読もうか悩んでる人がいたら是非読んでみてください。

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2015年03月29日

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ネタバレ

出会った事のないストーリー、展開で非常に楽しみながら、又、同時にいろいろ考えながら読み終えた。

主人公である玲奈(黒髪ロングの笑わぬ美少女)が訪れたのは須磨が運営する探偵学校。

頭も良く若くて美しい玲奈がなぜ探偵学校に入学したいのか?
彼女は探偵の全てをしりたいと言い、同時に探偵にはなりたくないと言う。

独自に玲奈を調べた須磨は彼女の父親の不倫、母親が精神科に入院している事を知り、探偵学校で学ぶ真の理由である妹の咲良に起こったストーカー殺人事件を知る。

直接的な死の原因を作ったのはストーカーであり、誘拐犯の岡尾で、咲良は廃棄物処理場の焼却炉内で岡尾と共に焼死体で見つかった。

ストーカー被害から逃れる為に、遠縁の家に避難していた咲良は何故岡尾に見つかったのか?

そこに玲奈が探偵を恨み、探偵を知ろうとする事実が関係していた...

ここから先は探偵とし、須磨の経営するスマ・リサーチで対探偵課という玲奈の為に新設された部署で働きながら、悪徳探偵との戦いに挑む物語。

その過程で亡くなった妹を彷彿させる新人琴葉が対探偵課に配属される。

気がつけば身を呈して琴葉を守ろうとしている玲奈。

なんとかしてそんな玲奈の力になろうとする琴葉。

そんな二人が立ち向かう阿比留との戦いの中、玲奈の妹が殺害された事件も見え隠れする。

単なる探偵物語でもなく、多くの謎解きが描かれているが実はその謎は真実に辿り着かず、巧妙に謎を解き明かす場面も描かれ、大切な人を守る愛も描かれた本作は非常に読み応えのある作品であった。


説明
内容紹介
調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校スマPIスクールに、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という玲奈、なぜ彼女は探偵学校に入校したのか? スマ・リサーチの社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う“対探偵課探偵”となった。


―独創に満ちたアイディアを詰め込んだ、まったく新しい探偵小説、登場。―

『探偵の探偵IV』が『ダ・ヴィンチ』誌のブック・オブ・ザ・イヤー2015・小説ランキングで10位を記録しました。

イラスト・清原紘

容赦のない描写と抜群のリーダビリティ。「痺れる」松岡圭祐の新たな世界!
―藤田香織(書評家、エッセイスト)

いいタイトルだ。シンプルでありながら、作品の世界観を的確に言い表している。―村上貴史(ミステリー評論家、「このミス」大賞選考委員)

探偵は正義の味方なんかじゃない。ミステリーヒーローの恐るべきリアル!―香山二三郎(コラムニスト、「江戸川乱歩賞」選考委員、「このミス」大賞選考委員)

「女性探偵」の代名詞となり得る、ヒロインの誕生を見逃すな!―宇田川拓也(「このミス」大賞選考委員)

「探偵小説」への反逆心から生まれた、美しき異形の「探偵」あらわる!―吉田大助(ライター)

作者のシリーズ物は、凝った設定に特色があるが、その中でも本書は飛び切りであろう。悪徳探偵専門の探偵というのは、初めて聞いた。しかし、読み始めてすぐ、こんな探偵がいてもおかしくないと思うようになった。探偵業界の現実が、克明に描かれているからだ。また、主人公の魅力も見逃せない。自分たちの仕事の邪魔になる玲奈の命を、悪徳探偵は本気で狙ってくる。それを承知の上で、彼女は危地に向かう。彼女は、頭脳派でもある。玲奈と悪徳探偵の頭脳戦は、双方一歩も引かぬ名勝負。でも、才色兼備にして文武両道の玲奈が、その力を見せれば見せるほど、彼女の哀しみが際立ってくる。タフでハードな鎧の下には、癒せぬ傷を抱えた魂が隠れている。―細谷正充(書評家、「江戸川乱歩賞」選考委員)

〔あらすじ〕調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校スマPIスクールに、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という玲奈、なぜ彼女は探偵学校に入校したのか? スマ・リサーチの社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う“対探偵課探偵”となった。
内容(「BOOK」データベースより)
中堅調査会社が併設する探偵養成所に、決して笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という彼女には、自分から言えぬ過酷な過去があった。調査会社社長・須磨は玲奈の希望を汲み、探偵を追う“対探偵課”の探偵として彼女を抜擢した。怒涛の書下ろしシリーズ開幕。

