【感想・ネタバレ】ショートショート美術館 名作絵画の光と闇のレビュー

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ネタバレ

二人の作家さんが一枚の絵画からショートショートを出し合う競作企画。絵画もショートショートも好きな私には2度美味しい企画でした。楽しかったー!!

以下お気に入りの感想、ネタバレあり


「スフィ女」合コンに参加したら相手の女子がみんなスフィンクスみたいな格好している話。スフィ女と呼ばれる流行りがあって、スフィンクスみたいに家庭を守るよっていうアピールらしい。なにそれ最高だな!(笑)オチもいい。
「世紀の一戦」風神と雷神のプロレス中継で、解説者がなかなか話聞いてもらえないのが面白いなーと思って読んでたら、まさかの伏線やった!!上手い!
「くるよ」ぞわりとくるサスペンス、面白いー!ラストが怖い。人外の力なんだね。
「戦の始末」綺麗にまとめたなー!って感じ。絵画まんまで面白かった。オチもいいな。

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2021年03月20日

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一つの名画から触発された短編を二人の作家(太田忠司、田丸雅智)が競作するという面白い趣向だ。同じ絵から、こんなに違う物語を紡ぎだし、どちらもきらりと光る小さな宝石のように、こちらの心をくすぐる。人生の深淵という程、大げさではないけれど、ちょっぴり何かを感じさせる。作家というのは大したものだ。取り上げられた名画は、ゴッホ、クプカ、ムンク、俵屋宗達、モネ、シャガール、月岡芳年、エッシャー、マグリット、平山郁夫のもの。マグリットはあの「光の帝国」ですぞ!

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2019年11月21日

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絵を題材にショートショートを書き合うという面白い企画。作者によって視点が全く違うので、なるほどじゃあ次は?とわくわくしながら読めた。第二段にも期待したい。

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2019年10月02日

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古今東西の絵画を題材に2名の作家がショート・ショートを「競作」する。つまり一枚の絵に付き、2名それぞれが物語を作る。

これを作家ならではの特権に留めず、ペアを作ってチャレンジしてみるのもありかも笑 田丸氏・太田氏どちらの話がタイプか各章探っていくのも良いけど、それらを参考に「自分ならどんな物語にするか…」と思索にふけるのもまた違った楽しみ方になる。
各話の感想を書きたいが、ショート・ショート故に踏み込むと即ネタバレになっちゃうから、いつも通り掻い摘んでいく。

フランティシェク・クプカ「静寂の道」:元から不思議な構図やから、話を考えるのも楽しそう。『収穫される者』ではコズミックホラーっていう世界観に惹かれた。後半は少しぶっ飛んでいたけど、その辺の描写を丁寧にして尺を伸ばせばもっと面白くなり得る…はず!

ムンク「吸血鬼」: 自分みたいに血液が苦手な人は2作とも注意した方が良い、何ならこの章だけスキップしても良いかも。『吸わせ屋』に関しては鳥肌と悪寒が止まらなかったが、視点はユニークだったと思う。人って何かに魅入っちゃう(/魅入られちゃう)と、こんなにもどっぷりハマって沼化していくのかー。(素知らぬ顔)

月岡芳年「猫鼠合戦」:絵画自体は「鳥獣戯画」を想起させる。そのせいか2作ともコミカルな仕上がりだった。太田氏の『戦の始末』は、昔話みたいでオチもしっかりしている。せっかくだから田丸氏の『猫の悩み』と一緒に歌舞伎化してくれないかな笑 『猫の悩み』は落語テイストが入っており、トリに持ってきたら絶対ウケる笑

ルネ・マグリット「光の帝国Ⅱ」:太田氏の話はシリアスな面持ちのものが多い印象だったけど、『夜の町』は不思議な程に馴染んだ。あんな風に捉えたら、死も恐いものでなくなるのかも。不覚にもホロリと来た。
元ネタの絵が「光の帝国」なのに、両氏は夜と暗黒で絵の街を書き表している。それらのどこに光を見出すのかを、"鑑賞"する上でのTIPSとしておきたい。

上記の他にも絵画6作品が登場する。(↑も含め、全体的にSF・ファンタジー要素が強かった)

あとこれは巻末で判明したことだが…
実際ショート・ショートコンテストなるものが開催されていたようで、受賞作品も本書に掲載されていた。
一枚の絵からも十人十色の解釈が生じると、より確実に立証されている。

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2022年05月01日

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同じ絵画をモチーフに、太田忠司さんと田丸雅智さんがショートショートを書くという、おもしろいスタイル。
全く違うスタイルになることもあれば、どこか同じ匂いを感じる作品になることもある。
趣向も作品自体も楽しめるものだった。

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2022年01月14日

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1枚の絵画から紡がれる小気味良い物語に心を奪われた。

自分も1枚の絵を題材に何か書いてみたいなぁなんてふと思った。

特に気に入った絵画はルネ・マグリットの「光の帝国II」とそれをもとに書かれた2つの作品。どちらも暗闇の街を巧みに利用した話だった。

特に太田忠司さんの「夜の町」にはひかれた。知らない道、知らない方向へと足を向ければ、自分もいつか、暖炉の前に揺り椅子のある家に辿り着けるかもしれない。そんな微かな希望を抱きつつ、この辛く世知辛い人生をなんとか生き抜いていく。その先にいる、老婆といつか出会えることを夢見て。

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2021年10月23日

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ショートショートということで読みやすく、それでいて絵から醸し出される不思議な雰囲気の話が素晴らしかった。
いい美術館巡りになりました。

