【感想・ネタバレ】風味絶佳のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

悲しくなったりくるしくなったりしたい人なんて誰もいなくて、楽しい嬉しいことだけなぞって生きてたい。
つらいことはしたくないし嫌なことはみたくない。
日々の幸せなところだけを享受していたい。

でも、そんなことは不可能で、いっぱい上手くいかないことがあって、少し上手くいってもまたすぐにだめになっちゃって、全然ままならない。

でも、だから愛しい。
明るいばかりじゃない人生が少し愛しくなる6つの短編

(あと、帰り道に、キャラメルを買って帰りたくなる。)

0
2023年10月21日

Posted by ブクログ

美味いねぇ。
普段この手合いの作品を手にしないけど堪能させていただきました。ガテン系の男の世界を描きつつ、何とも微笑ましい短篇集だ。タイトルとカバーも絶品。

0
2022年07月26日

Posted by ブクログ

あーえいみさんの小説だ。
一つ読み終えるごとに顔を上げて感傷に浸る。なかなか言葉にできない。作り上げてきた私の薄っぺらい価値観。えぐられてぐちゃぐちゃに掻き回されていく感じ。この複雑な愉悦(光悦、恍惚?)に陥るお決まりパターン。うっとりする。


1番すきなのは「アトリエ」。あーちゃんが私のようで驚いた。私だってつじつまが合わない。納得がいく酷い過去を持ち合わせない。ほんとうはないもないのに、心の中が重くて仕方ない。この世界に生まれた、人間として命をもった。生きているだけなのに。運命を全うしているだけなのに。なぜかいつも辛い。逃げ出したい生まれ変わりたい。そんな毎日。どんくさくて社会不適合者なところもそっくりだ。
しかし1つ違うところがある。あーちゃんはゆんちゃんを愛している。私はもう17年も生きていているのに。誰も愛していない。まずは人を愛せるようになるところから、だなあ。
私も手足が冷たい。季節や時間帯に関係なく。血液が騒ぎ出して皮膚表面まで昇っていく感覚。体がぽかぽかしてる。あの人と生きている実感がほてりを冷まさない。そう感じてしまう人。私を一部分にしてくれる人。掴みたいと思った。
だけど分からない。似ているはずなのに。あーちゃんは何を思っていたのだろう…。あれは自分のでっち上げじゃなかったの。悲劇のヒロインのおとぎ話じゃなかったの?今の私には分からない。いつか自分で考えて分かる日がくるといいな。


1つだけ刺さらなかったのは「海の庭」。思いは同じなのに、2年も何年も関係をはっきりさせない若くない2人。なにちんたらしてんねん!これだけ風味を感じられなかった。いやらしさが分からない!いつかに読み返す頃はこの感想が変わっているのだろうか。



主人公に感情移入してしまった「春眠」。複雑すぎる!章ちゃんは2人を受け入れられる日が来るのだろうか。来るとしたら、章ちゃんは別人だろう。私も痛いところをつかれた。嘘をついてカッコつけてしまうところが章ちゃんと同じ。素直って素敵だよね、カッコつけるの控えよ。妹のキャラクターが好き。あなたの味方だよ。何があっても。それってなんて幸せなんだろう。今の私にはそう心から思える人がいない。

月九ドラマじゃ放送できないような、ねちねちした愛の形がすき。そうキャラメルのよう。本から目をあげると、世界は一層色をもって鮮やかに映る。私の世界の彩度をあげる。えいみさんに出会えてよかった。
「風味絶佳」の"風味"とは食べ物に限定されない。人生とは人それぞれ十人十色の風味がある。その妙味。まさに絶佳。


