【感想・ネタバレ】NEWRAL NETWORK ミリンダ・ファイトのレビュー

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Posted by ブクログ

大美田市(でかびたし)って一体どこの都市をモデルにしているんだろう。地下鉄もお城もあるということはなかなかの大都市だぞ。

「燃える!お兄さん」など、それまで学校を舞台にしていた連載作品とは違い、今回は大美田市役所の「ブース課」などという便利屋的な課が、中心となる。
50年後の未来で、ミリンダ工場が大爆発、ジュラ紀にタイムスリップしたものが現代に発掘されるという何とも無茶な設定。
どうも物語全般においてあまりにも急な無茶な設定が多い気もする。

さすが、佐藤正先生、ロボットに関しては右に出るものがいないほど上手い。

後半は、ギャグの要素でなく、佐藤正作品には珍しいロボット同士の真剣な戦いが始まり、
そこに宇宙人の侵略や、同じくタイムスリップしていたマーブルとプレッツェルの二体のロボットが見つかって敵にまわるなど、
複雑な戦いが展開される。

ミリンダにはOJC(おじょーちゃん)回路というものが組み込まれていて、感情や意志も持つことができるのだ。

前半は、ミリンダが次第にいろんなことを覚えていきながら成長していく微笑ましい物語になっている。
ひょっとしたら、人間とロボットの間の愛着関係って、単にモノ以上のものなんじゃないかなぁと思わされる。

ミリンダと戦うグレープはOJC回路が入れ忘れられて、悪いことも平気でできるのであったが、
宇宙人の襲来という突然の共通の敵の出現によって協力しあい、
しまいには、自らの命を絶って自爆してまで敵を滅ぼすのだ。

泣くミリンダに対して、グレープは「生まれた命は必ず滅ぶ
それも自分の意志じゃなく外からの力や内側からの病で簡単に滅ぶんだ」と諭す。
このグレープの最期には胸に響くものがあった。

ミリンダのモラルは、人類の根底を為す数々の名著のインプットされたOJC回路によってつくりだされていた。
それを知った宇宙人は侵略を諦めるのだが、
この物語の大きなキーワードともなるべきOJC回路とは果たして何だったのだろうか?
未来人は何のためにテクノロジーを駆使してOJC回路、そしてミリンダを産み出したのか?

一巻で打ち切りになった作品であるが、
非常にその背景の設定が気になる作品。

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2012年10月27日

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