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実に面白い作品だった。
沈黙を読んだことがあったから、あっと思った場面も多かったし、宮本武蔵も出てくるし、栗山大膳がthe武士って感じだし、気に入った。
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日本三大騒動の一つ、「黒田騒動」。「わが主君に謀反の疑いあり」筑前黒田藩家老・栗山大膳は、あえて主君の黒田忠之を幕府に訴え出た。その後の顛末は・・・。司馬遼太郎賞受賞歴史作品。
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有名な福岡藩のお家騒動を、稀代の忠義の人として知られる栗山大膳を中心に描いた作品。
葉室氏は福岡出身なだけに大膳贔屓のトーンであるが、戦国から江戸初期にかけての生き残りを賭けた騙し合いの延長にあるこの話はあまり共感できない。
清い生き様を貫く無名の志士の武士道がテーマになっていることが多い葉室作品において、ある意味では特殊な内容という印象。
とはいうものの、読み応えは充分だったので星4つ。
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黒田騒動を軸に肥後加藤藩取り潰し、島原の乱、長崎奉行竹中采女正の失脚を絡めている。日本史の学習では個別のトピックとして学ぶが、現実の歴史は同時並行的に進行する。
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面白かった!
第二十回司馬遼太郎賞受賞作品
途中、ぐっと来ました
三大お家騒動と呼ばれる黒田騒動をベースとした物語。
主君である藩主を謀反の疑いありとして幕府に訴えた栗山大膳。幕府の大名家取り潰しの標的となっていることを知りながらも、主君を訴えます。
その目的は?
細田家や将軍家光の目論見が錯綜する中、藩主に疎まれながらも、藩の行く末を思い、鬼となり幕府と戦っていきます。
そして、その大膳を支える卓馬と舞、権之助
ぐっと来たシーンは翌日を出陣の日として、決起・別れの場面。
卓馬と舞の想い、大膳とは二度と会えない可能性のある別れ。
大膳の戦いの結末は?
「もののふ」としての矜持を感じられる物語。心打たれる物語でした。
お勧め
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それぞれの登場人物がそれぞれに個性があり、また、一筋縄ではいかない人物として描かれているため、先の展開が常に興味が惹かれ、一気に読み進められた。
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「三大お家騒動」のひとつ黒田騒動を描いた歴史長編。
藩主に疎まれながらも自らを叛臣に装い、幕府による藩取り潰しの企みを阻止するのが栗山大膳。
さしずめ伊達騒動における原田甲斐というところか。
本書は、歴史事件に、柳生但馬守、柳生十兵衛、宮本武蔵らを絡ませ(彼らは黒田騒動に関わったという史実は?)、一大歴史エンターテイメントとなっている。
「武門は太平の世であっても常に戦をしておるのだ。武士が生きるとはそういうことだ」と言い切る栗山大膳。
彼と藩主あるいは幕府との知恵比べは、ミステリータッチな展開を示し、読者さえ翻弄する。大膳の眼のさきには、藩を越えて幕府の政策への諌止も。
黒田藩を守る秘策は、神君家康公から受けた関ヶ原感謝状。関ヶ原の折に、家康が発布したというこの種の秘匿文書は、作家の想像力を刺激するのか、種々の作品が生まれている。
その一つに安部龍太郎の『関ヶ原連判状』があり、隆慶一郎の伝奇小説『吉原御免状』も類する作品と言っていいだろう。
それにしても、著者の古典芸能に対する素養の豊かさには改めて畏敬の念を覚える。
『銀漢の賦』や『秋月記』などでは、漢詩を。
『いのちなりけり』『花や散るらん』『影ぞ恋しき』の三部作では、和歌を。
そして本書では、能を。
それぞれが小説の中で重要なコンテンツとして見事に融合し、その作品の魅力を高めることに貢献している。