【感想・ネタバレ】かげろうの恋~もんなか紋三捕物帳~のレビュー

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Posted by ブクログ

「井川香四郎」の連作短篇時代小説集『もんなか紋三捕物帳 かげろうの恋』を読みました。

「松本清張」、「近藤史恵」の作品に続き、時代小説・捕物帳です。

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天麩羅屋を営む浪人「伊達宗之介」は、一人娘「千春」の小言に頭の上がらぬ日々を送る。
ある雷雨の夜、二人が町医者の屋敷の前を通りかかると、蓑笠姿の男が表門から遁走。
邸内で目にしたのは男と女の亡骸だった。
探索に乗り出した岡っ引の「紋三」は無数の不審な点に気付き……(表題作)。
粋な「紋三親分」と、しがない浪人「宗之介」の人情裁きが冴え渡る書下ろしシリーズ!
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江戸の悪事を断つため、十八人の子分とともに目を光らせる門前仲町の岡っ引き「紋三親分」と、悪人たちに天誅を下す「じゃこ天狗」の活躍を描いた《もんなか紋三捕物帳》シリーズの作品です… 同シリーズの作品は複数の出版社から刊行されているらしく、シリーズを体系的にまとめたHPがみつからず、シリーズ何作目なのかはわかりませんでした。

 ■第一話 来年の桜
 ■第二話 娘の仇討ち
 ■第三話 かげろうの恋
 ■第四話 上善の毒

罪人やお尋ね者等の江戸を脱出しようとする人たちの手助けをする闇の"逃がし屋"を称して、お金を払わさせたあとに、逃がす振りをして殺害する悪党一味の悪事を暴く『来年の桜』、

私塾の子弟の親から、良い学問所への進学を有利にするためにとお金を集めていたが、裏金のことが暴かれそうになったことから、子弟の親を殺めた事件の真相を暴く『娘の仇討ち』、

雷雨の夜、町医者「祥庵」の屋敷で起こった男女二人が殺害される事件、その背後に潜む薬種問屋や奥医師、奏者番の陰謀を暴く『かげろうの恋』と『上善の毒』、

いずれの作品も「じゃこ天狗」が悪人たちを倒し、「紋三親分」が悪人を捕らえ、「大岡越前」がお白洲で悪人を裁く… というワンパターンの展開で、安心して読める作品でしたね。

甘い物屋「観月堂」の最中が大好物で十個食べるほど目がないことから「もんなか紋三」とも呼ばれる「紋三親分」と、普段は天麩羅屋を営むしがない浪人だが悪人たちに天誅を下す際は素性を隠すため天狗の面をつけ「じゃこ天狗」と名乗る「伊達宗之介」の二人の主人公が良い味を出していましたね… あと「宗之介」の一人娘で12歳ながらしっかり者の「小春」も良い役どころでした、、、

読みやすくて、軽く読めるのは良いのですが… 一つひとつの作品が、今ひとつ印象に残りにくい一冊でした。

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2023年04月10日

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