【感想・ネタバレ】雪の伯爵とシンデレラのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

素敵なお話だったと思います。

この物語りをひと口で言うなら、「恋人たちの愛の再生」の物語りです。
若き日、賭け事で多の額借金を拵えた伯爵である父親に引き裂かれた若い恋人たち、それが主人公のソフィであり、現シルボーン伯爵でした。
伯爵はソフィが自分を捨てたのだと思いこんでいたのに、真実は彼の父親がソフィに息子は別の女性と結婚する-と、伝えたからこそ、ソフィは出ていったのです。

8年もの間、ソフィを憎みつつも憎みきれず求めていた伯爵、身分を隠して准男爵の屋敷で三人の娘たちの家庭教師として過ごしていたソフィ。
クリスマスを控えた雪の日、伯爵の乗った馬車が激しい雪に立ち往生したことで、二人の交わるはずがない人生が再び交わります。
予期せぬ再会、二人の間に燃え上がる愛憎の混じり合った恋の炎。
クリスマスの魔法は、二人の間に降り積もった複雑な感情から二人を解き放つという素敵な魔法をかけてくれました。
結局のところ、二人ともに表面には憎しみという氷があったとしても、心の奥底ではずっと互いを激しく求め合っていたからではないでしょうか。

ソフィが亡国の王女だったという設定には、いささか驚いたし、かなり突拍子もなく明らかになったので、その辺りはストーリー展開としては不自然な気もしますが、、
また、タイトルの「シンデレラ」はソフィが王女様なら、ちょっとふさわしくないようにも思います。
ですが、それは些末なことかもしれません。
長編ですが、語られるのは伯爵が雪でソフィの元に迷い込んでからクリスマス過ぎまでのわずかな期間の出来事です。
二人が表面は憎しみ合って居る風に見えながら、その実、惹かれ合っている様子が切なく滲み出るように伝わってきました。
最後はめでたく長年の誤解も解け、晴れて結婚式のシーンで終わります。
クリスマス間近のこの季節にふさわしい、素敵なハッピーエンドの物語りでした。

0
2018年12月02日

「ハーレクイン・ロマンス小説」ランキング