【感想・ネタバレ】ボクたちはみんな大人になれなかった(新潮文庫)のレビュー

名だたる著名人が絶賛しているWEB連載発、大人のラブストーリー!
Facebookで元彼女に友達申請を送ってしまったところから始まる私小説。
著者の燃え殻さんは私とは世代が違うものの、90年代の東京の雰囲気、空気、カルチャーなど自分があの時代・あの場所にいたかのように錯覚するほど、描写が自然で巧く、一瞬で引き込まれました。彼女、アルバイト、友人など、各エピソードはそれぞれ短編小説としてまとまっていて、どのエピソードにも燃え殻さんからにじみ出てくるようなやさしさと切なさが溢れていて、胸が締め付けられます。「あの頃には戻れない、けれど生きている今は悪くない。」そんな感動がきっと味わえると思います。
また、作品中に出てくる「電気グルーヴ」「フリッパーズ・ギター」「小沢健二」など、世代的に違うものもあるけれど、読後に無性に聞きたくなったことは言うまでもありません。

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ネタバレ

ゆっくりとした何処か気怠げな雰囲気があって、主人公ボクとボクに関わってきた人達それぞれとのやり取りがくすっと笑えたり、少し切ない気持ちになったり、読み進めるごとに気持ちが動く感じ。
固すぎない表現と文章でとても読みやすかったです。
とくに主人公とスーのやりとりが印象的で好きでした。
やつらの足音のバラードで
スーが言った「あなた」がぐっと刺さりました。

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2024年04月30日

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ボクたちはみんなアオハルだった。

いやらしいところをえぐってくるね。
なにもカンじない人っているのかな?
それはそれで楽ちんだけど、損してるかも。

自分の、小沢(加藤)かおりを思い出した人〜✋

どうもね、同時に読んでいた織田作之助と同じ匂いを感じるのだよ。80年の時を超えて、昭和と平成の作者の優しさよ。あ、ナイーブさかな?

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2024年04月17日

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深夜ドラマで阿部寛さん主演でやってた「すべて忘れてしまうから」で知った原作の燃え殻さん。
読んでみたくて、一作目のこの本をまず読んだ。
文章のフレーズも、使われる単語も、どこかやるせないような切ないような作品の雰囲気も、とっても好きになりました。一度サラッと読み終えたあともう一度味わって読みました。
次に「すべて忘れてしまうから」も読む予定。

自分より好きになった彼女とはどうして別れちゃったんだろうね?ずっと同じ気持ちで好きでいることってやっぱり難しいもんね。そういう事だったんだろうね。
でもあの時どれだけ彼女の事を好きだったかは忘れられないんだろうな。

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2024年01月16日

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美味しいもの、美しいもの、面白いものに出会ったとき、これを知ったら絶対喜ぶだろうなと思える人がいることを幸せと呼びたい。

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2023年10月11日

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夏なので書店で「新潮文庫の100冊」フェアをしていたので今年はこの本を購入。
聞いたことのない著者に聞いたことのないタイトル。背表紙の「〜90年代の渋谷」云々というのを手掛かりに読むことにした。私もまた90年代を渋谷近辺で過ごしたから。

「ああ、これは私の物語だ」と読み終わって思った。あの頃の空気感がありありと蘇ってくる。そうだよな、そういう時代だった、とも。
私と同世代の著者があの頃のことを小説にするような歳になったのだなぁ、としみじみ。