風味絶佳な人生に仕立てたい。

0
2021年03月26日

Posted by ブクログ

恋愛小説はちょっと苦手だけど、これは比較的読みやすかった。印象に残ったのは「春眠」。章造の気持ちを考えると…だけど、こんな愛の形があってもいいんじゃないかな。

0
2020年04月07日

Posted by ブクログ

長男と二人で読む、息子に読ませる以前に何度も読んでいたので、安心して与える事が出来た。傷心した日には、思い出してほしい一冊。

0
2018年10月06日

Posted by ブクログ

男と女はかくもままならぬものかな。ままならぬものだ、というのは話に出てきた女の子が言ってたんだけどもね、男女関係、あらゆる小説においてこれが語られることはほとんどなく、太古の昔から語らるにも関わらず、いつまでも誰もが学ばずに、そしてままならない。いやはや。
でもそんなままならない話ばっかりだから読んでてはうあーってなるかと思いきや、そうでもない。分かる、というのでもなく、かといってあり得ないほど自分とかけ離れているわけでもないんだけど。
でもこの空気感は大好き。としか言いようがない。

0
2016年11月30日

Posted by ブクログ

読後の後味は甘すぎるチョコレートやキャラメルを嚥下した後、喉に絡みついたり、ひりひりする感覚に似ている。
どれだけ甘くて楽しい生活や恋をしていてもどろりとしたそういう感覚にふと陥ることは小説の中だけではなく、現実世界で恋愛に囚われずともあると思った。

肉体労働に日々勤しむ男性に愛されるため、隠しごとをしたり独自の考えを持つ女性たちが強かでありながらも、相手がいなかったら崩れてしまうのではないかと疑う程の脆さも兼ね備えてるように感じた。

