【感想・ネタバレ】官僚の掟 競争なき「特権階級」の実態のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

【迂回路の先に】用語としては多用されるものの、実際に社会でどのような位置を占めているかについては把握が難しい「官僚」。近年になって現れた「第二官僚」という概念を用いながら、その実態を明らかにすることを試みた作品です。著者は、作家として活躍する元外交官の佐藤優。

日本人があまり語りたがらない「権力」というものが、現代日本の那辺にあるかについてとことん考え抜かれた一冊。官僚の思考法をなぞりながら、今日の日本政治がどのように変遷を遂げているかを知ることができます。

〜この本のいちばん初めに「官僚にとって、今の日本くらい統治しやすい国はない」と述べました。それは「第二官僚にとって」というのが私の見立てです。「第二官僚」に魅力を感じている次代の政治家や官僚が、いずれは「模倣」しようと考えていても不思議ではありません。〜

薄いですが読み応えは十分☆5つ

0
2019年04月22日

Posted by ブクログ

官僚は社会のどの階級にも属さず、税金の徴収と再分配という本来国がやるべきことを、今の社会はできていないというのが印象的だった。官邸の意向を見て動かないといけなくなったことはやりがいの減少につながり、社会の弱体化にとつながると思った。自分の頭で考えられる人になることが皆大事だと思う。

0
2024年02月10日

Posted by ブクログ

元外務官僚の佐藤優が、官僚の実態について書いた一冊。

元官僚だけあって、その言説には説得力があった。

0
2023年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ



久々の佐藤優
2018年には、自筆サインも頂いちゃったんで
その直後に出版されたとあれば
読むよねぇー 笑


本書は
①こんなに統治しやすい国はない
②死んだふりを続ける外務省
③官僚たちのローカルルール
④第二官僚の誕生
⑤無意識の中のケガレ祓い
⑥官僚とは何か?

以上の6章にわたって熱弁されとります

佐藤氏の書籍に関しては
結構な数読んでいるので
言ってることは大体一緒かな (^-^;

ここ数年に関していえば
外交関連よりも、教育に関心があるようです

目まぐるしい変化をしていく国際社会の中で
日本国家が生き残っていくためには
教育によって、若い世代を鍛えていくという方向に
シフトせざるを得ないと

母校の埼玉県立浦和高校で
総合科目を担当しているようで
いずれは、官僚となる人材が出てくるのではないかと
ある意味、野心を燃やしております


2018年も
数々の不祥事がありましたが…

役人の不祥事は
何も今に始まった事ではないと
netの普及によって、瞬時に情報が拡散するだけで
本質的には、同じような不祥事を繰り返していると

何故この様なコトが起こるかというと
キャリア官僚の多くは
子供の頃から勉強して、進学校から
東大法学部へ進むのが王道

国家公務員採用総合試験に合格し
府省の採用面接を経て振り分けられる

キャリア、ノンキャリア共に
一旦採用されると、重大な刑事事件でも起こさない限り
安泰な役人生活を送るコトができるという

役所内の流動性が低くなることによって
共通の価値観が生まれ
ローカルルールが誕生すると

昔からよく言われている

自殺の大蔵(財務省)
汚職の通産(経産省)
不倫の外務

三省がそれぞれ
どこに神経を尖らせているかというコト
逆に、それ以外だったら
大目に見てもらえるというのである

官僚は年次が全てである理由にも触れられていて

「エリート集団の中で、激しい競争をされると
人材の潰し合いになって、組織とし機能しなくなる」と


何とも釈然としない世界である

直近の話題では
モリカケ問題や、財務事務次官セクハラ問題
文科省の学術政策局長による、不正入試見返り事件から
防衛省の、自衛隊日報問題など

古くは、大阪地検特捜部の
フロッピー改ざん事件まで

確かに、優秀な頭腦を持った大人が
何ともお粗末なコトをしてるんだと…

日本中の国民が呆れ返るのも無理はないね

ましてや
外務省のラスプーチンといわれ
知の巨人とも言われている
佐藤氏からしたら
残された人生を、国際政治に捧げるより
未来を作る、若者たちの教育にシフトするというのは
苦肉の策だね



#佐藤優
#官僚の掟
#外務省のラスプーチン
#知の巨人

0
2020年08月27日

Posted by ブクログ

・なぜ安倍内閣がこれほど強力なのについても説明がある。
その大きな理由の一つとして、2014年内閣人事局設置より、首相官邸が官僚の人事権を握ったとがある。
・外務省については
参考図書:清武英利「石つぶて」
・「第二官僚」の出現

0
2019年01月13日

Posted by ブクログ

官僚の思考ロジック・最近の社会事象・著者の考察の3つがほどよいかたちでブレンドされている良書。



内容としてはある程度旬のあるものなので、興味のあるかたはお早めに目を通しておくと良さそう。

0
2018年11月25日

Posted by ブクログ

官僚になる人はスーパーエリートに違いないのだが、近年??と思うことも目立つ。

安倍政権の時に、森友・加計案件が問題視された。
このように後で問題が発覚した時に、事実確認と問題の原因を検証するために記録がある。
正直に文書を開示すればいいだけなのに、なぜかそうしない。
これが日本の政治か?官僚のモラルはどうなっているのか?と悲しくなった。