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2021年04月24日

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こんなに奥行きのある、個性ある物語が生まれてくるのか。と2人の作家の絵画に対しての見方の違いや、物語の方向性が様々で面白かった。短編だから読み易いし、絵画に対して想像を膨らませるのも楽しい事だな。と自分の中で絵画の新しい見方を見出す事ができた作品。

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2021年02月05日

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ゴッホ、モネなどの10の名画をテーマにし、二人の作家がショートショートを競作。

ショートショートと美術ものという好きなものが組み合わさった一冊で、面白くないわけがない。お二人の物語も面白いし、もとになった名画にも興味がわく。

太田さんのほうは、ゾワッとしたり、ほっこりしたり。好きなのは、クプカ「静寂の道」の「収穫される者」、ルネ・マグリット「光の帝国Ⅱ」の「夜の町」。
田丸さんのほうはユニークでクスクスと笑えるものが多い。好きなのは、シャガール「サーカス」の「鉄の曲芸師」、ルネ・マグリット「光の帝国Ⅱ」の「闇の住人」。

ショートショート熱が再燃しそう。

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2020年06月15日

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初出 2016〜18年「オール讀物」

二人の作家が、10枚の絵についてそれぞれ掌編を競作したショートショート集で、おもしろい試み。

ゴッホの「夜のカフェテラス」の太田氏の「語らい」がいい。死者との会話が楽しめるカフェの席があったらいいな。
モネの「雪の中の蒸気機関車」は太田氏の「目撃者の証言」のVRを使った犯罪、田丸氏の「願いの蝶」の雪の中で折り重なる恋人たちの死、どちらも面白い。
マグリット「光りの帝国Ⅱ」は、太田氏の「夜の町」が深い。「あなたは結局、誰にも心を許さなかったわね。」という台詞が心に刺さる。

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2019年01月04日

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【収録作品】ゴッホ「夜のカフェテラス」 「語らい」太田忠司 「灯りのカフェ」田丸雅智/フランティシェク・クプカ「静寂の道」 「収穫される者」太田忠司 「スフィ女」田丸雅智/ムンク「吸血鬼」 「緋色の髪のマダム」太田忠司 「吸わせ屋」田丸雅智/俵屋宗達「風神雷神図屛風」 「世紀の一戦」太田忠司 「風神雷神コンテスト」田丸雅智/クロード・モネ「雪の中の蒸気機関車」 「目撃者の証言」太田忠司 「願いの蝶」田丸雅智/シャガール「サーカス」 「くるよ」太田忠司 「鉄の曲芸師」田丸雅智/月岡芳年「猫鼠合戦」 「戦の始末」太田忠司 「猫の悩み」田丸雅智/エッシャー「写像球体を持つ手」 「転移狂詩曲」太田忠司 「球面の男」田丸雅智/ルネ・マグリット「光の帝国Ⅱ」 「夜の町」太田忠司 「闇の住人」田丸雅智/平山郁夫「月明の砂漠」 『砂狼(ラムルゼエブ)』太田忠司 「導く者」田丸雅智/名作絵画ショートショートコンテスト受賞作
グスタフ・クリムト「北オーストリアの農家」 「復元師」田辺ふみ 「音農家」rantan 「北オーストリアの農家」太田忠司 「森の花火師」田丸雅智

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2018年11月29日

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ショート・ショート。競作。絵画。
絵をモチーフにした作品集。
全体的には太田さんの作品が好み。
自分の好きなミステリとSFの要素が、やや多いからだと思われる。
一番好きだった作品は、太田さんのSF「収穫される者」。
巻末の田辺ふみさん(一般の方?)「復元師」が隠れた傑作。

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2022年03月22日

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なるほど、小説にはこういうアプローチもあるのか、と唸らされながら、高いリーダビリティでワクワクしながら読めるショートショート集。

ゴッホやムンク、俵屋宗達らの名画を題材として、その名画から浮かぶインスピレーションを元にした自由なショートショートというだけでも面白いのだが、2人の作家が同じ名画を題材として競い合うという図式が見事。

例えば、平山郁夫がシルクロードを旅する一団を描いた「月明の砂漠」を、一人は砂漠に巣食う化物に襲われるホラーとして、もう一人は宇宙の神秘を描くSFという、全く違った作品に結実させている。

この工夫によって、名画を題材とする読み手のイマジネーションが広がっていく。ぜひ、美術館のパンフレットなんかでこの意匠が取られると面白いんじゃなかろうか。

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2020年06月07日

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名画をテーマに二人の作家がショートショートを競作…というコンセプトがおもしろそうだったので読みました。でも実はショートショートってちょっと苦手で、物語の世界に入り込んで浸るのが好きなので、ショートショートだと入り込む前にお話が終わってしまって物足りなかったんです。でもこれは、どれもちょっと不可思議なお話ばかりで素直におもしろかったです。

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2020年05月04日

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 結果はお読みのとおりである。読者それぞれが優劣を決めていただいても善し、ただ素直に書き手が違うと一枚の絵でもこうまで違う物語が生まれるものかと楽しんでいただくのも一興である。僕はとても楽しんだ。

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2019年03月23日

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絵画をテーマにしたショートショート競作集。落ちで勝負するタイプではなく、読ませる小説ばかり。太田さんのほうが優勢かな…。元の絵画も載ってはいるがモノクロなのが惜しい。

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2018年12月22日

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