一日に一度は寂しいって思うことって人を愛するこつ。
表題にもなってる風味絶佳が一番好き。
グランマ(不二子さん)チャーミングでとっても素敵。

0
2023年12月12日

Posted by ブクログ

1.著者;小説家で漫画家。高校で文芸部に所属、フランソワーズ・サガン等を愛読。大学の時に、漫画研究会に所属。在学中に漫画家デビュー。「ベッドタイムアイズ」で文芸賞、「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」で直木賞、「風葬の教室」で平林たい子文学賞他、多数受賞。福田和也氏が、山田氏の「4U」「MAGNET」等を短編小説の名手と評価。
2.本書;恋愛小説の名人と言われる、山田氏の短編集(6編)。①間食 ②夕餉【人妻が清掃局職員に惚れて、家出→同棲。男に料理を作り続ける話】③風味絶佳【70歳でも真っ赤なカマロを走らせる祖母を巡る話】➃海の庭【離婚した母親の中学の同級生で、いまだに母を慕う引越し屋の男。その男を慕う娘の話】⑤アトリエ⑥春眠。登場人物は、ビジネスマンではなく、とび職や清掃局員等という人々であり興味津々。谷崎潤一郎賞を受賞。
3.個別感想(印象に残った記述を3点に絞り込み、感想を付記);
(1)『第2編 夕餉』より、「どんなに私が丁寧に作ったものでも、口に合ったためしはなかった。もっとも、私も、正確に料理はしたものの、それが彼の血や肉になるなんて考えた事はなかった。・・・味気ない妻。愛してもいないのに結婚するからこういう事になるのだ。条件だけで配偶者を選ぶから、食卓の楽しみを失う破目になったのだ。軽はずみな夫」
●感想⇒結婚観は十人十色です。某調査によれば、日本の1日当たりの結婚数は1813組→離婚は646組。3組に1組が破綻。結婚は、❝経済的な安定❞の他に、❝家と家という、複雑な人間関係を背負う❞事になります。しかし、離婚原因を見ると、男女共に「性格が合わない」が最多。従って、結婚に際しては、相手の人格を見極めると同時に、完璧な人間はいないと思うので、短所の許容範囲にも柔軟性が必要です。『恋愛→結婚→オシドリ夫婦』という幸せな人達もいるでしょうが、少数派と思います。生涯を共にする伴侶選びは重要です。そうは言うものの、大恋愛の結果、結ばれるというドラマチックな人生にも憧れますよね。読んだ小説の一節です。「仕事と伴侶。その2つだけ好きになれば人生は幸福だ」と。いずれにせよ、人間として尊敬に値するものを一つでも持ちたいものです。
(2)『第3編 風味絶佳』より、「いつだって、どのような時だって、女、優先。祖母は、それを貫いていた。幼い孫に対しても強要した。彼女と一緒の時に、志郎は電車やバスの座席に座った事はなかった。一つ空いていれば彼女に譲る。二つ空いていたら、もう一つを側に立っている別な女に譲る。・・・女がいる限り、男は疲れたままなのだ、と子供心に悟った。・・・仕込まれた事は山程ある。重い荷物を女に持たせてはならないとか、ドアは先に開けて押さえておき女を先に通すとか・・・」
●感想⇒一昔前までは、男女差別という言葉をよく耳にしました。その頃は、ビジネスの場では、女性幹部は少数でした。男女雇用機会均等法を皮切りに、十分とは言えないまでも、差別は縮小しつつあります。私も幼い頃に、祖母から「生活の各場面で弱い立場の人がいたら気配りしなさい」と口酸っぱく言われました。バスや電車での席譲り・幼子を抱えた母親へのアシスト・困った様子の人等への気遣いは当然だと思います。女性と男性では、役割や体格等が違うので、それなりの配慮が必要。祖母はこうも言いました。「他人様が困っていたら、自分の親等、大切な人と思って、行動しなさい」と。経済的に、裕福とは言えない家庭でしたが、手前味噌ながら、祖母の教えに感謝しています。
(3)『第4編 海の庭』より、「何か大きなものによって人間関係は動かされている。私達にはかなわない力強いものに。そう思うと、何故だか気は楽になる。色々な事を諦めるのに成功して、波立つ心は、ようやく鎮まる。『(作並)そんなことないよ。・・・あの時、自分から行動起こさなかったら、今、日向ちゃんともこうしていないよ。・・・人との付き合いって、全部自分の努力からなんじゃないかなあ』『(日向)努力なんて言葉、大嫌い。報われなかった時に悲しくなっちゃうよ』」
●感想⇒悩みに関する調査では、人間関係の悩みが最上位だそうです。人間関係には、憎しみ・妬み・・・、と色々あります。人は社会の中では、何らかの集団(家庭・地域・学校・企業等)に属して生きていかなければなりません。従って、人間関係を避けられません。私は、(作並)の言う「人との付き合いって、全部自分の努力から」に賛成です。色々学び、自己を確立するのです。それを武器にして(修正しながら)人に接すれば良いのです。疑心暗鬼に陥らず、へつらう事をせず、堂々と振舞えば良いのです。そう言うと、カッコいいのですが、私も人間関係に苦労しました。それにもめげずにやってこられたのは、良き友人・先輩・書物のお陰です。自分だけでは限界がありますよね。
4.まとめ;恋愛小説をあまり読まない私が、本書を手にしたのは、文章力に優れていると評判の、山田氏の作品という単純な理由です。そして、私とは異なる「肉体の技術を生業とする人々、職人の域に踏み込もうとする人々」の恋愛観を覗いてみたいという、好奇心からです。著者の表現力の巧みさと、六篇それぞれに興味をそそられる話の構成力に感心しました。高橋氏の解説での賛辞です。「現代の言葉のシェフが秘蔵のレシピで作り上げた六篇の小皿料理」と。❝個別感想❞で書いた他にも、『第六篇 春眠』では、父親が息子の片思いの女性と結婚。悶々とする生活を送る男の心情の描き方には、見事のひと言です。この小説は、恋愛がテーマと言いながら、人生の機微を巧妙に綴った作品だと思います。(以上)