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2020年02月11日

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9年ぶりに再読。

松岡圭祐さんの作品を初めて読んだ記念すべき(?)1冊目。
当時、北川景子さんが主演したドラマが面白くて、原作も読んでみたくなったのがきっかけ。

大まかなあらすじは覚えているつもりだったけど、さすがに9年も経つと結構細かい描写は忘れていたりして、新たな気持ちで読むことができて楽しめた。

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2024年04月09日

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対探偵課が出来上がった経緯を書いたもの。とーってもご都合主義なストーリーではあるが対探偵課という着眼点が面白く、探偵という役割への挑戦に思える。桐島さんいい人。さらっと読めるしちょうどいい感じ。

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2023年12月28日

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なるほどこういう話なのか。なかなか面白いな、世にある探偵物の物語を小馬鹿にしつつそれを現実にしようとしてるのが敵役ってのはなかなか面白い。高校事変みたいに主人公が驚異的な能力を持ってないので新鮮ではある。ただ、高校事変の方がスケールの大きさの面でも主人公の魅力の面でも今のところ遥かに面白いかな。

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2023年03月26日

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『高校事変』から松岡圭佑にはまり他作品も読んでいる。映像化されていたというこちらは北川景子がチラつきながら。ピッタリだ。そして映像の初回も後追いで見たら原作に忠実のようだ。全て見たいけど有料なので…機会があったら見ようと思う。松岡圭佑の小説を読むといろんな業界のことが垣間見れる。面白い、エンタメとして楽しめる上、知識も身につく気がする。
それにしても玲奈というヒロインのは今後どうなるのかやはり気になってシリーズ完結まで読みたい。

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2023年01月22日

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高校事変を12巻まで読み終えたので、過去のシリーズにも手を出してみようと読んでみた本。高校事変ほどの派手さとバイオレンスさはなく地味とも言えるが、主人公が洞察力を活かした立ち回りは変わらず、安定して面白かった。

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2022年09月28日

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なかなかのハードボイルド。
細身の美形で若い女子なのに、まあよくぶん殴られている。
男女平等の世界なんだなー、などと思った。

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2022年08月03日

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ネタバレ

玲奈の人間味がだんだんと分かってくるところが良かった。これからの琴葉とのタッグが楽しみ。それだけに、最後の病室の描写はちょっと切なかった。アクションは見るものだと思っていたけど、読めもするんだなぁ。 荻窪もこれからどう関わっていくんだろう。 玲奈の追う悪徳探偵の正体もまだ分かっていないので、シリーズ読みます。 純粋に、玲奈カッコいいね!
高校事変、気になってきた

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2021年07月28日

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探偵には、美男美女は目立つからアカンのか…なら私は探偵になれんな(^O^)

対探偵課「よくいえば業界の自浄、悪くいえば同業者潰し」、こんな課なら、探偵向きでなくても良いのか?
確かに美人で、一匹狼は、絵になる。
探偵には、妹の件でツライ目に会って…なので、探偵の全てを知りたい。でも嫌い。探偵学校出て、いざ、嫌いな探偵業界へ!
まぁ、ほぼ全員を敵に回してやから、生傷絶えず…
探偵といっても、名探偵とかみたいに事件解決とかは、映画や小説の話でそんなんしない。逆にそこが良いな。
それに、美人やから何でも許せる…^^;

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2021年05月07日

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勧められて読んだ本。勧めた人の言うとおり、グロテスクだったけれど、対探偵という立場はなかなか面白い。探偵はヒーローのように扱われることが多いが、怪しいこと、悪質まがいのこともしているというのも納得だ。警察でも、探偵でもない、探偵の探偵という彼女をもう少し追ってみたい。続編も読もう。

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2019年03月11日

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ドラマは観てなかったので、読んでみてびっくり。
ここまでやる!?ここまで美少女ぼこぼこにする!?と衝撃。玲奈は、優しさの欠片もない、容赦ない世界に入った。その背景が切ない。
どうか幸せな結末が待っていますように。

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2018年05月21日

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ネタバレ

Qシリーズを読むときの気分で、この本を読み始めたらびっくりしました。Qシリーズは人の死なないミステリということで、どこかほのぼのしていましたが、この話は残酷なシーンの多いこと!岬美由紀シリーズを思い出しました。
もちろん続編も読みますが、紗崎があまり怪我をしていませんようにと祈るばかりです。

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2017年11月15日

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対探偵課という、探偵を探偵する?(悪徳探偵を成敗する的な課なのかな)を作り、そこに配属された主人公。

その主人公も、過去に妹が殺されてなくなるという経験もあり、(それが探偵のせいだったりする?)