・森友公文書改ざん問題での佐川宣寿(当時財務省理財局長)の黙秘
・加計学園問題での文科省「総理のご意向」文書の存在隠しや公開拒否
と、官僚がなぜ真実を隠す行動に出るのか、何に怯えているのか、理由が分からなかった。

安倍政権が設置した内閣人事局。これで首相官邸が官僚の人事権を完全に握った。
その結果、官邸の意に沿わない高級官僚を排除する人事が次々となされた。
逆に官邸の意向に沿う官僚はとことん優遇された。

この、総理大臣に近しい人を異常なまでに優遇し、そうでない人は排除するという権力の乱用が組織のモラル低下原因だった。

民間企業は新自由主義の社会にいて、成果主義・能力主義で無駄をそぎ落とした生産性の高さで他社と競争している。
対して官僚組織は外部にライバル組織がない競争なき世界である。
見方を変えると、外部に同等の働き場所がないので、今いる組織の中で生き延びるしかないのだ。

官僚は法令に違反しない限りクビにはならない。
人材の潰し合いになるから年功序列で(同期以外とは)競争はない。
そして、政治家なしには仕事ができない。

政治家のご機嫌取りの仕事をしないと自分が潰されてしまう圧力の中で働く職場になってしまった。
何年もこんな状態が続いたので、今や官僚の仕事は魅力的でやりがいのあるものではなくなった。

政権がこんな官僚の使い方をしてはダメだと意見する議員はいないのか?とも思っていた。

安倍政権では閣僚に対しても、反論する大臣に「総理大臣を支持しないなら辞職せよ」と「恫喝」した。
これでは、全員一致の閣議決定で反対者が出ないのも当然だ。
自民党議員も黙認または支持する人ばかりなのが異常に見えたが、仕打ちが怖かったのだろう。

佐藤優さんは、政権発足からしばらく、安倍晋三は「反知性主義」の人間だと批判していた。
これは知らなかったし、「反知性主義」って言葉も初めて聞いた。
反知性主義の人は、「自分が理解したい形で世界を理解する」のだそうだ。
自分のことが好きで好きでしょうがないので、周囲を見ない。
自分を攻撃する人には、すぐに感情的になって、非論理的な言葉をまくしたてる。
知識が足りないだけでなく、知識や知性を憎んでいる。
都合の悪い要素は、いくら正論であっても雑音にしか聞こえない。
だから、啓蒙による説得は不可能。
ゆえに、権力を持つと手強い。

そういうことなら、新たな疑問が湧く。
なぜ、安倍晋三が総理大臣にまでなれたのか?
その理由がわからない。
政治家も国民も「反知性主義」がメジャーになっているから?
そうだとすると嫌だな。

0
2023年08月03日

Posted by ブクログ

●佐藤さんの著者の中ではちょっと精彩を欠くというか、切れ味が少ない。
●なんだか尻切れ蜻蛉みたいな終わり方だし、全体的にくどいし、何を言いたいのかイマイチね…
●前にも階級論で本を出していたけど、それよりは全然平易で読みやすい。

0
2022年09月20日

Posted by ブクログ

国家は社会に対して支配力を行使する、その実務を担うのが官僚。
社会の側にいる人たちが働いて得たお金を強制的に税として収奪して見せかけの再配分をしてくっている人々。

0
2020年08月01日

Posted by ブクログ

官僚論 良くあるジャンルだが最近の霞ヶ関の劣化は注目
特段の目新しい発見はない 佐藤優氏の著作に多い
多作で、教養深いが、これはという切り口は少ない

安倍政権について
積極的評価より安定志向の評価 民主党政権の学習効果
「反知性主義」(p50)
客観性や実証性を無視もしくは軽視して、自分が理解したい形で世界を理解する態度

0
2019年01月02日

Posted by ブクログ

難関試験を突破したひとにぎりの超エリートが、政策を作り、政治を動かし、実質、国家を「統治」している。どんなに不祥事を起こそうと変わることのない「全体の奉仕者」の実態とは何か?官僚の裏も表も知り尽くした著者の実体験にもとづく究極の官僚論。
佐藤さんの文章はとても読みやすくて、なかなか普段新書を読まない私でもすらすら読めました。普段官僚とは程遠い仕事をしているので、いまいちキャリアとノンキャリアの違いすら分かっていませんでしたが、住み分けができているから争いは基本的に起こらないという話は興味深かった。自分の仕事でも同じような感じなので、なるほどなと。本来は国のために奉仕するはずが一部の誰かのために頭を下げて働く人になっているという指摘に、このままでいいのか、この国の未来はどうなるんだろうかという不安が強く残る。

0
2018年11月27日

「社会・政治」ランキング