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2023年08月15日

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「失うものは命以外ないほどに後ろ盾のない場所で、ボクはあの瞬間を生きていた。今、生きていると心から感じていた。そのスピードの中で夢や希望はとうに振り落とされていたのかもしれない。」
「美しいもの、面白いものに出会った時、これを知ったら絶対喜ぶなという人が近くにいることを、ボクは幸せと呼びたい。」
『どこに行くかじゃなくて、誰と行くかなんだよ』」
「自分がすみかにしている場所以外に、別の顔をして別の自分を演じられる居場所を持つことが人生には必要なんだということを、ボクは真夜中のゴールデン街で通りすがりの賢人たちから学ばせてもらった。」
「ボクは眠りそうで眠れないスローモーションのような時間の中で、今日起きたら彼女に電話をして、好きだよと言おうと思った。この瞬間の気持ちがずっと続けばいいのに。明日も、明後日も、何年先もずっと。それは夢だよと誰かに言われたとしても。」
「人は『今より悪くなる事』と同じくらい、『今より良くなる事』に対して恐怖心を抱く生き物なんじゃないかと思う。」
「『ねぇ、世界遺産何個言える?』『世界遺産?えっとね、まずあれだ……マチュピチュ』ボクもグラグラしながら答える。『万里の長城』『アンコールワット』『えっと』どこにも行けないふたりの声が、世界を旅して廻る。その時のボクたちに出来たのは、何も問題なんてないフリをして、ありふれた駐車場のフェンスの上ではしゃぐことぐらいだった。少しの間だけ、地面の上に憂鬱な荷物をおいて。」
「ボクたちは似ていた。好きな人がいて、その好きな人の強さに惹かれ、自分の弱さに耐えられず少しズルくなっていた。」
「理由は分からない。だがその時、ボクは言いようのない焦りを感じた。ボクが凸で、君が凹。そんな単純なパズルは世の中にはない。ボクが△で、君は☆だったりする。カチッと合わないそのイビツさを笑うことができていたら、ボクたちは今も一緒にいられたのかもしれない。」
「『いつまでそんな狭い世界で足踏みをして生きているの?』」
「本当のさよならの時、人はさよならとは言わない。」
「始まってしまったボクたちは、いつか終わる運命にある。必ず夜が朝になるように、必ず朝は夜になる。ただその必ずが今日なのか、明日なのか、20年先なのか、それは誰にも分からない。」
「『お前はこのままでもいいよ。でもお前が失敗したら俺の酒がもっと旨くなる。だから、挑戦しろよ。』」
「世界の人口は70億を超えて今日も増え続けている。ボクたちがあと50年生きるとして、人類ひとりひとりに挨拶する時間も残っていない。ボクたちが会えたことは奇跡だと思わない?」

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2023年06月24日

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★切ない過去の失恋の物語。どこかふわっとした感じの世界がリアルでおそらく実話と思われる。
★がっちりした大恋愛や大失恋ではなく、ふわっとしたまま始まり終わった切ない恋愛
★世代が近いので懐かしい感じが思いきり刺さった
●美味しいもの、美しいもの、面白いものに出会った時、これを知ったら絶対喜ぶなという人が近くにいることを、ボクは幸せと呼びたい
●ただその時に寄り添ってくれる人が1人いれば、言葉なんておしまいでいい
●どこに行くかじゃなくて、誰と行くかなんだよ

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2023年06月18日

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何かメッセージや結末があるわけではなくて、誰にでもある懐かしくて綺麗に終わらなかった恋を思い起こさせたかったのかなと思った

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2024年05月21日

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えもちる
って感じですね
サラッと読める
けど何度も本を閉じて目を瞑って、はぁ、苦しい、楽しい、空い、と自分の心と2人で噛み締めたくなる瞬間があった。
大人にはきっと、ずっとなれないんだろうなと
2人の成長速度は重ならずに、けど少しずつ大人になっていくんだろうなと

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2024年02月27日

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ネタバレ

読み終えた直後。
心臓がすごくどきどきしている。
読み終えた時にこうなる小説に出会えることを願って、いつも読み始める。
だから、今は、とても幸せ。

前半は、よくある、独特で魅力的な女の子とさえない男の人の物語か、なんて思いながら読んでいた。
そのうちに、時代背景(自分も生きて青春していた!)や、過去と今が混じり合って語られる流れ、自分のことではないのにやたら疑似体験したかのような感覚にさせられる表現に、頭と心が引き込まれ、
後半からは、体ごとまるごと物語に入り込みたいがゆえに、作中に出てくる音楽を、その都度YouTubeで探して流しながら読んだ。
90年代の東京。当時小学生だった私は、それを味わえていたとは言えないけれど、今の自分がオザケンをかっこいいと思えることが誇りになる。

燃え殻さんの過去が綺麗に紡がれていくのと一緒に、私の生きて青春していたときのことをも、綺麗で滑稽で幸せなものだったんだとやさしく包んでもらったような気持ちになった。

出会えてよかった。
連載小説、切り取られたエピソード、登場人物がいたんだ。あとで燃え殻さんをTwitterで探してみよ

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2024年02月20日

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ふとした瞬間に、昔付き合っていた彼女を思い出してしまう話
唯一自分のことより大切だと思えた人である元カノの結婚をFacebookで知るあたりもリアル
共感できるポイントが多く、描かれていない部分も想像してしまう
スーの「あなた」の本当の意味が、すごく好きだった

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2024年02月01日

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昔どうしようもなく好きだった人を思い出すようなエモい話。
なんだか切なくて独特の余韻が嫌いじゃない。

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2024年01月12日

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みんながみんな、男の子になれない。
凹凸の男女じゃなくて、△と☆みたいな組み合わせでもいいんじゃない?