0
2023年06月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

口に入れてる間はねっとり甘いんだけど
後味はビターでずっと残り続ける
キャラメルのような恋愛にまつわるお話

肉体労働に携わる男性たちに
すごく敬意を払って描写してあることが
あとがきから分かって素敵

食べ物の描写と人間の描写を
比喩している部分はものすごく生々しくて
鮮明にイメージさせられた

それぞれの短編で感じたことたくさんあったけど
読み直すとまたいろんな発見がありそう

アトリエは最後何が起きたかわからないくらい
衝撃的な展開ですぐに読み返してしまった

どれも好きだった

0
2022年01月26日

Posted by ブクログ

全部ちょっと後味が悪くてふわっとした終わり方をしていてて、最初のページに戻って「こういうことだったのかな」ともう一回考えて、料理して何かを作っているときに味を試してる作業に似ている気がした

0
2021年01月11日

Posted by ブクログ

本棚にあったからなんとなく読んでみた。

6つの短編小説にそれぞれ登場する男たちは順番に、鳶職、ゴミ収集車の作業員、ガソスタのバイト、引越し作業員、汚染水清掃員、火葬場の職員、とどれもビジネスっぽい頭脳系というよりは肉体労働を強いられるものでそういう職業には無頓着だったから新鮮だった。どの短編も個性があって読んでいて飽きない。
風味絶佳と春眠は特に印象的だった、いや海の庭もかも。どれもよかった。

今回この小説は旅先とかいろんな場所で読んでいたので、内容を思い出すと同時に読んでた周りの空気や景色も取り戻せるような気がしてなつき度が上がった。本はどこでも読めるから旅先で本を読むのは今まで少し抵抗があったが、そのことに対してとても肯定的になれた気がする。外で読むのも楽しいな。

0
2020年10月04日

Posted by ブクログ

表題作を含めた甘かったり切なかったりな6作品の恋愛小説短編集。2005年の谷崎潤一郎賞受賞作。
収録されている作品は恋愛小説ではあるが、主人公もしくは相手の男性の職業が、鳶職、清掃作業員、ガソリンスタンド店員、汚水槽洗浄員、引越し作業員、火葬場勤務と、作業服の似合うワークマン系。そして作品には必ず食べ物が絶妙に絡む。一筋縄ではいかないのが人生、特に恋愛は。

表題作は、70歳にして真っ赤なカマロに乗り孫には必ずグランマと呼ばせる祖母をもつ志郎。彼はガスステイション(ガソリンスタンド)で働き、職場には気になる同僚の女の子がいる。そんな恋愛にちょっと面倒なグランマがいい感じで絡んでくる。グランマの好物はミルクキャラメル。風味絶佳という言葉は、森永のミルクキャラメルのパッケージに書かれたキャッチフレーズの一つだという。初めて気づいた。因みにもう一つのフレーズは滋養豊富。本作には関係ないが。

自分の読書人生では手にしたことのない山田詠美だが、これも先日読んだ『一度は読んでおきたい現代の名短篇』にて『風味絶佳』が紹介されていたのをキッカケに手にした本作。というのも舞台が横田基地周辺という事て数年前までの自分のホームタウンだったという個人的理由。

0
2020年09月12日

Posted by ブクログ

2012年に読んだものを再読。

こんなに味わいのある話だったなんて…。
あの頃は映画のイメージに引っ張られてしまって、
本当の意味が見えていなかったんだな…。

やはり山田詠美先生の小説は素敵です。

0
2020年01月24日

Posted by ブクログ

何回読んでもまた読みたくなる。
簡単に感想なんて書けないから、
いつもそのままにしてる。
表紙を見るたびに甘い香りが漂っている気がしてしまいます。

0
2019年12月09日

Posted by ブクログ

映画は柳楽優弥と沢尻エリカの共演。君の心がわかるよなんていう男についていく女を、黙って見守って、俺が幸せにしてやろうとか考えてることは、錯覚か、酔ってるしかない。恋なんて、上書き保存。次から次へと移り変わっていくのが人生だ。沢尻エリカは、松田翔太や高城剛、そのほかにもデザイナーなど、いくつもの恋を重ねてきた女性だから、風味絶佳に描かれる艶やかでキュートなイメージにぴったりなのだと思う。そういう恋ができる、もしくはそんな女と付き合うってことは、自由を失う覚悟がいるし、恋と愛の間を彷徨い続ける苦しみに耐えなければならない。幼さと大人、甘さと苦さ、いろんな想いを感じさせてくれる。

