【感想・ネタバレ】背徳の花嫁【ハーレクインSP文庫版】のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったです。

ストーリーとしては、華やかな美貌の従姉と結婚するはずだったギリシア人の富豪ヘラクリオン、彼との結婚式を前に従姉がまさかのドタキャン。
そのため、かねてから彼を愛していたフェネラ(フェニー)は、従姉の着る予定だったウェディングドレスを纏い、花嫁のヴェールを被ったのでした。

しかし、花嫁が知らない間に入れ替わっていたと知るや、ヘラクリオンは激怒します。
ー息子を一人産んだら、後は僕の人生から、さっさと出ていってくれ。
怒りにわななきながら、彼はフェネラに世にも残酷な科白を突きつけたのでした。

、、、以上のようなお話ですが、幾つか首を傾げたくなる箇所があります。
まず、裏切られた花婿ヘラクリオンの心理や行動です。
怒りは当たり前だと思います。が、何故、愛してもいない女性との結婚を受け入れ、子どもまで作る気になるのか。作中には
ーギリシア人の結婚は神聖で、覆せないから。
というようなことが理由として挙げられているものの、それだけでは少し不自然です。
嫌なら止めてしまえば良いし、ましてや自分を騙しただけの愛してもいない女性と結婚生活を営もうという気持ちになるところが解せない。

二つめは、フェニーの心理と行動です。
幾ら以前から愛しているからといっても、直接話したこともない男性の身代わり花嫁になるなんて、あまりにも衝動的すぎます。ちょっと、あり得ないほど現実離れしています。

二人が共に過ごす中、怒れる花婿も身代わり妻の魅力に気づき、最後はハッピーエンド、この展開は納得がゆきましたが、、、

あとは文章表現が少し古風かなという印象を受けました。でも、これはこれで、とても素敵だし、この古風で個性的な文章が特に情景・風景描写で独特の魅力を発揮しているように感じられます。
こちらの作品を読み終え、今は同じ作家の別の作品を読み始めていますが、同じ作者でありながら、かなり文体(から受ける印象や雰囲気)も違っているため、この違いはもしかしたら、翻訳された方の個性であるかもしれません。
いずれにせよ、この作品は独特の表現、文章が随所に見られ、それが個性的な雰囲気を醸しだしていると思います。

最後に、フェネラの従姉で、本来、ヘラクリオンの花嫁になるはずだったペネラについて。
彼女がついに最後まで一度も出てこなかったのも、ちょっと疑問でした。
私は途中で何らかの形で登場するのかなと予想していたのですが、賛否の分かれるところかもしれないけれど、私はやはり、彼女のその後の動向など直接的に人物を出さなくても、やはり触れた方が良かったような気がします。

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2020年07月30日

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