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2023年10月02日

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あいみょんがアンサーソングを書いているため読み始めた。

77ページが好き。

今までの私は幸せな結末ばかり望んでいたけれど、
これもこれで人生。
ふと思い出せるだけでもいい。

思いつきの旅がしたい。適当に新幹線に乗りたい。
オザケン!♡

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2023年08月18日

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ネタバレ


あの頃の自分より好きになったたった1人の人
リズムアンドブルースの長い曲を聴いているようだ

この2つの言葉に惹かれて読んだ。
時代は違えど自分に重ねてなんともならない昔の想い人、もう会えない人のことを考えた。

今時間を共にしてる人、
パートナーや家族、友人や同僚
すべての人と出会えて時間を共にできることは
奇跡だなと改めて思わされた。

そして別れも予定されたものもあれば
いきなり一生会えないなんてことも当たり前で

でもそれをずっと考えながら生きていくことは辛いから頭の隅に追いやって生きていくしかないんだよね、、、

素敵な文章だった。映画も見てみたいな。

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2023年08月15日

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すべて忘れてしまうからを読んでから読みました。そのため作者の想い人の話は少し知っていたけれど、そうだったんだと衝撃でした。
私は恋人と過ごした素敵な時間を表現できる言葉が分からないと幸せを噛み締めるだけでしたが、燃え殻さんが言葉や文にしてくれていて、共感する部分が多かったです。
バブル時期の東京とか体験してみたかったな。時代も場所も想像しかできないけれど。栄えている時、場所で過ごして、きっと色々な経験してきたから、優しい文章なんだろうなと思った。

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2023年08月11日

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“一等星から六等星まで、その光の強さ、大きさはそれぞれ違うけど、もっと速く、もっと深く、本当はみんなひとりぼっちが怖くて、どこかに繋がりたいと叫んでいるように感じた。”

1番お気に入りのフレーズ。

星座を作った人間は、誰かと繋がりたくて、それでも誰とも繋がれないから、星だけでも一人ぼっちにならないように、星座を創り出したのかもしれない。
そんなことを思わせてくれるフレーズだなと。

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2023年08月04日

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ネタバレ

若さ故のむず痒さや苦さをとても良く描いていた。サブカルワナビーの女の子に夢中になってしまう主人公。エヴァのAirを途中で寝てしまうのに人類補完計画について語ることや、ビューティフル・ドリーマーのこと。2人だけがこの良さを分かっているむず痒い世界に惹き付けられた。

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2023年07月04日

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ドンピシャ世代で、ほぼ全てのサブカル的ワードに懐かしさを感じて、これ、私の事?って何度か思いました。
過去の恋愛で、こんなに引きずることは全然なくて、それは私が女で、作中にある、

「男は過去の自分に用がある、女は未来の自分に忙しい」

という事だからなのか。たしかにわかる気がする。

逆に人生の中で出会った人で、もしもこんな風に想われていたら…。こんなにも影響与えてしまってたら…。

切ない情景が目に浮かぶような文で、渋谷ラブホ、ラフォーレ原宿、エクレア工場、どれもノスタルジーたっぷり。自分の記憶と重なるのかな、エクレア工場で働いた事ないけど。

犬は吠えるがキャラバンは進む/オザケン

が聴きたくなる。シーフードヌードルに牛乳もやってみよう。

章題の書体サイズ、でかっ。

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2023年12月22日

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小説も映画も冷静になればリアリティのなさを感じる作品ばかりの中、この小説は痛いほどリアリティを感じて驚きと既視感を味わった。
こんな小説も良いなとつくづく思った。

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2024年02月06日

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メディア業界で働く燃え尽きかけた主人公。SNSで見つけた昔の彼女のプロフィールをきっかけに、これまでの仕事や恋愛の出会いと別れを回想していく。90年代のサブカルチャーが要所要所で織り込まれ、その時代に若者だった人はドンピシャな描写が多い。相手に全てを見せないのと同じように、自分も相手の全てを見ることはできない。そんなことを読みながら感じた。

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2024年04月16日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ読みやすかった!出てくる女がへんてこな小説って大好きなんだよね
エモいって言葉で片付けられてて避けていたんだけど、反省しました
エモいという言葉がこの世からなくなりますように⭐︎

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2024年04月09日

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きっと誰にでも、生きていれば、たとえもう会うことが出来なくてもふとした瞬間に思い出して
古傷のようにジクジクと痛みだす恋があるのだろう
そういう人の、なんでもないたった一言が
別れた後も自分の中で成仏せずにつきまとうのだろう
そういう物語が街中ですれ違うもう二度と会わないかもしれない他人の人生にもあるのかもって考えたら
人間の弱くて愛おしい色んな表情が見えてくるかもしれないなぁ
個人的には主人公の年齢、40代の人に特に読んでほしい一冊!
きっと嵌ると思うんだよなぁ〜!

