感情タグBEST3
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夫・一郎太が過労で急死して未亡人となった瞳。
瞳の同級生で、脚本家の卵である健児。
一郎太の母・静江。
章ごとに各人の視点で描写される。
読み始めは3人の関係性にとても違和感があったけど、段々3人の心情が理解できて、その気持ちに寄り添えるようになっていく感じが不思議だった。
結末は哀しくもあり、前向きでもある。
最後のシーン、別れ際に静江が言う「マイ・フレンド」。
とても素敵だった。
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再読。
瞳さんが選んだ道が、何故?とは思いつつも分かるようで切なかった。
健ちゃんの側で甘える女じゃいられないのが瞳さんだから仕方がないんですね。
瞳さんから見た静江さんは、亡き元夫のお義母さんという難しい相手。
でも、静江さんは一人で息子の死を乗りこえた。
結果とても魅力的な女性になったと思います。
瞳さんがそこまでの思いに至ることが出来たかは分かりませんが、静江さんに対する気持ちは以前と違ったものになっただろうと思いました。
健ちゃん、幸せになって欲しい。
仕事が成功しそうだし、そこに不安はないけれど、幸せになるためのお相手がまた瞳さんだったらいいなと願っています。
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ユニークな繋がりの3人の主人公
再婚だったり、知り合って間もなかったりで、好意があるのに3人は距離を取りながら、話は進んでいく
この距離感や遠慮がちな言動には共感してしまう 大切なことは言葉にしないと分からない それでも、それを後回しにしてしまう自分と重なってしまった
3人がバラバラになってしまう悲しいラストに、今の自分のままではいけないと焦ってしまうほど
身勝手な瞳さんには、全く共感できなかった 再婚よりも離婚はもっと慎重に、そして踏ん張らないといけないのではと思った 相手が優しすぎる健児だからなのかもしれないけど
展開はテンポ良く、意味をたっぷり含ませた文章に引き込まれていく
中村屋に行ってみたくなった!静江さんの手料理も美味しそう!さすが原田ひ香さん!
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ギリギリってそういうことだったのね。
面白いシチュエーションだけど、瞳と健ちゃんの繊細さ、静江さんの典型的昭和の主婦の微妙な変化、きめこまやかに描かれていて、ますます原田ひ香さんが好きになった。
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本のタイトルの『ギリギリ』ってなんだろうと思いながら読みましたが最後の章で(遅いかもですが)納得しました。
章ごとに複雑な関係性の三人からの視点で描かれていてそれぞれの立場に立って読むことができて良かったですし、亡くなった一郎太さんを中心にした三人の心の動きに共感することもできました。
寂しさも感じつつでしたが、終始温かい小説でした。
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亡くなった夫の母と、現在の夫との端からみたらちょっと首をかしげたくなる三人の関係。大きな事件が起こるわけでもないし、お互いに普通にやりとりをするのだけれど、心の中は様々な思いが渦巻いていて、読んでいて引き込まれる。
それぞれの関わりや、亡くなった一郎太を通して、自分の思いに気が付いていく。
自分に息子がいるからだろうか、「スカイプ」の静江さんの、息子一郎太を思う描写に涙が出た。
タイトルの「ギリギリ」が「義理義理」だったとは。
解説の仁木英之氏も書いておられるように、心の中に余韻が残る素敵な作品であった。
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登場人物それぞれの視点で
描かれているのが面白い。
それぞれの脆さや弱さがひ
しひしと伝わる表現、
それでいて読み終わった後は
どこがすっきり、
さっぱりした気持ちになります。
原田ひ香さんの作品は
初めて読んだのですが
他の作品も気になります!