なんというか、もっと自分を大事にした方がいいよ。と、主人公に言いたい。(前半はページが進まなかったんよ)

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2024年02月12日

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最初の200ページが導入って感じで、そこで残りページ数に気づいて「盛り上がる前にもう終わっちゃうけど…?」って気持ちになった。もっとどんでん返しを期待してたからちょっと物足りない。

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2022年11月09日

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ネタバレ

高校事変読んだ後だったので期待しすぎてた。
探偵って地味だからストーリーに抑揚なくて飽きてしまった。

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2022年10月17日

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着想は面白いが全体に暗い。
主人公が美少女なのは凜田莉子から続くお約束の設定。バイオレンス要素が強すぎて松岡圭祐の作品としてはちょっと期待外れかも。

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2022年09月15日

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玲奈と咲良の仲の良さそうな様子を読めば読むほど辛さが倍増する。
高校事変の最新刊を先に読んでしまったので、何が起こるか分かっていたから余計に姉妹の仲のよさが悲しかった。

玲奈は復讐の為に探偵業に就くことにしたが、その固まった心を琴葉が溶かしつつあるこれからの話が楽しみだ。

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2021年11月10日

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ネタバレ

探偵養成所に入学希望者として現れた未成年の紗崎玲奈。
美少女で進学校在学の彼女が何故?
実は彼女には壮絶な過去があり…。

思ったよりハードな描写も多く、美少女がこんなことになるなんて…と思うことも多々あり、今までに読んだことがない種類の本でした。

シリーズを読むのはつらいかも…と思ったのですが、相棒となった琴葉の存在が和ませてくれました。
しかし彼女は入院してしまいます。
きっと彼女の両親はこんな危険な仕事に反対するだろうなぁと思いました。

今後も彼女たちの活躍をみたいと続編も読もうと思いました。

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2020年09月13日

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妹が被害に会った経験から悪徳探偵を成敗するために探偵事務所に入社した美女の話。
確かにミステリーで読む探偵のイメージと日本の探偵事務所(興信所?)のギャップは大きい。
特にアメリカなどは探偵をするためにはライセンスが必要で、本当に事件捜査などもすると聞きたことがある。
まあ、安楽椅子探偵や関係者を一堂に集めて推理を披露するというのは小説の中だけでしょうけど。
本書はかなりアクション性が高く、映画のようなエンターテインメント作品ですが、その前提で読めば結構面白いと思います。

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2020年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ぐいぐい読める。
(映像化したら無理なシーンはあるけれど。。。)

探偵の裏技とか、これは本当に使えるのだろうか??

と思ったらラストの黒幕が コナンかよ!という(悪い意味ではないが。。。)ぶっ飛んだ行動で
急に創作っぽさが全開になったのはなぜだろう???

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2020年01月17日

Posted by ブクログ

一気読み。
ドラマの印象が強くて、そのイメージに引っ張られがちだったけど、結構楽しめた。
ドラマの後の小説は面白くない場合が多いけど、今回は内容を知っていても、一気に読んでしまう程引き込まれていった。

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2018年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

〇 評価 
 サプライズ ★☆☆☆☆
 熱中度   ★★★☆☆
 インパクト ★★★★★
 キャラクター★★★★☆
 読後感   ★★★☆☆
 希少価値  ★☆☆☆☆
 総合評価  ★★★☆☆

 平成19年6月に「探偵業の業務の適正化に関する法律」が制定されている日本…というフィクションの世界が舞台。過去に,妹をストーカーに殺害された紗崎玲奈は,ストーカーに居場所を教えた悪徳探偵に復讐をするために,探偵業を学ぶ。そして,スマ・リサーチという探偵社で,悪徳探偵と対峙する対探偵課なる部署を開設する。
 万能鑑定士Qシリーズとはうって変わり,バイオレンスな要素が入った「人が死ぬ」ミステリ。ジャンルとしてはハードボイルドに近い。
 冒頭で玲奈の悲惨な過去が語られる。妹が殺され,父は不倫。母は精神病…という状態である。主人公としては,万能鑑定士Qシリーズの凜田莉子とは違った魅力のある人物として描かれている。新体操で全国大会に出たことがあり,身体能力が高い。偏差値70の高校を卒業し,スマPIスクールで探偵業を学んだという設定なので,知識,知能も高い。 
 この紗崎玲奈を始め,須磨康臣,峰森琴葉,桐嶋颯太といったスマ・リサーチの面々は,なかなかに魅力的に描かれている。
 前半部分は玲奈の過去を描き,後半部分は阿比留という探偵社が企む事件を中心に描かれている。それとは別に,悪徳探偵から恨みを買っている玲奈が命を狙われるシーンが多数ある。この描写が妙にリアルで生々しい。琴葉は事件に巻き込まれ瀕死の状態になる。メインの事件のラストシーンでは玲奈が矢吹洋子を鉄パイプで殴るシーンまである。インパクトは高い。
 サプライズらしいサプライズはなく,最後は阿比留の計画を玲奈が阻止して終わり。探偵関係の雑学,マメ知識が多数あるのは,松岡圭佑の作品らしい要素
 シリーズ1作目ということで,このあとどうなるのかという期待を持たせるデキではある。バイオレンス要素が肌に合わない人もいるだろう。評価としては★3で。