シュガー&スパイスという言葉と「優しいから好きだ」と言われる主人公が妙に自分に似ていると思った。優しいと思ってしたことはなく、いつも男らしい人が好き、家庭的でなんか和んじゃうのと言われるのが嫌だった。本当は全然違うのに、、あぁ、俺だ、まさに俺がいる。と思った。映画こそ全てと思っていたら、本も侮れないと、年に数十冊は読むようになる。

以前読んだときとは、全く違う所に共感し、泪が出る。いい出逢いをしてきたからなのだろうか。うっかり買ってしまって返品されたんだなぁと、寒い部屋の中で、ひとり重い現実を受け入れる。ここに出てくる登場人物のような、風味を感じる日は、やってくるのだろうか。もともと、好きっていう感情が欠落してるから、実は、これは執着なんだろうか、自己憐憫なんだろうか、と読みながら考えてしまう。読後感は、どのストーリーも良かったのが救いだ。滋養豊富、風味絶佳!!

0
2019年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「4U」に比べて、暗いアンハッピーエンドな小説が多いようだ。
 「アトリエ」では、ゆんちゃん(裕二)あーちゃん(麻子)と睦み合う夫婦が、妊娠と共に妻の神経症に夫も巻き込まれてゆく。
 「風味絶佳」では、アメリカかぶれの祖母に見守られながら、青年が見事に恋人に振られる。
 「間食」では、年上の加代に世話される雄太が、恋人の花の妊娠を知った途端、花との連絡を切る、後味の悪さが残る。
 「春眠」では、想いを寄せた女性を実父に奪われる。
 男性主人公は、肉体労働者からみばかりだ。現場出身の僕として、本質を衝いていると言えない。

0
2019年08月16日

Posted by ブクログ

山田詠美さんの作品はこれが初めてです。テーマは職人。はじめはハネもハライもトメもなくスッとした終わり方がなんだか心細くしっくりしませんでしたが、中ごろには読み入ってしまっていました。
ほんとうに素直な心の素直な気持ちをまっすぐに表現していると思います。特にここが良いというところはありません。でも、読み入らせる力を持っている作品でした。

0
2019年05月09日

Posted by ブクログ

今回も瑞々しくきらめいた言葉がたくさん跳ねていた
三浦しをんのきみはポラリスのような読み味がした、アトリエだけちょっとわからなかった
綺麗な文字を書く

0
2024年02月02日

Posted by ブクログ

最初の「間食」を読んでわ、独特と思って面食らった。全体的に読み進めるのに時間がかかった。
海の庭、春眠は好きでした。
そして山田詠美さんのあとがき、絶佳。

0
2022年11月27日

Posted by ブクログ

地に足のついた恋愛小説だな、という印象。

同じ短編といえど、ミリ単位も成長しない人間もいれば、劇的な変化を遂げる人間もいる。
そんな人たちの恋愛模様を描いている。

0
2022年09月13日

Posted by ブクログ

現業で働く男の人と、男の人に甘やかされて料理を作る女の子。基本的に男が甘く、女が頼りないが、彼らは彼らなりに幸福そうなので良い。風味絶佳が一番強そうで周りに流されず自信のある女(真っ赤なグランマ、乃里子)が出てきて、山田詠美はこういうのが読みたくて読むので良かった。アトリエは、妊娠中に読むと少し怖い

0
2022年08月20日

Posted by ブクログ

3.0恋愛小説。恋愛が人生を変えるものと考えるか、ただの人間関係ととらえるのか。山田詠美は確実に前者。

0
2022年06月05日

Posted by ブクログ

学生時代に確か単行本で読んだはずなのだけど、覚えてない、、、
でも、「読むのが怖い」で、大森さん・北上さん一致の高評価だったので、いつか再読したい。

0
2021年11月11日

Posted by ブクログ

肉体労働の仕事をする男性との恋愛短編小説6編。

グランマのようなぶれない自分の姿を持っている人って輝いていて素敵!