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3人の関係性が面白いなと思った
静江さん、その義理の娘(夫は他界)、義理の娘の再婚相手 という珍しいパターン
セリフ多めでとても読みやすかった
複雑な関係だけど、最後はそれぞれが何かしらを見つけて強くなってく感じ
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とても読みやすくてどんどん進めた。
一生懸命生きている人達がそれぞれに成長していく様子に勇気をもらえた。
個人的には、夫婦はお互いの考えていることをちゃんと伝え合わないと、と改めて気づかされた感じ。
超ハッピーエンドではないけれど、みんな前向きに生きていこうと決めるラストに安心した。
こういうラストの本、好きです。
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最後にわかるタイトルの意味。なるほどなあ。
間接照明的に浮かび上がってくる一朗太の人物像が、なんか全く魅力的ではなくて、なんでこんな人に振り回されてるんだろうと思った。既に気持ちがマイナスになってしまった妻からの目線のせいかな。
是非ともこんな人は過去にして、歩いていって欲しいもの。
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ギリギリ。なんだか不思議な関係の話だった。
死んだ旦那さんのお義母さん、今の旦那さん、再婚した嫁さん、死んだ旦那さんの浮気相手。
こんな人間関係ギリギリだよね。
夫婦ってなんなんだろ。
ほんと。。。なんていうかもっと自由になれればいいのになっておもった。
やっぱり違った、ってなってもいいんだよ。
うん。そう思った。
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夫が亡くなり再婚した瞳。今の夫健児はシナリオライターの卵で、仕事のない今は亡夫の母に頼られて連絡を取り合ったりしている。そして瞳も亡夫の浮気相手だった女と会って食事をしたりしている。
不思議な関係を結ぶ人達、やがてその関係に綻びがでてくる。
亡くなった夫の存在が皆の心の中に潜んでいるようで、少し怖いなと思った。
奇妙な関係性の人々もどこか危なくて落ち着かない気分にさせる。
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タイトルの意味が最後で漸く分かった。
結果としてどうなろうと、それまでに繋いだ縁とか知り合いとかまで清算されるわけじゃなくて、それは悪い方の関係にも言えるわけで、そういうのが続いていくんだろうな、と漠然と思えた
静江さんみたいなおばあちゃん、わりと理想だ
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一気読みしたので、文章は引き込まれたのだが、共感できるところが無かった。最後の主人公の瞳の結論にモヤモヤするものを感じて読後がスッキリ出来なかった。
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だんだん面白くなっていくストーリーだった。
夫の一郎太が過労死し、元同級生と結婚した瞳。
結婚相手の脚本家の卵健児。息子の死に縛られる一郎太の母静江。
奇妙な関係の3人が次第に前を向いていく話。
二度と電話してくんじゃねえクソビッチ‼︎
のセリフには思わず吹き出してすごく頼もしく思った。じんわり楽しめる人間関係小説。
Posted by ブクログ
女に浮気はない、本気しかない
みたいなセリフが刺さったけれど
愛を試すための浮気があることを知っている。精神医学でボーダーという。学生の頃に、私はそれを受けた。めっちゃ浮気で本気じゃなかったから許した。
それはまぁいいとして。
空のグラスが寂しさならば、注ぐ水はなんだろう。
愛の誓いかもしれない
信頼かもしれないし
紛らわしかもしれない。
グラスに再び注がれたカクテルに安心したけれど
グラスは洗うことができなければ、前に注がれていたカクテルの味が残る。飲まずとも、いや飲まないからこそわかるのだよ、わずかなにごりが。
それでもグラスは洗えない。
そんなカクテルの味は、切なさだろう。
そんな話でした。
私は瞳に賛成しない。てめぇ純愛してんじゃねぇ。愛せよ。と思う。健児は瞳から愛されるべきだし、終盤の展開は瞳のわがまま以外、何物でもない。でもそれさえ怒りもせずに聞けてしまう健児をみると、「僕は瞳が好きだ、愛している、もう一回プロポーズさせてくれ」といえない健児をみると、仕方ねぇのかなと思う。
二人のことだから。だから健児にも賛成できない。自信を!自信をもってくれ健児!
静江さんはもどかしかっただろうし、節度をもって二人と距離をとっていた。そこは賛成する。
愛おしい生活と、愛おしい人の
どちらかがあればそれで人間は満ち足りてしまうのだと思う。だから人は独りでも幸福になれる。
瞳は、忙しくなった健児と、拾ってしまったテキストでその両方がなくなったことに気が付いたんだね。
でもそっからじゃん!?そっから粘って乗り越えよう、なんとかしよう、って頑張らないと。なんだよ、すぐ家出ていきやがって。しかも健児がいちばん大変な時に。まじでなんなんだよ。本当に軽い結婚だったんだな。
健児!おまえもおまえだ!脚本家のクセにぜんぜん弁がたたねぇな!先に考えるな!思え!「思ったことをどう言うか」というのが結局考えることだ!だから言わなきゃいけない。一郎太の家にこのまま独りで残ることと、彼女に「ぼくはきみがすきだ!行かないでくれ!」と泣きつくことの、どちらのみじめさを取るんだよ?後者だろ!瞳のこと好きなんだろおまえは!!!くそが!!!頑張れよ!!!なんで頑張んねぇんだよこいつら!、!
となんだか瞳に対してとても身勝手なやつ、健児に対してもっと頑張れよ!という、そんな印象が強すぎて、こんなふうに語ってしまう小説でした。
みんな幸せになれ!