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2024年03月28日

Posted by ブクログ

期待値が高すぎた…!
大人とか子どもとか、そんなものはなくて、若い頃の鮮烈な記憶はちゃんと後を引くし、ボクたちみんなそうなんだ、と分かる。分かるんだけど時系列がめちゃくちゃなのと、わりとトリッキーな主人公とその恋人なので、感情移入がしづらかった。

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2024年02月26日

Posted by ブクログ

何とも言えない人生のように見えるストーリーだが、人生唯一で最高の恋愛が何故かとても体感できるような憑依本。もどかしくむずがゆい恋の感情を感じさせる。
そして肝心のその相手の女性がブスという点がこの本の魅力。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

雑誌の文通コーナーでの彼女との出会い、週末の格安ラブホテル、行先のない旅、身体を売る黒髪ショートのスー、ゴールデン街のすみっこにある和食居酒屋「BARレイニー」で迎える朝。
ああ、いいなぁ。うまく言葉がみつからないけど、いいなぁ。

自分が経験したわけじゃないのに何だか懐かしくて、恥ずかしくて。どこまでが燃え殻さんのリアルなんだろう。好きだなぁ。

読みながら聴いた、クリープハイプの「ナイトオンザプラネット」がこの小説の雰囲気にぴったりだな、と思ったり。

⚫彼女から勧められ た作家の新刊は、今でも必ず読んでいる。港区六本木にいながら暑い国のことを考え るのは、インドが好きで仲屋むげん堂で働いていた彼女の影響だ。彼女はボクにとって、友達以上彼女以上の関係、唯一自分よりも好きになった、信仰に近い存在だった。ボクが一番影響を受けた人は、戦国武将でも芸能人でもアーティストでもなく、中肉中背で三白眼でアトピーのある愛しいブスだった。

そうだ、週末に牛乳シーフードカップヌードルやってみよう。

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2023年09月26日

Posted by ブクログ

書き出しに「ウワーッ香ばしいゼェーッ!この本失敗したかもしれん!!」と思いつつ読み進めていったら、あまりにもリアルすぎる心情描写にぐいぐい引き込まれた。
『この人からしか得られない感覚』『人生を突き動かされている感覚』というのはわたしにも覚えがある。たぶんそれを運命の人と呼ぶのだと思うけど、結ばれない運命の人と出会ってしまうことは、幸せなのか、それとも。
あいみょんの寄稿に泣いちゃった。

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2023年09月24日

Posted by ブクログ

映画も観よーう。

私が女性だからか、あんなに自分よりも好きだと思ってた人のことも、こんなに引きずらないなー。女性は新しい恋で完全に忘れますよね。何かのきっかけで思い出すことはあれど、こんなエモい感情にはならない(゚∀゚)主人公は主体的に行動せず、不完全燃焼だからか?恋は燃焼しきるに限りますね★

「うれしい時にかなしい気持ちになるの」

「男は過去の自分に用がある、女は未来の自分に忙しい」

「人生の本当に大切な選択の時、俺たちに自由はないんだよ」

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2023年08月29日

Posted by ブクログ

 自分より大切だと思える人、なかなかいないよなぁと思う。口ではそうは言っても、いざという時はどうしても自分が中心になってしまうもの。そんな時も自分より大切に思える存在というのは…。またそう思える人の心も尊いものであると気づかされる。
 そういう人と繋がっていられることは、自分の存在意義を確かなものにしてくれることでもある。何とか社会にしがみついて、自分の居場所を確保したくて日々過ごしている、そんな漠然とした日常に、やはりそのような人は欠くことのできない大切な存在に思えてくる。だからこそ、人は人のことを思いやれるのかもしれないと感じた。

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2023年08月13日

Posted by ブクログ

最近お気に入り作家であるFに、文体やリズムが少し似ているように感じた。

『Hot-Dog PRESS』には、“髪の毛を切ったことにすぐ気づくだれかはアナタとベッドインしたい人だけど、アナタもまだ気づいていない小さなキズを見つけてくれただれかは、アナタのことをきっと好きな人です“と書いてあったけど、ボクにはその意味がまだ分かっていなかった。

この文章だけはなぜか読む前から知っていた。

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2023年08月08日

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