〇 メモ
 平成19年6月に「探偵業の業務の適正化に関する法律」が制定されたという架空の設定。須磨康臣が経営する「探偵」の養成所,スマPIスクールに,未成年の紗崎玲奈が入学する。
 須磨は,玲奈の家族関係や過去などを調査し,玲奈の妹の「咲良」について知る。須磨は玲奈から咲良が,ストーカーに殺害されていること,ストーカーに咲良の居場所を伝えた探偵に対し,玲奈が恨みを持っていることを知る。
 ストーカーに咲良の居場所を教えた探偵に恨みを持つ玲奈に,PIスクール卒業後は,自分が経営する株式会社スマ・リサーチに就職するように言う。玲奈は,スマ・リサーチで,「対探偵課」の職員として働くことになる。
 スマ・リサーチに,峰森琴葉という未成年の女性が就職してくる。寮生活をしたいなどの事情から,対探偵課の玲奈の助手に割り当てられる。
 同僚の桐嶋颯太から対探偵課の案件かもしれないと紹介された案件に玲奈と琴葉が出向く。しかし,それは巧妙な罠だった。対探偵課に恨みを持つ関山探偵事務所の探偵の報復行為だった。
 報復行為をした探偵は,阿比留総合探偵社と関わりがあった。警察は,前副総監の相続問題で,阿比留総合探偵社と関わる。同社の社長,阿比留佳則は,パソコンの時計の狂い(進んでいた)などから,真の遺言書の在りかをつきとめる。しかし,貸金庫にパソコンと一緒に入れていた5000円札が,故人の死後に発行されたものであったことから,偽装がばれる。
 後日,阿比留から玲奈にプレゼントが渡される。玲奈は事務所にいなかったが,琴葉が玲奈のもとに持ってきてしまう。そのプレゼントはGPSだった。玲奈は琴葉を逃がすが,居場所がばれ,トレーラーに海に落とされる。玲奈はなんとか脱出する。
 後日,咲良のストーカーだった岡尾のDNA鑑定をした矢吹洋子という女医から連絡がある。岡尾は生きているかもしれない。日銀総裁の孫の誘拐事件の犯人が岡尾かもしれない…と。
 玲奈は悪徳探偵である薮沼から情報を得る。阿比留は警視庁から日銀総裁の孫誘拐事件で依頼を受けていた。阿比留はカジノ法案が成立した後の筆頭探偵社の座を狙っていた。
 玲奈は琴葉に事情を説明する。偶然が過ぎる。琴葉は確証バイアスではないか(=玲奈が自分の仮説に都合のいい事実しか見ていないのではないか)という。玲奈はそれを否定。矢吹からの情報提供を得て西多摩郡日の出町に向かう。 
 しかし,これは阿比留と手を組んでいた矢吹洋子の罠だった。岡尾は死んでいた。琴葉を人質に取られ,霜田という実行犯である悪徳探偵に襲われる。琴葉は呼吸停止状態になる。
 阿比留は自作自演の誘拐事件を解決することで,物語に出てくる探偵のようになろうとする。しかし,玲奈が立ちはだかる。玲奈は鉄パイプで洋子を殴る。玲奈は窪塚警部補を利用し,阿比留の計画を阻止する。
 阿比留は誘拐の主犯として逮捕される。矢吹洋子は法医学鑑定で報告書の改ざんをした罪で逮捕。玲奈には捜査の手は伸びなかった。
 エピローグ。玲奈は琴葉の見舞いに行くが,家族と楽しそうに過ごす姿を見て会えずに帰る。玲奈は,須磨からの電話を受け,対探偵課の仕事に向かう。

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2017年12月25日

購入済み

表紙を選ばせて欲しい!

I〜IIIまで清原紘の表紙イラストで購入してたのに、IVは北川表紙しか選べないのは、本棚の統一感を殺してしまう。
どうにかして下さい。(T T)

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2015年07月17日

購入済み

うーん、

他のシリーズのファンなので読みましたが
正直つまらなかった。
前半で語られるお涙ちょうだい的な「妹」や
全編に出てくるグロッキーな暴力シーン。

主人公の過去のトラウマ的なエピソードはほかシリーズにもあったけど、この作品はしつこいというか出だしからその話だったのでも重たかった。

催眠、Q、自衛官のシリーズにはここまでグロッキーはなかったので残念。

暴力パートを意図的に増やしてるんだと思うけど、催眠なんかの知的な感じが好きでした。



2
2014年12月25日

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