う~~ん
この著者の作品は、初めて読んだ。軸となるのは、三人で、初老の女性と、その亡くなった息子の妻だった女性と、その再婚相手の男性。初老の女性からしたら、最後の男性は、義理の義理、ギリギリ….….と、ここで、本の題名になった。ちょっと複雑で、何となく、どうなるのかなと思いながら読んで、読後は、ちょっと、唸ってしまった。面白かったとは、言えない….….もやもやした。複雑な気持ち。
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久しぶりに読んだ原田ひ香さん。
夫→妻→妻の元夫(死別)の母親→妻→夫の目線で書かれる全5章。
盲目からの脱却。
文庫本を読んだのだけれど解説を読んで「だから彼女の本は映像が頭に浮かびやすいのか!」ということを知ることができました。
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夫が突然亡くなったりしたら、同級生と再開して再婚することもあり得ると思います。そのことが後になって「やはり間違っていたのではないか」と思い悩んでしまうなんて切ないですね。 夫婦のことはその二人にしか分からない、といいますが、自分自身の気持ちさえも判らなくなるなんて人と人との繫がりって難しい。
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なるほど。義理義理の関係だから、題名が『ギリギリ』なのね。しかし、それだけでなくて、それぞれがギリギリの感情を持っていてって意味もありそうだなぁ。。題名だけでも深い。
とても、難しい題材の小説なのでは?と思ったし、どこに着地するんだろう?と読んでいった。章ごとに物語の視点が変わるので、それぞれの感情がストレートに伝わってくる。それぞれがとても人間的だ。
巻末の解説にもあった『人間は脆い部分を持ちながら、一方でどれほどぺしゃんこになっても立ち上がってくる強さも併せ持っている』っていうのに納得。原田さんの文章からヒシヒシと伝わってきた。
そして、結局、人を救うのは人なんだなぁとも改めて。
ちょっと切ない感じで終わってしまったけど、それぞれがまた幸せになってくれたらいいなと思わせるお話だった。
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夫を過労死で突然亡くした妻・瞳。その寂しさから、早々と再婚した相手の同級生・健児。前夫の母親。三人が、微妙な関係を保ちながら、日常生活を過ごしている。
瞳は、多忙な仕事に追われている。健児は、まだ売れない脚本家、瞳のマンションに居候的佇まい。義母は、一人暮らしの不便さを、関係の薄い健児に頼る。亡くなった夫への、息子への気持ちをそれぞれ隠しながら。さんすくみではない、三つ巴でもないけれど。関係性が未確定のまま気持ちがすれ違っていく。
健児さんのお人柄の良さが溢れている。妻のできない家事を支えて、義母の困り事を引き受ける。もう、多少何がずれたって、それで良いのでは?と思うんだけど、最後の亀裂が入る。
後書で、この関係性を相克と表現していてなるほどと同意。でも、社会や家庭は、相克しあって成り立つのだあ。ちょっと、ストレスが残る。
Posted by ブクログ
どの登場人物にもあまり感情移入できなかったが、彼らの苦しく生きづらい気持ちは伝わっ
てくる。瞳は特に、真面目すぎてネガティブに考えすぎるから余計にしんどいだろうな。振り回された健児が可哀想だったが、瞳の選択も彼女の人生において前を向いて生きるためには必要だったし仕方がない。最後の方の吹っ切れた静江さんが、爽やかで気持ち良かった。
個人的には、10年前に読んでいたら刺さっただろう。
Posted by ブクログ
みんなの視点で描かれる物語がとっても面白かった。
みんなが、もう居ない一郎太さんをそれぞれに想う感じ、とても読みやすくてスラスラ読めた。
個人的には静江さんがめっちゃ好き。
瞳さんはあんまり好きでないなぁ…。
原田さんの本を初めて読んだけどもとっても読みやすくて楽しかった。
また読もう!
Posted by ブクログ
一度きりの人生だから、道の選択は誤ってはいけない。妻、夫、元姑の奇妙な三角関係が織り成す極上の人間関係小説。
人間関係は難しいが、社会の一員として避けて通れないもの。無関心を貫くのか愛想よく降り舞うのか。その因果が、結局は自分の人生の道を決めているのかもしれない。いつも舞台設定が上手い原田さんだが、本作もお見事である。
Posted by ブクログ
わざわざつきあう必要もないのにつきあってしまう。「結婚相手の女性の姑」なんて、ほら、こうして書いてみてもその関係がわかりづらい。
つまり、その女性は元夫と死別した後に再婚。女性が姑と縁を切れないのはわかるけど、姑の買い物につきあうのは女性の再婚相手の男性。その女性は女性で、亡き前夫の不倫相手からの誘いを断れずにいる。わざわざ面倒くさいつきあいに乗ってしまう人たちの連作短編集。
そういうつきあいを選ぶのも悪いことばかりじゃないかも。各章のタイトルが4文字の片仮名なのが面白い。女性陣よりもかの男性に肩入れ。さしてギリギリでもない気はするけれど、ちょっぴり切なくて○。読みやすくて息抜きに最適です。