0
2021年08月22日

Posted by ブクログ

「不二ちゃんは、山下さんに、おつゆみたいに、じわっと染み込んでるよ。ほら、これみたいに」乃里子は、小鉢に入った高野豆腐の含め煮を箸で押した。ほとびた高野豆腐から、出汁が溢れてくる。(112ページ)

男も女も、若者も老人も、
人は誰しも誰かを想ってる。

自分のまわりの人は、必ず誰かに好かれていて欲しい。

0
2021年05月03日

Posted by ブクログ

作者の文体が好きだったが、久しくその作品群が目に止まらす、久しぶりに読んだ。その表現力は風味がある。
ただ、今回の短編集はなにか物足りない、むしろその文体が鼻をつき退屈までする始末。この短編たちにはストーリーがないことに気がつく。今ある状況を舐め尽くすかのように描写され、前半はいいが後半は想像がつく分、雑な読み方になってしまう。風味絶佳なキャラメルというより噛みすぎて味がなくなったガムのような印象です。
比較的好きなのが冒頭の「間食」、逆に「春眠」はどうにも受け入れ難い。
色々な職業の深いディテールは、その当事者でなければ知り得ないところまで描ききっており興味深く読めた。

0
2020年09月18日

Posted by ブクログ

恋人たちの話だが、暖か過ぎず冷た過ぎず、愛おし過ぎずクール過ぎずみたいなバランス感覚が絶妙。鳶職の人の話が1番好き。

0
2019年01月12日

Posted by ブクログ

料理に凝った主婦や元気なグランマ、離婚した母と近付く母の幼馴染の作並くん、片想い相手である大学の同級生と父の結婚他、鳶職、引っ越し、火葬場等で肉体的に働く男性たちと恋の六編。恋愛を中心にしている筈で傍目にみっともないという言葉も登場するけれど、溺れた感じのない、湿り気の全くないカラッとした溌剌さ。

0
2018年10月14日

Posted by ブクログ


静かでゆっくりで。
人のわからない部分をわからないまま言葉にするの、
よく噛まないとわからないままだけど、
味があって、いいよなぁ。

どんな風に見て体験して感じたら
こんなダシみたいな文章になるのかなぁ。

0
2018年04月05日

Posted by ブクログ

山田詠美をまた読むことがあるとは。頂きものの本。さくっと一日で読んだ。山田詠美はどちらかというと苦手だった。男性がいつも主役で、女性の扱われ方がなんだか納得いかないことが多くて。いつも女性は、ふにゃふにゃしてたり、右脳人間過ぎたり、あとは逆に強すぎたり。今回も然り、と思ったけど「夕餉」はよかった。

「土鍋が音を立てている。私は、床に座り込んだ。紘に食べさせることに情熱を傾ける意味をようやく考えた。証明したかったのだ、と思った。使い終わったそれまでの人生が無駄ではなかったことを。もう一度生き直すには、あやふやな観念なんてお呼びじゃない。食べること。セックスをすること。眠ること。彼のそれらの行為に、自分が、どの女よりも有効であるのを確認したかった。空腹を満たすことから、すべては始まる。私は、彼の始まりを独占しようとしていたのだ。そして、彼の始まりに、私も便乗する。そうすれば、抱き合うことが出来る。同じ夢を見ようと約束出来る。二人にしか意味のないものが、次々と生まれ続けて、彼は手入れせずにはいられなくなる。その時こそ私は息を吹き返す。」

0
2016年10月11日

「小説」ランキング